インサイドセールスとは?注目されている理由や目指し方を解説

リード(見込み顧客)に対して非対面で営業するインサイドセールスは、日本でも近年、有効性が広く認識され始めました。インサイドセールスの概要や、向いている人の特徴を解説します。今後の仕事として興味のある人は、基本として押さえておきましょう。

インサイドセールスとは?

スマホを操作するビジネスマン

(出典) photo-ac.com

インサイドセールス業界・業種を問わず、広く導入されつつあります。インサイドセールスの意味や、主に担う役割を見ていきましょう。テレアポと何が違うのかも、簡単に解説します。

リード(見込み顧客)に対する非対面の営業手法

インサイドセールスは、見込み顧客(リード)に対して、本来の商談・提案前に非対面で行う営業活動ののことです。

リードの抱える課題を聞き出して有効な提案をすることで、対面での営業につなげるアプローチがメインの仕事です。電話の他にメールを使って商談に結びつけたり、web会議ツールを使用して営業したりと幅広い方法があります。

従来インサイドセールスは、内勤社員が商談を設定するまでの営業アプローチと考えられていました。近年はオンラインで商談まで進める機会も増え、インサイドセールスの担当範囲が徐々に広くなっています。

ホットリードを外勤営業につなぐ役割を持つ

インサイドセールスは本来、リードの中でも特に成約に結びつく可能性が高い相手を、外勤営業(フィールドセールス)に渡す役割を担います。ただし企業によっては、インサイドセールスとフィールドセールスを同じ担当者が担うケースも珍しくありません。

実際のところ、両者の垣根が曖昧になっている企業が多いのが実態です。リードの獲得のみインサイドセールス部隊が担う場合や、リードの育成(ナーチャリング)まで担当する場合もあります。

さらに、クロージングや成約後のフォローまで、インサイドセールスの業務としている企業もあるようです。

インサイドセールスとテレアポの違い

テレアポの仕事は、商談の機会を作るためのアプローチです。一方のインサイドセールスは、フィールドセールスに営業をバトンタッチするとともに、リードとの関係構築に重きが置かれている点で違いがあります。

事前にリードが抱える問題を把握し、都度有益な提案をすることで、良好な関係を構築します。その上で対面営業につなげ、最終的な成約に結びつけるのが基本の流れです。

また、テレアポは単にアポイント件数を評価指標にします。一方インサイドセールスは、相手の潜在的なニーズや課題を引き出せたか、有効な提案ができたかなど、リードの創出・育成に注目して成果を判断します。

対面での商談に結びついた件数も、もちろん重視です。ただテレアポと違い、その時点で商談に結びつかなくても、相手の興味を引き出して有用なアプローチにつなげられれば、一定の成果を上げたと考えます。

インサイドセールスが注目されている理由

電話をかけるビジネスマン

(出典) photo-ac.com

発祥の地とされるアメリカをはじめとした欧米諸国に比べると、日本ではまだインサイドセールスが普及する余地はある段階です。とはいえ近年は、日本でも積極的に導入を進める企業が目立ちます。その理由には何が挙げられるのでしょうか?

人手不足への対策

日本では近年、慢性的な人手不足に悩む企業が増えました。限られた人員で成果を上げる必要があるため、リードを効率的に創出して購買意欲を高めてから、本格的な営業に移る流れが普及しつつあります。

ひたすら営業担当者の足を使うよりも、まずはホットリードを絞り込んでから商談を進めることで、成約率・効率を上げられるのがメリットです。

オフィス内で完結するインサイドセールスは、短時間で多くの相手にアプローチできます。営業担当者の数が不足気味の企業でも、効率的なアプローチが可能です。営業に回せる人員が少ない企業では、インサイドセールスを外注しているケースもあります。

感染症の流行や価値観の変化

2020年からの新型コロナウイルス感染症拡大が影響して、対面での営業活動が難しくなり、インサイドセールスにシフトした企業は数多くあります。

インサイドセールスはテレワークでも機能する営業形態です。これまで導入に前向きではなかった企業も、感染症をきっかけに非対面での営業に舵を切ったケースは少なくありません。

顧客の価値観・生活様式の変化に対応するため、対面営業に代えてオンライン営業を導入する企業も増えています。

初めはオンライン営業には抵抗のあった企業も、価値観が変わり、インサイドセールスからクロージングまで一貫してオンラインで完結させるケースも出てきました。

戦略的な営業の必要性

より戦略的な営業が求められるようになった点も、インサイドセールスが注目される理由です。

かつては、いわゆる「御用聞き営業」でも、十分な売上を確保できるケースは多くありました。しかし消費者のニーズが多様化し、顧客自身が情報を収集しやすくなったため、戦略的に営業活動を進めなければ売上を確保できなくなってきたのです。

営業担当者がやみくもに足を使って稼ぐよりも、しっかりと戦略を立てた上でリードを創出・育成する方が効率的に成約につなげられます。初めから成約可能性の高い相手に絞ってアプローチすることで、戦略的な売上の向上が可能です。

インサイドセールスは戦略を立てやすく、効果測定もしやすい手法として注目されています。業界・業種を問わず、今後も広く導入されていくでしょう。

インサイドセールスに向く人の特徴とは?

