40代で資格取得を目指す場合に、おすすめの資格はあるのでしょうか?経験・スキル・目的によって、適した資格は異なります。ケース別のおすすめ資格のほか、40代が資格取得を目指すメリットもチェックしましょう。
「40代」挑戦しやすいおすすめの資格
40代から資格取得を目指すのであれば、挑戦しやすい資格を選ぶのがおすすめです。特に、普段の業務に生かせる資格や、ある程度短期間で取得できて転職に役立つ資格は、仕事をしながらでも学習を進めやすいでしょう。
調剤事務管理士技能認定試験
調剤事務管理士は、調剤薬局の事務職員が業務を担当する上で役立つ知識・スキルが学べる認定試験です。
調剤薬局のあるドラッグストア・院内薬局で働きたいと考えるなら、取得を検討しましょう。薬剤師のサポートや専門的な計算が必要となる仕事のため、経験者・資格保持者は転職の際に優遇されやすくなります。
40代から転職を目指すのであれば、知識を証明できる認定試験合格を目指す方が有利です。調剤事務管理士技能認定試験には特別な受験資格はなく、誰でも受けられます。
在宅試験も可能で、公式情報によると合格率は60%程度と難易度もそれほど高くはありません。
参考:JSMA 技能認定振興協会|医療事務の資格・医療事務の試験ならJSMA
参考:調剤事務管理士®技能認定試験 | JSMA 技能認定振興協会
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOSは、事務職やデータ入力など、Excel・Word・PowerPointといったマイクロソフトオフィス製品を仕事で使う人におすすめの資格です。40代が取得を目指す場合、特別な受験資格はありません。
40代からパソコンを使う仕事を始めたい人や、スキルアップを目指す人に適しています。全国一斉試験または随時試験が行われており、一定以上の成績を収めればMOSの称号が得られます。
受験は製品ごとに必要で、Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlookの中から選択可能です。Word・Excelは一般レベルと上級レベル(エキスパート)の2種類があり、業務に必要なレベルに合わせて受験が可能です。
合格率は非公開ですが、一般レベルは80%、上級レベルは60%程度ともいわれています。
参考:MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト
「40代」キャリアアップにつながりやすい資格
業務において必要な知識・スキルを学べる資格を取得すると、キャリアアップにつながります。40代からのキャリアアップや転職、評価アップに役立つ資格を見ていきましょう。
日商簿記検定
日商簿記検定は、経理に必要な知識を身に付けられる検定です。40代で経理に関連する職種への転職を考える人には、必須の資格といえるでしょう。
そのほか、企業の経営状態や専門用語を理解できるため、営業職のスキルアップにも役立ちます。すでに事務経験がある場合、資格手当の取得やキャリアアップのきっかけにもなるでしょう。
特別な受験資格はなく、1〜3級までレベルに合わせた難易度を選択できるのも特徴です。公式情報によると、2023年6月度の合格率は3級34.0%、2級21.1%、1級12.5%とされています。
行政書士
行政書士資格は、開業や法律事務所への転職を検討している人におすすめの国家資格です。資格を取ると、官公署に提出する書類作成代行や許認可申請の代理、相談業務に従事できます。
法律に関する書類の作成や代行は、資格がないとできません。行政書士資格を保有していれば、専門的な仕事に携われます。
受験に制限はなく誰でも試験を受けられるため、法律関係の仕事を検討しているなら取得を目指してみましょう。公式情報によると、2022年度の合格率は12.13%となっており、合格を目指すには計画的な学習や努力が必要です。
参考:日本行政書士会連合会
ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャル・プランニング技能士は、家計の専門家として相談業務に対応できる国家資格です。税金・年金・保険の専門知識を持ち、保険営業や金融業界などさまざまな場で活躍します。
40代の転職で金融知識を生かして働きたいと考えるなら、ファイナンシャル・プランニング技能士の資格取得を検討しましょう。
1〜3級があり、3級には特別な受験資格はありません。2級以上は受験資格が設けられているため、3級の合格や実務経験などの条件を満たしましょう。
公式情報によると2023年9月度の合格率は、3級が74.78%(学科)・77.67%(実技)、2級が53.54%(学科)・52.02%(実技)、1級が96.2%(実技)です。試験対策を行い知識を身に付けておけば、それほど難易度は高くないでしょう。
参考:日本FP協会
参考:FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ | 日本FP協会
「40代」年齢を重ねたからこそチャレンジしたい資格
実務経験や高いスキルを必要とする資格は、年齢を重ねたからこそ取得できるものです。40代になり、さらなるスキルアップを目指したいという人がチャレンジできる資格を紹介します。
技術士
技術士は、科学技術の知識・スキル・実務経験を、兼ね備えていることを証明できる国家資格です。21の技術部門に分かれており、目指す分野を選択できます。
技術士として認定されると、確かな技術を証明できるのがメリットです。社内外からの信頼が高まることで、昇進・昇給などにもつながる可能性があります。
40代から取得を目指すのであれば、第二次試験の受験資格である「一定の実務経験」が足りているか確認の上、第一次試験の合格を目指しましょう。なお、文部科学大臣指定の教育課程修了者は、第一次試験が免除されます。
公式情報によると2022年度の合格率は、機械部門の場合、第一次試験が42.3%、第二次試験が17.5%です。技術士として認定を受けるのは難易度が高いですが、キャリアアップを目指すのであれば受験を検討するのもよいでしょう。
第一種衛生管理者
