ビジネスシーンで自己紹介をする際、仕事を成功させるために「第一印象を良くしたい」と考える人が多いのではないでしょうか。
コツさえつかめば、良い印象を与えるのはそれほど難しくありません。聞いた人が思わず笑顔になるような面白い自己紹介ができると、その場の空気を和ませ、好感度を上げられるでしょう。
この記事では、面白い自己紹介のネタや例文、注意したいポイントなどを紹介します。自己紹介の仕方に迷ったときの参考にしましょう。
この記事のポイント
- ・面白い自己紹介のネタとは
- 名前やニックネームの由来、趣味・特技、出身地などの定番のネタだけでなく、苦手なものをあえて話す方法や前の人の自己紹介にかぶせる方法など、さまざまなものがあります。
- ・面白い自己紹介をするメリット
- 印象的な自己紹介をすると名前と顔を覚えてもらいやすくなり、コミュニケーションをスムーズに取れるなどのメリットがあります。
- ・面白い自己紹介の作り方
- 自己分析をして自分の内面を掘り下げ、強みや弱みを明らかにしましょう。自分をひと言で表せる言葉を考える方法もおすすめです。
面白い自己紹介のネタ12選
面白い自己紹介をするには、ネタ選びが重要です。面白いといっても一発ギャグのように笑わせる必要はなく、興味深いと思ってもらうことを目的とします。
自己紹介をきっかけに、話題が広がるような内容にできるとよいでしょう。自己紹介が苦手な人でも、比較的取り入れやすいネタを紹介します。
1.名前
自己紹介では必ず氏名を伝えるので、名前に関するネタは自然に盛り込みやすいといえます。珍しい名前の人であれば、鉄板のネタになるでしょう。
自分の名前の由来を交えると、個性的な自己紹介ができます。平凡な名前であっても、エピソードを披露することで印象付けられる場合があります。
【例文】
〇〇という名字は〇〇県に多く、実家がある町内では約半分が同じ名字です。紛らわしいため、下の名前で呼び合っています。
私は3人兄弟なのですが、たくましく育ってほしいという両親の願いが込められ、全員の名前に動物の漢字が入っています。
私の名前は平凡ですが、実は有名俳優の〇〇さんの本名と同じです。
2.あだ名やニックネーム
名前をネタにするだけでなく、学生時代のあだ名やニックネームなども良いネタになります。その呼び名になった理由の説明などもあれば、盛り込みましょう。
あだ名やニックネームを紹介する流れで、自ら「〇〇と呼んでください」などのお願いをしても構いません。親しみやすさを感じさせる効果が期待できるでしょう。
【例文】
私の名前は明るい子と書いてアキコなのですが、果物の柿が大好きでよく食べているため、家族や友人から「カキコ」と呼ばれています。
私の名字は勅使河原(てしがわら)と5文字もあって呼びづらいので、「てっしー」と気軽に呼んでください。
3.見た目と中身のギャップ
外見と内面に大きな違いがある場合に効果的なネタです。意外性を感じさせ、印象に残る自己紹介ができます。もし、第一印象を覆すようなエピソードがあれば、面白い自己紹介ができるでしょう。
【例文】
私は一般の人に比べると体が大きい方ですが、ミニチュアの家具を作るのが趣味です。
私は見ての通り体は小さいのですが声が大きく、学生時代は応援団の部長をしていました。
4.苦手なもの
苦手なものを開示すると、親しみを感じてもらえる効果が期待できます。ただし、「約束を守るのが苦手」「人付き合いが苦手」など、ビジネスの付き合いをする上で致命的なものは避けましょう。
【例文】
私は暗くて狭い場所が苦手です。こちらの会場は明るく広々としているので安心しました。
私は生ものが苦手で、すし屋に行くとかんぴょう巻きや玉子ばかり食べているので、友人や家族から「安上がりでいいね」と言われます。
5.自分を動物に例える
自分の性格や特徴を動物に例える方法はインパクトがあり、面白いと感じてもらいやすいでしょう。自分を客観視できているかを探れるため、面接で聞かれることもあるネタです。
【例文】
自分を動物に例えるとハシビロコウです。ハシビロコウは「動かない鳥」として有名ですが、主食の魚が水面に顔を出すチャンスを逃さないようにするために、じっとしています。目的を達成するために辛抱できる点が、自分と似ていると思います。
私を動物に例えると、ゴールデンレトリバーです。体が大きいことと、誰にでも友好的に接する点が自分との共通点だと感じます。
6.家族
家族に関するエピソードも、面白さを感じさせやすいネタの1つです。温かい家庭環境で育ってきたと感じさせる内容は相手が安心しやすく、親しみを抱いてもらえるでしょう。
