営業の仕事に興味があるなら、仕事内容を理解しておくのがおすすめです。営業の種類により仕事の内容が違う点を知っておけば、転職先選びに役立つでしょう。営業の仕事内容や種類、営業に求められるスキルを紹介します。
営業の主な仕事内容
すべての営業に共通する仕事内容を解説します。営業の種類により活動スタイルや細かい業務内容は異なりますが、大枠に関してはどの営業もほとんど同じです。
アプローチ先の選定
営業とは、自社で扱う商材を購入・契約してもらう仕事のことです。チームや個人に設定された営業戦略に従って、まずはアプローチする顧客を選定する必要があります。
顧客を選定する際は、優先度の高い顧客から抽出することが重要です。やみくもに営業活動を進めても、購入意欲の低い相手は契約に至りにくいため、無駄が発生しかねません。
顧客に優先順位を付ければ、より効率的な営業活動を行えるようになります。優先順位が低い顧客の購入意欲を高めることも、営業の重要な仕事です。
商談・契約
営業における最初の大きな目標は、顧客から商談を取り付けることです。顧客との信頼関係を高めるために訪問や電話で営業活動を行い、商談までこぎ着ける必要があります。
商談とは、自社で提供できる商材の取引に関する交渉を行うことです。営業活動で相手の購入意欲がどれだけ高くなっても、商談を成功させなければ契約には至りません。
商談では商材のプレゼンや見積もりの提示を行います。商談を複数回行ったり、相手を変えて商談を行ったりする機会もあるでしょう。うまく商談がまとまれば契約を締結します。
納品・アフターフォロー
営業の仕事は契約を取ったら終わりではありません。商談がまとまった後に、商材を納品するのも営業の仕事です。
契約後に行う一連の業務は、関連部署との連携が重要といえます。場合によっては、数量確認や検品も営業が行わなければなりません。
契約通りに顧客へきちんと納品が行われたか、営業は責任を持って見届ける必要があります。最後まで丁寧に対応することで、次回以降の契約も取りやすくなるのです。
納品後のアフターフォローも、営業の重要な仕事です。商品やサービスに問題はないか、顧客の課題を解決できたかなど、アフターフォローで確認する必要があります。
営業の種類【目的別】
営業の種類は新規営業とルート営業に大別できます。特徴が大きく異なるため、転職先を選ぶ際はどちらに該当するのか確認することが重要です。
新規営業
新規営業は、それまで取引を行ったことがない個人や企業に対して営業を行うことです。基本的には、アポ取りや直接訪問で新規顧客を開拓します。
企業にとって、既存顧客は売上を維持するための大切な顧客ではあるものの、既存顧客だけで売上アップを図るのは困難です。新規営業により取引先を増やし、売上の向上を図る必要があります。
既存顧客との取引が止まった際のリスクを軽減できる点も、新規営業を行う目的の1つです。継続性の低い商材を扱う企業は特に、新規営業で顧客数の維持に努めなければなりません。
新規営業では初めて会う人を相手にするため、トーク力や積極性が求められます。失敗しても物おじしない精神力の強さも重要です。
ルート営業
既に取引実績のある顧客への営業活動がルート営業です。企業の売上を維持・向上させる目的で、既存顧客に定期的なアプローチをかけます。
繰り返し発注される消耗品や定期的な交換が必要な機器などが、ルート営業で扱う代表的な商材です。場合によっては新しい商品やサービスも紹介します。
ルート営業では、アポ取りや飛び込みでの訪問がないため、新規営業より楽な仕事だと思われがちです。しかし、多くの企業は既存顧客による売上で経営が支えられているため、ルート営業にもそれなりにプレッシャーがかかります。
ルート営業は既存顧客との関係維持に努めなければならないため、トーク力や積極性よりも、提案力・ヒアリング力・管理能力といったスキルが求められます。
営業の種類【業種別】
営業の種類は、業種の違いによりメーカー営業・商社営業・代理店営業にも分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
メーカー営業
メーカーとは製品を生産する企業のことです。自動車・アパレル・食品・化粧品など、各ジャンルにメーカーが存在しています。
メーカー営業が顧客に紹介する商材は、自社で生産した製品です。自社商材について深く理解することが、商談を成功させる決め手の1つといえます。顧客に何を聞かれても即答できるくらいの知識量を蓄えておかなければなりません。
メーカー営業では、新規営業とルート営業の両方を行います。顧客と製造部署を仲介することも、メーカー営業の重要な仕事です。
転職先の商材に大きな興味・関心を持てれば、商材について深く学ぶ意欲が生じやすくなるため、メーカー営業として活躍できるでしょう。
商社営業
