20代は貯金がいくらあると安心?お金をためるコツを解説

なかなかお金が貯まらないと、自分だけきちんと貯金できていないのではないかと感じて不安になるものです。20代では、どれだけ貯金しているのが一般的なのでしょうか?理想の貯金額や、お金をコツコツとためるための方法について解説します。

20代の平均貯金額は?

貯金のイメージ

(出典) photo-ac.com

貯金額を増やすためには、まず同世代の人と比べて自分の貯金額が多いか少ないか、判断することから始めます。20代の一般的な貯金額を見ていきましょう。

平均貯金額は88万円

令和3年の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」によると、20代の単身世帯の平均貯金額は「88万円」です。

金融資産保有世帯で見ると、手取り収入のうち「35%以上」を貯金に回している20代が「23.8%」にも上り、ほかの年代と比べて手取り収入を貯金に回している人が多いことが分かります。

しかし、貯金に回していない人も「25.6%」と同程度に高く、人によって大きな差があるようです。中には、全額を貯金に回すのではなく、一定の金額を株式・投資信託の購入に宛てている人もいます。

参考:各種分類別データ(令和3年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)|知るぽると

貯金額ゼロの20代も少なくない

20代の平均貯金額は88万円なのに対して、同年代の金融資産保有額の中央値は「20万円」です。平均値は極端な数値の影響を受けやすいことから、実際には中央値の方が実態を反映していることが多く、20代の貯金額は低いことが分かります。

金融資産を保有していない人、つまり貯金額がゼロの人は20代全体の「39.0%」も上ります。次に占める割合が多いのは、100万円未満の「26.6%」であることも考慮すると、20代の6割以上は貯金額が100万円未満であることになります。

参考:各種分類別データ(令和3年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)|知るぽると

20代が貯金できない理由

貯金箱を割る女性

(出典) photo-ac.com

20代では、貯金額の少ない人が多いことが分かりました。それでは、20代の貯金が少ない原因は何でしょうか?20代が貯金を十分にできない2つの理由について解説します。

目の前のことにお金を使ってしまう

20代は大きな病気にかかる可能性が低く、緊急でお金が必要になるケースはあまりありません。加えて、マイホームのような金額の大きな買い物をする機会も少ないため、将来に向けて貯金する必要性を感じる人が少ないことも一因でしょう。

また、自分で稼いだお金は自由に使えることから、目の前に欲しいものがあると、自分へのご褒美としてついつい手が伸びてしまうものです。目の前のものが本当に欲しいか、そして本当に必要か考える時間を作ることが大切です。

自分の収支を把握していない

20代が十分に貯金できない理由として、自分の収入と支出をきちんと把握できていないことも挙げられます。収入から支出を差し引いた残りが貯金になるため、収入と支出の金額が不明瞭だと貯金ができないのは当然です。

漠然とお金を使っていると、いざ家計を見直そうと考えても、何に使っているお金を削減したらいいのか分からないでしょう。

また、収入以上の支出がある可能性も考えられます。支出が収入を上回ると貯金ができないどころではなく、まずは借金を返済することから始めなければならなくなります。

20代が目指すべき貯金額は?

通帳とお札の貯金のイメージ

(出典) photo-ac.com

ライフプランを考えたときに、20代で貯めておきたい貯金額はいくらでしょうか?20代での貯金が重要な理由と、20代で目指す貯金額の目安を解説します。

20代は貯金をしやすい

人生の中では、貯金をするのに適した時期があるとされます。

  • 結婚前の独身時期
  • 子どもの誕生から小学校を卒業するまで
  • 子どもが社会人になり、自分が定年退職するまで

20代は、最初の「結婚前の独身時期」に該当するケースがほとんどです。上に挙げた時期の1つに該当することはもちろん、最初のタイミングであるため、人生の基盤を整える意味でも20代は重要な時期といえます。

