面接での正しいマナーやNGポイントは?受付から退室まで解説

面接では、話す内容だけでなくマナーも評価の対象です。マナーを守った行動ができているかどうかで、社会人としての常識が試されていると考えましょう。面接での正しいマナーやNGポイントについて、受付から退室までのステップごとに徹底解説します。

面接のマナーは身だしなみから

スーツの女性

(出典) photo-ac.com

身だしなみを整えるのは、社会人として最低限のマナーです。身だしなみが整っていないとそれだけでマイナス評価につながることがあるため、まずは面接に好ましい服装や髪型について知りましょう。

服装はスーツスタイルが基本

面接での服装は、私服を指定されたケースを除いて、男女ともにスーツスタイルが基本です。

転職活動では、就活用のリクルートスーツを着用していると、頼りない印象を与えたり社会人としての常識を疑われたりする可能性があるため、ビジネススーツを着用しましょう。女性の場合、トップスをカットソーやブラウスにするとこなれた印象になります。

鞄は男女とも自立するビジネスバッグを持ち、男性は革靴、女性はパンプスを履くのが一般的です。

服装における最大のマナーは、清潔感を見せることです。シワや汚れが付いていると印象が下がってしまうので、自宅を出る前に服装から靴まで全身を確認しましょう。

髪型は清潔感を意識する

面接では、男女ともに目と耳が見える表情が分かりやすい髪型が理想です。男性は整髪料で整えます。女性は頷いたときやお辞儀をしたときに髪が落ちないよう、結ぶかピンで留めるようにしましょう。

面接中に髪を触ると落ち着きのない印象を与えるため、崩れない髪型を事前に研究しておくのがおすすめです。

髪の色は黒か暗い茶色がベストです。業種によりますが、派手な髪色や奇抜な髪型は面接にふさわしくないので避けましょう。

受付でのマナー

腕時計を確認する女性

(出典) photo-ac.com

面接は受付から始まっているといっても過言ではありません。受付でのやりとりの様子が面接官に伝わる可能性もあるので、受付から気を引き締めてマナーを順守したふるまいを心がけましょう。

受付は面接開始の5~10分前に

遅刻はもちろんNGですが、逆に早く到着しすぎるのもマナー違反です。早く着いた方がやる気や真面目さをアピールできると考えている人もいるかもしれませんが、ほかの業務や面接の準備など、企業側にも都合があります。

相手の都合を考慮せず早い時間に押しかけると、常識を疑われてしまうでしょう。面接開始の15分前くらいに到着し、5~10分前に受付を済ませます。

スーツの上にコートを着ている場合は、建物に入る前に脱ぐのがマナーです。真冬でもコートは必ず建物に入る前に脱ぎ、畳んだ状態で手に持って受付に向かうのが正解です。

挨拶をして名前と用件を伝える

受付に到着したら、「おはようございます」「こんにちは」「恐れ入ります」などと挨拶をして、自分の名前と面接に来た旨を伝えます。「あのー」「すみません」といった声のかけ方はNGです。

企業によって受付に人がいる場合と、受付がなく入口にインターホンが設置されている場合があります。

どちらの場合でも挨拶をしてから「△時から面接予定の××と申します。○○様(ご担当者様)にお取次ぎいただけますか」と伝えれば問題ありません。

遅刻は厳禁!遅れる場合は必ず連絡を

面接での遅刻はかなりのマイナスポイントです。余裕を持って早めに到着するよう家を出発するのが基本ですが、それでも事故など予想外のトラブルに巻き込まれる場合や、寝坊してしまう場合もあるでしょう。

面接に遅刻してしまうと分かった時点で、連絡するのがマナーです。「ギリギリ間に合うかも」と思いながら直前まで連絡せず、結果的に遅刻するというパターンは避けたいため、遅刻しそうなことが確定した時点で必ず担当者に連絡を入れましょう。

企業に電話をかけたらまず「自分の名前」「面接の予定時間」「遅刻する理由」「到着予定時間」を伝え、その日に面接の実施が可能かどうか確認します。

時間をずらして実施となる場合でも別の日に変更となる場合でも、調整していただいたことへの感謝と謝罪を伝えて電話を切ると、誠意が伝わりやすくなります。

入室~着席までのマナー

扉をノックする手元

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面接が行われる部屋に入るときから席に着くまでのマナーを紹介します。面接が始まる前は誰もが緊張する瞬間です。基本のポイントをしっかり押さえておきましょう。

3回ノックをして入室

部屋の前に着いたら、まずはドアをゆっくり3回ノックし、面接官から「どうぞ」や「お入りください」と返事があったら「失礼します」と言って入室します。

部屋に入ったら、開けておくよう指示がない限りはドアを閉めるのが基本です。閉める際は後ろ手で閉めるのではなく、ドアに向き直って開けた方と反対の手で閉めましょう。

ドアを閉めたら面接官の方を向き、「○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶して一礼するまでが、入室時の正しいマナーです。

指示されてから着席する

入室したら椅子の横に立ち、「どうぞお座りください」と促されてから「失礼します」と言って座りましょう。面接官からの言葉がある前に座ってしまうと、常識がないと思われるので注意が必要です。

部屋に椅子が複数置かれていて、面接官から明確な指示がない場合は、ドアに一番近い下座に座りましょう。上座に座ったからといって印象が悪くなるとは限りませんが、下座に座るとマナーを知っている人であるという印象を与えられます。

