医療事務に採用されるための職務経歴書の書き方・ポイントを紹介

職務経歴書を作った経験がないと、求人票に記載された「必須書類:職務経歴書」の文言に尻込みしてしまう人もいるでしょう。しかし、ポイントを押さえれば、簡単に魅力的な職務経歴書が作れます。医療事務を志す人に向け、職務経歴書の書き方を紹介します。

医療事務の職務経歴書を書く際のポイント

ファイルに記入する医療従事者

(出典) pixta.jp

職務経歴書は、ただ経験してきたキャリアを網羅的に記載すればよいものではありません。医療事務を目指すなら知っておきたい、職務経歴書を書くときのコツを紹介します。

未経験者は生かせるスキルや学ぶ姿勢をアピール

医療事務未経験者が職務経歴書の中でアピールすべきは、今までの職業経験で身に付けたスキルです。

アピールすべきスキルの筆頭が事務処理能力です。医療事務の仕事はレセプト(診療報酬明細書)の作成が主なので、事務処理能力の高さは立派なアピールポイントになります。その他にも、コミュニケーションスキルやスケジュール管理能力などを強調するとよいでしょう。

未経験なら、学ぶ姿勢もアピールポイントになり得ます。例えば「資格の取得を目指して勉強中」と記載すると、採用担当者からの評価も上がるはずです。

経験者は担当業務の詳細を記載する

医療事務経験者は、過去の勤務先でどのような仕事をしてきたかを詳細に記載しましょう。医療事務に求められる業務は、勤務する病院によって異なります。応募先が募集するポストと親和性の高い業務を行っていた経験があれば、即戦力と見なされ採用に近づくでしょう。

受付・会計・カルテの作成・レセプトの入力など、どのような業務を担ってきたか詳細に記載します。可能であれば、1日当たりの対応件数を数字で表しましょう。業務スピードを具体的にアピールできるようになるため、訴求力が増します。

PCスキルや資格は積極的に記載する

医療事務への転職を目指して提出する職務経歴書には、持っている資格やPCスキルを積極的に載せましょう。医療事務に必須の資格やスキルはありませんが、保有している資格やスキルをアピールすることで、他の応募者との差別化が図れます。

積極的に記載すべき資格の筆頭が、医療事務関係の資格です。医療事務を担うべき人材であると分かりやすく強調できるので、どの資格をいつ取得したのか、詳細に記載しましょう。

事務処理能力の高さを証明する資格やスキルも好印象を与えられるといえます。多様な業務に対応できる人材だとアピールできれば、採用される確率も上がるでしょう。

志望する医療機関のタイプを意識する

病院は規模によって求められる医療事務員像が異なるため、求められる人材像に即した自己アピールができれば、採用がぐっと近づきやすくなります。

小規模な病院やクリニックなど、地域密着型の病院では、患者とのやりとりが密に行われます。このような病院では、家族や友達のように患者と信頼が置ける関係を築けるコミュニケーション能力の高さがアピールポイントになるでしょう。

反対に、都市部にある規模の大きな病院の場合には、さまざまな診療科に訪れる患者と接することになります。このような病院では、患者の質問に的確に答えられる対応力が求められる傾向にあります。

医療事務の職務経歴書の基本的な構成と書き方

職務経歴書とペン

(出典) pixta.jp

職務経歴書は、基本的な構成に沿って組み立てるのが一般的です。基本の構成に自身のキャリアを当てはめていけば、誰でも簡単にそつのない職務経歴書が作れるでしょう。その構成と記載するときのポイントを紹介します。

職務要約

職務要約とは、自身のキャリアを3~4行にまとめた項目です。採用担当者が最初に目にする項目になるので「先を読み進めたい」と思わせることが重要になります。後に続く職務経歴を文章にしただけの退屈な要約ではなく、魅力的な文章になるよう心掛けるのが大切です。

医療事務未経験なら、これまでの職業経験で医療事務に生かせる経験やスキルに着目して文章を構成しましょう。

経験者の場合には、対応件数やレセプト件数などを具体的な数字を用いて説明するのが効果的です。業務改善のために取り組んできたことがあれば、積極的に記載しましょう。

職務経歴

職務経歴は、どこでどのような仕事をし、どのような成果を上げてきたかを説明する項目です。医療事務の職務経歴書では、主に以下のような事柄を記載します。

  • 在職期間
  • 病院名
  • 従業員数
  • 病床数
  • 業務内容
  • 実績や取り組み

医療事務の経験がない人なら、医療事務の職に就いたときの活躍ぶりをイメージさせる書き方を心掛けましょう。PCスキルを駆使して仕事をこなしてきたことや、コミュニケーション能力を生かして接客してきたことなどを盛り込むと効果的です。

