デザイナーに資格は必要?デザインのジャンル別おすすめ資格13選

デザイナーとして働くにあたって、資格取得は必要なのでしょうか。資格の必要性や、デザイン業界への転職で有利になる資格などについて詳しく解説します。デザイナーへの転職を考えている人はぜひ参考にしてください。

デザイナーには資格取得が必須?

パソコンでデザインする女性

(出典) photo-ac.com

デザイナーを職業としている人のプロフィールを見ると、さまざまな資格を取得している人が多いものです。デザイナーとして仕事をするには、資格の取得が必要なのでしょうか。デザイナーの仕事と資格の関係について説明します。

資格がなくてもなれる職種

結論からいうと、デザイナーの仕事をするために、資格を取得する必要はありません。現在デザイナーとして活躍している人の多くは、大学や専門学校でデザインに関する基礎知識を学び、企業などに就職しているケースが一般的です。

一方、デザインの学校などに通わなかった人の中には、働きながら勉強し、仕事に必要な知識を身に付けている人もいます。

スクールに通う時間や、金銭的な負担をかけられない人は、未経験のままデザイン業界に入り、働きながらスキルを身に付けてデザイナーになるのも1つの方法です。

どの場合も、デザインに関する知識は必要にはなるものの、資格が必須というわけではありません。

資格取得はスキルやモチベーションアップに効果的

デザイナーとして働くにあたって、資格を取得する必要はないものの、スキルの向上や、モチベーションアップにはつながります。資格の中には、取得しておくと仕事をする上で有利になるものも少なくありません。

また、デザインを勉強する際も、漫然と取り組むより資格取得という目標があった方が、やる気アップや学習の指針にもなるでしょう。資格を取得すれば、スキルを客観的に示せるため、就職や転職の際にも役立ちます。

グラフィックデザイナーにおすすめの資格

パソコンとタブレット

(出典) photo-ac.com

デザイナーにおすすめの資格の中から、グラフィックデザイナーを目指している人に役立つものを主に4つ紹介します。資格を取得することにより、グラフィックデザイナーにとって必要なツールの使い方もマスターできます。

アドビ認定プロフェッショナル

アドビ認定プロフェッショナルは、アドビ社が公認する国際認定資格です。認定されると、アドビのグラフィック系アプリケーションの基本的な活用スキルを証明できます。

試験科目は、Photoshop・Illustrator・Premiere Proの3種類で、アプリケーションごとに独立しています。受験する科目数は自由に決められ、合格するとアプリケーションごとに認定される仕組みです。

アドビが設定している以下の2つのアプリケーションに合格すると、複合的なスキルの証明にもなります。

  • 「Adobe Certified Professional in Visual Design」(Photoshop + Illustrator)
  • 「Adobe Certified Professional in Video Design」(Photoshop + Premiere Pro)

エントリーレベルの資格なので、デザインツールを使い始めた人にもおすすめです。

アドビ認定プロフェッショナル|Adobe Certified Professional

Photoshopクリエイター能力認定試験

Photoshopクリエイター能力認定試験は、日本のサーティファイという企業が実施している資格試験です。アドビのPhotoshopの活用能力を判定するもので、グラフィックコンテンツ制作に関する、より実践的なスキルや表現力などを評価します。

試験科目は、基本操作を測定するスタンダードと、より深いデザイン知識や実務レベルの技術を評価するエキスパートの2種類があるので、自分のスキルに合った方を受験するとよいでしょう。

合格するとソフトウェア活用能力認定委員会が発行するデジタル認定証明書と、オープンバッジが授与されます。2021年度の平均合格率は約74%と難易度もそれほど高くはないので、取得しやすい資格といえます。

Photoshop®(フォトショップ)クリエイター能力認定試験│資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します

Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験は、Photoshopクリエイター能力認定試験と同じく、サーティファイが実施しており、アドビのIllustratorの活用スキルを測定するものです。基本的な操作を確認するスタンダードと、DTPやWebデザインの基本知識も評価するエキスパートに分かれています。

合格するとソフトウェア活用能力認定委員会発行のデジタル認定証明書と、オープンバッジが授与されます。IllustratorもPhotoshopに並び、グラフィック系デザイナーには定番のアプリケーションです。

イラスト・ロゴの作成や、パッケージデザインなどにも欠かせないツールなので、資格を取得してスキルを身に付けておくとよいでしょう。

Illustrator®(イラストレーター)クリエイター能力認定試験│資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施している検定の1つです。

