現場監督におすすめの資格は?仕事内容や求められるスキルも解説

現場監督を目指している人の中には、資格が必要なのか気になる人もいるでしょう。おすすめの資格や現場監督に求められる条件を知っておけば、転職活動をスムーズに進められるでしょう。現場監督向けの資格や未経験者が転職する際のポイントについて解説します。

現場監督に資格は必要?

ヘルメットを持っている作業着の男性

(出典) photo-ac.com

結論からいうと、資格はなくても現場監督になれます。しかし、資格がある方が転職の際に有利となるでしょう。現場監督を兼務することが多い技術者についても解説します。

資格がなくても現場監督として働ける

現場監督として働くための資格は、必須ではありません。何も資格を持たずに現場監督として活躍している人は数多く存在します。

ただし、現場監督に転職したい場合は、資格がある方が有利です。例えば、現場監督向けの資格である施工管理技士を取得済みなら、一定の知識や実務経験を証明できます。

そもそも施工管理技士の資格は、一部において学歴や実務経験がなければ取得できません。無資格者が現場監督への転職を目指す場合は、採用側が学歴や実務経験を重視して判断するのが実情です。

一般的には技術者が現場監督になる

建設業法上、全ての工事現場には主任技術者または、監理技術者を配置しなければならないと定められています。いずれも適正な施工を確保し、現場全体を管理する役割を担っています。

主任技術者と監理技術者の違いは、現場の規模です。基本的には主任技術者を配置し、現場が一定の規模を超える場合は、監理技術者を配置します。

主任技術者や監理技術者として働くためには、一定の資格や実務経験が必要です。監理技術者の方が、より厳しい条件を求められます。

実際の現場では、技術者が現場監督を兼務しているケースが多いようです。現場監督に転職したいなら、どの現場でも働ける主任技術者を目指すのも1つの方法です。

参考:建設業法第二十六条 | e-Gov法令検索

未経験者が現場監督を目指すには?

工事現場にいる男性

(出典) photo-ac.com

建設現場で働いたことのない人が現場監督になりたい場合は、建設会社で働くのが一般的です。実務経験を積みながら、資格取得を目指すのがおすすめのルートといえます。

建設会社に転職する

現場監督は、一定の実務経験を求められることが多いため、未経験者であれば、建設会社への転職が必須です。

建築・土木・機械工学などに関する学歴があれば、建設会社に転職しやすくなります。ただし、企業によっては文系出身者も積極的に採用しています。

未経験者が建設会社に転職する場合は、現場監督を目指している理由や、仕事に対する意欲をアピールすることが大切です。研修制度が充実している企業なら、転職後にスキルアップもしやすいでしょう。

実績を積む

建設会社に転職できたら、現場監督を目指して実績を積んでいきましょう。場監督を目指したり、資格を取得したりする場合も、一定の実務経験が求められます。

高校や大学で指定学科を卒業しておらず、資格も取得していない場合、工事現場の主任技術者になるには、実務経験が10年程度、必要とされています。指定学科を卒業している人でも、無資格で主任技術者を目指すなら約3~5年以上の実務経験が条件となります。

実際に建設会社で働く際は、メモを取りながら仕事をしっかりと覚えていきましょう。施工管理の経験についての出題もあるため、メモにまとめておけば、試験対策にもなります。

参考:技術者制度、技術検定受検資格の概要

二級施工管理技士を取得する

建設会社である程度の実績を積んだら、主任技術者を目指すのがおすすめです。主任技術者として働けるようになれば、現場監督も任せてくれるようになるでしょう。

主任技術者になるために必要な資格のうち、比較的取得しやすい資格の1つが、二級施工管理技士です。施工管理技士には一級と二級があり、二級を取得しておけば、主任技術者を目指せます。

資格取得に必要な実務経験は学歴により異なるため、自分の学歴で実務経験が何年必要なのか確認しておきましょう。

実務経験のみで主任技術者を目指すより、資格を取得した方が、早く主任技術者になれます。資格取得に必要な実績年数に達するまで、働きながら勉強も進めておきましょう。

現場監督を目指す人におすすめの資格

作業服で打ち合わせをする男性

(出典) photo-ac.com

現場監督になりたい人は、施工管理技士や建築士などの資格を取得するのがおすすめです。その他に持っておくと有利な資格も紹介します。

施工管理技士

現場監督を目指す人におすすめの資格が、施工管理技士です。一定の知識や実務経験を証明できるため、施工管理技士を持っていれば即戦力として評価もされるでしょう。

施工管理技士は7種目あるため、携わる分野に関する資格を取得することが重要です。7種目とも一級・二級に分かれており、二級施工管理技士を取得すれば、二級の受検に必要な実務経験がなくても、一級にチャレンジできます。

施工管理技士の主な受験資格は、学歴に応じた実務経験です。受検機会は一級・二級とも少ないため、計画的に勉強する必要があります。

参考:建設産業・不動産業:技術検定試験について - 国土交通省

建築士

建築士は、建物の設計や、工事監理の知識・スキルを証明できる資格です。一級建築士・二建築士・木造建築士の3種類に分かれています。

建築士は、施工管理技士と同じく国家資格であり、主任技術者や監理技術者の取得要件でもあります。

二級施工管理技士を取得済みなら、指定科目の学歴がなくても実務経験7年以上で二級建築士を受験できます。設計ができる建築士は、建設会社からも重宝されやすいため、二級施工管理技士を取得したら、二級建築士に挑戦するのも1つの方法です。

