精神保健福祉士は、心の問題や精神疾患を抱える人などをサポートする仕事です。近年ニーズが高まっている職種で、福祉施設や医療機関などで活躍しています。これから精神保健福祉士として就職・転職を目指す人は、志望動機の書き方を押さえておきましょう。
精神保健福祉士の志望動機の内容
精神保健福祉士は福祉分野の仕事の中でも、特に心の問題や病を抱える人をサポートする仕事であるため、高い志が求められます。志望動機を書く際には、以下の点を中心に説得力のある内容にしなければいけません。事前に書くべき内容を整理しましょう。
精神保健福祉士を目指したきっかけ
精神保健福祉士に限らず、就職・転職の応募書類に志望動機を書く際には、必ずその職種を目指したきっかけを記載する必要があります。なぜ精神保健福祉士を目指すに至ったのか、きっかけを分かりやすく伝えるようにしましょう。
ただし、誰でも思い付くような内容では、仕事への熱意が採用担当者に伝わりません。具体的なエピソードとともに、なぜ精神保健福祉士の仕事に惹かれたのか、働きたい理由を中心に文章を構成することが大事です。
リアルな体験談とともに仕事への熱意をアピールすれば、採用担当者の興味を引けるでしょう。
応募先を選んだ理由
精神保健福祉士の仕事を選んだ理由に加えて、志望動機には応募先の福祉施設や医療機関などを選んだ理由を記載します。なぜその職場を志望しているのか、明確に伝わる説明が必要です。
こちらも、勤め先として選ぶに至った理由について、具体的なエピソードを交えて伝えると説得力が増します。
その職場の特性を理解し、自分がマッチしている点をうまく伝えられれば、採用される可能性を高められます。詳しくは後述しますが、説得力のある志望動機を書くためには、応募先について十分に調査した上で、何を書くべきか決めることが重要です。
精神保健福祉士の志望動機を書くポイント
精神保健福祉士の志望動機を書く際には、以下のポイントを意識しましょう。応募先の採用ニーズや職場環境などに対する理解を深め、そこにマッチした経験やスキルをアピールすることが大事です。
応募先に対する理解を深める
応募する福祉施設や医療機関などに対する理解を深めることで、具体的で説得力のある志望動機を作成しやすくなります。
きちんと調べずに志望動機や自己PRを書いてしまう人もいますが、求人票はもちろん、応募先の公式サイトやSNSで発信された情報、業界紙などを確認しましょう。
応募先の職場環境や仕事内容、企業ビジョンなどに関して十分に調査した上で、応募先がどういった人材を求めているのか、自分なりに整理することが大切です。特に介護業界や医療業界の未経験者は、業界研究も十分にしておきましょう。
経験やスキルをアピールする
応募先や業界について調査・研究した上で、志望動機でアピールすべき経験やスキルを整理します。
福祉施設や医療機関などによってアピールすべき内容は異なるので、自己分析を通じて自分の強みや特性を明確にして、魅力的な志望動機はどういうものか考えてみましょう。
相手のニーズに沿った形で自分の強みや経験をアピールすれば、採用される可能性が高まります。たとえ同じような強みを持つ応募者がいても、相手の採用ニーズに合わせてうまくアレンジすることで、採用担当者に刺さる志望動機を作成できます。
精神保健福祉士の志望動機の例文
精神保健福祉士の志望動機の例文を紹介します。あくまでも一例なので、参考にしながらも、上記のように応募先に関する情報収集と自己分析を通じて、自分にしか書けない志望動機を作成することが大事です。
未経験の場合
私は心の病などに苦しんでいる人のサポートをしたいと考え、精神保健福祉士の道を目指すことにいたしました。学生時代に私自身も軽度のうつ病を患った経験があり、軽い程度でも克服する難しさやつらさを理解しています。
自分の経験を生かして、心の弱った方に有効な支援とは何かを考え、少しでも早く社会復帰できるように支援したいと思っております。
これまでは医療事務として、間接的に疾患を抱える方のサポートをしてまいりましたが、より直接的に、悩んでいる方のお手伝いをしたいと強く思うようになり、応募に至りました。
精神保健福祉士も医療事務と同様、周囲との連携が重要な仕事であり、チームで患者さんを支える必要があると思います。