第一種衛生管理者は、企業や事業所で労働者の健康・衛生環境を守る役割を担います。特に、常時50人以上の労働者を使用する事業所では、衛生管理者を必ず設置しなければなりません。
第一種衛生管理者の国家資格を保有していれば、企業の衛生管理者として就業できます。下位資格である第二種衛生管理者よりも対応できる範囲が広く、全ての業種で活躍できるのが特徴です。
受験には一定の学歴・実務経験が必要になりますが、40代で衛生管理に携わる仕事をしているのであれば、取得を目指してみましょう。
公式情報によると2022年度の合格率は45.8%と、それほど高くはありません。これまでに磨いた経験・スキルに加えて、試験対策も心掛ければ、合格も十分に視野に入るでしょう。
参考:試験実施統計
プロジェクトマネージャ試験(PM)
IT業界でシステム開発に携わる技術者であれば、「プロジェクトマネージャ」の国家試験合格を目指してみましょう。
責任者・管理者として、プロジェクトをマネジメントするための知識・技術を証明できます。今後のキャリアアップや転職の際にも、確かな技術と実績を客観的にアピールできるでしょう。
試験は午前I・IIと午後I・IIの計4回に分かれ、多肢選択式2回・記述式1回・論述式1回の構成です。受験資格は設けられていませんが、公式情報によると2022年度秋期は合格率14.1%と高難度のため、一定以上の知識・スキル・実務経験を持つ人に向いています。
参考:統計情報(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
「40代」独占業務が強みになる資格
独占業務が可能となる資格は、今後働いていく上で大きな強みになります。ダブルライセンスを目指す人や、キャリアアップのために資格取得を検討している人におすすめです。
測量士
測量士は、土地の面積・位置などを正確に測量するための国家資格です。基本測量・公共測量はどちらも、測量士の独占業務となっています。
測量業界ですでに勤務し、測量士補として働いている場合、測量士の資格を取得すればキャリアアップ・社内外からの評価にもつながります。
測量と身近な業界で働き、測量士にキャリアチェンジを考えているのであれば、まずは測量士補の試験合格を目指しましょう。測量士の試験を受験するには、測量士補の資格が必要です。
測量士の資格取得には複数のルートがあります。試験合格ルートでは、2023年度の合格率は10.3%(公式情報)と、低い数字にとどまっています。
試験合格の自信がない場合は、指定の専門学校などに通った後、実務経験を積む選択肢も検討しましょう。ただし、試験に合格する方法よりも長い時間がかかる点は、留意しておく必要があります。
社会保険労務士
社会保険労務士は、社会保険・労働保険に関する相談対応や、書類の作成・提出代行が独占業務です。国家資格を取得し、社会保険労務士として認められた人のみが、該当の業務に従事できます。
学歴・実務経験・他の国家資格取得者など、受験資格がいくつか設定されています。社会保険関連の実務経験を持つ人や、関連資格保有者でダブルライセンスを目指す人に適した資格です。
社会保険に関する専門的な知識・スキルを身に付けている必要があり、厚生労働省によると合格率は6.4%と、難易度が高い資格といえます。独立開業・セカンドキャリアの形成を考えるのであれば、取得を目指してみましょう。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産売買・賃貸契約の際、重要事項の説明を担当する上で必要な国家資格です。重要事項の説明および記名は、宅地建物取引士の独占業務となっています。
40代になり、不動産業界への転職を考えている人におすすめの資格です。宅地建物取引士の資格を生かした仕事には、不動産営業や金融業界での不動産関連業務が挙げられます。
特別な受験資格はなく、合格後の資格登録時にふさわしい人物であるかを確認されますが、年齢・学歴を問わず目指しやすい資格といえるでしょう。公式情報によると2023年度の合格率は17.2%となっており、難易度は高い傾向です。
参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験 | 宅建試験の概要
40代が資格を取得するメリットは?
キャリアが長くなり、将来の方向性が定まってくる40代が資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?資格取得によって、今後期待できるメリットを紹介します。
キャリアアップ・仕事の幅を広げられる
40代は実務経験も長くなり、十分なスキルを身に付けている時期です。しかし、資格を持っていない状態では、経験・スキルを客観的に証明できません。
資格を取得しておくと、転職をする際にも自分がどのようなスキルを身に付けているのかを証明できます。
同じ仕事を続ける上でも、資格取得は有効です。信頼度の高い資格を取得すれば、昇進・昇給の判断基準になるケースもあります。新しい分野の仕事にチャレンジするきっかけにもなるでしょう。
企業によっては、資格手当の支給対象となるケースがあるため、収入アップも目指せます。
将来を見据えた働き方が可能になる
40代のうちに資格を取得しておくと、将来的にも役立ちます。定年後のセカンドライフだけでなく、50代以降に独立開業を目指すケースでも、早いうちに資格を取得しておくと有利です。
子育てが落ち着いた頃に再就職を考えている女性も、資格があれば有利に進むでしょう。
将来を見据えて資格取得を検討する場合、信頼性・専門性の高い資格が役立ちます。独占業務のある国家資格や、実務経験を生かせる専門資格を取得すると、長く活用できるはずです。
40代も資格取得で仕事の幅を広げられる
40代になり何らかの資格を取得するのであれば、経験・スキル・今後のキャリアを検討して、自分に合う資格を選びましょう。
これまでの経験・スキルを生かし、今の職場でエキスパートを目指す道だけではありません。セカンドキャリアを視野に入れ、新しい分野にチャレンジするのもおすすめです。
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