司法書士の仕事内容

司法書士のイメージ

司法書士とは

司法書士とは、人々の財産と権利を守り、トラブルの法的解決を専門ととする職種です。法律相談を受けたり、コンサルタントのようなことを行うこともあります。司法書士になるには、国家試験である司法書士試験に合格するか、法務大臣の認可を受ける必要があります。

司法書士が担う役割

司法書士は、裁判所・検察局・法務局などに提出する書類の作成や、登記・供託の手続き、審査請求をするのが仕事です。中でも登記関係の仕事の割合が最も高く、起業時の会社の登記、土地購入の際の登記など、日常生活と密接に関わる役割を担います。業務を通して人々の権利を守り、平等な社会を実現することを目的としています。

具体的な仕事内容

司法書士法(訴訟や登記、供託などに関する手続きを円滑に進め、国民の権利の保護に貢献するため、司法書士の制度を取り決め、適正な業務を行うことを目的ととする)に基づいた仕事を行います。主な業務は下記のとおりです。

  • 不動産登記、会社の登記・供託の手続き代理
  • 裁判所・検察庁・法務局への提出書類の作成
  • 簡易裁判所における訴訟・調停・和解等の代理
  • 法律相談、企業に関する法律事務を行う企業法務
  • 成年後見事務、多重債務者の救済、消費者教育

出典:法令データ提供システム「司法書士法(平成二六年六月二七日法律第九一号)」

司法書士になるには

司法書士となる資格

1.司法書士試験に合格した人
2.裁判所書記官や法務事務官などとしての経歴10年以上、または簡易裁判所判事副検事としての経歴5年以上で法務大臣の認可を受けた人

司法書士試験とは

5月に願書提出、筆記試験は7月に行われます。筆記試験の合格者はその後口述試験を受験することができます。口述試験は10月、合格発表は11月に行われます。

筆記試験の試験科目は憲法、民法、刑法、会社法、民事訴訟法、民事保全法、民事執行法、司法書士法、供託法、不動産登記法、商業登記法です。
口述試験の試験科目は不動産登記法、商業登記法、司法書士法となります。

法務大臣の認定を受けた司法書士とは

法務大臣の認定を受けた司法書士とは、認定司法書士と言い、通常の司法書士の業務に加え、簡易裁判所において価額が140万円を超えない請求事件の民事事件等の代理業務も行うことができます。これを簡裁訴訟代理等関係業務と言います。

簡裁訴訟代理等関係業務の内容は下記のとおりです。
(1)民事訴訟手続き
(2)訴え提起前の和解(即決和解)手続き
(3)支払督促手続き
(4)証拠保全手続き
(5)民事保全手続き
(6)民事調停手続き
(7)少額訴訟債権執行手続き及び裁判外の和解の各手続きについて代理する業務
(8)仲裁手続き及び筆界特定手続きの代理等

資格保持者が司法書士として働くためには

司法書士法第8条の規定により、司法書士の資格を持っている人が司法書士として働くためには、日本司法書士会連合会の司法書士名簿に、「氏名」「生年月日」「事務所の所在地」「所属する司法書士会」「その他法務省令」で定める事項の登録を受けなければなりません。
登録をする際は、事務所を設立しようとしている地域を管轄する法務局、または地方法務局の管轄区域内にある司法書士会を通じて、日本司法書士会連合会に登録申請書、資格を証明する書類を一緒に提出します。
またその際、会則第50条に則り、手数料25,000円を日本司法書士会連合会に納付します。

司法書士経験者へのインタビュー

スタンバイでは、実際に司法書士として働いていた方に、「仕事のやりがい」「努力したこと」「将来性」についてインタビューを実施しました。

インタビューの対象者

  • 男性(神奈川県在住)
  • 実務経験年数:2年

Q1.司法書士のやりがいを教えてください

お客様と直接向かい合い、悩んでいることや困っていることの相談を受け、それを解決することに自らの知識や経験を生かせることにあると思います。

実務の現場では試験で出題されるようなわかりやすい問題はまったくなく、全てが複雑でそれぞれの人間や権利関係が絡み合い、多くは一筋縄ではいかないような仕事です。試験を突破し資格を取得したとしても、そこはスタートでしかなく、実務を経験すると同時に受験生時代以上に勉強していかなければまったく追いつけなくなってしまいます。

そんな、大変な日々の司法書士ですが、複雑な案件を解決したとき、お客様から感謝されるとき、何にも代え難いやりがいを感じることができるので、その感動を味わうために日々努力し、学んでいく司法書士にやりがいを感じます。

Q2.司法書士になるために努力したことを教えてください

司法書士という資格は難関と言われていますが、これは間違いなく難関の資格のひとつであると思います。

資格を取得するまでに専業で1年の学習期間を費やしましたが、まず、何もわからないところから記述式に頭を痛めながら取りかかりました。

ひとつひとつの単語もわからないところから始めましたので、日々少しずつ進めていったのですが、やはり記述式の対策を一番に行うことが本試験での学習の最大のポイントだと思います。

必ず得点しなくてはならない民法、不動産登記法、会社法は他の受験生の誰もが得点しているので、ここで間違えてしまうと合格できません。

そのため、記述式からテキスト、そしてまた記述式…と何度も何度も繰り返して下さい。そこに全ての重点をおくべきだと思います。

Q3.司法書士の将来性についてどう思いますか?

インターネットの掲示板やブログでよく司法書士は食えない、生活できないと言われていますが、正直なところ概ね間違いないと思います。

というのも、昨今の業界において特に専門性を持たず、とりあえず資格をとっておいたり、働くために資格を持っているという方が多く、司法書士全般の業務を行うというスタイルの司法書士は溢れんばかりにいて、過払い金請求などでは値段の下げ合い、仕事の奪い合いが常日頃起こっています。そういった司法書士の方は必ずどこかで生活できなくなる、という認識があります。

ですので、これからの業界において活動されていかれる方は必ずどこかに専門分野を持って下さい。一見不利に思える専門分野を持つことにより、さらに仕事が広がり活動していけるでしょう。

求人の給与情報から集計した司法書士の年収帯

司法書士 求人の年収

※スタンバイ掲載中の全求人データ(2017年6月時点)から作成

司法書士の求人の給与情報から、司法書士の年収帯を独自に集計しました。以上のグラフの通り、年収400万円台がもっとも多く、約27%を占めています。続いて300万円台が約25%、500万円台が約14%となっています。日本人の平均年収が男性520万円、女性が276万円で男女合わせると420万円(平成27年分 民間給与実態統計調査より)ですから、司法書士という職種は、平均的な給与をもらえる職業であるということが類推できます。

出典:法務省「資格・採用情報」