会社の早退が認められる理由とは?伝える際のマナーやポイントも解説

体調不良や特別な事情などで会社を早退したいとき、どんな理由なら許されるのでしょうか?会社で早退が認められる理由や、伝える際のマナーとタイミングについて解説します。また早退した翌日、出勤した際にするべきことも併せて紹介します。

会社で早退が認められる理由は?

頭を抱える女性

(出典) photo-ac.com

まずは、どのような理由であれば、会社を早退することが認められるのか見ていきましょう。早退の理由として認められる、4つの主な理由を紹介します。

体調不良

体調不良は不可抗力なので、体調不良が原因で会社を早退するのは仕方のないことです。真面目な人や責任感の強い人は「この程度で早退してよいのだろうか」と考えてしまいがちですが、自分自身がつらいと感じたらそれは十分な理由となります。

体調不良の状態で仕事をしても、ミスが増えたりペースが落ちたりなどパフォーマンスが下がり、結果として周囲の人に迷惑がかかる可能性もあるでしょう。また、風邪などの場合は他人にうつしてしまう可能性もあります。

体調不良をおして働いても、自分にとっても周りにとってもよいことはないため、体調が悪いと感じたら無理をせず早めに早退を申告しましょう。

家庭の事情

  • 子どもが熱を出して保育園に迎えに行かなければいけない
  • 同居家族が体調を崩して看病しなければいけない

これら家庭の事情も、早退が認められやすい理由の1つです。特に共働きの家庭や親の介護をしている場合などは、理解を得やすいでしょう。

家庭の事情はプライベートなことなので、上司も深く追求することなく許可してくれるケースが多いようです。

ただし、頻繁に早退が発生するような場合は、周囲にも迷惑がかかることがあります。やむを得ない事情だったとしても、あまりに周囲に影響が出るのであれば、在宅勤務や時短勤務などの措置を検討する必要があるでしょう。

緊急の用事

家の設備故障や点検など、急遽自分が立ち会わなければならない場面も、比較的理解が得やすいでしょう。

ただし、ガスや水道などの点検は、事前に日程が通知されている場合がほとんどです。当日に早退する必要があるときは、「急な故障が発生した」「今日来ることを忘れていたが、別日に調整できないと言われた」など相応の理由が必要になります。

基本的には、あらかじめ日程を把握して事前に早退の申告をしておき、緊急時などやむを得ない場合のみ当日に早退の願い入れをするようにしましょう。

役所や銀行での手続き

平日の日中しか営業していない役所や銀行での手続きが生じた場合、平日に働いている人は仕事を早退せざるを得ない場合もあるでしょう。

  • 結婚に伴う各種手続き
  • 引っ越しに伴う住所変更
  • 住居購入のためのローン申請

このように、環境の変化に伴って必要となる手続きは意外と多いものです。上司を含め多くの人が経験することなので、早退理由としては理解を得やすいでしょう。

ただし、点検の立ち合いなどと同様に、通常は事前に予定を組むことが可能なため、当日の早退となる場合は「なぜ今日なのか」の理由を説明する必要があります。

好ましくない早退理由は?

バツ印を作る男性社員

(出典) photo-ac.com

場合によっては、「そんな理由で早退するのはあり得ない」と思われてしまうこともあります。会社を早退する理由として、ふさわしくない内容も把握しておきましょう。

遊びのため

遊びのために会社を早退するのは、社会人として好ましくありません。「急にお誘いが来た」「今日イベントがあることを知った」など、急遽遊びに出かけたい理由ができたとしても、早退が認められるケースは少ないでしょう。

遊びの予定を入れたい場合は、事前に有給休暇を申請するのが正しい手順です。有給休暇の取得に理由を説明する必要はないため、「私用のため」と伝えて計画的に休みを取りましょう。

仕事が暇だから

抱えている業務が一段落してやることがないという場合は、上司や周りの人に手伝えることはないか聞くなど、自分ができることを探すのが社会人としての基本です。

会社という組織に属している以上は周りとの連携が不可欠であり、「自分の仕事が暇だから帰りたい」という理由では早退は認められないでしょう。

自分の仕事が暇なのであれば、周囲と協力しながらほかの仕事を進めていく姿勢が求められます。

例外として、会社全体として暇な時期で、上司が「早退してもよい」と言ってくれた場合などは受け入れても問題ありません。

天候が悪い

「天気が悪いから」「午後から雨が降りそうだから」など、天候を理由に勝手に早退の判断をするのもやめましょう。天候については全員が同じ条件であり、自分1人だけが早退できるケースというのは想定にしくいはずです。