医療事務のチームリーダーをしていた経験を生かして、医師や看護師の方と協調しながら、適切なサポートができる環境整備に尽力したいと考えております。
福祉施設を志望する場合
2年前に他界した祖母が、高齢者介護施設にお世話になっていた経験があります。そこで施設の方々の努力や工夫を目の当たりにして、自分もこういった環境で働きたいと思うようになりました。
こちらの施設はさまざまな高齢者の方を広く受け入れており、精神面のケアを重視しているため、かねてから多くの人のメンタルサポートに従事したいと考えていた私にとって、とても魅力的です。
私は保育士として3年ほど業務経験を積む中で、相手の話をよく聞いて本当のニーズを明らかにすることの重要性を学びました。
これまでの仕事で培ってきた会話のスキルや、精神保健福祉士とともに取得した精神対話士の資格を生かして、多くの高齢者の方のサポートをしていきたいと考えております。
医療機関を志望する場合
母親が看護師として長く働いており、幼少期からその姿を見て参りました。学生時代は私も看護師として活躍したいと考えておりましたが、5年ほど前に軽度のうつ病を患った経験から、メンタル面のサポートに興味を持つようになった次第です。
医療機関でのメンタルサポートの仕事を探す中で、こちらの病院の求人を発見し、応募に至りました。
他の医療機関に比べて心の問題のケアに注力しており、障害者のケア設備も充実しているので、これまで培ってきた障害者支援の経験を存分に生かしたいと考えております。
行政施設を志望する場合
父親が○○市で公務員をしており、障害者の就労支援に携わっております。学生時代から障害者のサポートに興味があり、父からも話を聞く中で、よいサポートを受けられる病院や施設に入れず、困っている障害者や家族の方がいらっしゃる事実を知りました。
少しでも障害者の負担を減らせるように、精神保健福祉士の資格を取得し、広い条件で障害者を受け入れている施設を探す中で、こちらの施設のことを知り応募した次第です。
父と同じ公務員の立場として、強い責任感を持って仕事に取り組みたいと考えております。
精神保健福祉士の志望動機に関する注意点
精神保健福祉士の志望動機を作成する際には、以下の点に注意しましょう。ありきたりなエピソードを並べたり、ネガティブな内容に終始したりすると、採用につながらない可能性が高くなってしまいます。
エピソードに具体性がない
前述の通り、志望動機を作成する際には、業界や応募先に興味を持ったエピソードを具体的に記載すると効果的です。
しかし、エピソードに具体性がなく、誰でも思い付くような内容だと、採用担当者に熱意が伝わらず、よい結果につながらないケースが多いでしょう。
まずはしっかりと応募先を調査し、さらに自己分析を通じて、何をアピールすれば効果的か考える必要があります。
そこに肉付けする形で、具体的なエピソードを添えるようにするのが有効です。オリジナリティーのあるエピソードほど採用担当者の記憶に残るので、他者にはない自分だけの経験があれば、積極的にアピールしましょう。
ネガティブな内容は避ける
転職の志望動機を作成する場合、それまで培ってきた経験やスキルをアピールするため、前職について触れる可能性もあるでしょう。その際には、前の職場の悪口や批判など、ネガティブな内容は避ける必要があります。
ネガティブな内容に終始すると、採用担当者は自社でも同じような不満を抱えるのではないかと考えて、採用を見合わせる可能性があるので注意が必要です。
たとえネガティブな理由で転職を決意したとしても、応募先で活躍したい理由を中心に作成するなど、ポジティブな内容に変換する工夫をしてみましょう。
志望動機で精神保健福祉士への熱意を伝える
志望動機では、福祉業界や医療業界などで、精神保健福祉士を目指したきっかけとともに、応募先を選んだ理由を明確に伝える必要があります。
まずは業界研究や応募先の調査を徹底し、自己分析を通じて、何をアピールすれば効果的か検討しましょう。
さらに志望動機を作成したら第三者に確認してもらい、エピソードに具体性があるか、説得力のある文章になっているかチェックしてもらうのがおすすめです。独自性のあるエピソードを添えて、採用担当者の記憶に残る志望動機を作成しましょう。
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