第二新卒の履歴書はどう書く?新卒や既卒との違いをチェック

第二新卒が転職するときの履歴書は、どのような点に注意して作成すればよいのでしょうか?新卒や既卒との違いを確認した上で、履歴書作成の基本ルールも確認しておきましょう。作成時に迷いやすいポイントや、職務経歴書についても解説します。

第二新卒の履歴書は新卒や既卒とどう違う?

履歴書を手渡す

(出典) pixta.jp

第二新卒と新卒・既卒との違いは職歴の有無です。新卒や既卒は正社員として働いた経験がないため履歴書に職歴を書きませんが、第二新卒は正社員として働いた経験があるため職歴を書きます。就職後に身に付けた経験やスキルは、アピールにつながるでしょう。

職歴の有無

年齢が同じくらいで呼び名の印象も似ている第二新卒・新卒・既卒ですが、以下のように、第二新卒には職歴があるという点が他の2つと異なります。

  • 第二新卒:学校卒業後すぐに就職し1~3年で転職する人
  • 新卒:学校卒業後すぐに就職する人
  • 既卒:学校卒業後に正社員として一度も就職したことのない人

第二新卒にとって、社会人としての経験は履歴書のアピールポイントになる部分です。入社してからどのような経験をして、どのようなスキルを身に付けてきたかを振り返り、正しく記載しましょう。

就職している期間に関係なく職歴は記載する

学校卒業後に正社員として働いたのであれば、どれだけ短期間であっても履歴書へ職歴として記載しなければいけません。短期離職によるマイナスの印象を与えたくないからと、職歴を省略するのは避けましょう。

単に短い期間で退職したことだけを履歴書に書くと、応募先の採用担当者から「またすぐに辞めてしまうかもしれない」と思われてしまう可能性もあります。

次こそは長く勤務したいという気持ちが伝わるよう、短期離職の理由やそこから学んだことを併せて伝えるのがポイントです。

なぜ今回は長く続けられそうだと考えているのか、新卒入社したときとの違いを説明できるとよいでしょう。

履歴書への職歴の書き方

職歴は履歴書の「学歴・職歴」欄に書きます。学歴を上に記載したら1行空け、中央に「職歴」と書きましょう。

次の行の左側に入社した年月を、右側に「株式会社○○ 入社」などと記載します。次の行には入社後の配属先、さらに次の行には担当した経験のある仕事内容を簡潔に明記します。

退職前に転職活動に取り組んでいるなら、改行し「現在に至る」「在籍中」などと書きましょう。退職予定日が決まっているなら「現在に至る(○○年○月○日退職予定)」と記載します。

既に退職後であれば「一身上の都合により退職」というように、退職理由とともに退職済みである旨を書きましょう。

経験やスキルを書き添えてもよい

就職して得た経験やスキルをアピールするには、職歴欄に書くのがおすすめです。担当した仕事内容を記載する部分に、具体的な業務を書き添えるとよいでしょう。

第二新卒の場合、職務経歴書も作成しますが、応募先の会社によっては履歴書のみで選考を行う可能性もあります。

いつ・どこで・どのような仕事に従事していたかを簡潔に記載すれば、求めている人材か採用担当者が判断しやすくなり、チャンスを逃しません。

履歴書の書き方の基本ルールを確認

履歴書とペン

(出典) pixta.jp

履歴書の規格は、かつてはJISが一般的でしたが、2021年4月に厚生労働省から「新たな履歴書の様式例」が発表されました。JIS規格とは、性別欄の記載方式や、通勤時間・扶養家族数・配偶者・配偶者の扶養義務欄がない点が異なります。

この新たな様式例を踏まえ、履歴書の書き方に関する基本ルールを見ていきましょう。

参考:新たな履歴書の様式例の作成について|厚生労働省

基本情報

履歴書には「日付」を記載する箇所があります。ここに書くのは、履歴書を提出する日付です。郵送なら投函日を、面接時に持参するなら面接日を記載します。

そのほかの項目も含めて、西暦か和暦のどちらかに統一しましょう。それ以外の基本情報の書き方は、以下の通りです。

  • 氏名:戸籍通りに記載
  • 生年月日:西暦か和暦かは日付と統一
  • 性別:男女の選択から任意記載に変更(未記載も可能)
  • 住所:建物や部屋番号まで省略せずに記載
  • 連絡先:現住所と同じなら「同上」、違う場合にはそれを記載
  • 電話:日中につながる連絡先を記載

