新聞記者になるには・仕事内容と現在募集中の求人

新聞記者とは?

新聞記者のイメージ

新聞社に勤務し、政治経済の動向や社会情勢をまとめて記事をつくるのが新聞記者です。新聞記者というと、事件・事故の取材と記事執筆を担当する「取材記者」を思い浮かべる人も多いのですが、取材原稿をまとめてレイアウトや見出しづけを担当する「整理記者」、誤字・脱字の確認のほか固有名詞や数字の事実確認を担当する「校閲記者」、写真撮影をメインに手がける「写真記者」も新聞記事の作成に欠かすことができません。

仕事内容

新聞は取り扱う情報の内容により、一般紙と専門紙に分類されます。記者としての仕事内容は両者で異なります。

一般紙は政治経済の動向や社会情勢を広く扱うものです。発行エリアの違いにより、全国紙(朝日・読売・毎日など)やブロック紙(北海道・中日・西日本など)、県紙といった呼び方をすることがあります。各家庭に配達されている新聞は一般紙であることがほとんどです。専門紙は特定の話題を専門的に扱う新聞で、特定の業界の動向を伝える業界紙やスポーツ紙などを含みます。一般紙は扱う話題が広く発行部数も比較的多いことから記者の職種が細分化しており、職種ごとの業務内容は各社でおよそ共通しています。一方で専門紙は記者が広告営業職を兼ねるケースもあるなど各社で業務内容が著しく異なるため、一律には説明できません。

そこで本ページでは、主に一般紙の新聞記者について解説しながら、必要に応じて専門紙の新聞記者についても紹介します。

記事ができるまで

新聞記事はさまざまな職種の記者の手が加えられたのち紙面に掲載されます。

記事の素材づくりともいえる業務を担当するのが取材記者と写真記者です。取材記者は担当分野の情報を取材して記事を執筆し、写真記者は報道写真を撮影します。各記者が出稿した記事は、その上長である「デスク」により重要度が判定され、ニュース性が高いと判断されると整理部門に送られます。

整理部門では整理記者たちが原稿の重要度をさらに吟味して、掲載する順序や扱いの大きさを決定し、適切な見出しをつけたうえで紙面に割付(レイアウト)します。

最後に記事内の誤字・脱字はもちろん、固有名詞やデータなどに誤りがないよう確認するのが校閲記者です。校閲を終えると記事データは印刷所に回されます。

取材記者の仕事


取材記者は、社会部・政治部・経済部・文化部・運動部などの部門に所属し、各部門の担当分野ごとに取材や記事の執筆を行います。

部門の分け方は新聞社により異なりますが、社会部では事件・事故や社会情勢全般の記事を担当し、政治部では政治家などを取材して政治動向を探り、経済部に配属されれば企業や官庁を取材して経済記事を手がけます。文化部では書評や家庭欄の記事を、運動部ではスポーツ記事を担当します。ほかに部門の垣根を超えた取材活動をする遊軍記者を置いたり、公になっていない社会問題を発掘して記事化する「調査報道」を専門に担当するチームなどを設けたりしている会社もあります。

記者として入社してから一度は経験するのが、社会部の警察担当記者である「サツ担」です。各警察署での定期的な記者会見や、事件・事故の際の取材を担当します。警察署の広報担当者や捜査官と信頼関係を築いて捜査状況についてヒントをもらったり、ときには捜査官の勤務後や出勤前に「夜討ち朝駆け」とよばれるアポなし取材を行って情報を引き出したりと、取材技術を磨くのに最適な仕事であることから新人記者がキャリアのはじめに配属されることが多いです。数年にわたりサツ担を務めて取材技術を磨いた後は、本人の希望や適性により他部門に移籍することも可能です。

「夜討ち朝駆け」からもわかるように、取材記者の勤務時間は規則的とはいえません。例えば、サツ担であれば事件が起きれば昼夜関係なく取材する必要があり、突発的な事故が発生すれば休日であっても会社から呼び出しがかかります。また他の部署でも選挙や政情不安、災害の発生などで徹夜で仕事をするケースもあります。

勤務地については、全国紙・ブロック紙・県紙など発行エリアの違いにより大きく異なります。全国紙やブロック紙は独自取材による全国ニュースを充実させるために国内外に総局・支局・通信部を設置しているため、多くの記者は地方を振り出しに数年単位で転勤を繰り返し、本社に配属されます。全国紙やブロック紙の取材記者であれば、引っ越しを伴う転勤はつきものだと考えたほうがよいでしょう。

一方で、県単位で発行する県紙は地元の情報に力を入れた紙面づくりを行うことが多く、支局は県内のほか東京・大阪などの主要都市に限られます。したがって、引っ越しを伴う転勤などはあまりありません。

このように取材記者は生活時間や居住地域が仕事の都合で左右されるため、一般的には激務であるといえます。しかし、自らの取材・執筆した記事で社会に問題提起することができるという充実感は何物にも変え難く、大きなやりがいのある仕事といえるでしょう。生活が不規則になりやすいため体力に自信があるに越したことはありませんが、熱意さえあれば男女問わず取材現場の最前線で活躍することが可能です。