他社の商材を仕入れて、別の企業や個人に販売する企業が商社です。メーカー営業は基本的に自社商材しか取り扱いませんが、商社営業は複数の企業の商材を販売します。メーカー営業の顧客の中には、商社も含まれることになります。
商社営業は数多くの商材を取り扱うため、各商材について深く理解しておかなければなりません。仕入れ先を増やしたり新規営業・ルート営業を行ったりと、業務の種類もさまざまです。
取り扱う商材の組み合わせで顧客の課題解決方法が異なるため、顧客の要望に合ったものを適切に提案できる能力も求められます。商社営業は、いろいろな商品やサービスに関わりたい人に向くでしょう。
代理店営業
代理店営業とは、自社商材を代理店に売り込む営業のことです。個人や企業に直接営業をかけるのではなく、自社商材を代わりに販売してくれる代理店のみが営業の対象になります。
保険・携帯電話・ITといった分野は、代理店営業が多い業界です。代理店営業には新規営業・ルート営業の両方があり、いずれも代理店を相手に営業活動を行います。
代理店の売上向上を優先的に考えることが、代理店営業に求められる意識の1つです。代理店が商材を販売しやすくなるような、充実したサポートの提供も必要といえます。
営業の種類【顧客別】
営業のアプローチ先は、個人と法人に大きく分けられます。個人営業と法人営業の特徴を確認しておきましょう。
個人営業
個人営業はBtoCとも呼ばれる営業スタイルです。最初の商談相手が決裁者であるケースが多く、契約までの期間が短い点が特徴といえます。
個人営業における取引ごとの契約金額は、一般的にそれほど大きくなりません。商談→契約のサイクルを数多く回さなければ、企業としての売上は伸ばせないでしょう。
アポ取りや直接訪問が中心の新規営業が多いのも、個人営業の特徴です。インセンティブが設定されやすいため、頑張り次第で収入を大きく増やせる可能性があります。
顧客との距離が近く、契約後に直接感謝されてモチベーションが上がりやすい点もメリットです。
法人営業
企業相手に営業活動を行う法人営業(BtoB)は、商材の規模や契約金額が大きいという特徴があります。インセンティブが設定されている場合は、契約ごとの報酬も高めです。
個人営業と異なり、決裁者にたどり着くまでに数回の商談を経るケースも多々あります。最後に企業の経営者と商談を行う場合は、ビジネスの営業をしている実感を覚えやすいでしょう。
法人営業はルート営業がメインとなるため、既存顧客との良好な関係を維持できるスキルが求められます。論理的・合理的にアプローチできる人は、法人営業に向くでしょう。
営業に求められるスキル
営業として活躍するために必要なスキルを紹介します。自分の特徴と照らし合わせて、自分が営業に向いているか確かめましょう。
コミュニケーション能力
人と接する機会が多い営業には、高いコミュニケーション能力が必須です。ただし、相手の話を聞かず一方的に話し続けても、顧客が抱える課題は見つけられません。
相手の言葉にきちんと耳を傾けながら、現状への不満や業務上の課題を聞き出す必要があります。相手の課題と自社との接点を見出してこそ、効率的な営業活動を進めやすくなるのです。
商談を契約につなげるためには、論理的に分かりやすく説明できる能力も求められます。相手の気持ちを察知するスキルや、質問に迅速かつ快く回答する姿勢も重要です。
タフな精神と身体
営業は断られることが基本です。アポ取り・訪問・商談といった活動が、すべてスムーズに進むケースは少ないと考えておいた方がよいでしょう。優秀な営業は失敗が少ないと思われがちですが、成功の裏では数えきれないほど断られているものです。
相手に断られることに慣れていない人は、営業として働いているうちに心が折れやすくなります。何度断られても前を向ける、タフな精神力が必須です。
また、営業は基本的に外回りが多くなるため、体力的にも疲れやすくなります。1日中顧客回りをしてもへこたれない、身体的なタフさも求められます。
行動力
営業に求められるスキルの1つとして、行動力も挙げられます。顧客から質問されたらすぐに調べる、トラブルがあればすぐに現場へ駆け付けるなど、行動力がある人は顧客からの信頼を得やすいものです。
何でも後回しにしてしまう人は行動力を発揮できないため、営業には向かないでしょう。信頼のおける営業になるためには、顧客の都合に合わせて行動する意識を持たなければなりません。
行動力は他社の営業と差別化しやすい要素でもあります。コミュニケーション能力や精神的なタフさはすぐに身に付くものではない一方、行動力は意識1つで改善できるためです。
自分に合った種類の営業の仕事を選ぼう
営業の仕事内容は、営業の種類によって異なります。種類ごとの仕事内容を理解しておけば、自分に適した転職先を選びやすくなるでしょう。
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