ただし、天候によって自分が使用している公共交通機関に影響がある場合は、上司に相談して早めに帰宅させてもらうなど臨機応変な対応が必要です。

また、台風や大雪などで会社から帰宅指示が出ている場合は、会社や上司の指示に従いましょう。

会社に早退を申告する際のマナー

お辞儀する女性

(出典) photo-ac.com

会社を早退する場合、影響を受ける周囲の人への配慮が必要です。周りの人が気持ちよく送り出せるよう、早退を申告する際の3つのマナーを意識しましょう。

上司に直接伝える

会社を早退する必要が生じた場合は、まず直属の上司に相談しましょう。メールや人づてではなく、直接伝えるのがマナーです。

その際に「早退します」といきなり宣言するのではなく、「〇〇なので早退してもよろしいでしょうか?」とおうかがいを立てると柔らかい印象になります。

万が一、直属の上司が外出中や離席中などで直接話せない場合は、電話をかけるのが望ましいでしょう。電話ができない状況であれば、直接伝えられなかったことを一言お詫びした上で、メールで早退する旨を報告します。

周囲にお詫びの意思を示す

会社を早退することで仕事の進行が遅れたり、周りの業務負担が増えたりする可能性もあります。早退が周りに直接的な影響を及ぼすかどうかにかかわらず、お詫びの気持ちは必ず伝えるようにしましょう。

「〇〇で早退させていただきます。ご迷惑をおかけします。」と一言伝えることで、周囲の人も協力してあげたいという気持ちになります。

また、社内はもちろんのこと、取引先など社外の人との予定がある場合も事前に伝えるのがマナーです。「社内の別の人間が代わりに参加すれば問題ない」という考えでは、信頼を失いかねません。

「本日〇〇の事情で会社を早退することになりました。申し訳ございませんが、代わりに〇〇という者が参加いたします。」とお詫びを入れることで、先方の理解も得られるでしょう。

引き継ぎを行う

当日中に完了しなければならないタスクを抱えているときや、連絡が来る予定がある場合などは、周囲の人へ引き継ぎを行う必要があります。

引き継ぎは頼みやすい人や仲のよい人に直接依頼するのではなく、上司に割り振ってもらうのがスムーズな方法です。上司に早退の申告をした際に、現在自分が抱えているタスクやそれぞれの締め切りなどを併せて伝えましょう。

仮に当日中にやらなければいけないことではなかったとしても、「〇〇の案件は明日やります。」のように一言伝えると、上司も仕事の進捗が確認できて安心できます。

早退を伝えるタイミングは?

帰る準備をする会社員

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会社を早退したい場合、上司にはいつ伝えるべきなのでしょうか?伝えるタイミングを間違えてしまうと、イメージダウンにつながりかねません。早退を伝える理想的なタイミングについて紹介します。

出社後すぐ

一番望ましいのは、出社後すぐのタイミングです。朝の時点で早退する必要があることが分かっている場合は、出社してからすぐに伝えましょう。

「おはようございます。急で大変申し訳ありませんが、本日〇〇のため早退させていただいてもよろしいでしょうか?」というように、朝のあいさつをした流れで伝えるとスムーズです。

朝一で伝えることで、上司も仕事の割り振りや1日のスケジュールを立てやすくなるというメリットがあります。また、周囲の人も業務が増えるのであれば、早めに知っておきたいと思うはずです。

お昼休み

仕事中は忙しそうで話しかけづらいという場合は、比較的余裕のあるお昼休みに話しかけるのも1つの手段です。ただし、休憩中に話しかけられることを嫌う人もいるため、上司の性格を見極める必要があります。

また、食事中に話しかけるのは失礼にあたるので、食事が終わった後のリラックスしているタイミングを見計らって伝えに行きましょう。

なお伝える際は、あまりぎりぎりにならないよう注意が必要です。例えば、午後一で早退したい場合、お昼休みに伝えるのは直前すぎて印象がよくありません。「定時から1時間早く上がりたい」など、時間に余裕のある場合のみ有効です。

業務報告のとき

完了報告や進捗報告など、業務について報告するタイミングで一緒に伝える方法もあります。特に、契約成立や売上目標達成など、上司にとってもうれしい報告の後だと、和やかな雰囲気で伝えられるでしょう。

ただし、場合によっては「なぜこのタイミングで?」と思われる可能性も否定できません。上司の忙しさや話の持っていき方など、状況を見極めて切り出す必要があります。

また、お昼休みの例と同様に、早退時間ぎりぎりの申告はよくありません。「よい報告をして、上司の機嫌をよくしてから伝えたい」と思うあまり、タイミングを逃してしまったということのないよう注意しましょう。

早退した翌日にすべきこと

お辞儀する女性

(出典) photo-ac.com

早退をした翌日の、会社での振る舞いは非常に重要です。周囲の人に「協力してよかった」と思ってもらえるよう、早退した翌日に会社ですべき2つのことを紹介します。

周囲に感謝を伝える

出社したらまず第一にやるべきことは、周囲の人に感謝の気持ちを伝えることです。「昨日はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。皆さんのおかげで体調が回復しました。」など、フォローしてくれた人たちにきちんとお礼を伝えましょう。

この一言があるかないかで、周囲からの印象は大きく変わります。これからも一緒に働いていく仲間に対して、敬意を払うことが大切です。

ただし、体調不良や緊急の用事は誰にでも起こり得ることなので、必要以上に恐縮することはありません。心からの感謝の気持ちを伝えたら、その後は気持ちを切り替えて仕事に取りかかりましょう。

