簡単に取得しやすいおすすめの資格とは?効率的な勉強法もチェック

転職を検討する中で「簡単に取れる資格はないだろうか」と考える人は少なくありません。理想的な転職を実現する1つの参考として、簡単に取れる主な資格とその詳細を整理していきましょう。資格取得を目指す上で、知っておきたい勉強の仕方も紹介します。

簡単に取れる資格とは?

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簡単に取れる資格とは、そもそもどのような資格を指すのでしょうか?まずは、取るのが比較的簡単といわれる資格の条件から詳しく確認していきましょう。

取得しやすい資格の条件

比較的簡単に取得できる資格の条件には、以下のようなものが挙げられます。

  • 受験に必要な資格や経験がない
  • 難易度が低い・合格率が高い
  • 受験に必要な費用が低い(分割払いができる)

転職を前提とした資格取得は、仕事と両立して進めるのが一般的です。自由になる時間が少ない中で勉強や受験をする必要があることから、受験資格に高いハードルがあったり、難易度が高すぎたりする資格を目指すのは現実的ではありません。

また、各自の経済状況にもよりますが、合格する保証がない状態で高額な費用をかけるのもやはり難しいでしょう。社会人の資格取得には、時間や経済的な負担を最小限に抑え、合格の可能性を上げることが求められます。

取得しておくと何かと便利な資格

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社会人が簡単に取得できる資格には、具体的にどのような種類があるのでしょうか?さまざまな業種で幅広く活用できる、取得しておくと何かと役立つ資格から紹介します。

※紹介する受験料や試験回数などの概要は、2022年10月時点のものです。

日本漢字能力検定

日本漢字能力検定は、漢字の読み書き能力を測る目的で行われる検定です。書類の作成やメールのやり取りなど、基本的な漢字の知識が求められる職種は多く、評価指標の1つとして利用している企業も少なくありません。

なお漢字能力検定は、レベル別に10〜1級の12段階に分かれています(準2級・準1級含む)。履歴書に記載するのなら、高校卒業程度の漢字知識の目安となる2級以上を取得する必要があるでしょう。

  • 受験料:2,500〜6,000円(税込)
  • 試験回数:3回/年
  • 受験資格:なし

日本漢字能力検定

日商PC検定

日照PC検定は商工会議所が主催する、パソコン・ITに関する知識を測る試験です。かつての「日本語文書処理技能検定(ワープロ検定)」と「ビジネスコンピューティング(ビジコン)検定」が2006年に統合され、現在の検定になりました。

レベルはベーシック・3級・2級・1級の4段階に分かれ、基本的なパソコンスキルから企業実務に必要な幅広い知識まで、自身のレベルに応じた受験が可能です。パソコン・ITの知識やスキルをアピールしたいなら、ぜひ取得を検討したい資格といえます。

  • 受験料:4,200〜1万480円(税込)
  • 試験回数:【1級】2回/年
         【2級・3級・Basic】随時実施
  • 受験資格:なし

日商PC | 商工会議所の検定試験

転職に役立つ資格「事務・サポート系」

タブレットを見て操作する女性

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転職を前提に考えるなら、やはり転職に少しでも有利になる資格を狙いたいものです。転職に役立つ資格のうち、事務・サポート系の仕事に役立つ資格をチェックしていきましょう。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

世界基準のパソコン関連資格を目指すなら、おすすめは「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」です。

マイクロソフト社公認資格で、取得することによりエクセル・ワードといったオフィスで欠かせないソフトを扱えるスキルを証明できます。

その知名度から、転職活動の際のアピールポイントとしても申し分ありません。特に事務系の職種を目指す人にとって、大きなアドバンテージとなるでしょう。

  • 受験料:1万780〜1万2,980円(税込)
  • 試験回数:【全国一斉試験】1〜2回/月
         【随時試験】各試験場の指定日(ほぼ毎日)
  • 受験資格:なし

MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト

日商簿記

簿記とは簡単にいうと、収益や費用を整理・記録して、把握することです。簿記を勉強すれば、ビジネスを数字の観点から捉えられるようになります。経理をはじめとした事務の現場で活躍できるでしょう。

日商簿記は企業内で重宝される資格なだけに人気が高く、書籍・学習サイトなど教材も豊富です。自分のレベルに合わせて勉強しやすい点は、隙間時間で勉強を進める社会人にとって大きな魅力といえます。

  • 受験料:2,850〜7,850円(税込)
  • 試験回数:【統一試験】3回/年
         【ネット試験】各試験会場の指定日(2・3級のみ)
  • 受験資格:なし

