飲食業界は、正社員はもちろんアルバイトやパートなど、幅広い雇用形態の求人がある業界です。これから飲食業界への転職を考えている人向けに、やりがいや向いている人の特徴・求められるスキルや資格などを紹介します。転職活動の参考にしましょう。
未経験から飲食業界への転職はあり?
飲食業界にはレストランやカフェ・居酒屋など、さまざまな業態があります。個人経営から大規模なチェーン店に至るまで、事業規模もさまざまで、広く人材を募集している業界として有名ですが、未経験者でも転職は可能なのでしょうか?
未経験OKの求人は多い
数ある業界の中でも、特に飲食業は未経験から応募できる求人が豊富で、年齢やキャリアにかかわらず、広く人材を募集している企業が多くあります。他業種から広く人材を集めていることもあり、基本的に誰でもチャレンジしやすい業界といえるでしょう。
ただし、毎日のように来店客と接する必要があり、覚えなければならない事柄も多いのに加え、体力がいる仕事でもあります。自分の強みや特性を理解した上で、慎重に転職を決めることが大切です。
飲食業界のやりがいは?
飲食業界で働くやりがいは何でしょうか?人によってモチベーションの源は異なりますが、以下のように来店客に喜んでもらえる点や、自分なりにキャリアアップを目指せる点などが挙げられます。
顧客に喜んでもらえる
飲食業はダイレクトに客の反応を確認できるのに加え、サービスを通じて感謝されることも多い業界です。相手の反応を直接感じられるだけでなく、感謝の言葉を伝えられる場面もあり、利用客に喜んでもらうことをモチベーションにしている人が多くいます。
顧客と接する機会が多くないオフィスワークとは違い、飲食業では客への貢献を実感できます。人と接することが好きな人は、やりがいにつなげやすい仕事といえるでしょう。
キャリアアップも目指せる
店舗の運営責任者やエリアマネージャーなど、キャリアアップを目指しやすいのも、飲食業界の特徴です。運営責任者になれば、売上の管理からアルバイトの採用や原材料の発注・イベント企画など、さまざまな業務に携われます。
将来的に独立を考えている人にとっても、実践的な経験を積めるのは大きな魅力といえます。早い段階で人材育成の経験を積めるのも特徴です。
スタッフが成長していく姿を見られる
ほかの業種に比べて特にアルバイトが多い飲食業界では、一般社員でも人材育成に関わるケースが多くなります。
日常的に人を育てる環境に身を置けるので、キャリアアップに役立つのはもちろん、新人スタッフが、できないことができるようになっていく姿を、間近で見られるのも魅力の1つです。
人を育てることに喜びを感じる人にとっては、特にやりがいを感じられるでしょう。新人を教育することで、自分自身の成長にもつなげられます。
飲食業界が向いている人の特徴
飲食業界が向いている人の特徴はさまざまですが、特に人と関わるのが好きな人や、臨機応変な対応ができる人などが挙げられます。代表的な特徴を確認していきましょう。
人と関わるのが好きな人
飲食業界では日常的に利用客と接する必要があるので、人と関わるのが好きな人が向いているといえます。事業規模の大きな企業の場合、事務職で店舗の利用客と接する機会がほとんどない人もいますが、基本的には客とコミュニケーションを取る必要があります。
利用客と仲良くなれば、常連になってもらえる可能性があり、店舗の売上に大きく貢献できるでしょう。
また、スムーズな店舗運営のためにも、スタッフ間のコミュニケーションは大切です。他者と積極的にコミュニケーションを取るのが好きな人にとっては、働きやすい環境といえます。
臨機応変にスピーディーな対応ができる人
できるだけ客を待たせないように接客したり、タイミングよく調理を済ませたりなど、さまざまな場面でスピーディーな対応力が求められるので、素早く丁寧な仕事ができる人も飲食業に向いています。
さらに、利用客が皿を割ってしまったり、急に店舗が混み合ってしまったりなど、予想外の事態やトラブルが発生する場合も珍しくありません。マニュアルにはない対応を求められても、状況に応じて臨機応変に動けることが重要な要素の1つです。
立ち仕事が苦にならない人
飲食業は基本的に立ち仕事なので、長時間立ったまま仕事をするのが苦にならない人に向いています。
店舗内で働く場合、常に動き回らなければならない場面も多く、声を出し続けたり、利用客に笑顔で接したりするので、体力・気力が十分に備わっている人でなければ務まらないでしょう。
勤務時間も長めなので、長時間パフォーマンスを落とさずに働ける人が求められます。また、腰痛をはじめとして、体を動かし続けることに問題がある人は勤務が難しいでしょう。
仲間を大切にできる人
飲食業に限った話ではありませんが、特に店舗運営では仲間と協力して業務を進める場面が多いので、協調性のある人が望ましいといえます。
飲食店はさまざまな人が働いており、調理担当者や仕入れに関わる人や、未成年のアルバイトなど、それぞれの立場のスタッフと協力して働く必要があります。