整理記者

整理記者は、各部門から上がってきた原稿の重要度を精査して紙面での扱いの大きさを決めるほか、見出しづけ、レイアウトを担当します。

新聞は面(ページ)ごとに出稿する部門が決まっており、掲載できるニュースの量は面の数により制限されます。今日は社会部のニュースが多いのでスポーツ面の半分を社会部に割り当てる、というようなことは通常はできません。また、その日のトップニュースを掲載する1面では、各部門が記事を掲載しようと競争を繰り広げます。そこで、紙面に掲載できるニュースの量を勘案しながら、その記事を扱う大きさやレイアウト、見出しなどを決めるのが整理記者の仕事です。

各部門の原稿が出揃うと、整理記者はまず情報の重要度をランク付けして掲載の可否と掲載順を決めます。同時に紙幅にあわせた適切な見出しづけも行います。さらに記事の文字数が紙面に比べて多い場合は、記事を一部削除して行を短くするなどの編集を施します。割付(レイアウト)も整理記者が担当し、重要なニュースから順に紙面右上を起点に配置していきます。

社内で作業をするため取材記者のような華やかさはありませんが、整理記者が生の情報を加工し選別することで各紙の特色がより一層際立つため、新聞づくりにおいて非常に重要な職種といえます。

校閲記者

新聞記事の最後のつくり手が校閲記者です。記事中の誤字・脱字はもちろん、固有名詞や数字、歴史的事実などに間違いが入り込まないようチェック業務を担当します。新聞は情報の正確性が生命線であるため、校閲記者には高い専門性が求められます。そのため取材記者を経験していない、校閲一筋の記者も存在します。中途採用として校閲記者が募集されることもあります。

将来性

新聞の発行部数は近年右肩下がりです。紙の新聞が下火になっていく流れはもう止めようがない、というのが一般的な見方かもしれませんが、だからといって新聞記者の将来は暗いかというと、そうでもありません。

現在、新聞各社はWebメディアへの記事提供や電子版などの展開に注力しています。その新たな展開から、日本経済新聞社の日経電子版や朝日新聞社のwithnews、産業経済新聞社のzakzakといったメディアに触れる機会が多くなったと感じる方も多いでしょう。

昨今、自らは取材せず二次情報をもとに記事を書いて読者を獲得するメディアが増えていますが、そもそも新聞記者や雑誌記者などが、一次情報を自らの足で集めるメディアがあってこそ、これらの新しいメディアは成立しています。

新聞各社が長年にわたって蓄積した取材や記事作成についてのノウハウは、時代とともに媒体が変化してもその価値は損なわれず、新聞記者の価値もけっして色あせはしない、ということではないでしょうか。

新聞記者になるには?

新聞記者になるための方法は、一般紙と専門紙で若干異なります。

一般紙

新卒で一般紙の記者職を目指すには、大学を卒業することが必要です。大学での専攻は文系・理系を問いません。新聞学科などを設置している大学もありますが、記者として就職するために必須とはいえません。何よりも重要なのは入社試験で行われる筆記試験と面接試験に合格するため、専攻にかかわらず試験対策を怠らないことです

入社試験における筆記試験は一般常識や語学力を試す問題がマーク式で出題され、テーマに沿った問題が論述式で出題されるのが普通です。マーク式の試験は「一般常識」と銘打っているケースでも、出題内容は古典文学から最新の時事にわたるまで、微に入り細を穿つ内容の問題が出題されます。また、論述式も必要文字数や時間の制限が厳しく、高度な論述力が求められます。いずれの試験も、新聞社以外の企業の入社試験対策では対応が難しい内容です。

したがって実際に一般紙の新聞記者になった人は、マスコミ志望者専門予備校に通って論述力などを磨き、マスコミに絞って就職活動をした人が大半です。マスコミに就職したOBを招いて対策講座を開講している大学もあるので、受講を検討してみてください。

中途採用は、マスコミの記者経験者が非常に有利です。専門紙・地方紙の記者や雑誌記者がより良い勤務条件を求めて応募し、採用されているのが現実です。未経験から新聞記者を目指すなら、前職で身につけた専門的知見を記事や取材で生かすことができる、という証明が必要になりそうです。

専門紙

専門紙で記者を目指す場合は、学歴や職歴はあまり関係ありません。専門的な情報を扱う専門紙では、その範囲の情報に精通していたり、取材できる人脈があったりすれば記者を目指すことができます。したがって、記者未経験であっても転職でキャリアチェンジできる可能性は大いにあります。あるスポーツ紙では、廃止された地方競馬場の騎手を競馬担当記者として迎え入れた例があります。

なお、採用試験では一般紙ほど厳しいテストは課されませんが、文章を書くのが苦手だったり、足で情報を稼ぐのがいやだと感じたりする人は入社後に苦労する。

新聞記者の求人傾向は?

一般紙の採用は、新卒採用が中心です。中途採用は年に1回ほど若干名の募集になることが多く、紙面や自社サイトのみで告知するケースがほとんどです。応募したい新聞社の紙面をこまめにチェックしておきましょう。

専門紙は会社規模が小さく、中途採用のみ行うという会社も多く見られます。採用時期は欠員補充による不定期な採用であることも多いようです。また、専門紙の記者は会社により業務内容が異なるため、営業を兼務するということもありえます。教育体制が整っていない会社では、未経験者でもいきなり取材と出稿を求められることもあるので、不安であれば求人情報の内容をよく読むことをおすすめします。

出典:
日本新聞協会
日本専門新聞協会

※文中に記載の各種数値は、2017年6月時点のものになります。