写真

写真は第一印象につながるため、スマホでの撮影やスピード写真よりも写真館での撮影がおすすめです。服はスーツを着用しましょう。暑い季節でも男性はスーツとネクタイ、女性はジャケットを着ます。自然な笑顔で撮影しましょう。

用意した写真を履歴書に貼るときには、裏に油性ペンで氏名を記載しておくとよいでしょう。万が一応募先の会社で選考中に写真がはがれ落ちても、氏名があれば誰のものか特定できるためです。

学歴

学歴は1行目の中央に「学歴」と記載した上で、次の行から書き始めましょう。「○○学校 入学」「○○学校 卒業」と記載するのはその次の行からで、1行ずつ書いていきます。

左側にある年月の欄は、ここでも最初の日付や生年月日と同じ西暦か和暦で統一しましょう。

学校名・学部名・学科名などは省略せず、正式名称を記載します。学歴の記載は義務教育終了後である高校入学から書くのが原則ですが、私立学校に通っていた場合には小学校入学から書くケースもあります。

免許・資格

一般的に最初に書くのは運転免許証です。「普通自動車第一種免許 取得」というように持っている運転免許証について書き、次の行からは1行ずつ使って取得した順番に免許や資格を記載していきます。

取得の年月の西暦・和暦も、日付・生年月日・学歴に合わせましょう。全ての免許や資格を書き終えたら、次の行の右端に寄せ「以上」と書きます。

免許や資格が何もない場合、1行目に「特になし」、次の行の右端に寄せ「以上」と書き、空欄にはしません。

志望動機

志望動機は、なぜ応募先の会社に入りたいと考えているのかを伝える項目です。どの会社に対しても通用する内容を書いても、アピールにはつながりません。

応募先の企業がどのような理念に基づいて事業に取り組んでいるのかを調べ、その中で自分の経験を生かしてやりたいことは何か、それによりどのように会社に貢献できるかについて書きましょう。

いきなり文章を書き出すのではなく、企業研究や自己分析を行い、盛り込む内容を明確にしておくと、読みやすく仕上がります。

ポイントは結論から書くことです。最初に一番伝えたい内容を書くことで、どのような思いを持って入社を希望しているのかが伝わりやすくなります。

第二新卒の履歴書を作成するコツ

履歴書をチェックする

(出典) pixta.jp

会社が第二新卒に期待しているのは、社会人として基本的なビジネスマナーが身に付いている点です。マナーにのっとって丁寧に履歴書を作成すること自体が、アピールにつながります。

誤字脱字に注意して丁寧に書く

誤字脱字があると、「見直していないのでは?」と採用担当者に思われてしまいかねません。見直さなくても問題ない、もしくは誤字脱字を見つけても直す必要がないと考えるほど志望度が低いのだと誤解される恐れもあります。

履歴書のミスから、「日常的な仕事でもケアレスミスが多いかもしれない」「見直しもできないほどぎりぎりになってから仕事に取り掛かる人かもしれない」というマイナスイメージにつながる恐れもあるため、誤字脱字には注意が必要です。

加えて丁寧に書くことも心がけましょう。またパソコンで履歴書を作成する場合には、漢字変換のミスやタイプミスに気を付けなければいけません。

基本マナーを守る

正しくマナーを守って履歴書を書くことで、基本的なビジネスマナーが身に付いていることをアピールできます。例えばボールペンを使って書くのは、マナーの1つです。同じボールペンでも、消えるタイプのものは避けましょう。

誤字脱字を見つけた場合には、新しい履歴書を用意して最初から書き直すのもマナーです。修正テープや二重線と訂正印での修正は行いません。

さらには、空欄を作らないこともマナーの1つです。免許・資格の欄に書くことがなくても空欄にはせず、「特になし」と記載します。また全体を通してうそを書いてはいけません。

