テレビ・ラジオの番組やCMなどで活躍するナレーターになるには、どうしたらよいのでしょうか?必要な技術・スキルの身に付け方や、仕事を獲得する方法などについて解説します。具体的な活躍の場についても確認しましょう。
ナレーターになるにはどうすればいい?
ナレーターになる方法は、主に3つあります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
養成所や専門学校で技術を身に付ける
ナレーターになるための特別な資格はありませんが、発声や表現力に関する技術・スキルは必要です。養成所や専門学校などで、必要な技術を身に付けましょう。
独学で学ぶ方法もありますが、養成所などではプロの指導を受けられるため、ナレーターを目指す人や現役で活躍している人の多くが、学校・スクールに通います。客観的な視点によって、自分では気付けないクセ・問題点なども指摘してもらえるでしょう。
全日制の学校だけでなく、夜間のスクールやワークショップなどもあるので、自分のライフスタイルに合わせて選ぶのがポイントです。
事務所や制作会社に所属する
ナレーターとして仕事をするには、声優などを抱えるプロダクションや、コンテンツ制作会社に所属するのが一般的です。どのような仕事をしたいかによっても、所属先は異なります。
例えば、テレビ番組などのナレーションを担当したい場合は、芸能関係の仕事を中心に扱っているプロダクションに所属する方がよいでしょう。
コンテンツ制作会社の場合は、社員として採用されるケースもあるので、収入を安定させたい人にはおすすめです。
フリーランスとして活動する方法もありますが、事務所などで実績を積み、ある程度知名度を上げておく必要があるでしょう。
オーディションや求人に応募する
ナレーターの仕事は、オーディションに応募して採用されるという流れが一般的です。公募を自分で探すほか、事務所に依頼が来た仕事のオーディションを受けたり、ボイスサンプルを提出して候補者として推薦してもらったりする方法もあります。
また、クラウドソーシング・求人サイトで、ナレーターを募集しているケースもあるので、自分に合った方法で仕事を獲得しましょう。
クラウドソーシング・求人サイトで募集されている仕事は、単発での依頼が多いですが、数多くの案件をこなせば実績につながります。
ナレーターに必要なスキルとは?
ナレーターに必要なスキル・技術についても、確認しておきましょう。主なスキルを3つ紹介します。
表現力
聞いている人に分かりやすく伝えるための、表現力が必要です。ナレーターは、ただ与えられた文章を読むだけではありません。作品の世界観や、シーンに合った声のトーン・話し方などで表現するスキルが求められます。
声優レベルとまではいわないにしても、場合によってはある程度の演技力が求められるケースもあるでしょう。また、誰もが聞いて違和感を覚えないような、正しいイントネーションも身に付けておくことも大切です。
顔が見えない仕事だからこそ、表情や身振り手振りに頼らず、声だけで伝える技術が必要とされます。
読解力・理解力
映像に合ったナレーションを入れるには、書かれている文章の内容・意味を理解できていなければなりません。
その場で原稿を渡される場合も多いので、視聴者・観客に伝えたい内容を、短時間で読み取る力が求められます。内容をしっかり理解していれば、作品の世界観なども適切に表現できるでしょう。
読解力・理解力を身に付けるためには、日頃からさまざまな文章に触れ、言葉の意味・状況などを考えながら読むように意識することが大切です。
柔軟性
仕事の内容によって求められる表現力などは異なるため、制作側の意図・指示に対し、柔軟に対応できるスキルも必要です。
テレビやラジオの生放送では、映像に合わせて読むだけでなく、周りの状況を見ながら判断できる臨機応変さも求められます。
また、ナレーションの収録には多くの人が関わっており、スタッフ・関係者の個性も多様です。中には、自分とは真逆の意見を持つ人もいるかもしれませんが、協力して1つの作品を作るには、ある程度妥協して相手に合わせられるような柔軟性も必要でしょう。
ナレーターに向いている人の特徴
ナレーターには、どのような人が向いているのでしょうか?代表的な特徴を2つ紹介します。
文章を読むのが好きな人
子どもの頃から文章を読むのが好きな人は、ナレーターに向いているといえます。ナレーターの仕事は、原稿に書かれている文章を読んで、聞いている人に分かりやすく伝えることです。
そもそも読書が苦手という人は、苦痛に感じてしまうかもしれません。しかし、読書・朗読が好きな人は、自分なりの表現で伝えることにやりがい・楽しさを感じられます。
また、多くの本を読んでいるため、読解力・理解力が身に付いている人も多いものです。スキルアップのための訓練などにも積極的に取り組めば、技術も向上しやすいでしょう。
コミュニケーション能力の高い人
ナレーターは、自分だけのイメージで原稿を読むのではなく、クライアント・プロデューサーなど制作側の意向に沿ったナレーションを実現するのが仕事です。
お互いに共通の認識を持って仕事をするには、しっかりコミュニケーションを取って、相手の意図・考えを理解しておかなければなりません。
また、オーディションでスムーズに受け答えするためにも、コミュニケーション能力は必要です。人と話すのが苦手な人にとっては、難しい仕事といえるでしょう。
ナレーターが活躍する場
ナレーターについて、「テレビやラジオなどでナレーションをする仕事」という印象を持つ人も多いでしょう。しかし、それ以外にも活躍できる場は数多くあります。
最後に、ナレーターが必要とされる場について確認していきましょう。
テレビやラジオの番組
ドキュメンタリー・ニュース・バラエティなど、さまざまな番組のナレーションを担当します。ナレーターの声や表現方法によって、番組自体のイメージも変わるため、重要な役割といえるでしょう。
テレビやラジオで活躍するには、オーディションを受けるなどして、積極的に仕事を獲得しなければなりません。人脈・知名度が必要となる場合も多く、実績を重ねてプロとして活躍している人がほとんどです。
初めからナレーターを目指していた人ばかりではなく、声優・役者などから転向する人もいます。
コンサート・イベント
アーティストのコンサートのほか、企業の新製品発表会・展示会などのイベントで活躍するナレーターもいます。コンサート会場などで、開演前・終演後のアナウンスを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
イベントでは、司会進行を務めるケースもあります。大きなイベントの仕事を獲得するのは難しくても、結婚式など冠婚葬祭の司会は意外に募集が多いものです。
ナレーターとして活躍の場を広げていくためには、地道に実績を積んでスキルを磨くことが大切と考えましょう。
企業のプロモーション動画や施設の案内など
企業のプロモーション動画のナレーションや、駅・公共施設の音声案内などもナレーターの仕事です。近年では、自社のSNSアカウントで商品のPR動画をアップする企業も増えています。
クラウドソーシング・求人サイトを通じて、ナレーターを募集するケースも少なくありません。こうした仕事の場合、録音環境が整っていれば自宅での作業も可能です。
一方、音声案内に使われるナレーションは、ナレーターが所属している事務所に依頼が来るケースも多いでしょう。
技術を磨いてナレーターを目指そう
ナレーターには、相手に伝わるように読むための表現力や、文章の読解力・理解力が求められます。独学でスキルを磨くことも可能ですが、プロとしての技術を身に付けるには、養成所やスクールに通うのがよいでしょう。
仕事を獲得するには、オーディションを受けて合格するのが一般的ですが、コンテンツ制作会社などの社員・アルバイトとして働く方法もあります。イベント・冠婚葬祭の司会などの募集に応募して、実績を作るのもよいでしょう。
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