歯科衛生士の志望動機の書き方を解説!ポイントや例文、NG例も紹介

歯科衛生士として採用を目指すには、履歴書に書く志望動機を考えなければなりません。魅力的な志望動機を書くために押さえておきたいポイントや、新卒・転職・ブランクありのケース別の例文を紹介するので、参考にしましょう。

歯科衛生士の志望動機の内容

歯科衛生士の女性

(出典) pixta.jp

歯科衛生士として新卒就職や転職をする場合、志望動機に盛り込む内容について迷うことがあるかもしません。どのようなことを書くべきなのか、基本的な内容を紹介します。

その医院を選んだ理由

歯科衛生士が勤務する医院は、それぞれ得意とする分野や方針が異なります。そのため、志望動機には「応募先を選んだ理由」を明確に盛り込むようにしましょう。

なぜ選んだのかをしっかり説明すると、マッチ度が高まり、熱意のアピールにもつながります。ほかの医院にも当てはまるようなものではなく、応募先で働きたい特別な理由を見つけましょう。

規模や診療方針、中心とする診療分野など、医院の特徴を研究しておくのがポイントです。

入職後のキャリアビジョン

転職にあたって、今後のキャリアビジョンは熱意を伝える上で重要な要素です。志望動機に盛り込むと、採用後のイメージをつかんでもらいやすく、高評価につながるでしょう。

求人情報や病院の方針を確認すると、応募先でどのようなキャリアを描けるのかがイメージしやすくなります。「応募先が求める人材」と絡めながら、今後のビジョンを伝えましょう。

5年・10年単位の長いスパンでのキャリアビジョンを、伝えるのも有効です。自身のキャリアビジョンが明確に表現でき、先方の医院のビジョンとマッチしていれば、長く働き成長したいという熱意が伝わります。

歯科衛生士の志望動機を書くポイント

歯科衛生士の女性

(出典) pixta.jp

専門職である歯科衛生士として勤務するには、志望動機で何をアピールするとよいのでしょうか?志望動機を書く上で、押さえておきたいポイントを紹介します。

経験やスキルをアピールする

具体的な経験やスキルは、業務の上で欠かすことができないので、志望動機でも伝えるようにしましょう。何ができるのか、どんな経験を持っているのかが分かれば、採用側も魅力を感じやすくなります。

新卒の場合は経験やスキルのアピールが難しいので、「性格面での適性」「自分の強み」を書き込みます。

今後やりたいことや、応募先を選んだ理由と関連付けながら、自分の長所・魅力をアピールするよう心がけましょう。自己PRだけで終わるのではなく、志望動機と一緒に伝えるようにするのが大切です。

具体的なエピソードを入れる

志望動機には、自分の経験に基づいたエピソードを盛り込みましょう。具体的な経験を伝えることで、ありきたりな内容になるのを防ぐことができます。

応募先で働きたいと感じたきっかけや、歯科衛生士を目指した理由を、オリジナリティを感じられる言葉で伝えます。誰にでも書けるような動機は、説得力がないので気を付けましょう。

転職の場合、今後考えているキャリアプランについて、応募先の特徴と交えて説明すると、前向きな印象を与えられます。

分かりやすい文章を心がけて

簡潔で分かりやすい文章は、志望動機だけでなく、履歴書全体で心がけたいポイントです。結論を最初に伝え、エピソードや理由を付け加えた上で、締めの文章を最後に書くのが基本の形となります。

志望動機を書くときは、「なぜ応募先を選んだのか」「動機は何なのか」を1文目に書くのが重要です。結論を先に書いておくと、相手に重要な内容が伝わりやすくなります。

採用担当者が、履歴書の文章全てを細かくチェックしてくれるとは限りません。全て読んでもらえたとしても、何を言いたいのか分からないと判断されると、評価が下がる原因にもなるでしょう。

