介護福祉士の志望動機を書くポイント。例文や注意点も紹介します

介護福祉士の採用選考では、志望動機が重視されます。応募先を選んだ理由やキャリアビジョンなどを盛り込み、「このポジションで働きたい!」という熱意を伝えましょう。例文を挙げながら、志望動機の書き方のポイントを解説します。

介護福祉士の志望動機に書く内容

高齢者の手伝いをする介護士の女性

(出典) pixta.jp

介護福祉士は、社会福祉施設の介護職員として、日常生活を営むのが困難な人の介護を行う職業です。

人手不足が深刻化する介護業界において、介護福祉士の国家資格を持った人材は重宝されるでしょう。介護福祉士として働く場合、志望動機にはどのような内容を書けばよいのでしょうか?

介護福祉士になりたい理由

まずは、「なぜ介護福祉士を目指そうと思ったのか」「このポジションに応募した理由は何か」を伝えましょう。

介護福祉士の仕事は、肉体的・精神的にハードです。介護福祉士の資格を取得するまでの道のりも長く、誰でも簡単に就ける職業ではありません。

採用担当者は、介護福祉士を志望する理由を通じて、仕事に対する本気度や業界への理解度、応募者の価値観などを把握します。どんなに些細なきっかけでもよいので、自分なりのエピソードを交えながら理由を伝えましょう。

応募先を選んだ理由

介護福祉士のポジションに応募した理由だけでなく、応募先を選んだ理由もしっかりと盛り込みましょう。

「人の役に立ちたいと思い、介護福祉士のポジションに応募しました」だけの場合、採用担当者は「うちの施設でなくてもよいのでは?」と感じてしまいます。

企業研究を徹底した上で、応募先でなければならない理由を明確に示せれば、採用担当者は応募者の熱意や本気度を感じ取れるでしょう。理由の一例には、以下のようなものがあります。

  • スタッフの皆さまの働きぶり
  • 施設の経営理念やビジョン
  • 利用者に対する取り組み・ケア方針

介護福祉士の志望動機で見られるポイント

車いすの男性を迎える男性介護士

(出典) pixta.jp

採用担当者は、志望動機から応募者の何をチェックしているのでしょうか?採用する側の立場に立つと、志望動機の内容がより説得力を増します。

自社とのマッチ度

志望動機が重視される理由の1つに、ミスマッチの防止が挙げられます。自社とのマッチ度が低い人材を採用してしまうと、早期離職につながり、採用活動や人材育成にかけた時間や労力が無駄になってしまいます。

志望動機には、利用者との向き合い方や価値観、仕事に対する意欲などが色濃く反映されるため、自社の方針や組織風土とどれだけ一致しているかをチェックしているのです。

内定をもらうために、うそをついてまで志望動機を作り上げる必要はありませんが、ホームページや募集要項から、応募先が求める人材像を理解することは重要です。

入社への熱意

介護業界に飛び込んだきっかけや応募先を選んだ理由からは、入社への熱意や仕事に対する意欲が分かります。

介護の仕事は体力的な負担が大きく、生半可な気持ちでは務まりません。採用側は、応募者にできるだけ長く働いてもらいたいと思っており、働く覚悟がどれだけあるのかを見極めようとします。

具体的なエピソードがなく、どの企業にも通用するような内容の場合、志望動機の使い回しと誤解されかねません。応募理由が曖昧であれば、「すぐに辞める可能性あり」と判断される可能性があるでしょう。

キャリアビジョン

応募の理由だけでなく、今後のキャリアビジョンや将来像を伝えましょう。採用側がキャリアビジョンをチェックするのには、以下のような理由があります。

  • 自社に合った人材かをチェックするため
  • 入社後の活躍を見極めるため
  • 適材適所を実現するため
  • 応募者の仕事への考え方や熱意を理解するため

キャリアビジョンというと、仕事やプライベートを全て含めた「理想とする将来の自分像」を指しますが、選考においては、ライフプランがメインのキャリアビジョンを語るのは好ましくありません。

「認定介護福祉士の資格を取得して、管理業務を担いたい」「介護福祉士として経験を積み、介護支援専門員を目指したい」など、応募職種に関連した具体的なプランを伝えるのがベストです。

介護福祉士の志望動機を書くコツ

介護士の女性

(出典) pixta.jp

採用担当者は、何通もの履歴書・職務経歴書に目を通します。「この人材に会ってみたい」と思わせるには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか?

