第二新卒の履歴書は、新卒時と同じように作成すると評価されにくくなってしまいます。それでは、どのような点に注意して作成すればよいのでしょうか?新卒との違いを意識し、志望理由・職務履歴書の書き方など、履歴書作成のポイントを確認しておきましょう。
この記事のポイント
- 第二新卒の履歴書の作成方法
- 第二新卒はビジネスマナーを押さえた履歴書を作成する必要があります。
- 第二新卒が履歴書に盛り込むべきポイント
- 新卒とは異なり、社会人経験者としての視点を盛り込むことがポイントです。
- 第二新卒の履歴書の書き方
- 文章作成が苦手な人は志望動機・自己PRの例文を確認しましょう。
第二新卒の履歴書でポイントとなる項目
転職活動において、履歴書は自分をどのようにアピールするかの重要なツールとなります。第二新卒として履歴書を作成する際に、押さえておくべき重要なポイントについて見ていきましょう。
基本情報
基本情報の書き方で重要なのは、「日付」の記載です。履歴書の日付は記入した日ではなく、実際に提出する日を記載しなければいけません。履歴書の内容が、最新の情報であることを証明するためです。
履歴書を郵送する場合は「ポストに投函する日」を日付欄に記入し、メールで提出する場合は「メールを送信する日付」を記載します。また、面接時に直接持参する場合には、「面接日の日付」を書き込みましょう。
さらに、履歴書には「ふりがな」と「フリガナ」の欄がある場合があります。「ふりがな」と記載されている場合は名前の読みをひらがなで記入し、「フリガナ」と記載されている場合はカタカナで記入しましょう。
学歴と職歴
最初の行の中央に「学歴」と記載し、その下に学歴を年代順に並べて書きます。社会人経験のある第二新卒は高校から書き始め、大学は具体的な学部・学科まで書いておきましょう。
学歴を記載し終えたら、一行を空けて、その次の行の中央に「職歴」と記載します。第二新卒の場合、新卒とは異なり職歴も重要な要素です。働いた企業の名称は「株式会社」などの法人格を省略せずに、正式名称で記載しましょう。
各職歴は、「〇〇年〇月 △△株式会社 入社」という形式で入社年月を記載します。もし退職した会社がある場合には、「〇〇年〇月 △△株式会社 退職」とし、退職年月も記入しましょう。
写真
履歴書の写真は、3カ月以内に撮影したものを使用します。採用担当者に良い印象を与えるためには、清潔感を重視しましょう。身だしなみを整えた上で、シワや汚れのないスーツを着用して撮影します。
写真そのものは、顔がはっきりと見えるものを選びましょう。顔が画面の中心に来るようにし、目が合うような自然な表情がポイントです。背景は柄なしの、白・ブルー・グレーが基本となります。
サイズは3×4cm程度が一般的ですが、履歴書の指定に従いましょう。正しいサイズの写真を用意することで履歴書にしっかり収まり、採用担当者にきちんとした印象を与えられます。
免許と資格
履歴書の「免許と資格」欄の記載は、スキルを示す重要な部分となります。どの時期にどのような資格を取得したのかひと目で分かるように、資格の記載は取得年順に並べるのが基本です。
年号の表記は、「学歴・職歴」欄と統一します。西暦で記入している場合は全て西暦で、和暦で記入している場合は全て和暦で統一しましょう。一貫性を持たせることで、履歴書全体の見やすさを向上させ、採用担当者に良い印象を与えます。
資格を多数持っている場合は、応募職種に関連する資格を優先して記載します。そのほか、取得難易度の高い資格も、能力や努力を示す強いアピールポイントとなるでしょう。
志望動機
志望動機は、新卒時の履歴書と大きく異なる部分です。少なからず社会人経験があることが、企業から見た第二新卒採用のメリットとなるため、前職の記載は欠かせません。
その上で、なぜ応募先の企業への転職を考えるに至ったのか、その背景や理由を説明します。どのような点に魅力を感じたのか、具体的なエピソードを交えて説得力を持たせることが重要です。
前職での経験を振り返り、自分自身が学んだこと・反省した点を志望動機につなげられるかどうかが、転職成功の鍵となるでしょう。
自己PR
自己PRを作成する際には、過去に経験した業務内容や達成した実績を、できるだけ具体的に伝えることが重要です。
例えば、前職での特定のプロジェクトに携わった経験や、その中で直面した課題・克服方法を描写することで、スキルや適応力を示せます。
