自己PRでコミュニケーション能力を効果的にアピールする方法は?

履歴書にも記入欄があり、面接の際にも聞かれることの多い自己PRは、採用試験を突破するための重要な項目です。自己PRとしてコミュニケーション能力を挙げる場合の、効果的なアピール方法や注意点について例文とともに解説します。

自己PRでコミュニケーション能力は武器になる?

握手をする二人のスーツの男性

(出典) photo-ac.com

そもそも、コミュニケーション能力は自己PRの内容として有効でしょうか?コミュニケーション能力は目に見えるスキルではないため、相手に伝わるよう効果的にアピールすることが重要となります。

社会人はコミュニケーション能力が不可欠

どんな職種であっても、基本的にたった1人で完結する仕事というのはほとんどありません。同じ会社であれば上司・部下や他部署の人、社外では取引先や顧客など、他者とのコミュニケーションは社会人として働く上では不可欠です。

実際に多くの企業が、応募者を選考する際に重視する点としてコミュニケーション能力を挙げています。コミュニケーション能力の高さは、自己PRの項目として十分に効果的です。

「何もアピールできるスキルがない」「人と仲良くできることくらいしか強みがない」と悩んでいる人も、他者と上手にコミュニケーションが図れることは大きな強みです。自信を持ってアピールしていきましょう。

参考:2021 年度新卒者採用に関する動向調査|公益財団法人 地方経済総合研究所

具体的なエピソードを挙げてアピールしよう

一言でコミュニケーション能力といっても、実際には「聞く」「伝える」「相手の気持ちに立つ」「協力する」など、その内容はさまざまです。

ただ単に「私の強みはコミュニケーション能力です」と伝えるだけでは、採用側はどんな部分がどんな風に高いのかを判断することができません。

そのため、自己PRでコミュニケーション能力をアピールする場合には、具体的なエピソードを挙げて話すようにしましょう。

コミュニケーション能力という言葉を、「相手に分かりやすく説明する力」や「対話の中で相手の要望を察知する力」など、自分が強みとする内容に言い換えた上で具体例を挙げて伝えると効果的です。

コミュニケーション能力が求められる職業

打ち合わせでプレゼンテーションをする女性

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さまざまな職業がある中で、特にコミュニケーション能力の高さが求められる3つの職業を紹介します。

コミュニケーション能力はどんな職業においても必要ですが、以下の職業を希望している人にとっては特にアピールしやすい強みとなるでしょう。

営業職

商品・サービスの魅力を相手に伝え、それを買ってもらう営業の仕事において、コミュニケーション能力は重要な役割を果たします。

「営業=口がうまい・話し上手」というイメージを持っている人も多いものですが、営業の基本は対話です。

対話とは、一方的に商品・サービスの魅力を語ることではありません。相手がどんなことに困っているのかをヒアリングし、その上で自社の商品・サービスがどのように役立つのか、相手側がメリットを感じるように伝えることです。

営業職には話す力も聞く力も求められるので、両方をアピールできると効果的です。

サービス業

サービス業には、主に「アパレル」「化粧品などの販売員」「ホテル」「飲食店」などの接客業が挙げられます。日々、お客様と直接顔を合わせて会話をする機会が多いため、コミュニケーション能力が必要となります。

また、サービス業ではアルバイト・パートと一緒に働くこともあり、お客様に対してだけでなく、アルバイト・パートとのコミュニケーションも重要です。

サービス業を目指す人は、お客様の要望を聞く力・商品の魅力を伝える力はもちろん、「リーダーシップを持って仲間をまとめること」や「連携して動くことができる」という点をアピールできるとよいでしょう。

事務職

コミュニケーション能力とはあまり関係のなさそうな事務職ですが、営業とのやりとりや他部署との連携など、実は意外と他者とコミュニケーションを取ることが多い職種です。

事務職は他者から依頼されて仕事をするケースが多いため、「話しかけにくい」「頼みにくい」という印象を持たれてしまうと、仕事がうまく回らないということもあり得ます。

コミュニケーション能力は事務職においても大きな強みになるので、存分にアピールしましょう。

コミュニケーション能力をアピール!自己PR例文

ノートに記入する手元

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実際に履歴書や面接でコミュニケーション能力をアピールする際に、どのように伝えれば効果的なのでしょうか?