さまざまなCG映像を制作するデザイナーのスキルを測定して評価するもので、スキルの違いでベーシックと、エキスパートの2つのレベルに分かれています。

ベーシックでは、CGのデザインに関する基礎的な理解力を測定し、エキスパートでは3次元CGと、映像制作についての専門知識の理解や応用技術も測ります。ゲーム系のデザイナーやアニメーション制作などに関わるデザイナーになりたい人におすすめの資格です。

CG-ARTS | 検定

DTP検定

DTP検定は、主に紙媒体のデザインや編集をする、DTP(DeskTop Publishing)クリエイターの技術やセンスを測るための民間資格です。

DTP検定には、印刷物制作の全行程を管理し、ディレクターとしての能力を評価するDTPディレクションと、社内資料などの作成スキルを高めるDTPビジネスの2種類があります。

雑誌・書籍・パンフレットなど、印刷物の制作に関する総合的な技術を身に付けたい人や、ディレクター・責任者としてスキルアップを目指す人にもおすすめです。

DTP検定 | 正しい知識。使える技能。現場の求める人になる。

プロダクトデザイナーにおすすめの資格

色彩デザイン

(出典) photo-ac.com

プロダクトデザイナーは、身の回りのさまざまな製品をデザインする仕事です。

プロダクトデザイン検定

プロダクトデザイン検定とは、公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会が実施している民間資格です。企業での商品開発などに携わる人におすすめの資格で、日本ではプロダクトデザインの唯一の資格制度といわれています。

評価基準には、デザインを初めて学ぶ人や、教養として身に付けたい人に適している2級と、デザイナー志望など実務者向けの1級があります。どちらも受験資格は特に定められていません。そのため、デザイナーとしての実績がなくても、1級からチャレンジできます。

幅広い知識を習得できる資格なので、これからデザイナーを目指す人だけでなく、すでにプロダクトデザインの仕事をしている人にもおすすめです。

プロダクトデザイン検定:PD検定|商品開発に関わる全ての人のための総合知識検定

色彩検定

色彩検定は、公益社団法人色彩検定協会が主催する資格試験です。さまざまな製品をデザインする人にとって、色彩の知識は必須といっても過言ではありません。色相環を理論的に学ぶことによって、製品のイメージやターゲット層に合わせた配色を考えられるようになります。

検定レベルは、色彩の理論や法則を学ぶ3級、色彩の知識を仕事に応用できる2級、色彩をさらに深く理解する1級に、色覚の多様性を学ぶUC級を加えた4段階に分かれています。

どの級にも受検資格の条件がないため、1級からの受検も可能です。試験方式はマークシート方式で、1級のみ記述による2次試験があります。併願受験が可能なので、UC級+1級など自分が取得したい資格を選べます。

色彩検定協会/カラーコーディネーター

web系デザイナーにおすすめの資格

タブレットを操作する女性

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主にWebサイトの制作などを手がけるデザイナーは、グラフィック系の資格のほかにプログラミングやコーディングに関する資格を取得しておくのがおすすめです。主な資格を4つ紹介します。

ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は、Webデザインに関する知識・技能・実務能力などが問われる資格です。

国家資格ではないものの「働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度」の1つで、合格すると「技能士」を名乗れます。検定レベルは1級から3級に分かれており、各等級別に受検資格の条件があります。

Webデザインの初級者や、これから始めようとしている人は、3級から受検が可能です。検定に合格すると、1級には厚生労働大臣から、2・3級は特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会理事長から合格証書が交付されます。

引用:技能検定制度について |厚生労働省

特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会

HTML5プロフェッショナル認定資格

HTML5プロフェッショナル認定資格は、NPO法人LPI-Japanが実施している認定制度です。HTML5・CSS3・JavaScript・APIなど、最新のマークアップに関する知識と技術力を測ります。

試験のレベルは1と2に分かれており、1ではWebコンテンツ制作に関する基礎知識を、2ではWebアプリケーションや、動的Webコンテンツの開発・設計の技術を認定します。Web制作に関わる人にとって、HTML5関連の技術や知識は不可欠です。

Webデザイナーになりたい人や、仕事の幅を広げたい人はもちろん、Webサービスの運用に必要な専門的知識を身に付けたい人にもおすすめの資格といえます。

Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト

PHP技術者認定試験

PHP技術者認定試験は、動きのあるWebサイトを作れる、スクリプト言語のPHP技術を習得する認定試験です。Webサイト作成の仕事をする人にとって、取得しておくと役立つ資格の1つです。

試験はITスキル標準(ITSS)レベル1相当の初級試験と、レベル2・3相当の上級・準上級試験の2段階に分かれています。初級試験(PHP5・PHP7)は、PHPプログラミングの基礎知識を、上級・準上級試験では、PHPの言語仕様から実際のプログラミングテクニックまでが問われます。

上級試験で90点以上のスコアを取得し、なおかつPHPに関する所感などを述べた文章を提出すると、最上位資格のPHP技術者認定ウィザードとして認められます。

PHP技術者認定機構 – 体系だてたPHP学習の総チェックにいかがですか?