参考:資格試験 建築技術教育普及センターホームページ

その他の資格

現場監督を目指す人におすすめの資格としては、以下も挙げられます。

  • マンション管理士
  • 宅地建物取引士
  • 不動産鑑定士
  • コンクリート診断士

主任技術者や監理技術者との関連性はありませんが、これらの資格を取得しておけば、現場監督として任される仕事の幅を増やせるでしょう。

建物や建築に関する知見が広がるため、将来的なキャリアアップにも役立ちます。勉強する余裕があるなら、施工管理技士や建築士と併せて取得しておくのがおすすめです。

参考:
公益財団法人マンション管理センター|マンション管理士試験
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験 | 宅建試験の概要
日本不動産鑑定士協会連合会
公益社団法人 日本コンクリート工学会

現場監督の仕事内容

打ち合わせをする建築関係者二人

(出典) photo-ac.com

未経験者が現場監督への転職を目指すなら、大まかな仕事内容を押さえておきましょう。現場監督と施工管理の違いについても解説します。

主に現場全体の管理をする

現場監督の主な仕事は、現場全体の管理を行うことです。具体的には以下の4つの管理業務を行います。

  • 工程管理:工事のスケジュールや進め方、作業員の配置などを決める
  • 品質管理:建材や工法が設計図や仕様書通りになっているかを確認する
  • 原価管理:予算の把握やコストの削減、請負額の増減交渉などを行う
  • 安全管理:従業員の教育や備品・設備の用意などで現場の安全を確保する

その他、現場の作業をスムーズに進めるための雑用を行うこともあります。

現場監督の役割は、安全かつ円滑に工事できるよう、現場をマネジメントすることです。基本的には現場監督が作業に直接携わることはありません。

施工管理との違い

現場監督と同じ意味で使われやすい言葉に、施工管理があります。施工管理とは、作業をスムーズに進めるために、工事の工程や安全をコントロールするのが仕事です。

現場監督と施工管理に大きな違いはなく、どちらも責任を持って現場をマネジメントするという意味では同じです。

ただし、現場監督は現場での業務がメインとなるのに対し、施工管理は書類作成などの事務作業も担います。そのため、施工管理の方が現場監督より、業務が多くなる傾向にあります。

現場監督に求められるスキル

バインダーに記入する作業着の男性

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自分が現場監督に向いているか分からない場合は、現場監督に求められるスキルを知っておくとよいでしょう。以下に挙げるスキルが備わっていれば、現場監督として活躍できる可能性が高くなります。

マネジメント能力

現場を取りまとめる立場にいる現場監督には、マネジメント能力が求められます。現場全体を見渡し、チーム全体を正しい方向にコントロールするスキルが必須です。

現場監督は、工事のスケジュールを作成し、作業員を適切に配置しなければなりません。納期に遅れないように工程をチェックしながら、無駄があれば調整します。

それぞれのタスクを意識するだけでなく、タスクのつながりを確認することも重要です。ある程度の現場経験を積んでいれば、何が原因で作業が遅れているのかも把握しやすくなるでしょう。

コミュニケーション能力

現場には多くの作業員や関連業者が携わっています。現場作業を円滑に進めるためには、それぞれと良好な信頼関係を構築できるコミュニケーション能力も必要です。

指示を出したり、教育を行ったりと、現場監督は自ら発言する機会が多くなります。コミュニケーション能力が高い人なら、他者からの信頼を得やすくなり、マネジメントもスムーズに行えるでしょう。

作業現場には多種多様な人材が集まり、それぞれの考え方や価値観もあります。現場監督がしっかりと間を取り持ちながらコミュニケーションを図れば、チーム全体の雰囲気もよくなるでしょう。

トラブルへの対応力

工事現場では、さまざまなトラブルが発生し得ます。全てが当初の予定通りに進むとは限りません。そのため、現場監督にはトラブルへの対応力も求められます。

工事現場で発生する主なトラブルは、発注ミス・工期遅延・天候不良などです。近隣からのクレーム・作業中の事故や、行政への届け出の不備が発生するケースもあります。

現場監督としてはトラブルが発生しないよう努めた上で、もしもの場合は冷静に対処しなければなりません。現場監督の目が届かない部分でトラブルが発生することもあるので、現場全体をカバーしやすい管理ソフトなどを導入するのもおすすめです。

経験を積んで現場監督を目指そう

握手をする現場監督

(出典) photo-ac.com

現場監督に資格は不要ですが、施工管理技士や建築士資格を取得しておくと転職の際にも有利です。資格を取得する・しないにかかわらず、現場監督として働くためには、一定の実務経験も必要になります。

未経験者が現場監督を目指す場合は、建設会社で実績を積み、2級施工管理技士を取得するのがおすすめのルートです。

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