【例文】
私の家族は全員が動物好きのため、幼い頃からヤギ・犬・猫・ハムスターなど、さまざまな動物に囲まれて育ちました。今でも実家に帰ると、動物の世話をするためにほとんどの時間を費やしています。
子どもの頃から、毎年必ず家族で〇〇温泉へ旅行に出かけています。帰って来た後「やっぱり家が一番」と言い合うのも恒例行事となっています。
7.誕生日
自分の誕生日にまつわるエピソードや、誕生日が同じ有名人などを引き合いに出す方法も、関心を持ってもらいやすいでしょう。
自己紹介だけでなく、ちょっとした話題づくりにも役立つため、同じ誕生日の著名人がいないか調べてみることをおすすめします。
また、同じ誕生日の有名人と自分を比べて自虐ネタとして使う方法もありますが、深刻になりすぎないように笑顔で明るく話しましょう。
【例文】
私の誕生日は7月7日の七夕です。七夕の行事と重なっているので、毎年盛大に祝ってもらっているように感じられ、ラッキーだと思います。
私は世界的な有名人の〇〇さんと誕生日が同じですが、同じなのは誕生日と性別くらいです。
8.出身地
出身地に関する情報も無理なく取り入れられ、面白くしやすいネタの1つです。その場所の特徴や、地元の有名なスポットなどを交えてみましょう。もし、その場に同じ出身地の人がいれば、より盛り上がるきっかけになります。
【例文】
「うどん県」として知られる香川県の出身です。おいしいうどんの店があったら、ぜひ教えてください。
私は沖縄県〇〇村出身です。海辺育ちなのに泳ぎが苦手で、スイミングスクールに通っていました。
9.自慢に思っていること
自慢に思っていることからは、自分の強みを理解しているかどうかを確認できます。自己紹介に取り入れる際は、嫌味に取られないように伝え方を工夫しましょう。面白いと思ってもらうには、人柄が感じられるものを選ぶ方法がおすすめです。
【例文】
私はどこでもよく寝られるところが自慢です。眠りが深く、大きめの地震がきても起きないので、家族から少々心配されています。
人の名前と顔をすぐに覚えられることが自慢ですが、都合の悪いことは忘れやすい方です。もし何かご迷惑をおかけしていることがあれば、遠慮なくご指摘ください。
10.他人からよく言われること
友人や知り合いなどから「よく〇〇だねと言われる」というネタは、自分に関する情報を客観的に示せます。自己紹介に取り入れると、自分らしさを知ってもらうために効果的です。
【例文】
私は友人からよく「行動が素早い」と言われます。1人旅を計画したとき、その日のうちに行き先を決めて次の日には旅立っていたためです。仕事では計画性も大切にし、先輩方の意見をよく聞いてから行動したいと思います。
私は家族からよく「あんまり笑わせないで」と言われます。面白いことがあると、つい大きな声で笑ってしまうため、近くにいるとつられてしまうそうです。仕事では皆さんに良い意味で笑ってもらえるように、頑張りたいです。
11.趣味や特技
自己紹介に趣味や特技を盛り込む方法は、自分を知ってもらう上で効果的です。ありきたりなもので構いませんが、意外性のあるものだとより印象に残りやすいでしょう。
マニアックな趣味は分かりやすく工夫して伝えます。特技は「今すぐやってみて」と言われる可能性も考慮し、心の準備をしておくことがおすすめです。
【例文】
私の趣味はインド映画を見ることです。国内で見られるものはほぼ全てチェックしています。より、インド映画の世界を楽しむために、上映中に観客が一緒になって踊る「マサラ上映」にも挑戦する予定です。
私の特技はテーブルマジックです。学生時代はマジック同好会に所属していました。マジックだけでなく鳩の世話も得意なので、飼育法に悩んでいる方がいれば、ぜひお声がけください。
12.前に話した人のネタにかぶせる
歓迎会などで、新入社員が一度に自己紹介をする場合があります。自分の前に自己紹介した人と共通の内容・正反対の内容だった場合、そのネタにかぶせてみましょう。
同じネタを繰り返すと面白さを強調する効果が期待できるため、お笑いのテクニックとしても使われています。
【例文】
〇〇さんと同じで私もサウナ通いを趣味にしています。サウナ後の食事がおいしくて、3kgも太ってしまいました。
〇〇さんは大の甘党とおっしゃっていましたが、私は反対に甘いものが苦手です。甘さ控えめなおすすめのスイーツがあったら、教えていただきたいです。
面白い自己紹介がビジネスシーンにもたらす効果