積極的に仕事に取り組む

会社を早退した翌日は、周囲にフォローしてもらった分を返す気持ちで、いつも以上に積極的に仕事に取り組みましょう。

「昨日早退した分を取り戻します。」「昨日皆さんにフォローしていただいたので、今日はどんどん私に振ってください。」など、やる気を見せる言葉を発するのも有効です。

周囲への感謝とやる気が伝わると、協力してくれた人たちも気持ちよく仕事ができます。逆に早退した翌日にやる気のない態度でいると、「もう次回以降はフォローしたくない」という気持ちを抱かせてしまうため注意が必要です。

体調不良で早退した翌日に、体調が戻らないまま無理して出勤すると、周りに気が回らなくなってしまう可能性もあります。本調子になってから仕事に復帰するのも、自己管理の1つです。

スムーズに早退するためのポイント

信号待ちをするスーツ男性

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スムーズに会社を早退するためには、日頃の勤務態度や信用も大きく関わってきます。早退をすんなり認めてもらうための、3つのポイントについて説明します。

普段から真面目に勤務する

普段から真面目に勤務していると信頼度が高まり、突発的な早退や休みでも快く受け入れてもらえる可能性が高くなります。

「〇〇さんがそう言うということは、本当に緊急なのだろう。」とすんなり受け入れてもらえ、早退もしやすくなるでしょう。

逆に普段から遅刻・欠勤が多いと、サボりだと思われてしまうこともあります。日々の勤務態度によってその人への信頼度が変わるため、普段から真面目に仕事にまい進することが大切です。

真面目に勤務するというのは、勤怠はもちろん業務への姿勢、一緒に働く人への気配りなど全てをトータルして評価されます。ただ毎日時間通りに出勤するだけでなく、周りから評価されるような働き方を意識しましょう。

緊急時のみ使用する

急な早退は、本当の緊急時にのみ申告するようにしましょう。ことあるごとに早退をしていては、ただのサボり癖のある人というレッテルを張られかねません。

体調不良や急を要する家庭の事情など本当に緊急の場合のみ早退の申告を行い、それ以外はできるだけ事前に予定を把握して、計画的に半日休暇や有給休暇を消費するのが理想的です。

また、自身や家庭の事情などであまりにも頻繁に早退が生じてしまう場合は、自分のためにも周囲のためにも、働き方を考え直すことも視野に入れた方がよいでしょう。

単刀直入に伝える

早退の申告は言いにくいと感じるかもしれませんが、単刀直入にはっきりと伝えるのがポイントです。

例えば、申し訳なさを出しすぎて「無理かもしれませんが、早退したくて…」などと伝えると、「無理なら早退できなくても平気ということ?」と捉えられることもあるでしょう。

必要以上に回りくどい言い方をしたり、おどおどしていたりすると、不信感を与える可能性があります。早退したい旨とその理由を、簡潔にはっきりと伝えましょう。

また、理由を細かく伝えすぎるのも逆効果です。あまりに細かいことまで話しすぎると、話を作っていると疑われる可能性もあります。

仕事がつらくて早退したいときは?

仕事に疲れた女性

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早退したい原因が仕事のストレスである場合は、自分を休めることも大切です。仕事がつらいと感じているのであれば、心の声を聞いて心身をストレスから解放するための行動を起こしましょう。

リフレッシュを図る

仕事のストレスを感じたときの一番手っ取り早い対策は、心身ともにリフレッシュすることです。

  • 出勤前にカフェでゆっくりティータイムを楽しむ
  • 仕事が終わったら半身浴で自分を癒やす時間を作る
  • 休みを取って旅行に行く

自分にとってのストレス解消方法を見つけることで、英気を養う手助けとなります。仕事を頑張るためのモチベーションが上がると、仕事への姿勢も変わる可能性が高くなるため、有給休暇や余暇を有効活用してリフレッシュを図りましょう。

転職を視野に入れる

さまざまな対策をしても「つらい」「行きたくない」と感じる会社であれば、転職も視野に入れた方が自身のためです。

どんなに憧れの会社や仕事であったとしても、本当に自分に合うかどうかは実際に入社してみないと分かりません。合わないのは自分のせいでも会社のせいでもなく、単に相性の問題という場合もあります。

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周囲に配慮してスムーズに早退しよう

腕時計を見るスーツの男性

(出典) photo-ac.com

会社を早退すること自体は、決して悪いことではありません。しかし、急な早退は周囲の人に大きな影響を及ぼす可能性があるため、周りへの配慮を忘れないことが大切です。

早退が認められる理由と認められない理由を理解し、マナーとポイントを意識しながらベストなタイミングで早退を申告するようにしましょう。

また、早退した翌日の振る舞いは、今後の働きやすさを左右する大事な要素です。自分の早退のためにフォローしてくれた周りの人へ感謝を伝え、支え合いながら気持ちよく働ける環境を作っていきましょう。