バイヤーの仕事は買い付けだけじゃない!仕事内容や必要なスキルは?

バイヤーは小売業・製造業・流通業など、さまざまな業界でニーズのある仕事です。興味はあっても、役割の重要性や仕事内容を詳しく知らない人もいるでしょう。バイヤーに求められる能力や、詳しい仕事内容などを紹介します。

バイヤーは何をする人なのか

取引をする男性

(出典) photo-ac.com

バイヤーはさまざまな場所で活躍していますが、具体的にどのような仕事を担当するのか紹介します。

売れる商品を見つけて買い付ける

バイヤーは売れる商品を探して、買い付ける人です。買い付けた商品を「ヒット商品」として育てる役割もあり、実店舗を持つ企業だけでなく通販サイトなどでも活躍しています。

商品がヒットすれば自社の利益になるだけでなく世の中に影響を与え、ブームを巻き起こすこともあり、大きなやりがいを感じられる仕事です。

バイヤーにも種類があり、扱う商材によって呼び名が違います。小売業を中心に買い付けを担当するバイヤーの呼び名は、「仕入れバイヤー」です。

商品だけでなく製造業やサービス業などで必要な、販促品や事務用品などの買い付けを行う場合は「間接材バイヤー」、企業の売上に直結する資材を扱う場合は「直接材バイヤー」と呼びます。

工業製品の原材料を買い付ける場合は「原料バイヤー」と呼び、活躍するにはその時々で変動する市場価値を読む力が必要です。

バイヤーの代表的な仕事内容

マーケティングの様子

(出典) photo-ac.com

バイヤーはただ商品を見つければよいわけではなく、その仕事内容は多岐にわたります。どのようなことを担当するのか、見ていきましょう。

トレンドや世の中の動きを調査

たとえば仕入れバイヤーであれば、売れる商品を見極めるために、トレンドや世の中の動きに敏感でなければなりません。各メディアやSNSなどから情報を得たり、展示会などに足を運んだりする必要もあります。

加えて、市場調査や情報収集を行い、販売データや顧客データなどのあらゆるデータを分析して、売れると判断できるだけの根拠を探るのも重要な仕事です。

また、海外から買付を行う場合は、為替レートや国際情勢にも注意しておくことが必要です。

予算を考えながら値段交渉

バイヤーは売れそうな商品をただ見つければよいわけではなく、予算を考えながらメーカーと商談を重ね、納期や仕入れ数などの交渉を行っていかなければなりません。

商品の買い付け価格は常に一定ではなく、流通量・ニーズ・仕入れ時期などによっても変わります。どんなに魅力的な商品でも、価格の折り合いがつかなければ利益を出すことはできません。

バイヤーの仕事には、値段交渉を有利に進めることも含まれているのです。

商品を選定し買い付けを行う

情報収集やデータ分析などを行って値段交渉が成立すれば、メーカーや工場などへ足を運んで、買い付けを行います。商談や買い付けのために各地を飛び回っていると、家に帰る暇がほとんどないことも珍しくありません。

大型連休前などの繁忙期は特に忙しく、時には、まだ日本で注目されていない海外の商品を買い付けに行くこともあります。

新しい商品を日本でヒットさせられれば、トレンドの火付け役として認知されますが、言語や価値観が異なる海外の人々と交渉し、話をまとめるのはかなりの労力が必要になるでしょう。

販売管理もバイヤーの仕事

商談を成立させ商品を買い付ければ、バイヤーの仕事は終わりだと誤解している人は多いかもしれませんが、その後に売り出す作業もセットだと考えましょう。販売管理も、バイヤーにとって重要な仕事の1つです。

実際に売り場で売るのは販売員の役目ですが、バイヤーは商品の魅力を引き出すためのレイアウトを考えたり、販売員に商品の魅力を伝えたりして、うまく売ってもらうように努めるのも仕事です。

買い付けを行ったバイヤーが、商品の数量管理や入出庫管理などを行えば、目標達成に向けた軌道修正が可能です。店舗へ足を運んで売れ行きをチェックし、次回の買い付けに生かすことも珍しくありません。