スタッフ同士のコミュニケーションがうまくいかなければ、業務に支障が出るのに加え、店舗の雰囲気も悪くなってしまうでしょう。利用客にも雰囲気が伝わってしまい、売上にも影響しかねません。
たとえ自分とは合わないタイプの人であっても、良好な関係を構築し、協調性を持って仕事に臨める人が求められます。
食べるのが好きな人
食べることや飲むことが好きというのも、飲食業界で働くに当たって大切な要素の1つです。提供する食品が好きであれば、店舗の利用客に説明する際も分かりやすく、魅力的に伝えられます。
さらに料理が趣味ならば、仕事をしながら食に関する知識も蓄積でき、高いモチベーションで働けるでしょう。日頃はホールスタッフとして仕事をしていても、調理を担当する場合もあり、調理場の料理人にアドバイスをもらえるケースもあります。
特に将来、自分の店を開きたい人は、飲食業界で働きながら食に関する見識を広めるとともに、人気の出るメニューなども知っておくと役立つでしょう。
飲食業界に必要なスキル・資格
飲食業界で働くに当たって必須なスキルは特にありませんが、転職後すぐに活躍できる経験や、キャリアアップに役立つスキル・資格はあります。
接客や販売の経験
飲食業界で働いた経験がなくても、接客や販売の経験があれば、飲食業界に転職した後も役立ちます。
例えば、アパレル業界での販売経験や、携帯電話業界での顧客対応経験などは、飲食業界でも応用できます。接客を通じて基本的な言葉遣いはもちろん、相手の反応を見て柔軟に対応する力なども生かせるでしょう。
また、広告やマーケティングに関する知識やスキル・経験があれば、店舗の広報担当として活躍できる可能性もあります。
人材管理や人材育成に携わっていた人なら、店舗の人員管理で活躍できると考えられます。実際に、人材管理の経験を高く評価している飲食事業者は少なくありません。
飲食業に関係ないような経験であっても、評価されるケースもあります。自分の経験やスキルを振り返った上で、飲食業界の求人情報をチェックして、どういった人材が求められているか確認しましょう。
飲食業で役立つ資格
飲食業界への転職に求められる資格は、特にありません。ただし、調理師をはじめとした資格が重宝される場合もあります。特に調理場で仕事をするなら、食品に関する資格を取得しておくと、知識やスキルを生かして活躍できるといえます。
さらに、食品衛生責任者の資格を取得しておくと便利です。食品衛生責任者は食品の製造販売に求められる資格で、個人店舗でも飲食物の提供をするなら、店舗に最低1人は配置することを義務付けられています。将来的に独立を視野に入れているなら、今の時点で取得しておくのも得策です。
ほかにも、管理栄養士やレストランサービス技能士・ソムリエ・フードコーディネーターなど、飲食業で役立つ資格が多くあります。
※参考:食品衛生責任者について|一般社団法人東京都食品衛生協会
飲食業界へ転職する際のポイント
飲食業界に転職する際には、以下のポイントを意識しましょう。飲食業界といっても幅が広く、豊富な求人案件があるので、ポイントを押さえて計画的に転職活動を進める必要があります。
気になる店に足を運ぼう
飲食業界は大手チェーン店をはじめ、個人経営の店舗や専門店など、さまざまな業態があります。さらに、提供する料理のジャンルでも、業務内容が変わってくると考えられます。
まずは、どういった場所で働きたいのかを明確にした上で、応募する前に気になる店舗に足を運んでみるのがおすすめです。
実際に店舗を訪れて、雰囲気や提供されているメニュー・スタッフの業務内容などをチェックしてみましょう。自分の目で確かめて働きたいと思えるかどうか、自分の強みや特性・スキルなどを生かせるかなど、慎重に判断するのが大切です。
キャリアプランも考えておく
将来のキャリアプランを考え、それに基づいて転職先を選ぶ必要があります。飲食業界で長く働くつもりなら、どういったキャリアを歩むのか、最終的にどうなりたいのかを自分なりに明確にしておきましょう。
企業によっては、スタッフのキャリアモデルを明示しているところもあり、店舗管理者やエリアマネージャーの年収なども公表している場合があります。
設定したキャリアプランと照らし合わせながら、転職後にどういった道を歩めるか確認し、目標を達成できる転職先を選択しましょう。
未経験でも飲食業界への転職は可能
未経験からの転職が多いといわれる飲食業界は、店舗の利用客から直接感謝の言葉をもらえる点や、キャリアアップを目指しやすい点など、さまざまな魅力があります。
人と関わるのが好きな人や、状況に応じて柔軟な対応ができる人は、飲食業界への転職も検討してもよいといえます。ただし、立ち仕事が多く体力を使うので、長時間労働も苦にならない人でなければ、仕事がつらいと感じる可能性もあるので注意しましょう。
また、実際に飲食業界に転職する場合には、事前に気になる店舗に足を運び、雰囲気や仕事内容を確認し、キャリアプランも明確にしておくのが大切です。さまざまな業態の店舗があるので、どういった店で働くのかも明確にしておきましょう。
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