求人への応募にあたって、履歴書をデータで提出するよう求める企業も増えています。データで送る場合、ファイル形式やセキュリティ対策をどうすればよいか分からない人もいるかもしれません。データ提出の方法や、その際のメール例文を紹介します。
履歴書をデータで提出する方法は?
応募先の企業から、履歴書をメールで送信するよう求められるケースがあります。履歴書をデータで提出する際のファイル形式や、セキュリティ対策について解説します。
PDFファイルでの提出がおすすめ
履歴書をデータで送信する際、特に形式を指定されていない場合はPDFファイルで提出するのがおすすめです。
履歴書を作成するにはWordやExcelを使うのが一般的です。そのまま送ってしまうと、意図せず内容が書き換わってしまう恐れがあるためです。PDF形式であれば、誤操作による書き換えの心配もありません。
また、WordやExcel形式の場合、ファイルを開くPCの環境によっては、レイアウトが崩れてしまう可能性もあります。PDFは、使用するPCが変わっても見た目は変わらないというメリットもあります。
セキュリティ対策を施す
履歴書をメールで提出する場合は、セキュリティ対策も忘れないようにしましょう。履歴書には、住所などの個人情報が記載されているため、必ずパスワードを設定することが大切です。
パスワードを設定すると、個人情報の流出を防げるだけでなく、ITリテラシーの高さをアピールすることにもつながります。
パスワードを設定する際は、アルファベットの大文字・小文字や数字などを組み合わせ、意味のない文字列にするのがポイントです。パスワードは、履歴書を添付したメールには書かず、別のメールで送るのが基本です。
履歴書データの作成手順
履歴書データは、スマホではなくPCを使って作成するのがおすすめです。フォーマットを入手する方法やファイル名の付け方など、履歴書データを作成する手順を解説します。
作成はWordやExcelで
履歴書データを作成する際には、WordやExcelを使うのが一般的です。とはいえ、自分で履歴書のフォーマットを一から作成する必要はありません。
インターネットで「履歴書」と検索すると、厚生労働省が公開する「履歴書様式例」をはじめ、WordやExcel形式の履歴書のテンプレートが見つかるので、ダウンロードして使いましょう。
ダウンロードサイトによっては、厚労省様式例とは異なるオリジナルのレイアウトで作成しているものもあります。
応募の際に必要な情報を書く項目があれば、どのテンプレートを使っても構いませんが、迷ったら厚生労働省様式例を選ぶとよいでしょう。
ファイル形式はWordとExcelのどちらでも、使いやすい方で問題ありません。手書きの履歴書を作成する場合と同様に、空欄を作らず記入しましょう。
ファイル名には日付と氏名を
履歴書の記載が完了したら、ファイル名を設定して保存します。特に応募先の会社から指定がない場合、メールを送信した日付と自分の名前を使ってファイル名を設定しましょう。
採用担当者には、数多くの応募者から履歴書が届きます。ファイル名に名前と送信日が書いてあれば、受け取った採用担当者が履歴書を管理しやすくなります。
例えば「2023-3-23_山田一郎履歴書」とすれば、送信者は山田一郎で、3月23日に送信された履歴書ということが一目瞭然です。履歴書を送信した日付を自分自身が覚えておけるというメリットもあります。
履歴書データをPDF化する方法
履歴書データをPDF化するには、他のファイル形式で作成したデータを変換する方法と、手書きしたものをPDFにする方法の2つがあります。それぞれの方法について確認しましょう。
Word・ExcelデータをPDFに変換
WordやExcelで作成したデータは、ソフトウエアに搭載されている機能を使って簡単にPDF化できます。Word・Excelどちらも手順は同じです。
- WordまたはExcelで作成したファイルを開く
- ツールバーの「ファイル」をクリックし、「名前を付けて保存」を選ぶ
- 「ファイルの種類」のプルダウンを開き、「PDF」を選択して保存する
Mac版で作成したWordやExcelファイルも、上記と同様の手順でPDF化が可能です。
手書き履歴書をPDFに変換する場合
手書きの履歴書も、自宅に複合プリンターやスキャナーがあればPDF化は可能です。履歴書の内容を記載し、写真を貼り付けて完成したら、複合プリンターやスキャナーでスキャンします。
ただし、手持ちのプリンターやスキャナーがA3サイズに対応していることが必要です。自宅にプリンターやスキャナーがない場合は、コンビニのマルチコピー機でスキャンする方法もあります。
手書きの履歴書をPDF化する際は、解像度に注意しましょう。解像度が高いときれいにスキャンできますが、データ容量が大きくなるため、メールで送信する際に重くなってしまいます。
また、手書きの書類をPDF化すると、写真が不鮮明になったり文字がつぶれてしまったりといったデメリットもあります。
パスワードの設定方法
履歴書だけを送付する際は、ファイルにパスワードを設定すればOKです。履歴書と一緒に職務経歴書なども送付する場合は、フォルダにまとめて圧縮し、その圧縮データにパスワードを設定します。
パスワードを設定する方法は、WindowsとMacでは異なるため、各OSに分けて手順を解説します。
Windowsの場合
Windowsでパスワードを設定するには、標準装備されている圧縮・解凍機能を使用します。
- メールで送信する履歴書のPDFファイルまたはフォルダのアイコンを右クリックする
- 「圧縮(U)」を選び「.zip(pass)」を選択する
- パスワードを設定するウインドウが開くので、任意のパスワードを入力する
標準装備の機能ではなく、フリーの圧縮・解凍ソフトを使用して設定してもOKです。
Macの場合
Macにも圧縮・解凍機能は標準装備されています。Macでは、「ターミナル」でコマンドを入力し、パスワードを設定します。
- 「Launchpad>その他>ターミナル」または「Finder>アプリケーション>ユーティリティ>ターミナル」などで、ターミナルを起動する