実績が十分にない場合は、目指す業界・職種に向けてどのような努力をしているのか、今後どう成長していきたいと考えているのか具体的に示し、熱意や適性を強調するとよいでしょう。
本人希望欄
本人希望欄には、「貴社の規定に従います」と記載するのが一般的です。この一言で、企業側に対して柔軟に対応できることを示せます。
ただし、どうしても譲れない条件がある場合、その旨を簡潔に記載することが大切です。
例えば、介護や健康上の理由があるときは、「家庭の事情で、平日のみの勤務を希望しております。」のように書きましょう。
履歴書で具体的な事情を説明する必要はなく、やむを得ない事情があることをさらりと示す程度で構いません。企業への配慮を忘れず、敬意を払いながら伝えるよう心掛けるとよいでしょう。
書類選考に通過する第二新卒の履歴書とは
第二新卒としての自分をどうアピールするかは、成功の鍵を握る重要なポイントです。以下に示す3つのポイントを押さえれば、企業に与える印象が大きく変わり、書類選考を突破する力強い一歩となるでしょう。
短期離職の理由が明確に記載されている
「1年未満の転職は印象が悪そうだ」と思ったとしても、履歴書にうそがあってはいけません。たとえ数カ月の勤務だったとしても、正直に職歴を記載しましょう。
企業が注目しているのは、短期離職の事実そのものよりも、その理由です。企業によっては、勤続年数が短いことを懸念材料とすることがありますが、それ以上に応募者の意思決定のプロセスや学びを知ることに、価値を感じています。
短期離職の理由を正直かつ前向きに伝えることで、逆に信頼を得ることができ、企業が求める長期的な雇用関係構築のイメージを描く手助けとなります。
志望動機にオリジナリティーがある
「御社の理念に共感しました」と書いたのなら、いま一度志望動機を練り直した方がよいでしょう。こういった志望動機は、多くの応募者が同様に使う一般的な表現であり、企業にとっては特に印象に残りません。
企業は、応募者を採用するメリットを探そうとしています。そのメリットを示すためには、「他の誰でもない、自分だからこそ貴社で貢献できる」という、明確なメッセージを持った志望動機を伝えることが理想です。
過去の経験を踏まえ、入社後どのように貢献できるのかを具体的に述べることができれば、説得力のある志望動機となるでしょう。
論理的に分かりやすく書かれている
企業の採用担当者は、多くの応募者の中から最適な人材を選ばなくてはなりません。そのため、曖昧で要点のぼやけた文章では、その候補から外されてしまう可能性が高まります。
そこで、志望動機・自己PRの作成に活用したいのが「PREP法」です。Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の構成で文章を組み立てていく方法で、簡単に論理的な文章が作れます。自分の意欲・能力を、効果的に伝えられるでしょう。
PREP法で志望動機・自己PRを論理的に分かりやすく書くことは、第二新卒が転職活動を成功させる上で欠かせない要素といえます。
【例文あり】第二新卒向け履歴書の書き方
履歴書は、スキル・意欲をしっかり伝えるための貴重なツールです。企業へ自分の魅力を効果的にアピールするための具体的なポイントと、第二新卒ならではのエピソードを生かした、心に響く履歴書の書き方を解説します。
志望動機は企業・職種への理解が重要
応募者自身が、その会社でどのように貢献できるのかを具体的に示すためには、企業・職種への理解が重要となります。
【例文】
「前職ではIT業界でのプロジェクト管理に従事し、迅速に問題解決することで、プロジェクトの進行をスムーズにすることに努めてまいりました。多様な意見を受け入れ、柔軟に対応できる協調性が私の強みです。
「多様な視点を尊重し、チーム全体で一丸となって成長する組織づくり」という貴社の理念に非常に共感しており、協力を重視する風土の中で、私の能力を最大限に生かし貢献したいと強く感じております。」
このように、「会社が求める人物像」と「自己分析結果とマッチングする部分」を軸にするとよいでしょう。
短所からの自己PRも効果的
短所は、裏を返せば長所になります。これを利用して自己PRするのも、面白い方法です。
【例文】
「私は、物事に対して非常に慎重な性格で、決断が遅れてしまう点が短所です。現在の販売業では、ミスを恐れて何度も確認することから、お客さまをお待たせしてしまい、申し訳なく感じることがあります。
