作詞家になるには?具体的な仕事内容と磨くべきスキルも紹介

作詞家になるのに必要な資格はありませんが、音楽や作詞に対する深い理解が求められます。表現力や語彙力のほか、自分を売り込む営業力・コミュニケーション能力も欠かせません。作詞家になるルートと必要なスキルを解説します。

作詞家になるには?4つのルート

作詞のイメージ

(出典) pixta.jp

作詞家とは、主に歌詞を作る人のことを指します。業界未経験者が作詞家を目指すには、どのようなルートをたどればよいのでしょうか?代表的な4つの方法を紹介します。

音楽・作家事務所に所属する

作詞家を目指す人の多くは、音楽・作家事務所に所属するのが基本です。音楽・作家事務所は、作詞家や作曲家に活躍の機会を提供する会社です。

クライアントと作詞家をつなぐパイプ役として、主に営業活動・業務管理・マネジメントなどを担います。タレント事務所やモデル事務所と、同じような位置付けと考えましょう。

所属する方法には、スカウトと自主応募があります。応募する場合は、自分の能力を示せる作品を用意しましょう。所属にあたっては、オーディション・審査が行われるのが一般的です。

オーディションなどに応募する

作詞家になるには、レコード会社やアーティストに自分の才能を認められなければなりません。自分をアピールする方法の1つとして、オーディション・コンペ・コンテストへの参加があります。

作品が優秀賞に選ばれれば、業界で活躍する足がかりにつながります。レコード会社や音楽制作会社のバックアップの下、メジャーデビューが実現するかもしれません。

基本的に年齢・学歴・実績に関係なく応募できますが、オーディションによっては「他のプロダクションと契約していないこと」が条件とされている場合もあります。

SNS・動画プラットフォームの活用

近年は、SNS・動画プラットフォームなどへの投稿をきっかけに、デビューを果たすアーティストが後を絶ちません。

SNSの強みは、情報の拡散性が高いことです。「いいね」「シェア機能」により、ポジティブなレビューが全世界へと広がります。自分が投稿した作品が話題になれば、音楽関係者の目に留まる可能性があるでしょう。

ただしネットの世界では、多くのアーティストがしのぎを削るため、デビューへの道のりは決して容易ではありません。

音楽関係者からのスカウト

どこにも所属せずに音楽活動をしている人は、音楽関係者からのスカウトを狙いましょう。自分たちで作詞・作曲を手掛けた楽曲をライブで披露すれば、レコード会社や音楽事務所などから声がかかる可能性があります。

スカウトを狙うには、路上ライブをしたり、アマチュアバンドを組んだりして、自分の才能をアピールしなければなりません。

基本的に、スカウトは「相手から声をかけられるのを待つ」という受け身のスタイルです。3年・5年と長く活動をしていても、状況が進展しない場合もあります。

作詞家の具体的な仕事内容

譜面とペン

(出典) pixta.jp

作詞家を目指すにあたり、仕事内容や役割をよく理解しておく必要があります。文字通り「歌詞を作る人」ですが、仕事のスタイルは「詞先(しせん)」と「曲先(きょくせん)」に分かれます。

メインの仕事は歌詞を作ること

メインの仕事は、楽曲の歌詞を作ることです。専業の作詞家は少なく、歌手やコピーライターなどと兼業していたり、別の肩書を持っていたりするのが一般的です。

作詞するスタイルは、詞先と曲先に大別されます。

  • 詞先:作曲よりも先に作詞を行う手法
  • 曲先:楽曲に合わせて作詞を行う手法

どちらのスタイルになるかは、依頼主によって異なります。実績を積んで一定の知名度を獲得すると、映画・ドラマの主題歌の作詞を依頼されるケースもあるようです。

作詞家に必要とされるスキルは?