- デスクトップ上に圧縮したいフォルダがある場合、「cd desktop」と入力してenterキーを押す(cdとdesktopの間は半角スペース)
- 「zip -e -r 作成するzipフォルダ名.zip 圧縮前のフォルダ名」と入力してenterキーを押す(-e、-r、各フォルダ名の前は半角スペース)
- 「Enter password:」と表示されるので、任意のパスワードを入力してenterキーを押す(画面には表示されない)
- 「Verify password:」と表示されるので、再度同じパスワードを入力してenterキーを押す
ターミナルでの設定はハードルが高いという場合は、圧縮・解凍ソフトを使うのがおすすめです。
また、応募先の企業がWindowsを使用していると、メールを送信したときにファイル名が文字化けします。文字化けを防ぐために、フォルダ名を半角英数と_(アンダーバー)で設定しましょう。
履歴書データを提出する際のメール例文
履歴書をメールで送信する際の例文を、3つのパターンに分けて紹介します。企業とのやりとりで追記する内容があれば、文面を変更して使いましょう。
求人情報を見て直接送付する場合
事前のやりとりがなく、求人情報を見て直接履歴書を送付する際の例文です。
【件名】
履歴書送付の件/氏名
【本文】
○○株式会社
採用ご担当者様(担当者名が分かる場合は「採用担当○○様」とする)初めてご連絡させていただきます。
○○○○と申します。
○○にて貴社が募集している○○職の求人情報を拝見し、応募したくご連絡いたしました。
履歴書を添付ファイルにて送付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。なお、書類にはパスワードを設定しておりますので、後ほどパスワードをお知らせするメールを別途送信させていただきます。
お手数をおかけいたしますが、ご確認いただけますでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、面会の機会をいただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。___________________
氏名
住所
電話番号
メールアドレス
___________________
提出を指示されて送付する場合
求人に応募したい旨の連絡をし、履歴書を提出するよう指示された場合の例文です。
【件名】
履歴書送付の件/氏名
【本文】
〇〇株式会社
採用担当〇〇様お世話になっております。
○○職に応募いたしました○○○○と申します。ご指示いただきました履歴書を添付ファイルにて送付いたしますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
なお、書類にはパスワードを設定しておりますので、後ほどパスワードをお知らせするメールを別途送信させていただきます。
お手数をおかけいたしますが、ご確認いただけますでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、面会の機会をいただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。___________________
氏名
住所
電話番号
メールアドレス
___________________
パスワードを知らせる場合
履歴書を添付したメールの後に、パスワードを知らせるメールを送信する際の例文です。
【件名】
履歴書ご送付の件/氏名
【本文】
○○株式会社
採用ご担当者様(担当者名が分かる場合は「採用担当○○様」とする)お世話になっております。
先ほど履歴書を送付いたしました○○○○です。添付ファイルのパスワードをご連絡いたします。
パスワード ○○○○○○
お手数をおかけして恐縮です。
ご確認いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。___________________
氏名
住所
電話番号
メールアドレス
___________________
履歴書データを提出する上での注意点
履歴書をメールで提出すると、郵送などの手間がかからないのがメリットです。しかし、メール送信ならではの注意点もあります。履歴書データをメールで提出するにあたって、注意すべきポイントを紹介します。
スマホから送るときは改行に注意
スマホからメールを送信する際は、本文の改行に注意しましょう。スマホとPCでは、メールの表示のされ方が異なります。
スマホでは、改行のない文章でも自動的に折り返されますが、PCでは延々と横に長い文章として表示されてしまいます。
スマホからメールの文章を入力する際は、PCで見ることを意識して、適宜改行するなどの注意が必要です。改行回数が多すぎても見た目のバランスが悪くなるため、できればスマホではなく、PCから送付するのが無難です。
現職の会社のメールアドレスから送信しない
履歴書データを送る際は、必ずプライベートのメールアドレスから送信しましょう。会社のメールアドレスは、業務に関連するメールを送信するためのものなので、個人的な転職活動に使用するのはNGです。
応募先の採用担当者からも、プライベートと仕事を混同する人だと判断されてしまいます。マイナスの印象を与える結果になるでしょう。
現職のシステム部門がメールのログを取っている場合、メール内容から転職活動をしていることが社内に分かってしまう可能性もあります。プライベートのメールアドレスがない人は、Gmailなどのフリーアドレスを作成しておきましょう。
履歴書はPDFデータで提出するのが基本
履歴書をメールで提出する際は、PDFデータにして送るのが基本です。手書きの履歴書をPDF化すると、画質が劣化して写真や文字が見えにくくなるため、WordやExcelで作成してから変換するのがおすすめです。
データで提出すれば、封筒の用意など郵送する際の手間が省けるというメリットがあります。しかし、セキュリティ対策や使用するメールアドレスなど、データでの提出ならではの注意点もあります。