派遣社員になるメリットは多い?デメリットや適性とともに紹介

派遣社員のメリットやデメリットが分からないと、自分に合っているかどうか判断しにくくなります。働き始めてから他の雇用形態がよかったという事態になると、時間が無駄になってしまうでしょう。派遣社員になるメリットやデメリットを紹介します。

派遣社員になるメリット

オフィスの風景

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派遣社員はあらかじめ決められた期間、企業に派遣されて仕事をする雇用形態です。立場的に不利とされる場合がありますが、正社員にはないメリットもあります。どのようなメリットがあるのかを確認しましょう。

ライフスタイルに合わせて自由に働ける

派遣社員は勤務地・勤務時間・期間・仕事内容など、希望に合わせた働き方ができるところがメリットです。正社員とは違って異動がなく、途中で勤務地が変わる心配もありません。

育児や介護などの事情で働ける場所に制限がある人にとって、派遣は働きやすい雇用形態といえます。基本的に契約外の仕事は頼まれないため、得意分野に特化した仕事ができるところもポイントです。

また、契約期間が過ぎれば職場を変えられる派遣は、人間関係に縛られずに済みます。円滑な人間関係を築く努力は必要ですが、もし合わない人がいたとしても、期間限定の付き合いだと割り切って働けるでしょう。

アルバイトより高収入を得やすい

一般的なアルバイトに比べると高い給料がもらえる点も、派遣社員として働くメリットです。ただし、派遣社員の派遣先や職種などによって時給は変動します。

日本人材派遣協会が実施した「派遣社員Webアンケート調査結果(2021年度)」を確認してみましょう。

デスクワーク中心の仕事では、41.4%の人が時給1,500~1,700円、IT技術・通信系の仕事では、62.4%の人が1,750円以上と高い時給を得ています。

労働派遣法が改正され、賃金や福利厚生面などに関して正社員との不合理な待遇差をなくすことが義務化された点も、注目したいポイントです。

参考:
データ | 一般社団法人日本人材派遣協会
派遣労働者・労働者の皆様|厚生労働省

さまざまな企業で働くチャンスを得られる

派遣社員は1つの派遣先で長く働けない代わりに、正社員とは違い、さまざまな企業で働くチャンスを得られるのもメリットです。実力次第で、正社員としての入社が難しい、大企業や官庁での仕事を紹介してもらえる可能性もあります。

大企業での仕事は貴重な経験であり、スキルアップにつながるでしょう。その企業ならではの仕事のやり方を学べるところも魅力です。

紹介予定派遣を利用すれば、正社員登用のチャンスもあります。紹介予定派遣は派遣の期間を試用期間として、直接雇用に移行する前提の派遣です。

双方の合意があれば、派遣期間の修了後に直接雇用へ切り替わります。必ず直接雇用になるわけではないため、企業側が一定期間たった後も働いてほしいと思うような働きぶりが必要です。

参考:派遣労働者・労働者の皆様|厚生労働省

派遣社員になるデメリット

机の上と植物とPCと腕

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派遣社員はメリットばかりではありません。デメリットを知らずに働き始めてしまうと、後悔する結果になります。派遣社員として働く上で問題になり得るポイントを確認しましょう。

1つの企業で働けるのは3年以内

派遣社員は労働派遣法によって、同じ職場で3年以上働けないルールが定められています。派遣先がどんなに気に入っても、長く働けない点はデメリットです。

産休・育休中の社員の代わりに働く場合や、期限が決まっているプロジェクトに従事する場合など一部の例外を除き、すべての有期雇用派遣社員が3年ルールを守らなければなりません。

3年を超えて働きたい場合、派遣元で無期雇用されるか派遣先に直接雇用してもらう必要があります。無期雇用派遣は、期間を定めず派遣会社と雇用契約を結ぶ形態です。

無期雇用になると安定して働けるようになり、企業側も期間の制限を受けず長期的に働いてもらえるメリットがあります。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 | e-Gov法令検索

雇用が不安定

登録型の派遣社員の場合、派遣先が見つからない間は仕事がなくなってしまいます。いつも仕事に恵まれるとは限らず、収入面の不安がある点はデメリットです。

仕事がない待機期間中も給料をもらうには、派遣会社に無期雇用される必要があります。無期雇用されるための採用選考を受けて派遣元に実力を認めてもらえば、給料が月給制になり暮らしが安定するでしょう。

