エレベーターのマナーとは?乗り方に関する基本から注意点まで紹介

ビジネスマナーにはさまざまな種類があり、エレベーターの乗り方にもマナーがあります。何も考えずに乗っていて失礼な印象を与えてしまうのは、仕事においても心配です。社会人として押さえておきたい、エレベーターの基本マナーをチェックしましょう。

エレベーターを待っている間のマナー

エレベーターホール

(出典) photo-ac.com

エレベーターはほとんどのオフィスビルに設置されています。どこで誰が見ているか分からない場所だからこそ、マナーには気を配りたいものです。

時にはエレベーターを待っている段階から、ほかの人に動きをチェックされていることもあります。どのように待てばよいのか、具体的に見ていきましょう。

扉の正面に立たない

エレベーターを待つときに扉の正面に立って待っていると、中にいる人がスムーズに降りられません。たまたま誰も乗っていないときは問題にならなくても、大勢の人が乗っているときは邪魔になるでしょう。

エレベーターを待つときは扉の正面ではなく、左右のどちらかに寄って待つのが基本です。操作ボタンがある側にいると、スムーズに動きやすくなります。

小さなビルでエレベーターの脇にスペースがない場合は、扉から少し離れた位置で待ちましょう。

降りる人が最優先になる

乗り込むときは、エレベーターからその階で降車する人全員が降り終わるのを待ちましょう。まだ降りようとしている人がいるのに乗ろうとすると、邪魔になってしまいます。

混雑しているエレベーターの場合、奥の方にいる人が降りるまでに時間がかかることがあるので、降りようとしている人の気配を感じたら待つよう意識しましょう。

電車に乗る場面を思い浮かべると、スムーズな流れがイメージしやすいはずです。降りる人の邪魔をすればマナーが悪い印象を与えるだけでなく、エレベーター内で開閉ボタンを押してくれている人にも余計な手間を取らせてしまいます。

エレベーター内でのマナー

エレベーターのボタンを押す

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エレベーターに乗り込んだ後の振る舞い方にも注意が必要です。エレベーター内でのマナーを見ていきましょう。

先乗り・後降りが基本

上司や来客と一緒にエレベーターに乗る場合は、先に自分が乗り込んでエレベーターを操作する係を担当します。このとき「お先に失礼します」と一言あった方が、より丁寧な印象を与えられるでしょう。

すでに中でエレベーターを操作している人がいる状況では、自分が操作する必要はありません。「どうぞ、お乗りください」と一声かけて、先に上司や来客者を乗せます。降りるときは先に上司や来客者を降ろし、自分は最後に降りましょう。

上司や来客者を乗せるときは、自分が案内する立場であるという意識が大切です。

エレベーター内の立ち位置

エレベーター内にも上座と下座があります。扉に近い位置が下座で、奥の両端が上座です。上司や来客者と一緒に乗り込む場合、自分がエレベーターを操作する立場なので、自然と扉のそばにある下座の位置に立つことになります。

すでに人が乗っている場合も、できるだけ操作盤の近くに立ちましょう。操作してくれている人が先に降りたとき、スムーズに交代できるように気を配ります。

ただし、エレベーター内が混雑している場合は自由に動けないので、無理に上座と下座を区別する必要はありません。

ビジネスの話・飲食はしない

エレベーター内は社内の人だけでなく、ほかの階に用事がある部外者も乗り合うのが一般的です。自社ビルでも、来客者が同乗している可能性は十分にあります。

うかつにビジネスの話をすれば情報が漏えいするリスクがあるほか、乗り合わせた来客が取引先の人なら「この会社に仕事を任せるのは不安だ」と感じるでしょう。

人のうわさ話も同乗者を不快にさせます。共有スペースであることを意識し、おしゃべりは慎むのが基本です。知り合いが乗ってきたら簡単にあいさつを交わしても構いませんが、長々と話をするのはやめましょう。

また、エレベーター内では飲食を避けるのがマナーです。エレベーターは狭い空間なので臭いがこもる心配があるだけでなく、行儀が悪い印象も与えます。

エレベーターマナーに関するQ&A

エレベーターの操作盤

(出典) photo-ac.com

エレベーターを利用する際はさまざまな状況が考えられ、マナーに悩むことも少なくありません。操作盤の前での振る舞い方や、見送りの際によくある疑問を見ていきましょう。

操作盤の前に立ったときは?

エレベーターを操作する係になったら、自分の上司や来客者だけでなく、後から乗り込んできた人にも「何階ですか?」と声をかけて操作しましょう。

うっかり降りる階数を押し間違えてしまった場合は、ボタンを2度押しすることでキャンセルできるエレベーターもあります。2度押しした後で、点灯したボタンをさらに長押しするとキャンセルできるタイプもあり、操作の仕方はさまざまです。

ただ、エレベーターによってはキャンセル機能が付いていないこともあります。うまくキャンセルできなかった場合は、「申し訳ありません、押し間違いです」と謝れば問題ありません。

お見送りのお辞儀はいつまでする?

来客者をエレベーターホールで見送る場合、扉が閉まり始めた段階でお辞儀をし、完全に閉まるまで続けましょう。まだ開いている状態で背を向けると、最後までお見送りする気がない印象を与えてしまいます。

来客者が乗り込んで扉側を向いた段階で「本日はご足労いただき、誠にありがとうございました」と、感謝の言葉とともに頭を下げるとよいでしょう。

エレベーターに乗り込む人が多い状況では、邪魔にならないように注意しながら見送ります。

日常の中にあるマナーも要チェック

エレベーターのボタンを押す女性社員

(出典) photo-ac.com

エレベーターはほかの人と共用するので、マナー違反をすると周囲を嫌な気持ちにさせてしまいます。日常的に使用するものであり、来客者を案内する予定がなくても、基本的なマナーは押さえておいた方が安心です。

人が降りようとしているのに割り込んで乗り込むような行動を取ると、ビジネスマナーや常識がない人だと思われかねません。面接で会社を訪れるときも意外にチェックされている部分なので、気を抜かないように注意しましょう。