企業研究ノートとは?作り方の基本と注意点をチェック

転職時に役立つ道具として、企業研究ノートがあります。ノートを作る過程で、企業をより深掘りし、自己分析とあわせることで面接時に役立つものです。企業研究ノートの作り方、作る際および作った後の注意点を解説していきます。

企業研究ノートの目的

ノートに記入する手元

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企業研究ノートとは、何のために作るのでしょうか。企業研究ノートについての基本を確認しましょう。

転職に欠かせない企業研究の深掘り

企業研究ノートとは、自分が知りたいと思う企業の情報をノートにまとめたもののことです。

まとめる内容は事業内容や社風、基本的な情報から企業側が求める人材まで多岐にわたり、それらを把握することで自分が活躍できるかを確認できます。

自己分析や業界研究も大事ですが、企業研究も満足いく転職活動をする上でとても大切です。企業研究ノートを作るかどうかで、転職後の働きやすさや満足度が大きく変わってくるでしょう。

情報を整理することで、客観的に情報を見つめる機会を設けられるため、その点でも有意義です。

把握していなかった情報の入手

情報をあまり集めない状態で転職活動をすると、どの企業を受けて良いのか迷ってしまうことがあります。それを防ぐために、企業研究ノートを作るのです。

転職する際に企業研究は重要で、有名な企業を志望していたとしても、深く調べなければ消費者の視点で見た情報しか分かりません。企業研究をすることで、働き方が具体的に確認しやすくなります。

また、同じ業界・業種で志望している場合も企業研究が役立ちます。受けようとしている企業は他の企業より何が魅力でどのような業務内容か、といった点を比較して転職先を検討できるからです。

企業研究ノートを作るメリット

ノートに記入し資料を作成する

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企業研究ノートを作ることで、実際にどのようなメリットが生まれるのでしょうか。志望動機や企業との相性面から紹介していきます。

志望動機を見つけやすくなる

面接では志望動機について必ずといっていいほど質問されます。そこで明確に答えられなかったり、答えの質が低かったりするとマイナスな印象を与えてしまいます。

企業研究ノートを作り、特徴や強み、事業を知ることで企業の魅力を発見しやすくなります。魅力に感じた部分を深掘りしていくことで、志望動機も見つけやすくなるでしょう。

例えば、同業他社と比べて志望先企業の経営力に魅力を感じた場合、「業界内で多くのシェアを獲得しており、安定した経営を行っている」ということが志望動機のネタとして使えます。

必要な情報を覚えやすくなる

企業研究に限った話ではありませんが、覚えたい情報は実際に書いてみる方が記憶に定着しやすいでしょう。ただ目で追っただけでは、なかなか物事を覚えられない経験は誰しもあるのではないでしょうか。

必要な企業情報を書き出すことで、面接対策になる点もメリットです。企業研究ノートにまとめた内容を話せば、面接官は「企業研究をしっかりしている。意欲の高い人だ」と思いやすくなります。

就職が関係する面接は重要度が高く、緊張してしまう人も多くいます。そこで緊張のあまり言葉が出てこなくなってしまう恐れもあります。ノートに書いておくことで、言葉がスムーズに出やすくなるでしょう。

企業とのマッチングを測る

企業研究ノートを作る過程で企業への理解を深めると、その企業の一般的なイメージ以外も分かってきます。

企業に対して、意外と一般的なイメージで思い込んでしまっている部分もあります。その思い込みを減らし、入社後のミスマッチのリスクを減らせるのがメリットです。

また、あらかじめ自分に合った企業を見定めることで、不必要な説明会・イベントに参加しなくて済みます。転職活動は忙しい中、貴重な時間を使っての活動となるため、時間の節約は大きなメリットになるでしょう。

企業研究ノートの作り方

分析ノートを作成する

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企業研究ノートは、具体的にどう作れば良いのでしょうか。何に書くべきか、どんなことを書くべきかを解説します。

