仕事が続かないと転職の繰り返しになり、本来は使わなくてもよいパワーを使ってしまいます。1つの職場で長続きしない人は、似たような特徴や悩みを抱えているケースが少なくありません。どのような解決法があるのか、見ていきましょう。
仕事が続かない原因は?
仕事が続かない人は、原因を知って対処する必要があります。どのような原因から仕事を辞める人が多いのか見ていきましょう。
職場の人間関係が良好でない
職場における人間関係が悪いと、仕事が長続きしない原因になります。仕事を長く続けるには、職場の人間関係を良好に保つ努力が重要です。
どんな職場でも、ほかの従業員と連携して仕事をする場合が珍しくありません。人間関係が悪いと、仕事を遂行する上で必要な情報のやりとりが滞ってしまったり、居心地が悪く感じたりして早期退職の原因となるのです。
状況を変えるには、人間関係をうまく保つコツを学ぶ必要があります。
モチベーションが維持できない
働き始めたときはやる気があるのに、だんだんと気持ちがついていかなくなりモチベーションを維持できなくなるのも、仕事が続かない原因の1つです。
「何のために働いているんだろう」「どうして働く意欲が持てないんだろう」と自問自答した結果、考えるのが嫌になって転職に意識が向いてしまいます。
気持ちを立て直すには、モチベーションを維持できない理由を突き止めて、対処することが必要です。
高過ぎる目標を設定すると達成が困難になりやる気を失ってしまうので、自分の力量に合った小さな目標を立てて、クリアしていく習慣を付けると改善する場合があります。
ハードワークで心身にダメージを受ける
どんなに好きな仕事であっても、過剰なハードワークだと心身に負担がかかり、長続きしない原因になります。やる気がある人ほど頑張り過ぎてしまうので、心身にダメージを受けやすいでしょう。
働きたい気持ちはあるのに体がついていかなかったり、働くこと自体に疲れ切ってしまい、精神的な疲労が蓄積したりすると仕事を続けるのは困難です。
長時間労働が多く休日がほとんどない職種を選んでいると体を壊しやすく、転職を繰り返す結果になるでしょう。入社前に仕事内容や労働環境を吟味し、自分に合った働き方ができる職場を選ぶ必要があります。
仕事が続かない人の特徴
仕事が続かない理由はさまざまですが、すぐに仕事を辞める人は似たような特徴を持っているケースが少なくありません。どんな特徴があるのか見ていきましょう。
自信過剰でプライドが高い
仕事が続かない人は、自信過剰でプライドが高い性格の可能性があります。理想と現実がかけ離れ過ぎてしまった結果、耐えられなくなって仕事を辞めるパターンを繰り返すのです。
理想では仕事の成果を出しているはずなのに、結果が出ない状態が長く続くとモチベーションを高く維持できなくなり、投げやりな態度になってしまいます。自信の裏付けとなる経験やスキルを身に付ける努力をするか、考え方を変えないと改善できません。
経験やスキルがあって自信過剰な場合は、簡単な仕事に飽きてしまいモチベーションを保てなくなるケースもあります。実力に見合った仕事ができるように、キャリアアップを目指すと解決するでしょう。
人間関係をうまく築けない
人間関係をうまく築けないことも、仕事が長続きしない人の特徴です。相性の悪い人がいるだけで、転職して人間関係をリセットしようと考えます。
人間関係が嫌で仕事を辞める人は、仕事のために必要な人間関係だと割り切って付き合えない傾向があります。
問題行動を起こす人がいて、どうにもならずに転職するケースもありますが、毎回人間関係が原因で辞めてしまう人は、その人自身の問題といえます。
どんな職場でも人間関係の問題が起こるケースはあるので、ちょうどよい距離感で付き合うにはどうしたらよいのかを考えて接する意識が必要です。
無理な働き方をしてしまう
我慢強い性格の持ち主で、限界を超えて無理な働き方をする特徴がある人は、仕事が長続きしない傾向です。
体の不調を隠して仕事をしたり、過度のストレスを解消することなく働き続けたりするので、ある日突然限界がやって来て仕事を辞める結果になってしまいます。
「ちょっとした仕事のミスを引きずって自分を責め続ける」「自分は役に立っていないと思い込む」など、思い詰めやすい性格の人も仕事への自信を失いやすく長続きしません。
仕事が趣味のようになっていて気を抜ける瞬間がないというように、ストレスを発散するのが苦手という特徴を併せ持っている人もいます。