転職を視野に入れたとき、私は1つの物事にじっくり集中できる仕事に向いているのではないかと考えるようになりました。新しい環境では、この特性を生かして貢献していきたいと考えています。」
このように、短所とされる面を抱き合わせて長所として強調することで、ポジティブな印象を与えることができます。
本人希望欄で熱意をアピール
履歴書の本人希望欄は、自己PRとは異なる役割を持ちます。そのため、希望を長々と述べるのはNGですが、譲れない条件を伝えることは可能です。
【例文】
「〇〇資格を生かせるため、〇〇職を希望しております」
企業が複数の職種を同時に応募している場合、配属先に関する希望を簡潔に示すことで、採用担当者に自らの意欲を理解してもらうことができます。
【例文】
「〇月〇日退職予定。△月△日より入社可能です」
退職予定日と入社可能日が決まっていれば、具体的な日程も記載しておきましょう。
第二新卒の履歴書作成時の注意点
履歴書の完成度は、今後のキャリアを大きく左右する可能性があります。ここでは、履歴書を作成する際に知っておくべき注意点を紹介します。
誤字脱字を徹底的にチェックする
履歴書は、自分自身をアピールする最初の手段です。誤字脱字があると、ビジネスパーソンとして未熟な印象を与えてしまいます。
「この人は細かいところに気を配らないのではないか」「仕事においてもミスをする可能性が高いのではないか」と、疑念を持たれてしまう可能性が高くなるでしょう。
また、履歴書を修正ペン・修正テープで訂正することも避けるべきです。見栄えが悪くなるばかりか、誠実さに欠ける印象になります。もし誤字脱字を見つけた場合は、面倒でも最初から丁寧に書き直すのがおすすめです。
うそや前職への不満を書かない
もし経歴に虚偽があったと判明した場合、転職先での信頼を失うだけでなく、最悪の場合内定を取り消されることもあり得ます。こうしたリスクを避けるためにも、正直に自分の経歴を伝えることが大切です。
また、前職に対する不満を履歴書に書くと、決して良い印象を与えません。ネガティブな姿勢が強調され、将来的に同様の不満を持つ可能性があると捉えられる恐れもあります。
前職への不満を書く場合は、ポジティブな表現に言い換える工夫が必要です。「新しい挑戦を求めている」「スキルをさらに伸ばしたい」といった形で、自分の成長や前向きな目的につなげられるように表現するとよいでしょう。
第二新卒の履歴書に関するQ&A
第二新卒の転職活動では、履歴書の作成に悩む人が多いのではないでしょうか。そんな不安を解消するために、履歴書に関するよくある質問を詳しく解説します。
アルバイトも職歴に含まれる?
第二新卒として転職を希望している場合、社会人経験がまだ少ないことが一般的です。そのため、履歴書・職務経歴書にアルバイトの経験を記載しても問題ありません。
応募先の企業・職種に関連する業務を、アルバイト先で経験している場合、その経験は大きなアピールポイントとなります。
また、特定のプロジェクトに取り組んでいた経験などがあれば、それを自己PRに生かすことで積極性・問題解決能力を示すこともできます。
履歴書のフォーマットは何でもよい?
企業から特別な指示がない場合、100円均一で購入できる履歴書でも十分です。一般的な就活用のフォーマットは基本的な情報がそろっており、多くの応募先で問題なく使用できます。
ただし、一部の企業では、履歴書のフォーマットを指定しているケースがあります。異なるフォーマットを使用すると、企業側に準備不足の印象を与えかねません。
そのため、まずは応募要項をしっかりと確認し、指定がある場合は必ずそのフォーマットに従いましょう。
履歴書を的確に作成し転職を成功させよう
第二新卒にとって履歴書は、社会人経験を生かして自分の成長と意欲を伝える絶好のチャンスです。限られた職歴・経験を効果的に伝えるために、履歴書ではその内容の最新性・一貫性・論理性が求められます。
自身の経験・スキルを振り返り、どのようにそれが新しい環境で生かせるのかを具体的に示すことが、説得力のある志望動機につながります。自己PRでは過去の経験を具体的に伝えることで、自分の力をしっかりとアピールできるでしょう。
転職活動をする際には、国内最大級の求人情報一括検索サイト「スタンバイ」の利用がおすすめです。好みの条件で絞り込み、自分に合った職場を探せるので、ぜひご活用ください。