動物に関わる仕事とは?資格なしでも働ける職種とおすすめの民間資格

動物が好きで、仕事でも動物と関わりたいと考える人は少なくありません。動物と関わる仕事には何があるでしょうか?資格なしでも働ける仕事や、おすすめの民間資格などを解説します。就職・転職を考えている動物好きの人は、ぜひ参考にしてみましょう。

資格なしで動物に関われる仕事は?

ドッグカフェ

(出典) pixta.jp

日常的に動物と接する仕事としては獣医師が有名ですが、国家資格が必要であり、取得は容易ではありません。一方で、資格なしで動物に関われる仕事もあります。代表例をいくつか紹介するので、確認しておきましょう。

動物カフェ

犬カフェや猫カフェをはじめとして、近年はさまざまな動物と関われるカフェが多くあります。

動物カフェで働けば、日常的に多くの動物と接することが可能です。基本的に仕事内容は一般的なカフェと同じであり、接客や配膳・会計などの業務が中心ですが、犬や猫などの動物の世話も重要な仕事に入ります。

思い切って動物カフェを開業する道もありますが、廃業のリスクも抱えることになるので、自信がなければスタッフとして職に就くのがよいでしょう。

カフェの開業には食品衛生責任者をはじめ、必要な資格の取得が求められますが、店員として働く場合、基本的に資格は必要ありません。

ペットショップ

ペットショップの店員になれば、日常的に動物と触れ合えるようになります。

お客さまが求めるペットの種類やタイプ・性別などに合った動物を紹介したり、世話をするためのグッズを販売したりするのが仕事です。世話の仕方を説明するのも、ペットショップの店員の大事な仕事の1つです。

接客に関する仕事以外にも、ペットの食事や排せつの世話、健康維持に関するさまざまな業務も担当します。ペットショップで働くのに必須の資格はありませんが、お客さまに良い提案をするために、動物に関する多くの知識も身に付ける必要があります。

ペットホテル

ペットホテルとは、ペット専用の宿泊施設(預かり施設)のことで、飼い主が旅行や出張などに出ている間、ペットを預かる施設です。

本格的な預かり施設として運営している場合と、動物病院やペットショップなどが本来の業務に加えて、利用者のペットを預かるサービスを提供している場合があります。ペットの種類や利用する部屋の広さなどにより、料金が異なります。

専業で運営しているペットホテルの場合、ペットの食事の提供やトイレ掃除・健康管理に関する業務に加えて、ホテル施設の管理などが仕事です。

動物健康管理士をはじめとした、動物関連の資格を有するスタッフも多くいますが、働くのに必須の資格はありません。

動物病院のスタッフ

動物病院のスタッフとして勤務すれば、日常的に動物に関われるようになります。

基本的には一般的な病院の受付スタッフと同じであり、電話対応や獣医師のスケジュールの調整に加えて、ペットを連れて来院した飼い主に症状を確認したり、会計や保険の手続きを担当したりするのが仕事です。

また、一般的な病院とは異なり動物が治療の対象となるので、飼い主とペットの名前をセットで覚えておくのも、スタッフの重要な仕事です。

受付ではペットの病気やけがについて、専門的な説明を求められる場合もあるので、動物医療に関する知識もある程度は持っておく必要があります。獣医師は国家資格である獣医師免許が必要ですが、動物病院の受付スタッフならば特に資格は不要です。

間接的に動物と接する仕事

カメラマンの女性

(出典) pixta.jp

動物と直接的に関わる仕事は多くありますが、間接的に接する仕事もあります。ここでは代表例として、動物カメラマンと動物ライターの仕事を紹介します。

動物カメラマン

動物カメラマンはその名の通り、動物を対象に写真を撮影するカメラマンです。大きく分けて、野生動物を撮影するカメラマンと、主にペットを対象に撮影するカメラマンがいます。後者は「ペットグラファー(ペトグラファー)」と呼ばれることも少なくありません。

主に雑誌で使われる写真を撮影するのが仕事であり、野生動物を対象とするカメラマンの場合、アフリカなどの海外に出かけて、動物を調査・撮影している人もいます。

一方、ペットを対象とするカメラマンは、雑誌に写真を投稿する場合もありますが、飼い主から依頼されて撮影するケースもあります。

動物カメラマンとして活躍するのに特に資格は不要ですが、被写体を美しく撮影する技術が必要です。独学で撮影技術を学ぶ人も多くいる一方で、専門学校や大学で写真を学んでカメラマンになる人も珍しくありません。

動物ライター

動物ライターは、さまざまな動物に関する記事を執筆するライターです。動物の基本情報やペットの飼い方など、多種多様な情報を記事にして発信します。

出版社と契約して、動物関連の雑誌で記事を書くライターはもちろん、動物の情報を扱うWebサイトに掲載する記事を書くWebライターもいます。近年は、犬や猫の記事を書いて収入を得られるサービスもあるので、未経験から始めやすい仕事の1つです。

副業から始めて徐々にスキルアップを図ることで、本格的に動物ライターとして活躍できる可能性もあります。

民間資格があった方がよいとされる仕事は?