電話するビジネスマン

(出典) photo-ac.com

インサイドセールスは特別な資格が必要なく、誰でも挑戦できる営業手法ではあります。ただ、個人の資質が成果につながる部分は大きいでしょう。インサイドセールスに向いている人の特徴を紹介します。

コミュニケーションスキルが高い

インサイドセールスは電話やメールなどのツールを使って、相手と直接顔を合わせずに接する営業手法です。対面でなくても、リードと良好な関係を築く力が求められます。

対人コミュニケーションが得意でも、非対面では相手のニーズや感情・抱えている問題などを読み取るのが苦手な人は多いでしょう。一概に人当たりがよいからといって、インサイドセールスで成果を上げられるとは限りません。

基本的なコミュニケーション能力は前提として、相手のニーズを引き出す質問や話のテンポなど、会話の進め方に関するノウハウも必要です。コミュニケーションに関する総合的なスキルが高い人は、インサイドセールスに向いているといえるでしょう。

継続力と忍耐力がある

インサイドセールスはフィールドセールスと違って、足を使う必要はありません。ただ、地道なアプローチを積み重ねていくために、継続力と忍耐力が求められます。

常に試行錯誤を繰り返す必要があるインサイドセールスには、粘り強く活動を続けられる人が向いています。

また、インサイドセールスが接するのは、必ずしも自社の商材に興味を持っている人とは限りません。相手に断られてもしっかりと原因を分析し、次につなげられる人でなければ続かないでしょう。

自分のアプローチを客観的に分析し、問題点や課題を見つける力が必要です。

インサイドセールスの目指し方とキャリアパス

スマホを手に持つビジネスマン

(出典) photo-ac.com

インサイドセールスの担当者として活躍するには、どのような道を進めばよいのでしょうか?違う職種からのキャリアチェンジを考えている人は、目指し方やキャリアパスを押さえておきましょう。

営業経験を積んで目指すのがおすすめ

スタンバイで未経験OKのインサイドセールスの求人を検索すると、多数の求人情報がヒットします。未経験でもインサイドセールスの仕事にはチャレンジできます。

ただし、インサイドセールスはホットリードとの信頼関係を構築する、重要な役割を担う仕事です。テレアポをはじめとした非対面での営業経験を持っていた方が、就職・転職では有利になるでしょう。

営業やマーケティングの経験が全くないなら、まずはテレアポやメール営業など、非対面での営業スキルを習得できる職種からスタートするのが無難です。

一般的な営業職でも、インサイドセールスに関わる部分を経験できる仕事は多くあります。まずは経験を積むことを重視して、応募先を検討してみましょう。

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将来的には管理職からマーケティングまで

インサイドセールスの経験を積めば、他の多くの職種と同じように、部門の管理職として昇進を目指せます。インサイドセールスの経験を生かして、マーケティング部門に転向するのも1つのキャリアパスです。

より顧客に近い立場でやり取りしたいなら、カスタマーサクセスやフィールドセールスにチャレンジするのもよいでしょう。自分がやりたい仕事や強みを生かせるキャリアパスを考えるのが、経験を生かして活躍するために重要なポイントです。

インサイドセールスに求められる能力とは?

パソコンとスマホを操作する女性

(出典) photo-ac.com

インサイドセールスに求められる能力には、基本となる営業スキルの他に何があるのでしょうか?インサイドセールスにとって重要な能力を整理しておきましょう。

端的に話をまとめる力

インサイドセールスでは、限られた時間で多くの相手にアプローチしなければなりません。短時間でも効果的なプレゼンをする力が求められます。

要点をまとめて的確に伝えるスキルがなければ、相手に話を聞くメリットを感じてもらえず、商談に結びつかないでしょう。

いわゆる「エレベーターピッチ」のスキルを磨いておくと、短時間で相手に興味を持たせられるようになり、実際のインサイドセールスの場面で役立ちます。30秒程度で商品・サービスを魅力的に説明できるように、練習しておくのがおすすめです。

ミコミコky役の話をしっかりと聞く力

インサイドセールスは、電話を使って相手にアプローチする機会が多い仕事です。電話越しに相手の話をよく聞き、問題や課題を把握した上で、適切な提案を打ち出す必要があります。

一方的に話をするのではなく、まずは相手の状況を理解するために、質問したり相手の話に耳を傾けたりする力が必要です。

相手の話をしっかりと聞くことは、意識しないとなかなか自然にはできません。日頃から他者の話に耳を傾け、要点をまとめたりニーズを把握したりするスキルを磨きましょう。

インサイドセールスを目指してみよう

通話しながらメモをとる女性

(出典) photo-ac.com

インサイドセールスとは、電話やメールなどを活用した非対面の営業手法やそのポジションに就く人・部署を指す言葉です。リードの特性に合わせてアプローチをかけることで、営業活動の効率化やコストの削減を助けます。

インサイドセールスとして活躍するには、基本となる営業スキルを身に付けるのに加えて、特に話をまとめる力や聞く力を磨くことが大切です。

これからインサイドセールスの分野で活躍したい人は、基本的な営業経験を積むとともに、非対面での営業スキルを磨ける職種を目指すとよいでしょう。

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