自己紹介は必要なことさえ伝われば、面白さは必要ないと感じる人もいるでしょう。しかし、面白い自己紹介をすると、ビジネスに良い影響をもたらす場合があります。どのような効果があるのか、見ていきましょう。
相手の印象に残る
面白い自己紹介をすると相手の印象に残り、名前と顔を覚えてもらいやすくなります。ライバルがいる場合、差別化がしやすくなるところもメリットです。
相手の心をつかむ自己紹介のネタを持っている人は、その後の仕事で有利になる可能性があります。営業職のように名前や顔を売り込むのが大切な職種の人は、特に初対面での印象が重要です。
もちろん、自己紹介が面白いだけでは高い評価を受けられませんが、存在を認知してもらうためのきっかけとして役立つでしょう。
コミュニケーションがスムーズになる
面白い自己紹介をすると、ユーモアがある人と思ってもらいやすくなります。単純な自己紹介をする場合に比べて、その後のコミュニケーションがスムーズです。
自己紹介で披露したネタは、その後の会話のきっかけになるケースが珍しくありません。
例えば、あだ名やニックネームなどのネタがある人は「本当に〇〇って呼ばれていたの?」「〇〇って呼べばいい?」というように、話しかけてもらえるでしょう。他のネタでも同様に、さまざまな会話の広がりが期待できます。
独創性をアピールできる
面白い自己紹介をするには豊かな発想力が必要なため、独自の視点や考え方を持っているアピールにもなります。
独創性は今までにないサービスを考える際や、誰にも思いつかないようなアイデアを実現するときなどに重要です。
新しい発想を求めている企業では、貴重な人材だと評価してもらえる可能性があります。クリエイティブな職種に応募する場合や、柔軟さを重視する企業の採用面接では特に効果的です。
好印象を与える自己紹介のコツ
自己紹介で良い印象を与えるには、話す長さや話し方などの基本を押さえておくことも大切です。好印象を与えるためのコツを見ていきましょう。
1分程度で簡潔にまとめる
自己紹介は必要な要素を押さえ、簡潔にします。長すぎると曖昧な印象になる恐れがあるため、1分程度にまとめるのが基本です。
自己紹介の後に本題が控えていることが一般的です。あまりにも長いと、要点が分かりにくくなるだけでなく空気が読めない人だと思われる恐れもあります。
自己PRとは違い、スキルや知識などをアピールする場ではない点も押さえておきましょう。採用面接では、自己PRとは別に自己紹介の機会を設けることがあります。全く同じ内容にならないように、考えて準備しておくことが大切です。
笑顔でハキハキと話す
自己紹介の内容が良くても、表情や話し方によっては思ったような効果を得られない場合があります。良い印象を与えるには、明るくハキハキとした口調を意識しましょう。
緊張すると早口になりやすい人もいるため、自己紹介が苦手な人は聞き取りやすいテンポで話せるように練習するのもおすすめです。
また、目線が下を向いていると、暗い印象になってしまいます。積極性に欠けると思われないように、まっすぐに前を見ることを意識しましょう。
リモート会議などではパソコンの画面ではなく、カメラに向かって話すと視線を正面に保ちやすくなります。
ネガティブな話題は避ける
自己紹介はTPOを意識し、人が不快にならないネタを選ぶことが大切です。飲み会では笑ってもらえるネタであっても、フォーマルな場では場違いになってしまいます。
やりすぎの自虐や容姿のネタは、不愉快に感じる人もいるため注意が必要です。少々の自虐は適度な刺激になりますが、やりすぎればネガティブ思考だと思われるでしょう。
面白ければ何でもよいと考えていると、失敗しやすくなります。同世代はもちろん、他の世代の人が聞いた場合はどう思うかなども考えて自己紹介しましょう。
無理にウケを狙おうとしない
自己紹介は笑いを取ることが目的ではありません。面白いとはいっても相手を爆笑させる必要はないため、自分らしさを感じられる内容に仕上げましょう。
無理に面白いことを言おうとしている様子が伝わると、しらけた空気になってしまう心配があります。その場の雰囲気や状況によっては、逆効果になることもあるでしょう。
ユーモアを感じさせ、興味深いと思ってもらえる自己紹介をすることが重要です。人の心を和ませて、自然と笑顔になるような内容を意識しましょう。
【シーン別】自己紹介に盛り込む要素
自己紹介が求められる場面によって、必要とされるものが異なる場合があります。その場の雰囲気に合わせて、適切な内容に仕上げることが必要です。自己紹介をするシーン別のポイントを見ていきましょう。