バイヤーに求められるもの

パソコンを見ながら会話をする男性

(出典) photo-ac.com

バイヤーにはさまざまなスキルや知識が求められます。仕事をする上で必要になる力について、理解を深めましょう。

多くの商品知識

自分が扱う商品について豊富な知識がなければ、バイヤーの仕事は成立しません。商品知識が足りないと買い付けの際に商品を比較できませんし、価格交渉でも失敗してしまうでしょう。

その商品の価値を正しく把握し、顧客のニーズが高い商品を見つけるには、売れる商品を見極める「目利き」としての力が求められます。

目利きをするには商品知識を身に付けるだけでなく、その商品に関する興味の強さや熱意も必要です。幅広い知識を身に付けるには現場での実務も重要で、販売スタッフや店舗スタッフなどの経験が役立ちます。

世の中の動向を読む力と分析力

バイヤーとして成功するには、情報収集力や分析力が必要です。理論的に商品を見極めなければ、何が売れるのか判断できません。また企業に利益をもたらすと実感できる判断材料を提示できないと、上層部を納得させられないでしょう。

優れたバイヤーは情報収集が習慣化して、偏りがないようにさまざまな媒体から収集します。情報を集めて終わりではなく、入手した情報を分析し、どのような場面で活用するかも考えていかなければなりません。

また、利益額を正しく導くには計算力も必要になります。

商談を成功に導く交渉力

商談をまとめるには、交渉力が優れていなければなりません。自社だけでなく、買い付け先が納得できる着地点を探すためにも不可欠な能力です。

できるだけ、低コストで買い付けられれば利益を大きくできますが、自社の得になることだけを考えていると、買い付け先にそっぽを向かれてしまいかねません。

交渉力を高めるには論理的思考力を鍛えて、複雑なことであってもシンプルに分かりやすく伝えられるように訓練しましょう。交渉では信頼関係をどのように築いていくかや、譲歩する姿勢なども大事です。

また、場合によっては海外で買い付けをすることもあります。語学力があれば、チャンスが広がるでしょう。

バイヤーになるにはどうすればよいのか

資料を手にする男性

(出典) photo-ac.com

ヒット商品を生み出す仕事に、憧れる人は多いはずです。バイヤーになりたい人におすすめの方法を見ていきましょう。

販売員として経験を積む

バイヤーを目指すのであれば、販売員として経験を積むのは現実的な方法です。企業が利益を上げるに当たってバイヤーの役割は大きく、売れない商品を仕入れてしまったときのリスクは高くなります。

未経験者がいきなり、小売業やアパレル業界などのバイヤーに抜擢されることは、まずありません。バイヤーは顧客のニーズを肌で感じられなければならないので、売り場での実務経験は重視されます。

例えば、アパレル業界であれば、販売員や店長などを経て、十分な経験と商品知識を身に付けていると判断された後で、初めてバイヤーの仕事に携われるケースが一般的です。

バイヤーに抜擢されるには、ただ商品を売るだけでなく「どのようにディスプレイしたら、この商品のよさを伝えられるかな?」といった考えを持って行動するとよいでしょう。

バイヤーアシスタントになる

バイヤーアシスタントは、バイヤーの補佐を担当します。バイヤーのすぐ近くで仕事をするので、必要な知識やスキルなどを身に付けられるでしょう。

いきなりバイヤーにはなるのは難しくても、バイヤーアシスタントであれば未経験者でも募集しているケースがあります。

企業によってアシスタントが担当する仕事内容は異なりますが、商品の発注・価格調査・伝票の作成・電話対応などのサポートを任せられることが一般的です。採用されるには、パソコンスキルやビジネスマナーが求められます。

業務内容は幅広くさまざまなスキルが必要

資料をチェックする女性

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バイヤーは売れる商品を見つけるだけでなく、情報収集力・分析力・交渉力などが求められ、常に世の中のトレンドや顧客のニーズに目を向ける必要がある仕事です。

希望する業界の商品知識を幅広く持つ人や、販売スタッフの経験がある人でないと務まりません。バイヤーになるには販売員として実績を積んでいく方法や、バイヤーアシスタントに応募し、スキルを身に付けていく方法などがあります。

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