仕事が続かないことのリスク
仕事が続かなくても、次の仕事を見つければ問題ないと考えていると、よい結果になりません。仕事が続かないことで生じるリスクについて、理解を深めましょう。
社会的信用が下がる
短期間で転職を繰り返していると、社会的信用が下がるリスクがあります。転職回数が度を超えて多い場合、あるいは1社での勤務期間が1年未満など短いことが続いている場合、転職活動で不利になる可能性があります。「採用しても長続きしないだろう」と思われ、なかなか次の仕事が見つからない状態に陥りがちです。
また、勤続年数が短いと、クレジットカードの限度額が低くなったり、住宅ローンの審査を通りづらかったりといったデメリットがあるのです。
キャリアアップや健康面の問題など、納得できる事情が何もない状態で転職を繰り返すのはリスクが高いといえます。
収入アップがしづらい
仕事が続かず転職を繰り返している人は、収入面のリスクもあります。1つの企業に長く勤務している人に比べると、収入がアップしづらいのです。
前職よりもよい条件の仕事に就けるとは限らず、たいていは同程度の年収からのスタートになります。ボーナス支給前に仕事を辞めたり、査定の対象外となったりすれば年収が大きく下がる原因にもなるでしょう。
深く考えずに転職を繰り返すと、そのたびに評価のやり直しとなり、収入がアップせず経済的に厳しくなります。キャリアを重ねて計画的に転職できていればよいですが、そうでない場合は同年代の人に比べて収入の格差が大きくなるのが懸念点です。
自信を失くす
仕事が続かない人は、自信を喪失しやすい点もリスクです。自分に自信が持てないと、ネガティブな思考になり、物事に対する積極性を失ってしまいます。
「職場の人間関係に耐えられない」「仕事についていけない」などの理由で辞めてしまうと忍耐力が醸成されず、ちょっとしたことでもすぐに辞めやすくなるでしょう。
ネガティブ思考になると、仕事を辞めるたびに自己嫌悪に陥ります。「仕事で嫌なことがあっても我慢する」という選択肢がなくなり仕事を辞めた結果、余計に自信が持てなくなるという悪循環に陥りがちです。
仕事が続かない人が見直すべき考え方
仕事が続かない人は、一定の考え方にとらわれてうまくいかなくなっている場合が多いといえます。どんな考え方を見直すべきなのか、チェックしましょう。
全員から好かれようとしない
職場の人間関係が苦しく仕事が長続きしないタイプの人は、誰とでも仲良くするという考え方を変えると効果的です。
どこにでも相性が悪い人の1人や2人はいるものなので、職場に気が合わない人がいるのは当然だといえます。そのたびに仕事を辞めるのではなく、付き合い方を変えましょう。
どんな人であっても仲良くするのは、一見すると間違っていないように思えますが、職場で良好な関係を維持したい場合には、友達のように仲良くなる必要はありません。仕事に支障を来さない程度の、適度な距離感の付き合いを目指しましょう。
職場での人間関係を良好に保つには、挨拶をきちんとすることと、報告・連絡・相談を怠らないようにすることが重要です。嫌いな人や気が合わない人とも、必要なやりとりだけはするというスタンスで対処しましょう。
うまくいかないことを周りだけのせいにしない
仕事でうまくいかないことがあったとき、環境や周囲の責任だと考えてしまうと、問題を解決する能力が養われません。
職場で問題が起きたときは責任を他者に求めるのではなく、自分の内面や態度に問題がないか考えてみましょう。自分の考え方や行動の仕方を変えると、周囲の対応の仕方も変わります。
例えば、「部下のミスが多くて自分の仕事ができない」という問題がある場合は、職場を変えるよりも指導方法を見直すべきです。考え得る限りの対処法を考えて、できそうなことから取り組んでいきましょう。
仕事への向き合い方
仕事への向き合い方を変えると、職場での悩みが解決して辞めずに済むようになる場合は少なくありません。どのような向き合い方をすればよいのか、見ていきましょう。
生活のためだと割り切る
仕事がつらいときは、仕事は生活の手段でありプライベートとは別だと割り切る方法があります。仕事に大きな充実感や居心地のよさを求めないようにすると、うまく向き合えるようになるはずです。