ノートやルーズリーフがおすすめ

まずノートを1冊用意して、そこに調べた企業のことを書きまとめていきます。ノートは何でも構わないので、好きなデザインのものが良いでしょう。モチベーションを上げるため、頻繁に手に取りたくなるものがおすすめです。

利便性を考えるのであれば、ルーズリーフが便利でしょう。企業研究は進めていくうちに志望度の高さが変わったり、志望業界が変わったりすることがあります。

そういった時に順序を組み替えられるよう、ページを入れ替えられるルーズリーフがうってつけというわけです。

基本項目

企業研究ノートで書くべき項目は、基本的に自分がその企業に対して知りたいと思ったことです。

面接を受けることを想定しながら、リサーチしたことで判明した情報を書き出していく方法がおすすめです。具体的には、以下のような情報を記載しておきましょう。

  • 企業名
  • 創業年
  • 業界
  • 従業員数
  • 年収
  • 経営理念
  • 資本金
  • 業績
  • 事業内容
  • 同業他社と比べたときの強み
  • 福利厚生
  • 社風
  • 将来のビジョン

情報の集め方

企業研究ノートを作る際の情報の集め方として、一番簡単で最初にできるのが、その企業のウェブサイトを見ることです。企業の概要から理念、経営方針などはここでおおむね確認できるでしょう。

就職活動の情報サイトや会社説明会、転職エージェントから得られる情報も多くあります。特に転職アドバイザーからは、通常なかなか得られない情報をもらえることもあるため活用しましょう。

例えば転職サイトを見ると、実際にその企業で働いている現役社員の声を聞くことができる場合もあります。

他にも新聞やプレスリリース、業界誌など、多方面から情報収集をするのがおすすめです。満遍なく情報を入手することで、より深く多くの角度から企業を見つめることができます。

情報はアップデートしていく

情報は随時追加してこそ価値のあるものになります。一度企業を研究したら終わりではなく、アップデートしていきましょう。

別の企業研究をしているとき、調査の結果を比較することで抜けていた情報を得られることもあります。

また、最初はウェブサイトでしか得られなかった情報が、OB・OG訪問や企業説明会などで内部のより詳しい情報に更新されることもあるでしょう。

そういった情報も追加していくことで、企業研究ノートは密度を増して、より役立つものへと進化していきます。

企業研究ノートを作る際のポイント

パソコンに向かい調べ物をする女性

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企業研究ノートを作る際は、いくつかポイントがあります。使い勝手のいいノートにするためにはどういった点に気を付けるべきかを紹介しましょう。

書き方にこだわりすぎない

後から見返すときに見やすいノートであることは大切です。しかし、最初から見やすさだけを意識しすぎると目的と手段が入れ替わってしまうこともあります。

「情報量にばらつきがあるから調整しよう」「企業ごとに情報を統一しよう」など、こだわりすぎる必要はありません。

もし情報量に差が出てしまったことにより、企業ごとのページ数がばらばらになったとします。見栄え上は1ページに収めた方が良いとしても、そこを気にしすぎて情報漏れが起きる方がマイナスです。

きれいにまとめることにこだわりすぎず、必要に応じて必要なだけ情報を足していくのが企業研究ノート作成のコツです。

余白を残しておく

企業研究は一度やって終わりではなく、新しく情報を手に入れるたびに更新していきます。そのため、情報を足せる分の余白を残しておくのがおすすめです。

ルーズリーフを使って後からページを差し込んでいくやり方でも良いですし、ページの左側を最初のまとめ欄、右側を新しく追加する情報欄として分けても良いでしょう。

余白部分にあらかじめ不明なポイントや疑問点を記入しておくのも有効です。最初は分からなくても、後から調べて分かることもあります。後で調べようとしていたけれど忘れていた、という事態を防ぐためにもおすすめの方法です。