医療事務の経験がある人なら、在籍していた病院でどのような業務を担ってきたか詳細に記載しましょう。応募先と親和性が高い経歴があれば、その経歴にスポットを当てて展開します。

生かせる知識・スキル

生かせる知識・スキルとは、応募先の病院で業務に貢献できる内容を記載する項目です。応募先が求める知識やスキルから記載するのが基本です。その上で、より魅力を感じてもらえるよう高度な知識やスキルから記載するようにしましょう。

知識やスキルを記載するときは、具体的な内容が分かるように記載するのがポイントです。例えば、PCスキルをアピールしたいなら、何をどれだけ使えるのか具体的に記します。Excelのスキルなら「関数が使える」「ピボットテーブルが使える」というように、習熟レベルが分かるように記載します。

資格

資格とは、保有している資格を記載する項目です。資格を記載するときは、応募先でより求められる資格から並べていきます。

まずは医療事務系の資格です。医療事務技能審査試験・医療事務管理士・診療報酬請求事務能力認定試験・医療事務認定実務者試験のうち、どれかを持っていれば、心強いアピールポイントになります。

MOS(Microsoft Office Specialist)や秘書検定など、事務処理能力の高さを証明する資格も積極的に載せると、しっかりと医療事務が務まる人材であるとアピールできます。

自己PR

自己PRとは、人材としての価値をアピールするための項目です。

医療事務未経験であれば、コミュニケーションスキルや、スケジュール管理能力などの医療事務で生かせるスキルとともに「人を笑顔にするのが好き」「人をサポートするのが好き」など、医療事務員としての活躍がイメージできるような人柄をアピールするのが効果的です。

経験者の場合には、医療事務で生かせるスキルとともに、これまでの患者との向き合い方をアピールしましょう。患者に気持ちよく治療を受けてもらうために工夫していることや、患者の満足度を上げるために心掛けていることなどを記載するのが有効です。

医療事務の職務経歴書を書く前に準備すること

勉強する女性

(出典) pixta.jp

「魅力的な職務経歴書を作るぞ」と意気込んでも、材料がそろっていなければ、採用担当者の目に留まる職務経歴書は作れません。書く前に準備しておきたいことを紹介します。

キャリアの棚卸しで自分を振り返る

職務経歴書を書く前に、まず実践したいのが、今までどのような仕事をしてきたかを洗い出すことです。核となるキャリアを振り返れば、職務経歴書が作りやくすなります。

キャリアの棚卸しをするときは、勤務先が変わったときに加えて、異動や昇格があったときにも注目します。異動や昇格もキャリアの転換点です。自分の職業年表を作るつもりで、全てのキャリアを書き出しましょう。

また「その仕事でどのような成果を上げたのか」にも着目するのが大切です。成功体験をエピソードと併せて洗い出しておけば、自己PRを作るときの材料になります。

応募先が求める人材との擦り合わせ

応募先の病院が求める医療事務員像に合う自分を演出できるよう、求められる人材像と自身のキャリアを擦り合わせることも大切です。応募先を意識した職務経歴書が作れなければ、採用担当者の心を打つことは難しいでしょう。

擦り合わせを行う際は、まず応募先の病院がどのような人材を求めているのか整理します。求人票や病院のホームページを参考に、求められる医療事務員像を導き出しましょう。

次に洗い出したキャリアの中から、求められている人材像に合致する経歴を抜粋します。例えば、アットホームな雰囲気の病院を目指している応募先なら、誰とでもすぐに打ち解けられるコミュニケーション能力の高さを裏付けるエピソードに着目すれば、採用がぐっと近づく職務経歴書が作れます。

医療事務の採用担当者は職務経歴書のどこを見るのか?