簿記 | 商工会議所の検定試験

メンタルヘルス・マネジメント検定

企業で働く中で、職場環境や業務への適応が原因で、心の問題を抱えてしまう人は少なくありません。労働者のメンタルヘルスは、企業にとっても大きな課題といえるでしょう。

「メンタルヘルス・マネジメント検定」は、そんな労働者のメンタルケアにまつわる資格です。この資格を取得することで、労働者の働きやすい環境を整えられる人材として評価されるでしょう。

コースは3種類あり、それぞれⅢ種(セルフケアコース:一般社員向け)・Ⅱ種(ラインケアコース:管理職向け)・Ⅰ種(マスターコース:人事・総務部・経営幹部向け)となっています。まずはⅢ種からじっくり挑戦してみるのがおすすめです。

Ⅱ種とⅢ種には個人受験向けの公開試験のほか、企業や学校など10名以上の団体が申し込める団体特別試験もあります。

  • 受験料:5,280〜1万1,550円(税込)
  • 試験回数:2回/年(公開試験)
  • 受験資格:なし

メンタルヘルス・マネジメント検定試験 | 働く人たちの心の健康と活力ある職場づくりのために

秘書技能検定

「秘書技能検定」は、社会人としてのマナー・一般常識が身に付いていることを証明する資格です。

名称から秘書になる人向けのものと考えられがちですが、資格を生かせるのは秘書の仕事だけではありません。秘書技能検定で問われるビジネスマナー全般は、どのような職種でも重宝されるでしょう。

秘書技能検定には、3級・2級・準1級・1級の4レベルがあります。準1級・1級では実技試験もあり、取得することで社会人としてより高い資質を証明できる資格です。

  • 受験料:2,800〜9,400円(税込)
  • 試験回数:2〜3回/年
  • 受験資格:なし

ビジネス系検定

医療事務検定試験

事務系の仕事として、オフィスワーク系の資格と並んで高い人気を誇っているのが「医療事務検定試験」です。

資格取得を通じ、医療保険制度や診療報酬の点数算定など、医療事務として仕事をする上で必要な知識をまんべんなく学べます。

医療事務は正社員・パート・契約社員など働き方の自由度が高い職種でもあることから、「ライフプランに合わせて自由に働き方を変えたい」という人にもうれしい資格といえるでしょう。

  • 受験料:7,700円(税込)
  • 試験回数:【会場受験】6回/年 ※通学コースの受講生
         【自宅受験】1回/月 ※通信コースの受講生
  • 受験資格:日本医療事務協会が認定する医療事務講座を修了している
         受験申請をした高校・専門学校・短期大学・大学などに在籍している
         受験申請をした一般受験申込者

医療事務検定試験とは|日本医療事務協会 医療事務 検定情報サイト

参考:医療事務検定試験とは|医療事務の資格講座なら日本医療事務協会

転職に役立つ資格「専門職系」

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専門的な知識が必要な職種に関わる資格は、ステップアップしたい転職者に役立ちます。そんな専門職系の中でも、比較的簡単に取得できる資格はどれなのでしょうか?

基情報技術者

「基本情報技術者」は、経済産業省が認定する国家資格です。情報処理の基礎スキルがあることを証明できるため、ITエンジニアへの登竜門的な資格として知られています。

ITのさまざまな分野で評価される資格で、取得することによりプログラマーやエンジニアをはじめとするIT職種への道が開けるでしょう。ITの分野で活躍したいなら、ぜひ取得しておきたい資格です。

  • 受験料:7,500円(税込)
  • 試験回数:2回/年(春期・秋期)
  • 受験資格:なし

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験

参考:情報処理技術者試験 (METI/経済産業省)

3級ファイナンシャル・プランニング技能士

ファイナンシャルプランナーは、クライアントの収入・支出・資産などを分析し、資産運用やライフプランのアドバイスを行う専門職です。

FPを認定する国家試験が「ファイナンシャル・プランニング技能検定」で、金融や保険業界で特に重宝される資格として知られています。

2級の受験には研修の受講や実務経験が必要になりますが、3級は独学での受験が可能です。まずは3級の取得を目指してみましょう。

  • 受験料:【学科】4,000円(非課税)
        【実技】4,000円(非課税)
        【学科+実技】8,000円(非課税)
  • 試験回数:3回/年
  • 受験資格:ファイナンシャルプランナー業務についているか、これから目指そうとする人

FP技能検定 | 日本FP協会

宅地建物取引士

「宅地建物取引士」は、不動産業を営む企業にとって、なくてはならない人材です。不動産契約に必要な重要事項の説明・契約書への記名などは、宅地建物取引士しか携われません。

その重要性から、資格を取得しておくと不動産業界への就職・転職をする際に非常に役立ちます。多くの企業で資格手当の対象ともなっていることから、年収アップも期待できるでしょう。

不動産業界への転職を視野に入れるなら、ぜひ取得しておきたい資格の1つです。

  • 受験料:8,200円(非課税)
  • 試験回数:1回/年
  • 受験資格:なし

一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験

ハードルが低めの士業もある?