履歴書作成時の確認事項

履歴書と証明写真

(出典) pixta.jp

履歴書作成時に迷うポイントは、事前に確認しておくと安心です。例えば履歴書の規格や、手書きがよいかパソコンがよいかといった点は、会社ごとに決められている場合もあります。

履歴書の規格はどれがよいか

使用する履歴書は、応募先の会社が規格を指定していたり、会社が書式を用意したりしている可能性もあります。作成前に指定がないか確認しておくとよいでしょう。

特に指定されていなければ、厚生労働省が推奨している「新たな履歴書の様式例」にのっとったタイプの履歴書を使うのがおすすめです。かつてはJIS規格が推奨されていましたが、現在は推奨の規格が変わっている点に注意しましょう。

参考:新たな履歴書の様式例の作成について|厚生労働省

手書きにするかパソコンで作成するか

一般的には、手書きで作成してもパソコンで作成しても構いません。得意な方法で作成して提出するとよいでしょう。応募先の会社から指定されている場合には、指定された方法で作成して提出します。

例えばパソコンで作成した履歴書をメールや専用フォームで送信するよう指定された場合には、その方法に従って作成し提出しましょう。

パソコンで作成した履歴書は、基礎的なパソコンスキルの証明にもつながります。会社の業務では、パソコンを使うケースがほとんどです。

パソコンで作成したからといって大きくプラス評価にはなるわけではありませんが、問題なく操作できるスキルがあると伝わります。

職務経歴書も作成する

職務経歴書と封筒

(出典) pixta.jp

第二新卒には職歴があるため、履歴書だけでなく職務経歴書も作成します。履歴書では伝えきれないこれまでの経験や身に付けたスキルを、コンパクトにまとめましょう。

職務経歴書でこれまでの経験を伝えられる

履歴書の職歴欄にも、会社名や配属先・携わった業務などについては記載しますが、それだけで採用担当者に情報が十分に伝わるとは限りません。そこで役立つのが職務経歴書です。

職務要約・会社の概要・仕事内容や実績・スキル・自己PRが記載されている職務経歴書があれば、採用担当者は何ができる応募者なのか把握でき、会社と応募者が合いそうか判断しやすくなります。

自分の経験をアピールできるのはもちろん、入社後のミスマッチを減らすためにも役立つ書類です。

A4サイズ1~2枚にまとめる

職務経歴書はポイントを絞ってコンパクトにまとめるのがポイントです。A4サイズ1~2枚に収まるように書きましょう。携わった仕事について全て詳細に書いていると、2枚では収まらなくなるかもしれません。

内容を盛り込みすぎると、「結局何ができる人材なんだろう?」という印象を与える可能性があります。アピールポイントを正確に伝えるには、必要な内容のみに絞ることが重要です。

応募先の会社が求めている人材像に合わせ、適切な経験やスキルを選びましょう。異なる職種に応募する場合には、コミュニケーションスキルや課題解決力など、どの職場でも役立つポータブルスキルに焦点を当てた内容を取り上げるのがおすすめです。

携わった業務と工夫したポイントを書き出す

何をアピールすればよいか迷った場合には、入社後に受けた研修や携わった業務を時系列に沿って書き出してみましょう。新入社員研修や電話応対・伝票の作成など、できるだけ業務を細分化するのがポイントです。

書き出した業務の中でも、評価が高かったものや自分なりに工夫したものは、アピールポイントになり得ます。例えば同期の中で最初に単独で営業回りをするようになった経験があるなら、他の人と比べどのような違いがあったのか分析するとよいでしょう。

実績に自分なりの工夫が加わることで、入社後もこのように仕事に取り組める人材であることを示せます。

まとめ:履歴書を的確に作成し転職を成功させよう

履歴書を手にしている女性

(出典) pixta.jp

第二新卒の転職で履歴書を作成する上で、新卒や既卒と異なるのは職歴です。これまでにどのような会社でどのような経験をしてきたのか、応募先の会社で生かせる職歴はアピールにつながります。職歴欄には会社名に加え配属先や担当した業務についても簡潔に記載するとよいでしょう。

履歴書は、社会人としてのマナーが身に付いていることを示せる書類でもあります。誤字脱字をしない点や、消えないボールペンで書く点などを守ることで、マナーを知っていて実行できる旨を伝えられます。

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