歯科衛生士の志望動機の例文

歯の治療をする女性

(出典) pixta.jp

状況によって、志望動機の内容や方向性は変わってきます。新卒・転職・ブランクがある場合の、それぞれの例文を見ていきましょう。

新卒歯科衛生士の場合

新卒では、業務経験やスキルをアピールするよりも、「応募先を選んだ理由」「歯科衛生士としてのビジョン」などを中心に組み込みましょう。

得意分野や希望を伝えることも大切ですが、学校で身に付けた技術だけでそのまま通用するとは限りません。技術は実務をこなしながら経験を積んでいくと考え、熱意や気持ちをアピールしましょう。

【例文】

貴院の理念は3つのカテゴリに分かれていますが、中でも「地域住民を一生涯サポートする体制を整えている」点を魅力に感じ、応募いたしました。

出産前の妊婦歯科検診に始まり、幼少期の虫歯予防や定期健診に力を入れることで、デンタルケアの意識が高まり、患者様のためにもなると考えています。

子どもから高齢者まで、地域の方が安心して通っていただけるクリニックを作っていくため、技術を磨くだけでなく、笑顔での対応や細かい気配りもできる歯科衛生士になりたいと思っています。

転職の場合

何らかの事情で転職をする場合、前向きな志望動機を考えましょう。同じ職種に転職する以上、転職理由や志望動機でマイナスイメージを与えないよう注意するのがポイントです。

転職回数が多いケースや前職を短期間で辞めている場合には、特殊な事情があれば説明し、ポジティブな理由を述べるとよいでしょう。

【例文】

○○歯科医院で2年間、歯科衛生士として勤務していました。ひどい虫歯や歯周病で来院する患者様を見ているうちに、予防歯科に興味を持ったのが転職を考え始めたきっかけです。

新技術を取り入れ、予防歯科を中心に診療する貴院で患者様のデンタルケアに貢献したいと考え、応募いたしました。

【転職回数が多い場合の例文】

貴院に応募したのは、診療分野が幅広く、これまで複数の矯正歯科・審美歯科で働いてきた経験を生かせると考えたためです。

口元をきれいに見せたいという患者様の思いはどちらも同じですが、アプローチの方法はクリニックの専門分野によって変わってきます。

貴院の理念でもある丁寧なヒアリングを行い、患者様が求めている理想の口元を探っていくサポートをしたいと思っております。

ブランクがある場合

歯科衛生士の資格は基本的には更新の必要がないため、ブランクがあっても再就職が可能です。退職後に身に付けた経験やスキルを、アピールするのもよいでしょう。ブランクの理由別に例文を紹介します。

【出産・育児でブランクがある場合の例文】

総合病院で3年間勤務した後、出産・育児のため退職しました。当初は総合病院への復帰を考えていたのですが、子どもを育てているうちに、小児歯科で子どもたちのデンタルケアをサポートしたいという気持ちが強くなっていきました。

そんな中で貴院の求人を拝見し、ぜひ働いてみたいと思い応募を決めました。

【異業種への転職でブランクがある場合の例文】

矯正歯科で5年間勤務した後、当時興味のあった飲食業界で3年間働いてきました。コロナ禍による状況の変化もあり、接客業で身に付けた対応力を生かして再度歯科衛生士として働きたいと考えていたところ、貴院の求人を拝見いたしました。

ホワイトニングやメンテナンスなどは、矯正歯科で働いていたときにも担当していたため、貴院での業務においてもその経験を生かして貢献できると考えています。

歯科衛生士の志望動機のNG例

歯科衛生士

(出典) pixta.jp

志望動機では、熱意や応募先への思いをアピールします。しかし、中にはNGとされる例もあるので注意が必要です。一般的によくないとされている例を紹介します。

待遇や給与面ばかりを伝える

応募者側にとって、待遇や給与は重要な志望動機です。しかし、本音をそのまま履歴書に書くと、マイナス評価につながることが少なくありません。

「待遇や給与がよいから」というだけの目的では、「思い通りに休めない」「思ったより仕事がきつい」などの理由で早期退職するのではないかと疑われる可能性があります。

仕事に対する熱意がないと判断されると、採用側にとってメリットが感じられず、高い評価は得られないでしょう。待遇面に触れてはいけないわけではありませんが、できるだけ仕事内容や病院の方針に触れるのが大切です。