20代は大きな出費がなく貯金に向いている時期だからこそ、積極的に貯金をする姿勢が欠かせません。

目安は手取り額の2割

単身世帯の20代がもらう手取り収入から、貯金に回している割合の平均値は「20%」です。毎月もらう手取り収入のうち、2割をコツコツと貯金していれば、20代の平均的な貯金額に届きます。

また20代では、前述したように手取り収入のうち35%以上を貯金に回している人が23.8%もいるのも事実です。適切な貯金額は、収入額や固定費の金額によって変わるものですが、余裕のある人は35%以上を貯金に回すことも視野に入れるとよいでしょう。

参考:各種分類別データ(令和3年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)|知るぽると

将来必要なお金は個人によって異なる

貯金額の目安は提示できますが、実際には1人1人必要なお金は異なるものです。ライフプランや求める生活基準によって、必要な貯金額はさまざまです。例えば、マイホームの購入予定がないのなら、目標の貯金額は大幅に減少します。

自分にとって必要な貯金額を正確に算出するためには、人生設計を思い描くことが大切です。結婚するかやマイホームを買うか、子どもを何人授かるかなど、人生の大きな分岐点についてある程度考えておきましょう。

20代で貯金額を増やす方法

家計簿をつける

(出典) photo-ac.com

20代で貯金を増やすことは難しいものですが、将来に向けてコツコツと貯めていくことが大切です。20代のうちに、堅実に貯金額を増やしていくための方法について解説します。

貯金する目標を決める

まずは、目標の貯金額を設定することから始めるのが重要です。目標が決まっていないと貯金の意識が薄くなってしまい、気付いたら手元にお金が残っていないなんて状況に陥りかねません。

毎月の貯金額を決めるか、1年間での貯金額を決めるとよいでしょう。意識的に貯金をするのが苦手な人は、貯金用の口座を新しく開設するのもおすすめです。

口座自体を分けることで、間違って手を付けることがなくなるほか、自動積立の定期預金なら毎月の手続きも必要ありません。

家計簿をつけて無駄な支出を減らす

貯金をするには、自分の収支を把握していなければなりません。収入と支出を把握し、お金をきちんと管理するためには、家計簿をつける必要があります。

家計簿をつけて支出の内訳を明確にすることで、使い道の分からない支出が発生するのを防げます。内訳を把握できるようになれば、無駄な支出を減らす取り組みもできるようになるでしょう。

家計簿をつけるのが続かない人は、細かい金額は切り捨てたり切り上げたりして、おおよその支出を記入するのがおすすめです。

また、自動でクレジットカードや銀行口座と連携し、家計簿をつけてくれるアプリもあるため、必要に応じて利用するとよいでしょう。

貯金だけではなく投資も行う

お金がある程度貯まってきたら、貯金だけでなく、投資にも手を伸ばしてみるのもよいでしょう。投資にはもちろんリスクが伴いますが、ただ銀行口座に貯金しているだけの場合と比べて、お金が大幅に増える可能性があります。

数百円から始められる投資商品があることに加えて、金融庁が提供している「つみたてNISA」を利用することで、通常よりも安心して投資ができます。将来に向けて貯金を増やすために、さまざまなチャレンジを行うことが大切です。

20代から計画的に貯金しておこう

通帳を見るサラリーマン

(出典) photo-ac.com

多くの20代は目の前のことにお金を使ってしまうほか、収支をきちんと把握できていない人もいることから、十分に貯金できていないケースが少なくありません。

しかし、20代は貯金をしやすい時期であるため、将来に向けてコツコツと貯金額を増やしていくことが大切です。

毎月の貯金額の目安は、手取り収入額の2割です。貯金額の目標を設定したり、家計簿をつけたりして、計画的に貯金していきましょう。

拝野洋子
【監修者】All About 年金・社会保障ガイド拝野洋子

FPとして随時相談業務をお受けしています。年金や失業給付など公的手当や共済、少額短期保険も活用した家計管理についての情報提供やアドバイスを行います。より良い人生の選択をサポートをして参ります。
All Aboutプロフィールページ
公式サイト

ブログ:
100万円得する!年金、給料、給付金、新NISA、家計のお金を増やす話