経験や実績をアピール

介護業界は人手不足が顕著です。採用側は1日でも早く即戦力となってくれる人材を求めているため、「自分が貢献できること」をしっかりと伝えましょう。

ただし、「貴社の○○に貢献したいです」だけでは説得力に欠けるため、自分の強みの裏付けとなる経験や実績をアピールすることが重要です。信ぴょう性が増す上、「自分をきちんと客観視できている」という高評価につながります。

介護福祉士としての経験がない場合でも、以下のような経験・スキルは積極的にアピールしましょう。

  • 福祉・介護業界で働いた経験
  • 夜勤の経験
  • 過去に取得した関連資格
  • 介護福祉士の資格取得の過程で学んだこと

オリジナリティのある文章を考える

インターネットや書籍で紹介されている「志望動機の書き方」を参考にするのは構いませんが、内容をそのまま用いるのはNGです。企業研究と自己分析を行い、オリジナリティのある文章を考えましょう。

志望動機は、書類選考後の面接でも高確率で質問されます。他人の志望動機をそのまま活用した場合、面接での深掘り質問にうまく答えられない可能性が高いでしょう。

また、採用担当者は何通もの履歴書に目を通しているため、テンプレートの盗用にはすぐに気付くものです。誰でもすぐに思い付くような、ありきたりで曖昧な表現も避ける必要があります。

志望動機を書く際の注意点

志望動機には何を書いても構いませんが、内定をもらいたいのであれば、以下のポイントを守る必要があります。

  • 前職の悪口や過去のトラブルには触れない
  • ポジティブな内容を意識する
  • 条件面を応募の理由に挙げない

前職でのトラブルが転職理由であったとしても、前職の悪口や過去のトラブルについては触れないのが基本です。全体を通じて、熱意や前向きさが伝わるような文章を心掛けましょう。

条件面は重要ですが、給与・残業・勤務場所・休日などを1番の志望動機に挙げるのは好ましくありません。「条件が良い職場が見つかったら、すぐに辞める人」と勘違いされてしまいます。

介護福祉士の志望動機の例文

リハビリを手伝う介護士

(出典) pixta.jp

履歴書に記載する志望動機は、200~300字程度でまとめるのがベターです。具体的なエピソードを盛り込みつつも、簡潔で分かりやすい文章を心掛けましょう。未経験者・経験者の志望動機の例文を紹介します。

未経験者の場合

未経験者は、介護業界を目指したきっかけや自分が貢献できることを伝え、意欲をアピールします。

介護福祉士としての経験がなくても、関連する経験やスキルがあれば積極的に伝えて構いません。「学ばせていただく」という受け身の表現はマイナス評価につながる点に注意しましょう。

総合病院の看護師時代に「看取りケア」に携わったことがきっかけで高齢者介護に興味を持ち、介護職に転身しました。さらに上を目指したいと思い、今年○月に介護福祉士の資格を取得しています。

貴社は、地域密着型の特別養護老人ホームを運営されています。「その人らしく過ごせる場所を提供する」という目標を掲げ、個別性を重視しているところに深く共感しました。

介護福祉士としての経験はありませんが、看護と介護の両方の視点からケアができるのが自分の強みです。1日でも早く仕事に慣れ、介護職のプロフェッショナルとして力を発揮したいと思います。

経験者の場合

経験者には即戦力が期待されます。スキルの棚卸しをした上で、自分を採用するメリットを伝えましょう。介護福祉士の資格には有効期限がないため、ブランクがあっても同職への復帰が可能です。

母の入院がきっかけで介護のプロを目指し、特別養護老人ホームの介護福祉士として○年間勤務しました。結婚と出産を機に退職しましたが、子どもの保育園入園を機に仕事復帰を決意した次第です。

前職では介護士の指導や育成を積極的に行い、入居者さまが安心して過ごせる施設づくりに力を注ぎました。貴社のオープニングスタッフに応募したのは、介護福祉士の経験者として経験の浅い職員をサポートしたいと思ったためです。

離職中は、関連法規の改正の確認や体力づくりを怠りませんでした。将来は認定介護福祉士の資格を取得し、貴社の地域包括ケア推進事業に貢献したいと思っております。

介護福祉士への熱意を伝えよう

介護施設

(出典) pixta.jp

介護福祉士の資格を持った人は、多くの社会福祉施設で重宝されます。ほかの介護職員の指導や育成を任されるケースもあるため、体力・気力ともに十分でなければなりません。

志望動機には、介護福祉士を目指したきっかけや応募先を選んだ理由を盛り込み、自分の熱意を伝える必要があります。書く内容がなかなか思い浮かばないときは、ホームページや募集要項を確認し、応募先への理解を深めましょう。

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