譜面に書き込む

(出典) pixta.jp

作詞するには、さまざまな知識・スキルが必要です。天性の才能がある人もいますが、作詞家を目指す人の多くは自分の知識・スキルを磨く努力をしています。

音楽・作詞に関する知識

音楽全般に関する造詣が深くなければ、作詞家として活躍するのは困難です。具体的には、以下のような知識・スキルが求められます。

  • 楽曲の構成要素(Aメロ・Bメロ・サビなど)
  • 楽曲のリズムやメロディー
  • 韻を踏むテクニック

曲先では、楽曲の雰囲気やメロディーラインに合わせて作詞を行います。メロディーにうまく歌詞を乗せられないと、楽曲に命が吹き込まれません。

作曲・編曲を依頼される場合もあるため、音楽についての幅広い技能を身に付けておいた方がよいでしょう。基本的な技能は、作詞家の養成スクールや音楽の専門学校で学べます。

トレンドをとらえる力と語彙力

優れた楽曲は、メロディーが美しいのに加え、歌詞が聞く人の心に染み入ります。情景の描写力や、人の心を揺さぶる表現力・語彙力を身に付けることが、作詞家としての第一歩といえるでしょう。

豊かな感性や表現力を育むには、常に周囲にアンテナを張り巡らせ、世の中のさまざまな情報を収集する必要があります。

時代は常に移り変わっているため、トレンドを敏感にキャッチし、歌詞にタイムリーに反映させる姿勢も欠かせません。

営業・コミュニケーション能力

仕事を獲得し続けるには、営業力が不可欠です。いくら作詞の才能があっても、周囲に自分をアピールできなければ、チャンスをつかめずに終わってしまうでしょう。

作詞家は、自分1人の力では作品を世に送り出せません。作曲家やアーティスト、その他の音楽関係者と協力しながら、1つの楽曲を作り上げていかなければならないため、仕事では高いコミュニケーション能力も求められます。

特に、作詞家になりたての頃は、依頼者といかに信頼関係を築けるかが肝です。相手の意向を的確にくみ取れる人や柔軟に対応できる人、気配りができる人は、継続的に仕事をもらえる可能性が高いでしょう。

作詞家としてのスキルを磨くには?

譜面を見て考える女性

(出典) pixta.jp

作詞家としての知識・スキルを磨くには、作詞家の養成スクールや音楽の専門学校に通うのが近道です。

ほかにも、さまざまな方法で自分の能力を高められます。特に、感性・表現力・語彙力は、日頃の地道な努力によって鍛えられるでしょう。

ジャンルを問わず本を読む

現代人は、若者を中心に読書離れが進んでいるといわれています。できるだけ多くの活字に触れ、表現力・語彙力・言葉のセンスを磨きましょう。

ポイントは、自分の好きなジャンルや著者にこだわらないことです。文学・評論・ノンフィクション・思想・宗教といったさまざまなジャンルの本を読むことで、ボキャブラリーが飛躍的に増えます。独特の言い回しや表現方法なども身に付くでしょう。

小説を読むときは、文字を拾うだけでなく、頭の中で情景をイメージします。使う言葉によって、どのようなイメージ像とつながるのかを意識しながら読みましょう。

好奇心を大切にする

豊かな感性や表現力を育むには、「感じる力」が欠かせません。常に周囲へとアンテナを張り巡らせている人は、表現の引き出しが自然と増えていきます。

一見、作詞とは関連性がない物事の中にも、作詞のアイデア・ヒントが隠されています。アートを鑑賞する・映画を見る・絵を描く・旅行に行くなど、好奇心が芽生えたことにはどんどんチャレンジしましょう。

インスピレーションは、いつ・どこから来るか分かりません。常にメモできるものを持っていると、心に浮かんだ言葉・フレーズを忘れずに書き留められます。

作詞家になるには自分を売り込む力も必要

作詞作曲のイメージ

(出典) pixta.jp

作詞家として活躍している人は、オーディション・コンペ・スカウトなどの方法でデビューのチャンスをつかんでいます。

近年は、SNSを使った自己発信でデビューを果たす人が増えており、一昔前に比べて自分の才能をアピールできる機会が増えているといえるでしょう。

これから作詞家を目指す人は、音楽に関する知識・スキルを磨くと同時に、「セルフプロモーション」にも力を入れる必要があります。自分の能力・強みを周囲に適切にアピールできてこそ、作詞家としての第一歩が踏み出せるのです。

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