接客業の選考に臨む場合には、転職したい気持ちやスキルをアピールする志望動機を伝えることが大切です。基本的な書き方や忘れずに盛り込みたい内容を、例文と共に解説します。NGな書き方も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみましょう。
伝わる志望動機を書くために意識したいこと
採用担当者に自分が転職したい気持ちや有しているスキルを効果的に伝えるには、伝え方を意識することが大切です。応募書類に志望動機を記入する際に意識したい、2つの要素を紹介します。
適切な文章量に収める
応募書類に記入する志望動機は、適切な文章量に仕上げる意識が大切です。短すぎると自分のことを効果的にアピールできず、やる気がない印象を与えかねません。
一方で長すぎる志望動機は読みにくく、採用担当者が全て読んでくれない可能性があります。説得力がある仕方で志望動機を伝えるためには、適切な文章量を意識することが大切です。
職務経歴書に記入する場合は300文字程度を、専用の用紙に記入する場合は記入欄の広さに合わせた分量に調整するよう意識しましょう。最後に見直し、過不足なく簡潔に記されてるか確認することも大切です。
PREP法を意識する
ビジネスコミュニケーションの基本として知られているのがPREP法です。志望動機もビジネスコミュニケーションの1つのため、PREP法を意識して書くことが大切です。PREP法とは、以下の順番で自分の伝えたい内容を述べる方法です。
- 結論(Point)
- 理由(Reason)
- 実例(Example)
- 結論(Point)
志望動機であれば、なぜ自分が接客業を目指すのかを最初に記します。続く部分で、目指すようになった理由と、スキルや経験を裏付ける実例に言及しましょう。最後にもう一度結論を記して文章を締めます。
上記の順番で記すことで、伝えたい内容を明確にしつつ、説得力がある仕方で志望動機を伝えられるでしょう。
接客業の志望動機に盛り込みたい内容
志望動機を書く際には、忘れずに盛り込みたい項目がいくつかあります。ここでは特に重要な要素を4つ紹介します。志望動機を書く前・書いている途中・書いた後の3回、下記の要素が含まれているかチェックするとよいでしょう。
業界・職種を選んだ理由
志望動機には、業界・職種・企業を選んだ理由を盛り込む必要があります。それぞれ以下の点を意識しましょう。まずはそれぞれの用語が何を指すのか正しく理解することが大切です。業界・職種・企業はそれぞれ以下を指します。
- 業界:産業の種類(小売業・宿泊業など)
- 職種:仕事の種類(企画・経営・販売員・事務員など)
- 企業:事業を運営している法人(株式会社・合同会社など)
志望動機を書く際には上記の違いを意識し、なぜ選んだのかを明確に記しましょう。次のポイントを意識して記すことをおすすめします。
- 業界を選んだ理由:応募した業界についてどの程度理解しているか
- 職種を選んだ理由:数ある職種の中で応募した職種になぜ魅力を感じたのか
- 企業を選んだ理由:応募先企業でなければいけない理由は何か
上記の要素を簡潔かつ明確に盛り込むことで、説得力のある志望動機が完成します。
自分がこれまでに培ったスキルと経験
転職したい理由だけでなく、自分が有しているスキルやこれまでの経験を盛り込むことも大切です。スキルや経験に言及する場合は、転職後に生かせるものにフォーカスしましょう。具体例を挙げると以下の通りです。
- 小売店の店員:店舗の経営や受発注管理、ストアデザインに携わった経験や培ったスキル
- ホテルのフロント:ホテル業務の経験や外国語のスキル
何を記すか迷ったら、「これを書くことで即戦力として活躍できると伝えられるだろうか」と考えることをおすすめします。
求人への応募を決断した理由
特定の求人に応募した背景には、その求人に魅力を感じた理由や応募を決断した理由があるのではないでしょうか。それらも立派な志望動機になるため、簡潔に盛り込むことをおすすめします。
ここでフォーカスしなければならないのは、応募先企業でなければできない内容を明確に示す点です。例えばテーマパークスタッフに応募したのであれば、そのテーマパークの特徴やコンセプトと関連付けて盛り込むとよいでしょう。
やりたいことと将来のキャリアプラン
転職後にやりたいことや将来のキャリアプランを伝えることで、本気度を示せます。応募した企業のビジョンに関連付けてやりたい内容に言及すれば、応募先企業を志望する理由を伝える結果にもつながるでしょう。
将来どのように成長したいかを伝えれば、長期的に働きたいと思っていることやキャリアアップしてより応募先企業に貢献したいと思っていることを知ってもらえます。
将来的に管理職などの上層部を目指している人は、忘れずにこれらの項目を含めましょう。