対面で打ち合わせをする2人

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弁護士・税理士・弁理士など、士業にあこがれを持つ人も多いのではないでしょうか?高い専門性を持つだけに資格取得が難しい士業にも、中にはハードルが低めの職種も存在します。比較的目指しやすい主な士業資格をチェックしていきましょう。

行政書士

法律系の職種の中で、比較的取得までのハードルが低いのが「行政書士」です。行政書士になることで、契約書の作成・各種届け出・相続手続きなどを担えます。

正答率6割ほどで合格できることもあって、法律系の知識がゼロの状態からでも挑戦しやすい資格として知られています。

資格を取得することにより、企業の法務部のような部署で活躍できるのはもちろん、個人での開業も不可能ではありません。司法書士への足がかりとしても人気の資格です。

  • 受験料:1万400円(税込)
  • 試験回数:1回/年
  • 受験資格:なし

一般財団法人 行政書士試験研究センター

中小企業診断士

「中小企業診断士」は、経営コンサルティングにまつわる唯一の国家資格です。

実際の合格率は1次試験36.4%・2次試験18.3%(2021年度)と、試験自体の難易度はやや高いものの、受験に当たって実務経験は問われません。広く門戸が開かれている点で、比較的取得しやすい資格といえるでしょう。

どんな業種でも活用できる資格のため、転職先が限定されることもありません。転職にも大いに役立つのはもちろん、コンサルティング会社への転職や経営コンサルタントとしての独立を考える人は、取得を検討したい資格です。

  • 受験料:【1次試験】1万4,500円
        【2次試験】1万7,800円
  • 試験回数:1回/年 ※1次試験・2次試験ともに
  • 受験資格:なし

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効率的な資格取得の勉強方法とは

問題集を解く

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転職に向けて資格取得を目指すに当たり、仕事と並行して勉強するのが難しいと感じる人は多いものです。仕事をしながら無理なく資格取得を実現するための、効率的な勉強方法を紹介します。

過去問・問題集を解くことから

効率的に資格取得の勉強を進めるのなら、まず始めたいのが過去問・問題集を解くことです。

「最初はテキストを読むべきでは?」と考える人もいるかもしれませんが、かえって遠回りになってしまう可能性が高いでしょう。

資格取得の勉強で大切なのは、試験問題を正しく解く力を身に付けることだからです。テキストを読むだけでは、実際に解く力が鍛えられません。

事前知識が全くないジャンルに挑戦する場合を除き、基本的には過去問・問題集からスタートするのがよいでしょう。

間違えた・分からないところを重点的に学ぶ

過去問・問題集を進めていくと、やがて間違えやすい点・分からない点の傾向をつかめるようになっていきます。自分の弱点がクリアになってきたら、次は弱点部分の勉強を重点的に進めていきましょう。

もともと得意な分野の勉強を進めても得点率は上がりませんが、苦手分野の理解度を深めれば得点率は目に見えて上がります。試験に合格することを最終目的とするのなら、苦手分野の洗い出しと克服をメインに学習を進めるのがおすすめです。

完璧に理解しようと思わない

完璧を目指しすぎないことも、効率的に資格取得を目指す上で大切なポイントの1つです。

「合格する自信ができるまではじっくり勉強しよう」「まだ完全に理解できていないから受験はできない」と、勉強の段階で足踏みをしてしまう人は少なくありません。

ただ、自分でハードルを上げすぎると、最終目標である資格の取得がどんどん遠のいてしまいます。合格の可能性を高めたい気持ちは自然ですが、ある程度のレベルに達したと思ったら思い切って受験してみましょう。

結果として早期の資格取得につながるはずです。

興味がある資格なら積極的にチャレンジを

机で勉強する

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転職を踏まえた資格取得を目指すなら、受験資格がない・合格率が高い・受験費用が安いなど、比較的簡単な資格に注目して挑戦するのがおすすめです。

検討している業種や難易度を踏まえて資格を選び、楽しみながら勉強を進めることで、転職に役立つ資格を無理なく取得できます。

実際に資格取得を目指すに当たっては、自信を持って積極的にチャレンジする姿勢も大切です。完璧を求めず効率的に勉強を進めるのが、社会人がスムーズに資格取得をかなえるコツといえるでしょう。