派遣社員に面接はある?流れや聞かれる内容、ポイントを解説

派遣社員として働く場合は、派遣元から実際に働く派遣先を紹介されます。その場合、派遣先での面接は行われるのでしょうか?面接が行われるケースや、面接がないときに行われる「面談」の流れと主な質問内容、ポイントを解説します。

派遣社員に面接はある?

社員のイメージ

(出典) pixta.jp

派遣社員は、派遣元である派遣会社に登録または雇用され、派遣先で就業します。派遣元での審査や面接はありますが、派遣先でも面接は行われるのでしょうか?基本的なルールを解説します。

面接は労働者派遣法で禁止されている

派遣社員の割り振りや就業先を決めるのは、派遣元の業務です。派遣先が面接し、派遣社員の選考を行うのは「労働者派遣法」によって禁止されています。正確には、「派遣労働者を特定することを目的とする行為」はできません。

選考なしで就業するとはいえ、派遣社員の技量や素行に大きな問題がある場合、受け入れ後に派遣先が人員交代を要請することは認められています。派遣先の希望だけで交代とはなりませんが、契約が更新されないケースもあるでしょう。

就業先での面接がないとしても、派遣元に伝えているスキルや能力を現場で発揮できるよう注意しなければなりません。

参考:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 | e-Gov法令検索

紹介予定派遣は面接がある場合も

紹介予定派遣は、派遣社員として一定期間勤務した後に、派遣先と派遣社員の双方の合意があれば、直接雇用に切り替わるシステムです。試用期間と似たようなもので、一般の派遣労働とは分けて考えられます。

紹介予定派遣では、面接の実施が認められています。派遣先・派遣元の意向によっては、選考が行われるでしょう。

紹介予定派遣の面接はお互いについての情報を知り、ミスマッチを避けるためのものです。一定の派遣期間終了後は長期で働く前提のため、途中での辞退や契約終了が起こりにくくなるよう、面接を認めています。

基本的には顔合わせ、面談が行われる

一般の派遣社員に面接はありませんが、基本的に顔合わせや面談は行われます。スキル・業務内容の擦り合わせや、就業後のイメージを固めるためのものです。面談がなく直接出勤するケースもあるため、派遣元に確認しておきましょう。

お互いに業務内容や条件を把握できていないと、早期離職や交代要請につながります。トラブル防止のためにも、面談で双方の意思を確認するのは重要です。実際に顔を見て話すことで、勘違いや誤解が生まれにくくなるでしょう。

選考目的でないとはいえ、同席する派遣元の担当者がミスマッチと判断した場合は、就業先が変更になる可能性はあります。合わないと感じた場合は、労働者側からの辞退も可能です。

派遣社員の面談の流れ

面談

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派遣社員の面談は、一般の面接とは流れが異なります。派遣元と派遣先、両方と連携を取らなければなりません。具体的な流れと、一般的な項目を紹介します。

担当者との待ち合わせ

派遣社員の面談は、派遣元の担当者・派遣先の担当者・候補者の3者で行われます。まずは派遣元の担当者と指定場所で待ち合わせ、合流してから派遣先に向かうのが基本です。

一般的に、面談は派遣先の企業で行われます。状況によっては面談のために会場が用意されているケースも考えられるでしょう。企業内で面談が行われる場合は、実際に働く就業先への初訪問となります。

面談とはいえ、一般の面接と同様に、身だしなみには注意が必要です。派遣元の担当者から、指定や指示を伝えられる可能性もあります。

自己紹介や業務の説明

面談が始まると、それぞれの自己紹介や業務の説明が行われます。簡易的なものとはいえ、質問にはしっかりと回答しましょう。

簡単な自己紹介や、スキルについて確認された際の回答、担当者から説明を受けた業務内容程度は頭に入れておくとスムーズに進みます。

多くの場合、派遣先に提出しているスキルシートを元に面談が行われるため、面談までに内容を把握し、質問を想定しておきましょう。

業務に関する説明では、派遣元の求人情報に書かれていない詳細な仕事内容や、生かせるスキルについて具体的に話があります。疑問点があれば、質問しておきましょう。

派遣先の見学や質疑応答

面談後は、派遣先の見学や質疑応答の時間が設けられるのが一般的です。実際の職場を見学し、状況によっては上司や同僚との顔合わせも行われます。

現場の雰囲気や仕事内容の確認により、就業が決まった後も周囲に溶け込みやすくなるでしょう。

質疑応答では、現場を見た上での質問や出勤時の注意点、面談後に準備しておく書類など、細かい手続きや条件について確認できます。面談の後は派遣先の担当者と出勤まで顔を合わせない可能性も考えられるため、疑問はそこで解消しておきましょう。

その場で決められない内容は、派遣元の担当者と相談した上で後日対応するなど、詳細を話し合っておきましょう。

派遣社員の面談でよく聞かれる質問

面談

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面談では、どのような質問がされるのでしょうか?面接との違いや、よくある質問を紹介します。面談前に定番の質問について把握し、回答を準備しておくと当日慌てることがないでしょう。