同じレイアウトで記入する

企業研究ノートは特定の企業を深掘りするだけでなく、いくつか候補にしている企業同士を比べるためにも利用できます。

そのため、後で企業研究ノートを見返したときに比較しやすいレイアウトであることが大事です。

企業ごとにフォーマットを変えるのではなく、レイアウトはなるべく統一しましょう。そのためには、調べる情報をリストアップしておき、フォーマット化しておくと便利です。

企業研究ノートの活用方法

資料を元に勉強している女性

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企業研究ノートを作っても、うまく活用できなければ意味がありません。どのような活用方法があるのか、代表的な例を紹介しましょう。

志望動機の作成

新卒での就職活動でも転職活動をするときでも、履歴書は必要です。履歴書を書くときには、志望動機を記載しなければいけません。そこで企業研究ノートが活用できます。

企業の志望動機を書く際、企業研究ノートがあれば特徴や強みが把握できているので、自分が魅力に感じた部分を読み返して志望動機を書けるでしょう。

また、企業研究ノートを見れば企業と自分の接点を見つけやすくなります。事業内容や社風と自分が企業を選ぶときの基準を対比させ、そのつながりから志望動機を見つけ出していく、という進め方が有効です。

自己分析を行った結果、企業との接点が見いだせない場合は企業の研究不足か、あるいはそもそも企業との相性が悪く志望動機を生み出せないこともあります。そういった点を発見できるのも、企業研究ノートを作るメリットでしょう。

面接での質問対策

面接を受けるタイミングでも、企業研究ノートは活用できます。しっかり調べて企業研究ノートを書いていれば、事業内容や同業他社との違いといった部分はしっかりと頭に入っているはずです。

面接ではそれらの質問を受けることが特に多いため、あらかじめ繰り返し読み込んでおくことで、質問に対してスムーズに受け答えしやすくなります。

また、面接ではアピールポイントを聞かれることが多くあります。このとき、企業研究ノートを読み込んでいないと、企業が求める人材と違う強みをアピールしてしまう恐れがあります。

企業がどのような人材を求めているのか、何をアピールすれば好印象につながるのか把握するには、企業研究ノートの内容を頭に入れておくことが大切です。

企業研究ノートを作ってからの注意点

試験勉強のイメージ

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企業研究ノートを作った後にも注意すべき点があります。精神的な面から企業比較の面まで、気を付けておきたいポイントを解説しましょう。

ノートを作っただけで満足しない

最初は企業の情報を集めようと思って作ったノートが、情報を埋めていくうちにノートを埋めることに楽しさを覚えてしまうケースがあります。

ノートに情報が増えていくのは大切なことですが、そこが目的にならないように注意しましょう。情報をただ載せるだけでなく、自分が特に求めている情報は何なのか、注目すべき情報は何かなど、考えながらノートを作っていくのが大事です。

ただ漠然とノートを埋めていくだけだと、時間の浪費になってしまう恐れもあります。

企業研究ノートの目的は、あくまでも面接の場で生かし、転職後も快適な職場環境で過ごすためです。そのため、自己分析と関連づけをするなど、一歩踏み込んだ内容にしていくことを忘れないようにしましょう。

企業の比較検討をできるようにする

視野が狭かったり、特定企業への憧れが強かったりする場合にしばしば起こるのが、企業の比較検討を怠りがちという問題です。

転職の軸をぶらさずにいることは素晴らしいですが、固執しすぎると別の可能性を見逃してしまいがちです。「自分にはこの企業しかない」と思っていても、実際には条件や相性の良い企業が他にある可能性もあります。

せっかく企業研究ノートを作ったのであれば、同業他社の比較をして、自分にふさわしいのはどの企業かじっくり見比べてみましょう。

しっかり研究して希望の転職をかなえる!

カフェで手帳をチェックする女性

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企業研究ノートは、転職候補となる企業を深く知るために大事なアイテムです。自分で書いてまとめることでより頭に入りやすくなり、形にすることで同業他社との比較もしやすくなります。

会社のウェブサイトや転職エージェント、説明会などを活用して積極的に企業の情報を仕入れていきましょう。

大切なのは、企業を1つに絞らず比較する意識を持って情報集めをすることです。企業との出会いを自ら狭めないことで、転職の成功率は上がります。

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