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験は、民間企業のサーティファイが実施しており、Web技術の標準化を行っている「W3C」に完全準拠したマークアップスキルを測定するのが目的で、Web業界でも多くの人が受験しています。

認定基準は、スタンダードとエキスパートの2種類に分かれており、Webページのデザインやマルチデバイスに対応した新規サイトの構築など、Webクリエイターに必要な能力が問われます。

スタンダード・エキスパートのどちらも受験資格はありません。そのため、自分のスキルに合わせて資格取得を目指せます。試験内容は、指定された仕様に基づいたWebページの制作といった実践的な問題に加え、エキスパート試験ではWebサイトに関する知識問題も出題されます。

Webクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ

建築・インテリア系デザイナーにおすすめの資格

建築デザイン

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建築やインテリアなどに関わるデザイナーには、内装や空間デザインに役立つ資格がおすすめです。代表的な資格を2つ紹介します。

インテリアコーディネーター資格試験

インテリアコーディネーター資格試験は、公益社団法人インテリア産業協会が実施している資格試験です。住まいの内装や、家具・照明器具などのインテリアに関する幅広い知識が問われるもので、試験に合格すると、インテリアコーディネーターとして認定されます。

試験は1次と2次に分かれており、併願受験か、別々に申し込むか選択できます。1次試験では、インテリアに関する基礎知識や、関連法規・制度などの知識を問われ、2次試験は、プレゼンテーション資料の作成や、論文によってインテリア計画を提案する形式です。

2021年度の合格率は、1次試験は約32%、2次試験は約59%と、1次試験の難易度がやや高い傾向にあります。

公益社団法人インテリア産業協会

空間ディスプレイデザイナー認定試験

空間ディスプレイデザイナー認定試験は、日本デザインプランナー協会が実施している資格認定制度の1つです。

店舗・美術館・展示会場など、多種多様な空間をデザインするため、ディスプレイデザインに関する基礎知識や、色彩演出・照明技術などの視覚的商品戦略の技能などを問われます。

試験は1級と2級に分かれていますが、受験資格は定められていません。試験は1カ月おきに実施されており、在宅受験が基本です。試験に合格し、資格を取得すると、空間デザインの講師としても活動できるようになります。

空間デザイン資格の空間ディスプレイデザイナー認定試験 | 日本デザインプランナー協会

デザイナーの資格を取得する方法は?

タイピングする手元

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デザイナー向けの資格を取得する方法は、独学または、スクールなどを利用する2つがあります。ライフスタイルや性格などによって、どちらがよいかは違うので、自分に合った資格取得方法を選ぶのがおすすめです。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

独学で学ぶ

スクールに通う費用を抑えたい人や、自分のペースで勉強したい人には、独学がおすすめです。資格取得を目指して独学する人は少なくありません。

各資格には、公式テキストや一般の参考書などの教材が多く販売されています。上手に活用して勉強すれば、独学でも資格取得は可能です。

ただし、費用がかからないというメリットがある半面、モチベーションの維持が難しかったり、分からないことを講師に質問できなかったり、フィードバックをもらえないなどのデメリットもあります。

また、勉強時間の確保や、学習計画の設定など自己管理力も必要です。途中で挫折しないよう工夫することが大切です。

通信講座・スクールで学ぶ

独学では挫折しそうな人は、スクールや通信講座を利用するのがおすすめです。スクールや通信講座には、プロや講師から学べるというメリットがあります。一緒に学ぶ人もできるので、モチベーションアップにもつながるでしょう。

オンラインのスクールや通信講座なら、通学する時間も節約できます。スクールは、独学に比べ費用がかかることや、仕事を続けながら通学するのが難しい点も懸念されます。

通信講座は、自分のペースで取り組めますが、基本的に1人で学習を進めるため、独学と同様に、モチベーションの維持が必要です。

デザイナーの資格を取得してスキルアップしよう

デザイナーのデスクのイメージ

(出典) photo-ac.com

デザイナーは資格がなくてもなれる職業です。しかし、デザインの知識がない状態からデザイナーを目指すなら、資格を取得しておく方が有利でしょう。資格の勉強をすることで、デザイナーになるための知識や技術も身に付きます。

資格があれば、転職の際も自信を持って自分のスキルをアピールできます。デザイン業界には未経験者OKの求人も数多くあります。思い切って転職し、働きながら資格を取得するのも1つの方法です。

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