カルテをチェックする医療従事者

(出典) pixta.jp

採用担当者が職務経歴書のどこに注目するのかを知っておけば、採用担当者の心に刺さる職務経歴書作りがはかどるはずです。職務経歴書の中で採用担当者がチェックするポイントを解説します。

求める人材像に合致しているか

採用担当者が注目するのが「ぜひ採用したい」と思える人物です。いくら輝かしい経験やスキルがあっても、応募先の病院で求められていない要素があれば、いくらアピールしても意味をなさないかもしれません。

書類選考の段階において採用担当者は、応募者をふるいにかけ、求める人材像に全く合致していない人を取り除こうとするでしょう。

そのため、職務経歴書では、応募先の病院が求める人材像に当てはまる要素をしっかりとアピールできれば、書類選考を通過し、面接までこぎ着けられる確率が高まるといえます。

分かりやすく魅力的な内容か

読みづらく退屈な職務経歴書は、そもそも最後まで読んでもらえない可能性が高まってしまいます。読みやすく目を引く文章構成になっているかどうかも重要なチェックポイントです。

採用担当者は忙しく、さまざまな業務をこなしながら職務経歴書に目を通します。読みにくいだけでも、評価が下がってしまう恐れもあります。そのため、職務経歴書を読みやすくするには、以下のような工夫が必要です。

  • A4用紙1~2枚でまとめる
  • 適度に余白を作る
  • 箇条書きを活用する
  • 採用担当者が興味を持ちそうなワードを盛り込む

採用担当者の目を意識した構成を心掛けることが重要です。

医療事務の書類選考通過率を上げるポイント

パソコンで作業をする女性

(出典) pixta.jp

採用担当者の目に留まる職務経歴書を作るにはコツがあります。職務経歴書の中で応募者の経歴を魅力的に表現するテクニックを紹介します。

注目してもらいたい項目にスポットを当てる

職務経歴書を作るときは、応募先の病院が求める人材像に合致するキャリアに焦点を絞ることが重要です。論点を分散させてしまうと、応募者がどのような人物なのか伝わりにくくなってしまいます。

職務経歴書は、自身のキャリアを網羅する書類です。とはいえ、全てのキャリアを横並びで紹介すると、アピールポイントが定まらず、どのような魅力を持った人材なのかが分からなくなります。

経歴だけを紹介する部分と、業務経験や成果を詳細に伝える部分を作ることで、アピールポイントが際立ち、魅力的な職務経歴書になります。

数字や具体的なエピソードを盛り込む

仕事ぶりや成果を具体的にイメージさせる文言を使うのもテクニックの1つです。

具体性を上げる有効な手段として、数字を使う方法があります。「多大な成果を上げた」よりも「患者の満足度を○%アップさせた」と表現した方が、組織への貢献度がイメージしやすくなり、職務経歴書の説得力も増すでしょう。

自己PRでエピソードを記載するときは、訴求力を底上げするためにも、できるだけ具体的に語ります。5W1Hを意識して構成したり、他者からの評価をセリフとして盛り込んだりすると、その場面をありありと描写する自己PRになります。

医療事務の職務経歴書を書くときの素朴な疑問

職務経歴書とペン

(出典) pixta.jp

職務経歴書を作っていると「こんなときはどうすればいいのだろう?」という疑問が湧いてくることがあるはずです。書く前に知っておきたい注意点について解説します。

手書きとPCどちらで書く?

応募先からの指定がなければ、職務経歴書は手書き・PCのどちらで作成しても構いません。特にこだわりがなければ、PCでの作成がおすすめです。読みやすい職務経歴書が作れると、事務処理能力の高さを間接的にアピールできます。

PCでの作成のメリットは修正が簡単なことです。誤字脱字があっても、その箇所だけを直せばいいので、職務経歴書全体を書き直す手間がありません。

後からレイアウトを調整できるのもPCで作成するメリットの1つです。強調したい部分を後から太字にしたり、見やすいように見出しを付けたりと、美しい職務経歴書が簡単に作れます。

パートやアルバイトの経験しかないときは?

パートやアルバイトの経歴でも、応募先の業務に関連する仕事であれば、積極的に記載しましょう。パートやアルバイトの経歴も立派なキャリアの1つです。

職務経歴書に記載する場合には、パートやアルバイトを選んだポジティブな理由を添えましょう。

採用担当者によっては、正社員ではなくパートやアルバイトを選んでいることにマイナスなイメージを持つ人もいます。「資格取得のために学校に通う必要があった」や「正社員を目指して非正規雇用で経験を積んでいた」などの理由を添えると、ネガティブな印象を払拭できるでしょう。

まとめ:医療事務をターゲットに職務経歴書を作ろう

医療事務のイメージ

(出典) pixta.jp

職務経歴書は、自身のキャリアを採用担当者にアピールするための重要な書類です。これまでの経歴を漏れなく洗い出し、応募先の病院が求める人材像に見合ったキャリアにスポットを当てられれば、誰にでも簡単に魅力的な職務経歴書が作れます。しっかり準備をして、採用担当者の印象に残るに職務経歴書を作りましょう。

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