また、仕事への理想が高過ぎるとうまくいかない原因になるので、過度な期待を持たないようにしましょう。組織の一員となって働くからには、自分の力だけではどうにもならない出来事に出会う経験は日常茶飯事です。
できる限りの努力をして、どうにもならなければ諦めるといった考え方を取り入れると、気持ちが楽になるでしょう。
頑張り過ぎずに、適度に手を抜く
責任感が強い人や、人から頼られると「ノー」と言えない人は、頑張り過ぎて疲れてしまいます。倒れてしまう前に適度に手を抜く方法を覚えて、実践しましょう。
自分1人で頑張るのではなく、周囲を巻き込んだり、できないことや不得意なことは得意な人に任せたりといった方法を選ぶと効果的です。
無理な働き方を続けて、体を壊してしまっては元も子もありません。周囲の人も「早く打ち明けてくれれば、助けられたのに」という心情になります。
せっかくの頑張りが台無しにならないように、適度に休むことも仕事を長続きさせる上で重要だと覚えておきましょう。
何でも完璧にこなそうとしない
自信過剰な人や「何でも完璧にこなさなければならない」と思い悩む性格の人は、仕事で行き詰まりやすいといえます。どんな仕事にもミスは付き物です。
最初からあまりにも高過ぎる目標を設定すると、自分や他人のミスが許せなくなってしまいます。できる範囲でクリアできる目標を作り、簡単なものから取り組んでいく工夫をしてみましょう。
失敗したときはどのようにカバーするかが重要なので、過剰に落ち込むよりもミスしたときの対処法を考える方法がおすすめです。
仕事を長続きさせる方法
どんなに順調そうに見える人でも、仕事を辞めたくなることはあります。仕事を長続きさせる方法を知って、実践しましょう。
仕事が続かない原因と向き合う
仕事が続かない原因はそれぞれなので、まずは原因を特定し向き合ってみましょう。理由が分からないまま転職を決意すると、新しい職場でも再び同じような理由から退職する結果になります。
仕事を辞めたいと感じたら、思い付く限りの理由を書き出してみましょう。理由別に対処法を考え、全て試してみてから辞めても遅くはありません。
例えば人間関係が問題であれば、付き合い方を変えられないか検討しましょう。モチベーションが保てないなら、高過ぎる目標を掲げていないかチェックし、クリアできそうな目標に設定を変えるなどの方法があります。
1人で抱え込むと、悩みが大きくなりがちです。気持ちを打ち明けるだけで、楽になるケースも少なくありません。仕事がうまくいかないときは、信頼できる上司や友人などに相談する方法もおすすめです。
ストレス解消の方法を知る
仕事のことだけを考えていると、行き詰まりやすくなります。リラックスできる趣味を持っている人はストレスをため込みづらく、仕事でうまくいかないことがあっても気持ちを切り替えられるようになるのです。
「この仕事を終えたら、楽しいことが待っている」と思えるだけで、頑張れる場合があります。ストレスを発散する方法を考えて、定期的に試しましょう。
趣味がない人は仕事以外で興味があるものや、やってみたかったことを新たに始める方法をおすすめします。没頭できる趣味を見つけて、ストレスを解消しましょう。
自分に合った仕事を選ぶ
頑張っても仕事が続けられない場合、自分に合わない仕事を選んでしまっているのかもしれません。
「仕事を通じて何を実現しようとしているのか」「どんなことをしていると満たされた気持ちになれるのか」など、仕事をする目的を明確にすると自分に合う仕事が見えてきます。
仕事のミスマッチを防ぐには、応募する前に希望する職種や業種について徹底的に掘り下げ、正しい認識を持つように努めることも大事です。
コミュニケーションが苦手なのに、多くの人と協力しなければ達成できない仕事を選んでいたり、プライベートを大切にしたいのに残業時間が多い仕事を選んだりしていれば、無理が生じて仕事を辞めやすい状態になります。
仕事が続かない原因を知り対処しよう
仕事が続かない場合、必ず理由があるものです。ほかの職場に変えても同じような理由で辞めている人は、原因に向き合えていない可能性があります。原因を特定して対処すれば、辞めずに済む場合が少なくありません。
仕事や人間関係に対する考え方を変え、自分に合う仕事とはなんなのかを追求することで、続けられるようになります。
仕事が続かない状態になると収入がアップせず生活が苦しくなり、社会的な信用度が下がるなどのリスクもあるので、早めに原因を特定して対処しましょう。