簡単な自己紹介

面談では、面接と同じように自己紹介を促されるのが一般的です。名前を名乗り、簡単にあいさつします。派遣先に提出しているスキルシートには名前や住所などの個人情報が記載されないため、自己紹介で名前や簡単な経歴を伝えると親切でしょう。

面接のように長い自己紹介は求められませんが、面談の機会をもらったお礼や、「本日はよろしくお願いいたします」といったあいさつを付け加えると好印象です。

名前を名乗り、あいさつをするのは、社会人としての基本的なマナーです。自己紹介を求められたら、明るくはっきりと答えましょう。

経験やスキル

派遣元担当者・派遣先担当者・候補者は、それぞれ配布されたスキルシートを見ながら質問をします。書類には職務経歴や保有スキル、資格などが書かれているため、経験・スキルに対する質問は自然と多くなるでしょう。

具体的な担当業務や業務で使用してきたツール、持っている資格をどのように業務に生かせるのかなど、細かい質問が入る可能性も考えられます。派遣先で生かせるスキルや経験があれば、積極的に伝えましょう。

就業条件

細かいシフトや勤務時間など、就業条件についても面談で伝えられます。ほとんどの場合は派遣元から事前に条件が伝えられるため、間違いがないか、出勤のシフトに問題はないかなどの確認が主な目的です。

残業の可能性や休憩時間、通勤の手段や時間なども就業条件に含まれます。求人情報に記載がない部分で、確認したい内容がある場合は質問しましょう。

賃金は派遣元が支払うことになるため、待遇についての確認や相談は面談以外のときに、派遣元の担当者に確認しましょう。

派遣社員の面談で逆質問をするなら

考え事をする男性

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派遣社員の面談でも、派遣先の担当者から「質問はありますか」と聞かれるケースがあります。面接を行う一般的な選考に比べると面談の時間が短いため、質疑応答の時間を設けるケースも少なくありません。逆質問の主な答え方とパターンを紹介します。

業務について確認する

実際の業務内容は、派遣先に確認するのが適しています。派遣元から説明を聞いているとしても、業務内容や勤務についての質問は熱意が感じられるため好印象です。

面談で逆質問を促された場合は、業務についての質問をしてみましょう。職場見学や説明で分からなかった部分や、実際に使用する具体的なツールについて確認するのもおすすめです。

勤務時間・仕事の流れ・機器の使い方・見学で見せてもらった業務の具体例など、疑問点があれば、派遣先の担当者が快く回答してくれるでしょう。

準備しておくべきことを聞く

顔合わせと初出勤が同時でなければ、就業までには少し間があります。通常は派遣先または派遣元から説明がありますが、細かい説明がない場合は必要な手続きや準備しておくものについて確認しましょう。

派遣先で使う制服や備品の有無、自分で持ってこなければならない消耗品など、初出勤時に困らないよう聞いておくと安心です。

書類上の手続きについても、派遣元の担当者と派遣先の担当者が両方同席している面談時に聞いておくと、スムーズに話が進むでしょう。

派遣社員の面談のポイント

選考目的で会うわけではないといっても、派遣先に好印象を持ってもらうことは大切です。面談時に心がけたいポイントと、注意点を解説します。面談で好印象を持ってもらえるとお互いに緊張感がなくなり、派遣先になじむのも早くなるでしょう。

清潔感のある服装で臨む

面談時の服装は、特に指定がない限り面接と同様です。スーツが一般的ですが、派遣元に確認した上で問題がなければ、オフィスカジュアルでもよいでしょう。

清潔感を意識し、髪形・メイク・小物などもビジネス向けを心がけるのがポイントです。面談時の印象は、今後働いていく上で重要です。

しっかり仕事をしてくれそうというイメージを持ってもらうためにも、スーツやハンカチのシワ、髪型の乱れなどがないよう、細かい部分まで確認しておきましょう。

派遣先との面談では待遇面について聞かない

派遣社員は、派遣元と契約を結んでいます。派遣先は給料や待遇についてはほとんど関知しないため、面談以外の場で派遣元へ確認しましょう。

すでに企業の公式サイトで公開されている情報もあり、面談で質問すると確認が足りていないと判断される可能性もあります。

派遣社員向けの福利厚生を用意している企業で、利用できる範囲が分からないなど具体的な質問がある場合は、内容の確認も可能です。しかし、基本的には事前に派遣元の担当者に相談し、確認してもらう方がよいでしょう。

派遣社員は派遣元に属しているため、派遣先の福利厚生が利用できなくても違法ではありません。目的としていたサービスが利用できない場合、気まずい雰囲気になる恐れもあります。待遇面については、派遣元の担当者に対して別途質問しましょう。

まとめ:派遣社員になるなら面談前の準備をしよう

手帳に書き込む

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派遣社員には、派遣先での面接がありません。ただし、顔合わせや面談と呼ばれる簡易面接のようなものはあります。面談は選考を目的としないものですが、スキル不足やミスマッチも考えられるため、その時点では就業が確定しているわけではありません。

派遣先からの質問に答えるため、事前の準備をしておくのが望ましいでしょう。スタンバイでも、派遣社員の求人を探せます。派遣で効率よく働きたいと考えているなら、求人情報をチェックしてみましょう。

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