トリマー

(出典) pixta.jp

ペットに関わる仕事の中でも、以下の職種は資格を得ておくのがおすすめです。無資格でも仕事は可能ですが、本格的に就職・転職を目指すならば、まずは資格の取得を目指してみましょう。

トリマー

トリマーはペットの毛をカットしたり、スタイリングしたりする仕事で、動物の美容師のような職種です。ペットの毛を整えるためにシャンプーをしたり、伸びた毛をカットしたりするのに加えて、歯磨きや爪切りなどを担当する場合もあります。

さらに、ペットの健康をチェックして、飼い主に生活のアドバイスをするのも重要な仕事です。しつけの相談に乗るケースも少なくありません。

資格が必須の仕事ではありませんが、トリマーとして働くならば相応の技術や知識を身に付ける必要があります。トリミングの技術はもちろん、飼育環境などのアドバイスをすることもあるため、担当する動物に関する総合的な知識が求められます。

ドッグトレーナー

ドッグトレーナーは、すでにペットとして飼われている家庭犬や将来的にペットとして飼われる犬などを対象に基本的なしつけをする仕事です。ドッグトレーナーによって生活の仕方やマナーを身に付けた犬は、飼い主になる人が安心して引き取れるようになります。

犬は1匹ごとに性格が異なるので、無駄にほえたりかみついたりしないように、個性を見極めて適切なしつけをするのが、ドッグトレーナーの重要な役割です。さらに、飼い主に犬との接し方や、一緒に生活する上での注意点などもアドバイスします。

資格が必須の仕事ではありませんが、技術を証明して信頼を得るためにも、ドッグトレーナーに関する資格の取得がおすすめです。

専門知識・一定の条件が必要とされる仕事

酪農

(出典) pixta.jp

専門知識や一定の条件が必要な仕事も押さえておきましょう。動物園・水族館の飼育員や、牧場のスタッフなどが代表例です。

動物園・水族館の飼育員

動物園や水族館の飼育員は、日常的に多くの動物と直接的に関わる仕事です。動物園は主に陸上で生活する動物がメインで、水族館は魚類や海獣類の飼育を担当します。

飼育員は動物の餌やりと健康管理が主な仕事ですが、イベントの運営や動物ショーの司会・進行などを担当する人も少なくありません。

働くのに必須の資格はありませんが、四大卒を応募条件にしているところも多く、動物園では運転免許が必要とされる場合もあります。飼育する動物に関する幅広い知識が必要です。

酪農・牧場で働くスタッフ

動物によって仕事内容は異なりますが、日本の酪農は牛がメインで、乳牛の育成や牛乳の生産に従事するのが一般的です。牛舎の清掃や堆肥の処理なども仕事に含まれます。

また、牧場スタッフとして就職すれば、牛だけではなく、羊やウサギなどの動物の世話ができる可能性もあります。どのような動物を飼育しているかは牧場によって異なるので、事前に調べておくとよいでしょう。

酪農や牧場に関する仕事は人手不足の傾向にあり、未経験からでも受け入れてもらえる可能性があります。

動物保護団体

専門知識を活用して動物に関わるならば、動物保護団体のスタッフとして仕事をするのもよいでしょう。

動物関連の団体はさまざまですが、野良犬・野良猫などの保護をしている動物愛護センターのスタッフや、公務員として保健所で働く道もあります。動物関連の活動をしているNPOも少なくありません。

動物の保護を依頼された際などに、対象の動物を保護・飼育する仕事が多く、引き取り手を探すのも重要な仕事です。なお、自治体が運営する動物愛護センターで働くには、地方公務員試験に合格後、配属される必要があります。

動物に関わる仕事の資格もチェック

獣医のイメージ

(出典) pixta.jp

動物に関わる仕事で必要な資格についても確認しておきましょう。大きく分けて国家資格と民間資格の2つがあります。

【国家資格】獣医師・愛玩動物看護師など

動物関連の国家資格には、獣医師と愛玩動物看護師があります。獣医師は動物の健康を管理し、病気やけがの治療をするのが仕事ですが、家畜伝染病の防疫や獣医学に関する研究などを仕事にしている人もいます。

一方、愛玩動物看護師は、農林水産省認定の国家資格です。獣医師の指示に従い動物の採血や投薬などを行うのはもちろん、入院中の動物を世話したり、飼い主にアドバイスしたりするのが仕事です。

獣医師になるには大学の獣医学課程で学んだ上で、国家資格試験に合格しなければいけません。愛玩動物看護師を目指す場合も、愛玩動物看護師養成所で必要な知識を身に付ける必要があります。

出典:獣医師、獣医療:農林水産省

出典:愛玩動物看護師法の概要|農林水産省

【民間資格】トリマー・愛玩動物飼養管理士など

トリマーに関するものをはじめ、動物関連の民間資格も多くあります。就職や転職を成功させるために、自分が目指している仕事内容に関連した資格を取得するのもおすすめです。

JKC公認トリマーや愛玩動物飼養管理士・動物介護士・認定ペットシッターなどさまざまな種類があるので、自分の興味のある分野の資格がないか、一度調べてみるとよいでしょう。

転職後に資格取得を目指す方法もあり

犬の世話をする女性

(出典) pixta.jp

動物に関わる仕事はさまざまで、直接的に動物と触れ合う仕事から、間接的に飼育をサポートする仕事など数多くあります。

獣医師や愛玩動物看護師など資格が必須の仕事もありますが、資格がなくても働ける仕事も多いので、まずは自分の進むべき道を明らかにすることが大事です。その上で、資格を取得すべきか検討しましょう。転職後に資格の取得を目指す方法もあります。

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