どこにでも当てはまるような内容

応募先以外の医院でも使い回せるような志望動機は、印象が薄くなります。誰にでも書ける内容ではなく、「自分の考え・経験」「応募先独自の特徴」「オリジナルのエピソード」を盛り込んだ内容を心がけましょう。

一見よいことを言っているようでも、「理念に共感した」「魅力を感じた」だけだと具体性がありません。理念・方針・特徴に触れるのであれば箇所を限定し、自分の考えや経験を交えて理由を説明しましょう。

マイナスイメージになる内容

志望動機には、マイナス要素を含めないのが原則です。「苦手なこと」「適性がないと感じられる性格」「前職のトラブルや悪口」などは、書かないよう心がけましょう。

今後一緒に働くのであれば、リスクや問題がない人を積極的に採用したいと考えるものです。志望動機は前向きにし、「自分を採用するとメリットがある」と思わせるような内容にしましょう。

例外的に、苦手なことや性格を克服したエピソードはオリジナリティがあり、魅力のアピールにもつながります。

歯科衛生士の志望動機を書く前の準備

歯の説明をする女性

(出典) pixta.jp

志望動機を書く前に準備をしておくと、スムーズに内容をまとめられます。書き始める前にしておきたい行動と、ポイントを解説します。

応募する医院についてよく調べる

応募先についての情報は、求人情報だけでなく、ホームページやリクルート情報などでも確認できます。取り入れている診療方法や院長の理念など、応募先独自の特徴を確認しておきましょう。

医院の特徴や雰囲気を調べておくと、「なぜ応募先を選んだのか」を具体的に伝えやすくなります。

同じ歯科医院であっても、虫歯治療・審美歯科・矯正治療など、院長が得意とする分野によって歯科衛生士の仕事内容も変わるでしょう。キャリアビジョンやスキルのアピールをするときにも、医院の調査・研究は役立ちます。

自己分析をする

自己分析をすると、「自分が得意なこと」「これまでの経験」「今後希望するキャリア」などが見えてきます。

志望動機を書くには、自分で自分のことを知るのが重要です。強みや目標をうまく説明できない場合は自己分析が足りておらず、応募先とのミスマッチにつながる可能性もあります。

自己分析をするときは、曖昧に言語化するのではなく、深堀りして具体化するのが大切です。そのためには、やりたいことや自分ができることをノートに書き出していくのがおすすめです。

「なぜそれをやりたいのか」「応募先でやりたいことを達成するには、具体的に何をすればよいのか」「できるようになったきっかけや経験は何だったか」など、エピソードとして書けるように深掘りしましょう。

志望動機で歯科衛生士業務への熱意をアピールしよう

歯科衛生士

(出典) pixta.jp

歯科衛生士の就職や転職では、志望動機に何を書くか迷うシーンも多いかもしれません。応募先の研究や自己分析を入念に行い、例文を参考に採用担当者の印象に残る志望動機を作成しましょう。

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内田佳代
【監修者】歯科衛生士・経営工学修士内田佳代

東京医科歯科大学歯学部附属歯科衛生士学校卒。早稲田大学大学院創造理工学研究科修了。歯科衛生士として歯科医療の品質、効率化向上の新手法を追求。噛む重要性を訴え、表情筋エクササイズや口もとの美の提案に尽力。全国での講演、ミスユニバースセミナー担当、NHK「朝イチ」や「きれいの魔法」等メディア出演多数。

著書:
顔の老化は咀嚼で止められる

HP:
https://eternal-smile.jp/