採用試験において、二次面接を通過したらほぼ内定という話は本当なのでしょうか?二次面接を通過したらほぼ内定という説の真偽を解説します。また、二次面接の立ち位置や聞かれることのほか、企業が見ているポイントや落ちる理由についても見ていきましょう。
二次面接を通過したらほぼ内定って本当?
インターネット上などで「二次面接を通過したらほぼ内定」という話を、目にしたことがある人もいるかもしれません。まずは、その説は正しいのかどうかを見ていきましょう。
二次面接を通過しても内定とは限らない
一般的に二次面接は、一次面接や最終面接に比べて合格率が低いとされており、「競争率の高い二次面接を通過したらほぼ内定確実」と思われるようになったのがきっかけといわれています。
しかし実際には、二次面接を通過しても、その後の選考で落ちる可能性は十分にあり、二次面接を突破したから内定確実ということはありません。
むしろ、一次面接でふるいにかけられた応募者たちを二次面接でより厳しく審査し、最終面接で本当に一緒に働きたい人を選ぶものです。そのため、二次面接を通過してからが勝負どころといっても過言ではないでしょう。
企業によって二次面接の立ち位置は異なる
二次面接が、一次面接と最終面接の間のプロセスなのか、もしくは二次面接が最終選考なのかは、企業によって異なります。二次面接が最終選考の場合は、二次面接を通過すれば内定となるため、応募先の選考フローを確認しておきましょう。
二次面接が中間選考の場合
応募者の多い大手企業などは、「書類選考や筆記試験」「一次面接」「二次面接」「最終面接」という流れがスタンダードです。多くの応募者から内定者を決めなければならないため、複数の選考プロセスを踏んで慎重に吟味していきます。
このパターンだと二次面接は、一次面接と最終面接の間の中間選考という立ち位置になり、二次面接を突破しても最終面接を通過しなければ内定にはなりません。
応募者が多ければ多いほど二次面接で落ちる可能性も高くなる傾向です。二次面接を通過しても全く油断できない状況であると考えた方がよいでしょう。
二次面接が最終選考の場合
応募者数がそこまで多くない中小企業や採用を急いでいる企業などは、二次面接が最終選考であるケースもあります。
「書類選考や筆記試験」「一次面接」「二次面接(最終面接)」という流れの場合、二次面接を通過すれば内定確定です。
面接の数が少ないのはメリットでもありますが、その分1回1回の内容を印象に残るものにしなければならないというハードルもあります。
選考フローは、募集要項やホームページなどに記載されていることが多いので、応募先のフローを確認しておくと対策が立てやすくなるでしょう。
転職の二次面接で聞かれることは?
転職の二次面接で、聞かれることが多い質問を紹介します。想定される質問にきちんと答えられるように準備をし、二次面接を突破しましょう。
転職する理由
転職する理由は、面接でほぼ必ず聞かれる質問です。転職を考えたからには、前職の退職を決意した理由が何かあるはずです。
採用担当者は転職する理由・退職理由から、志望動機やキャリアビジョンを探るほか、入社後のミスマッチを防ぎたいと考えています。
例えば、「残業が多くて退職した」や「上司と合わなくて退職した」といったネガティブな退職理由を述べると、「新しい会社に入社しても、残業や人間関係でストレスを感じたらすぐに辞めてしまうのでは?」と不信感を与える可能性があります。
前職を辞めた理由によって仕事を続けられる人かどうかを判断されるため、転職理由は「自分の能力を遺憾なく発揮したいため」といったポジティブな内容を伝えることが大切です。
入社したらやりたいこと
「入社したらどんな仕事をしたいか?」というのも、面接でよく聞かれる質問です。応募者のビジョンと企業が求める役割が、一致しているかを確認する意図があります。
例えば、商社の営業に転職希望の応募者が、「国内で営業経験を積んでから、海外支店でその商社の商品を世界に広めたい」という目的を持っていたとしましょう。
しかし、一方の企業側が「国内での販売強化のために営業を採用したい」と考えていたとしたら、お互いの方向性が一致していないことになります。
しっかりと企業研究を行い、応募先の企業がどんな人材やポジションを求めているかを把握することが大切です。
また、5年後・10年後のプランを聞かれることもあるので、長期的な将来のビジョンを明確に持っているとスムーズに回答できるでしょう。
他社の選考状況
二次面接では、他社の選考状況を聞かれることも多くあります。応募者の志望度の高さは選考基準の1つとなるので、他社の選考について聞くことで優先度を確認したいという気持ちがあります。
また、ほかの会社からも求められる人材なのかを知ることで、客観的に応募者の価値を見出したいという目的もあるでしょう。
他社を受けているからといって印象がマイナスになることはないので、選考状況について聞かれた場合は、正直に事実を述べても問題はありません。ただし、他社の方が志望度が高いことが分かるような発言は避けましょう。
転職の二次面接で企業が見るポイントは?