コミュニケーションの要となる「聞く力」「伝える力」「連携する力」の3つを軸に、それぞれ例文を紹介します。

聞く力をアピールする場合

まずは、「話から相手の気持ちをくみ取る」「相手が求めていることを聞き出す」など「聞く力」をアピールしたい場合の例文です。

【例文】

私は相手の要望を聞き、それに対して改善策を提案することが得意です。前職の介護の仕事で、イベントのたびにつらそうにしている利用者さんがいたので、よく話を聞いてみると、その方は昔から集団行動が苦手だということでした。

そこで、レクリエーションのようなみんなで参加するイベントだけではなく、手芸などの作業やコンサート鑑賞など、1人で完結するイベントを増やすことを上司に提案してみました。

これが採用され、その利用者さんの生き生きとした表情が見られる機会も増えました。御社の販売の仕事でも、お客様1人1人が求めていることに寄り添うことができるような、丁寧な接客を目指していきたいと思います。

伝える力をアピールする場合

次に、「相手に分かりやすく伝える」「自分の考えを明確に伝える」など「伝える力」をアピールしたい場合の例文です。

【例文】
私の強みは、他者に伝える力です。アパレル販売の仕事をしていたとき「かわいいですよね」「この色人気なんですよ」など、商品のアピールがテンプレートになってしまうことが多く、お客様にきちんと服の魅力が伝わらないことを歯がゆく感じていました。

そこで「人気雑誌掲載!」や「今注目のビッグシルエット!」など、特徴やアピールポイントを一言書いたポップを作成し、それぞれの洋服の前に貼るようにしました。

すると、お客様の目を引くだけでなく、販売側もセールストークがしやすくなり、店舗全体の売上を前月比120%にすることができました。

この前職で培った「相手に適切に伝える力」を生かし、営業として多くのお客様に御社の商品の魅力を伝えていきたいと考えています。

人と連携する力をアピールする場合

最後に、「仲間を一致団結させる」「協力して物事を進める」など「人と連携する力」をアピールする場合の例文です。

【例文】

私は協調性を持ってチームをまとめることが得意です。新卒として入社した前職では、1年目の社員が企画から運営まで全て自分たちで考えて開催するオリエンテーションがありました。

しかし全員初めての社会人経験で、企画の立て方や意見のまとめ方が分からず、話し合いも全く進まない状況が続いていました。

そこでアンケート用紙を作成してみんなのやりたいことを集計したところ、スポーツが多かったためスポーツを軸にした企画を考え、話し合いの場で発表しました。

すると皆次々と意見を出してくれるようになり、最終的にスポーツ大会は成功して同期の絆も深めることができました。

前社で多くのメンバーをまとめた経験を生かして、御社でも潤滑油のような存在になれるよう常に周りに気を配り、チームワークを大切にしていきたいと思います。

 

コミュニケーション能力で自己PRする際の注意点

手を差し出しながら話すスーツの男性

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自己PRでコミュニケーション能力をアピールする際に、マイナスとなり得る2つのポイントを紹介します。

アピールすることによって自分で自分の首を絞めることのないよう、次の点に注意しましょう。

面接での言動も注目される

コミュニケーション能力の高さをアピールするのであれば、面接での言動も伴っていないと説得力がありません。

例えば、「伝える力」をアピールしているのに相手の目を見ずに小さな声でボソボソと話したり、「聞く力」をアピールしているのに質問の意図とズレた受け答えをしたりすると、「本当にコミュニケーション能力があるの?」と疑われてしまいます。

コミュニケーション能力を自己PRとするならば、面接ではそれを実行できるのが当たり前という意識を持ち、矛盾のない立ち振る舞いを意識しましょう。

ほかの応募者とかぶる可能性がある

コミュニケーション能力は、特別なスキルがなくてもアピールすることができ、具体的なエピソードも比較的出しやすいため、自己PRとして使う応募者は少なくありません。

そのため、ほかの応募者とは違ったアピールの仕方をしないと、その他大勢に埋もれてしまって印象に残らない可能性があります。

具体的にどのようなことが得意で、その強みをもとに何を成し遂げたのか、また採用されたらどうやって仕事に生かすのかなど、ほかの応募者と差がつくアピールの仕方ができるとよいでしょう。

コミュニケーション能力を効果的にアピールしよう

握手をする二人

(出典) photo-ac.com

コミュニケーション能力は、自己PRの内容として十分なアピールポイントとなります。

ただし、「コミュニケーション能力が高い」だけでは伝わりづらく、具体的なエピソードを挙げて強みとしてアピールすることが重要です。

また、希望する仕事にどのように生かすことができるのかも伝えられると、より効果的です。伝え方や伝える際の注意点に留意して、しっかりアピールしましょう。