音楽プロデューサーはどんな仕事?目指し方や必要な能力も解説

音楽プロデューサーを目指している人の中には、まだ働き方や目指し方がよく分からない人も多いでしょう。一口に音楽プロデューサーといっても、仕事内容はさまざまです。音楽プロデューサーの種類や目指す方法、求められるスキルを解説します。

音楽プロデューサーとは?

音楽プロデューサー

(出典) pixta.jp

音楽プロデューサーという職種についてのイメージはあっても、具体的にどのような人を指すのか分からない人もいるでしょう。まずは言葉の定義や、一般的な音楽プロデューサーの働き方を解説します。

音楽制作を取り仕切る仕事全般を指す

「音楽プロデューサー」とは、曲の企画や制作・販売など、音楽作品の制作を取り仕切る仕事を総称する言葉です。

レコーディング会社に所属し、楽曲提供を受けているアーティストのプロセスを例に取ると、以下のようなプロデュース業務が必要になります。

  • アーティストをどのように売り出すかについて、企画立案する
  • 方向性が決まったら、作曲家や作詞家が楽曲を作る
  • レコーディングを実施する
  • MVを制作してジャケット写真を撮影する
  • 楽曲のリリースに先駆け、プロモーションを進める

この他に、楽曲制作にかかる予算の管理も必要になります。音楽プロデューサーは上記に挙げた一連の業務の全て、または一部を担当する職種です。

働き方は不規則

音楽プロデューサーの働き方は、企業に所属するかフリーランスかのどちらかです。会社員の場合はレコード会社や出版会社、芸能プロダクションなどが主な就職先です。

企業で経験を積んだ人の中には、自分で制作会社を起業したり、フリーランスになったりする人もいます。

いずれの場合もアーティストの都合や業務内容によって就業時間が変わるため、働き方は不規則です。一般的な会社員とは違う働き方が求められると考えてよいでしょう。

音楽プロデューサーの種類

CDとギターの作り物

(出典) pixta.jp

音楽プロデューサーにも、役割によっていくつかの職種があります。特定の呼び名が付いている音楽プロデューサーと、それぞれの担当業務を知っておきましょう。

サウンドプロデューサー

サウンドプロデューサーは、音源の作成において指揮を執り、実際に曲を作る職種です。「音楽プロデューサー」と聞いて、多くの人がイメージする職種かもしれません。

サウンドプロデューサーは楽曲の方向性の検討から、録音・編集・マスタリングまでを担当します。アーティストが自らサウンドプロデューサーを兼任する場合もあります。

自分の作った音源が世の中に公開された瞬間には、大きなやりがいを感じるでしょう。

A&Rプロデューサー

A&Rは「アーティストアンドレパートリー」の略で、自社に所属するアーティストをプロデュースする職種です。時には新人アーティストの発掘やスカウトに携わることもあります。

所属アーティストにどのような楽曲を歌ってもらうかまでを考え、プロモーションするのがA&Rプロデューサーの主なミッションです。

1つの楽曲を作るだけでなく、長期的な目線で売り出し方を考え、アーティストと二人三脚でまい進します。

エグゼクティブプロデューサー

エグゼクティブプロデューサーは、アーティストの売り出しからプロジェクトの予算まで、総合的に統括するプロデューサーです。しばしば音楽・芸能プロダクションの代表者を指します。

企画立案からアーティストのイメージ決め、協力会社の選定や楽曲の最終チェックまで、すべてを管理します。先に紹介した職種を取りまとめる、楽曲制作における最終責任者という意味合いが強いでしょう。

音楽プロデューサーになる方法

楽譜を書く女性

(出典) pixta.jp

音楽プロデューサーになるには、大きく2つの方法があります。それぞれのルートを解説します。

音楽業界の経験を積んで転職する

一般的なルートは、音楽系の学校を卒業した後、音楽系の会社で経験を積むことでしょう。いきなりプロデュースを担当するわけではなく、アシスタントからスタートして実務経験を積み、プロデューサーに転身する道が一般的です。

ただ、近年では学歴不問の会社が増え、必ずしも音楽系の学校を出る必要はなくなっています。未経験からでも挑戦しやすくなっているので、社会人になってから目指すことも努力次第では可能でしょう。

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アーティストから転身する

アーティストからプロデュース側に転身する方法もあります。自らの経験を生かして他人をプロデュースすることもあれば、アーティストとして活躍しながら音楽プロデューサーを兼任することもあるでしょう。

プレイヤーとしても活躍したいのか、あくまでプロデュースがしたいのかによって、進む道は分かれるでしょう。自分のキャリアプランをよく検討し、効果的な進路を選ぶことが大切です。

ただしこの場合、まずはアーティストとして一人前になる必要があります。全く関係のない職種から目指すなら、簡単な道でないことは確かです。

音楽プロデューサーに求められる能力

打ち合わせ風景

(出典) pixta.jp

音楽プロデューサーに求められる能力には、具体的に何があるのでしょうか。数あるスキルの中から、特に重要なスキルをピックアップして紹介します。

マーケティングに関する知識やスキル

PR・広報に関わる音楽プロデューサーを志すなら、マーケティング能力は必須といえます。どんなによい楽曲を作ったとしても、人に聞いてもらわなければ意味がないためです。

具体的には世の中のトレンドやニーズを調査し、どのような曲が売れるかを敏感につかむことが重要です。世の中のニーズから逆算し、売れる曲を作るための企画力も求められます。

A&Rプロデューサーの場合は、これから売れるであろう才能の原石を発掘する能力が求められるでしょう。

円滑にコミュニケーションを取る力

楽曲制作には大勢の人が関わるため、関係各所と円滑にコミュニケーションを取る能力が欠かせません。特に複数アーティストの楽曲制作に並行して携わる場合は、連携しなければならない人の数が多くなるでしょう。

チームで動くとき、それぞれの利害が衝突することも多々あります。しかし「最高の1曲を作りたい」という思いは、ほとんどの関係者が共通して持っているでしょう。同じゴールに向かって、全員をまとめる調整力が求められます。

また、売れない時期が続いたアーティストは精神的に不安定になることも少なくありません。A&Rプロデューサーの場合は、アーティストのメンタル面を管理することも、必要なコミュニケーション能力に含まれます。

楽曲制作や業界への深い理解

音楽を生業とする音楽プロデューサーには、携わる工程に関わらず、商品である音楽そのものや業界への深い理解が必須です。

サウンドプロデューサーになりたい人には、作曲の理論やアレンジ力も求められます。理論だけで万人の心に響く曲を作ることは容易ではないため、最終的にはセンスが問われるでしょう。

他の職種の場合、楽曲制作の過程や世界各国の音楽事情・歴史などを知っておくことが大切です。業界の慣習を理解し、上手に世渡りする能力があると活躍しやすくなります。

曲を作るだけが音楽プロデューサーではない

音楽ソフト

(出典) pixta.jp

音楽プロデューサーの仕事は、曲を作るだけではありません。企画から販売まで広い範囲に関わる仕事の総称が「音楽プロデューサー」です。

全てを総合的に担当する場合もあれば、業態によって音楽制作・自社アーティストのPR・予算の調整を含めた総合的な管理など、担当する範囲が決まっているケースもあります。

音楽プロデューサーを目指す場合は、どの工程を担当したいかを明確にすることが重要です。サウンドプロデューサーなら作曲の勉強が求められ、A&Rを目指すならマーケティングやコミュニケーションスキルを磨く必要があります。

自分がどのような形で音楽に携わりたいかを考え、転職活動を成功させましょう。