同じ派遣会社から通算5年以上派遣されている場合は、無期雇用派遣に切り替える要件を満たします。最初から無期雇用の派遣社員を募集している派遣会社に応募しても構いません。

参考:派遣労働者・労働者の皆様|厚生労働省

取り組める仕事の範囲が限定的

派遣社員は雇用期間が過ぎればいなくなってしまう存在なので、取り組める仕事は補助的なものに限定されます。責任のある仕事を任せてもらえない点を、デメリットに感じる人もいるでしょう。

ただ、単純作業や簡単な仕事を任されることにストレスを感じる場合はデメリットですが、気楽でいたいと思う人にとってはメリットだと感じられる部分もあります。

「自分の裁量で仕事をしたい」「大きな仕事を成し遂げたい」と感じる人と、派遣社員の仕事は相性が悪いでしょう。

派遣社員に向いている人

PC作業する人

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派遣社員の働き方が合う人もいれば、そうでない人もいます。派遣社員に向いている人の特徴をチェックしましょう。

正社員として働くのに不安がある

過去に就職してうまくいかなかった、正社員になることに不安があるという人は、派遣社員に向いています。

正社員の場合、職場でトラブルがあっても直接上司に相談したり自分で解決したりしなければなりませんが、派遣社員の場合は派遣会社のサポートを受けられるので安心です。

契約内容と異なる仕事をさせられそうになったときや、契約にない残業をさせられそうになったときも、派遣元が間に入ってくれます。

また、身に付けるべきスキルや将来進みたい道など、キャリアプランに関する相談に乗ってもらえる点も魅力です。

仕事内容を限定して働きたい

派遣社員は、やりたい仕事だけに集中したい人に向いています。基本的に定められた範囲の仕事だけを担当し、契約外の仕事を任されることはありません。

本人の知識や経験を考慮して、経理やプログラミングといった専門性の高い仕事のみに従事することもできます。他の仕事に手を煩わされることなく、スキルアップを目指せる点が派遣の魅力です。

正社員だと企業側が仕事内容を決める上、場合によっては配置転換や転勤もあります。本人が望まない仕事まで任されるケースも多いでしょう。しかし、派遣社員であればこのような問題は起こりません。

派遣会社を選ぶチェックポイント

虫眼鏡と水色の背景

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数多くの派遣会社がある中で、何を基準に選んだらよいのか悩む人もいるでしょう。派遣会社を選ぶポイントを紹介します。

派遣許可番号を取得しているか

派遣会社を選ぶときは、その会社が正規の手続きを経て派遣事業を行っているかをチェックすることが大事です。

労働派遣法では

労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない

と定められています。許可を得ている事業所なら必ず「派遣許可番号」を取得しているのです。

大前提として、派遣許可番号のない派遣会社は違法です。会社概要を見ても派遣許可番号がはっきりしない派遣会社には、登録しないよう注意しましょう。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 | e-Gov法令検索

派遣される企業の傾向

派遣会社によって、紹介できる仕事に差がある点にも注意しましょう。派遣会社のホームページをチェックすると、求人情報の傾向をチェックできます。興味のある仕事や、やりたい仕事ができそうかなどをチェックして決めましょう。

派遣会社ごとの違いがよく分からない人や派遣元にこだわらない人は、求人サイトから希望の職種名と雇用形態(派遣)で検索し、気になる仕事にエントリーするという選択肢もあります。

エントリー後に求人を出している派遣会社に登録し、紹介の可否を判断してもらう流れです。スタンバイでは豊富な求人から派遣も含めて絞り込み検索ができます。派遣会社にこだわらない場合は、活用してみましょう。

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派遣社員のメリットを知り進む道を決めよう

雑然としたデスクの上

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派遣社員になるかどうかを決める前に、メリットやデメリットを押さえておくと失敗せずに済みます。派遣社員はアルバイトに比べると給料が高く設定されている場合が多く、自由な働き方ができる点がメリットです。

契約外の仕事をする必要はないので、特定のスキルを磨きたい人にも向いています。雇用が不安定な点はデメリットですが、一定期間登録型の派遣社員として働いた後で無期雇用や直接雇用に転換する道もあります。

やりたい仕事が見つかったら、まずは派遣社員として働く方法を選ぶのも1つの方法です。正社員として採用されるのが難しいような、大企業での仕事を経験できる可能性があります。