鞄は椅子の横に置く

着席する際、鞄は椅子の横に立てて置きます。椅子の足に立て掛けることも可能ですが、面接官によってはだらしない印象を抱く可能性もあるため、自立する鞄がおすすめです。

近年ではリュックタイプのビジネスバッグを使用している社会人も多いですが、面接用としてはカジュアルなので、手提げタイプのビジネスバッグを選びましょう。

脱いだコートを手に持っている場合は、鞄の上か椅子の背もたれに畳んでかけるのが一般的です。

面接中のマナー

机に座って面接を受ける女性

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面接中に気を付けたい2つのマナーを紹介します。気を抜くと忘れてしまいがちなので、面接が終了するまで意識して行動するようにしましょう。

椅子の背もたれに寄りかからない

面接中は椅子の背もたれには寄りかからず、顎を引いて背筋を伸ばして座るのが正解です。椅子に深く座ると背中が曲がってだらしなく見えてしまうため、背もたれからこぶし1個分くらいのスペースを空けて座るようにしましょう。

普段から背もたれに寄りかかる座り方をしている人にとっては少々きついかもしれないので、面接前に正しく座る練習をしておくのがおすすめです。

また足幅や手を置く位置にも、注意が必要です。男性はつま先をまっすぐ前に向け、足を肩幅くらいに開き、手は軽く握って両太ももの上に置きます。

女性は膝とかかとをくっつけ、足をまっすぐそろえて座り、手は右手が下になるよう重ねて太ももの上に置くのが理想的です。

面接官の目を見て明るくハキハキと話す

面接の受け答えでは、面接官の目を見てハキハキ話すことを心がけましょう。予想外の質問や答えにくい内容だと目線を逸らしてしまいがちですが、目を見ずに発言すると、自信がない印象や頼りない印象を与えてしまいます。

面接中ずっと相手の目を見ている必要はありませんが、発言するときや話を聞くときは面接官の目をしっかり見るのがマナーです。

小さな声でぼそぼそと話すのも、印象がよくありません。普段会話するときよりも、少し高めで声量を大きめにすると、面接官に届きやすい声が出ます。声が通りにくい人は、発声練習をしておきましょう。

退室時のマナー

お辞儀をする女性

(出典) photo-ac.com

面接が終了しても、部屋を出るまで油断は禁物です。最後まで好印象を残せるよう、退室する際のマナーについても知っておきましょう。

面接が終了したらまずお礼を伝える

面接官から面接終了のアナウンスがあったら、まずはお礼を伝えます。椅子に座ったまま「本日はお時間をいただきましてありがとうございました」とお礼を伝えて一礼します。

面接官が立ち上がった場合は、一緒に立ち上がってからお礼を伝えましょう。面接官が立っているのを座ったまま見上げるのは失礼にあたります。

お礼を伝えたら、椅子の横で再度お辞儀をしてドアに向かいます。面接官が一緒に退室する場合は、面接官の後に続きましょう。

退室前にドアの前でもう一度挨拶

ドアの前まで来たら面接官に向き直り、「ありがとうございました。失礼いたします」と一礼してから退室します。部屋を出たらドアを静かに閉め、ロビーで一息ついたりスマホをいじったりせずに、そのまま建物を後にしましょう。

面接官が一緒に部屋を出る場合は、部屋を出る際ではなく面接官との別れ際に再度お礼を伝えてから去ります。

企業によってはエレベーターまで見送ってくれるケースがあります。その場合はエレベーターの扉が閉まるまでお辞儀を続けるのがビジネスマナーです。

面接でマナー違反と見なされる行動に注意

手を出して制止する男性

(出典) photo-ac.com

最後に、面接においてマナー違反とされる言動について解説します。マナー違反があると、業種や職種に関係なく面接官からの印象が悪くなってしまうので注意しましょう。

企業や仕事のリサーチをせずに面接に臨む

企業の情報や仕事内容について十分なリサーチをせずに面接に臨むのはマナー違反です。採用担当者も真剣に応募者と向き合うために、時間を割いて面接を行っています。

そんな中、応募先の企業や業界について理解していないまま面接を受けるのは、やる気がないと思われるだけでなく、相手に対する失礼な態度といえます。

自分自身にとっても面接官にとっても無駄な時間にならないよう、事前にしっかりリサーチをして面接に臨みましょう。

面接の最後に質問があるかと聞かれた際に、調べればすぐに分かるような基本的な内容を聞くのもNGです。

前職の悪口を言う

面接で前職の退職理由を聞かれた際に、ネガティブな理由を述べるのはタブーです。実際の退職理由が「やりがいがない」や「残業が多い」などのマイナスな理由であったとしても、面接ではできるだけポジティブに言い換えるようにしましょう。

例えば「やりがいがない」は「今後はこんなことに挑戦したい」、「残業が多い」は「仕事以外の時間でも自分を成長させたい」など、未来をよりよい方向に導くために転職を決意したというようなストーリーが伝わると、好印象を与えられます。

マナーを守って面接で好印象を残そう

スーツの男性

(出典) photo-ac.com

たとえ面接で思うように話せなかったとしても、マナーがしっかりしていれば悪い印象を与えることはないでしょう。裏を返せば、どんなに面接の内容がよくても、マナーが悪ければ不採用になる可能性があります。

面接に限らず、ビジネスシーンにおいてマナーはそれほど重要なものです。正しいマナーを身に付けて、面接官に好印象を与えましょう。