接客業の志望動機で避けたいポイント
志望動機に盛り込むと効果的な内容がある一方、マイナスの印象を与える内容もあります。志望動機で避けたい項目を2つ確認しましょう。見直す際は、下記のいずれかに該当していないか確認することをおすすめします。
自己PRと混同する
志望動機と自己PRを混同するミスは起こりがちです。一部似ている部分があるため、特に注意が必要な分野といえます。志望動機と自己PRは基本的に、それぞれ以下のような目的を持つ文章です。
- 志望動機:応募した業界・職種・企業で働きたい理由を端的に伝える
- 自己PR:採用することで企業にどのようなメリット・利益をもたらすのかをアピールする
志望動機は応募した理由を伝えることを、自己PRは自分を採用するメリットをアピールしすることを目的としています。
志望動機と自己PRは、いずれもスキルや経験に言及する場合があります。しかし、志望動機のスキルや経験は働きたい理由を補完するもの、自己PRのスキルや経験は文章のメインとなる要素です。
目的を正しく理解し、何を優先して盛り込まなければならないか考えましょう。
当たり障りのない内容のみを記す
具体性がなく、当たり障りのない内容のみを記した志望動機も、効果的ではありません。以下のような文章が該当します。
- 社会貢献したいと思って応募した
- スーパーマーケットの運営に携わりたいと思って応募した
- ホテルのフロントスタッフに魅力を感じた
1つ目の「社会貢献したいと思って応募した」という志望動機は、どこの企業にも通用します。どのような仕事でも、何らかの形で社会に貢献しているためです。
「スーパーマーケットの運営に携わりたいと思って応募した」という志望動機は、スーパーマーケットを運営している企業であれば自社でなくてもよいと思われる可能性があります。
最後の「ホテルのフロントスタッフに魅力を感じた」という文章も同様に、応募先企業に入りたいという意欲を伝えるには不十分です。
いずれの場合も、続く部分で補完する理由を具体的に記すことを忘れないようにしましょう。
接客業の選考に効果的な志望動機の例文
これから志望動機を書く際に参考になる例文を2つ紹介します。接客業経験者・未経験者双方のパターンを確認しましょう。
経験者として転職する場合
私が貴店の販売員に応募したのは、これまでアパレルショップで3年間働いていた経験を生かし、売上拡大に貢献できると考えたためです。貴店はデザイナーと提携して唯一無二のアイテムを生産しており、多くのユーザーから注目されています。
前職では店舗レイアウトを工夫して目玉商品を目立つようにすることで、前月比+50%の売上達成に成功しました。さらに、オンラインストアの拡大にチャレンジする機会もあり、モールへの出店により大幅な売上増加を実現できました。
店頭での販売業務に従事しながら、将来的には予定しているオンラインストアの開設・運営にも積極的に携わり、より多くのユーザーに貴店のアイテムを知ってもらい、売上拡大に貢献したいと思っています。
自分の経験を転職後にどのように生かすのか、なぜ応募先店舗を志望するのかを明確に示せています。このような文章であれば、選考担当者も「アパレルショップならどこでもよいわけではなく、自店でなければいけない理由がある」と判断しやすいでしょう。
未経験者として転職する場合
これまでに培った外国語のスキルを生かしてホテル業界で働きたいと思い、この度貴社の求人に応募いたしました。貴社は外国人旅行客をターゲットにしたラグジュアリーホテルを運営しており、世界的に高い評価を受けています。
前職ではIT営業として法人営業を担当しており、外資系企業を中心に営業活動を展開していました。その中で外国語スキルを磨くとともに、相手とスムーズにコミュニケーションを取るスキルも学びました。
習得したこれらのスキルを生かして、フロントスタッフとして貴社のホテル運営に貢献し、ラグジュアリーホテルならではのハイクオリティーなサービスを提供できればと考えています。
ホテルスタッフとして経験を積み、将来的には責任者を目指したいと思っています。
上記の例文では、接客業の経験はないものの、前職の営業で培ったスキルや経験をどのように生かせるかに言及しています。転職後の業務と関連付けて示し、キャリアパスにも言及しているため説得力があるといえるでしょう。
志望動機を魅力的に伝えて接客の仕事に就こう
これから接客業への転職を目指す人は、経験者・未経験者を問わず、志望動機で自分の熱意やスキルなどを魅力的にアピールすることが大切です。
接客業にもさまざまな職種が含まれるため、自分に向いている仕事や経験を生かせる仕事を探して転職を目指すとよいでしょう。
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