採用面接
採用面接の自己紹介は、氏名・これまでの経歴・志望理由・意気込み・締めの言葉などで構成するのが基本です。
【例文】
面接の機会をいただき、ありがとうございます。〇〇〇〇(氏名)といいます。これまで株式会社〇〇の〇〇部で〇〇の業務を担当してきました。業務を通じて身に付けた〇〇のスキルを御社でも生かせると感じたため、応募いたしました。本日はよろしくお願いいたします。
自己紹介の段階では、面白いことを言える雰囲気ではない場合もあります。必要な要素が入っていれば評価が低くなることはないため、無理に面白いネタを入れる必要はないでしょう。
自己PRや志望動機などは後で詳細を伝えるので、ここでは簡単にまとめて伝えましょう。
ただし、「職歴や自己PRを交えて自己紹介してください」と言われたときは、これまでに担当した詳しい業務内容や、自分の強みなども交えて伝える必要があります。
異動先
異動先の部署で自己紹介をする際は、氏名・これまでの仕事内容・意気込みなどで構成します。
朝礼などであいさつするパターンが多いため、その後のスケジュールへの影響も考えて長くなりすぎないように注意しましょう。また、同じ部署の人だけでなく、取引先の人や顧客などに自己紹介をする機会もあります。
以前の担当者が引き継ぎの連絡をした後で自己紹介をする流れになっている場合や、フォーマットが決まっている場合があるため、タイミングと方法を確認してから行いましょう。
歓迎会
入社後や異動後に、歓迎会を開いてもらえる場合があります。自己紹介の機会が設けられたときは、歓迎の場を設けてもらったことへのお礼から始めましょう。
業務時間外の歓迎会は砕けた雰囲気になることが多く、面白い自己紹介をしやすい場でもあります。出身地や趣味などを伝えると共通点がある人が見つかり、話が弾むでしょう。
歓迎会が開かれるタイミング次第では、自己紹介がカットされることもあります。ある程度、時間がたってから開催される場合は、あえて自己紹介をする場が設けられないことが一般的です。
面白い自己紹介に仕上げる方法
自分なりに自己紹介を考えてみたものの、ありきたりでつまらないと感じる人もいるかもしれません。面白い自己紹介に仕上げる方法を見ていきましょう。
徹底的に自分を掘り下げる
魅力的な自己紹介に仕上げるポイントは、自分を知ることです。自分らしさのある面白い自己紹介が作れないときは、自己分析が足りない可能性があります。
これまでの経験を基に自分の長所や短所、得意分野、価値観などを書き出してみましょう。人から言われて印象に残っている言葉などからも、自分の魅力を掘り下げられます。
また、好きなものから自分らしさを見つける方法もおすすめです。対象を好きになったきっかけや理由、気に入っている点などを言語化すると、自分の価値観が見えてきます。
ハッシュタグやキャッチコピーを考える
人はさまざまな面を持っているので、何を軸に自己紹介をするか迷うことがあります。簡潔で印象的な自己紹介をするには、自分をひと言で言い表せるようなハッシュタグやキャッチコピーを作成する方法がおすすめです。
SNSの投稿で使用するように自分のハッシュタグを考えてみると、面白い自己紹介のヒントになります。所属している場所、好きなものやハマっていること、所有スキル・資格などをタグ化してみましょう。
その中から、より自分らしさが感じられるものをピックアップして組み合わせると、個性的なキャッチコピーを作れます。
他の人の自己紹介を参考にする
これまでの他者との交流の中で、印象に残っている自己紹介を参考にする方法もあります。面白いと感じたら、その理由を分析してみましょう。
完全にコピーしてしまうとオリジナリティーがなくなってしまうため、まねできる部分を見つけて応用することがポイントです。
他の人の自己紹介を実際に耳にする機会がないときは、SNSやブログなどで面白い自己紹介文を書いている人を探すのもおすすめです。好きな有名人や尊敬している人などの自己紹介文をチェックしてみましょう。
面白い自己紹介で相手の心を動かそう
面白い自己紹介をすると、相手の心に強い印象を残せます。ビジネスシーンでは最初に顔と名前を覚えてもらうと、仕事を有利に進められることが少なくありません。
氏名・出身地・誕生日・趣味などの一般的な要素であっても、個性やユーモアを感じられる内容に仕上げれば、相手に好印象を持ってもらいやすくなるでしょう。
過度な自虐や下ネタなどは不快になる人もいます。面白さの方向性を間違えずに、魅力的な人物だと思ってもらえる自己紹介をしましょう。