転職の二次面接で、企業が注目して見ているポイントを紹介します。人数を絞る目的の一次面接に比べ、二次面接では企業との相性や応募者の価値観など、より深い部分を見極める目的があります。
即戦力になる人材か
二次面接では、入社後に即戦力になる人材かどうかを、一次面接よりもシビアに見ています。
一次面接でも志望理由や自己PRは聞かれますが、二次面接では持っているスキルや入社後に活躍できる場、将来的な目標など具体的なキャリアプランを確認する質問が多くなります。
「自分の強みを、どのように応募先の企業に生かせるか」をアピールできるように、自己分析と企業研究をしっかりと行いましょう。
会社の社風や雰囲気に合っているか
応募者が会社の社風や雰囲気にマッチするかどうかも、二次面接で重視されるポイントです。
どんなに志望理由や自己PRがしっかりしていても、会社の社風に合わなければ、入社後にお互いつらい思いをすることになります。
社風や雰囲気というのは、実際に入社してみないと分からない部分も多いものです。しかし、募集要項やホームページ、転職サイトなどでできるだけ多くの情報を収集して、応募先の企業のことを詳しく知るように努めましょう。
転職の二次面接で落ちる理由は?
最後に、二次面接で落ちる理由を紹介します。一次面接は通過できるのに、二次面接で落ちることが多いという人は、当てはまることがないかチェックしてみましょう。
企業の求める人材や社風と合っていない
チームプレーが大事な仕事にもかかわらず「個人で結果を残したい」とアピールするなど、企業の求める人物像とマッチしていないと、どんなに優秀な人材であっても落とされる可能性が高くなります。
二次面接は、会社と応募者との相性をチェックする場です。同じ歩調で歩んでいけそうかどうかを厳しく見られています。
とはいえ、無理に会社に合わせようとすると、入社してから自分の首を絞めることにもなりかねません。会社の求める人物像とあまりにも合わなければ、別の会社を探すのも1つの方法です。
入社への意欲が感じられない
志望動機が弱かったり、企業研究をしていなかったりなど、入社への意欲が感じられないと二次面接を通過することは難しいでしょう。
「なぜこの会社なのか?」「なぜその仕事をしたいのか?」「将来の目標は何なのか?」など、これまでの経歴を振り返りながら細かく分析を重ねることが大切です。
また、面接の最後に企業への逆質問を求められることがあります。逆質問で何も質問をしないと「やる気がない」と思われる可能性が高いため、質問は事前に考えておくことが重要です。
内定通知までは気を引き締めて選考に臨もう
二次面接を通過しても、ほぼ内定ということはありません。二次面接では、キャリアや価値観などにおいて、企業と応募者がマッチしているかどうかを見られています。
二次面接を突破する鍵は、徹底した自己分析と企業研究です。よく聞かれる質問やポイントを押さえて、面接に臨むことが大切です。
また、二次面接を通過しても、最終面接で落ちることもあり得ます。最後まで気を抜かずに応募先の企業と向き合い、内定を勝ち取りましょう。