プログラマーとは?種類別の仕事内容や年収・キャリアパスを紹介

IT技術の発展に伴い、プログラマーの人気は高まっています。しかし、具体的にどのような仕事をしているのか分からない人もいるでしょう。プログラマーの仕事内容を種類別に解説します。年収や将来のキャリアパスについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

プログラマーの主な種類

プログラマー

(出典) pixta.jp

プログラマーには、開発する製品によってさまざまな種類があります。主なプログラマーの種類と仕事の内容を見ていきましょう。

Webプログラマー

Webプログラマーは、Webサイトがインターネット上で動作するようにシステムを構築する仕事です。例えばショッピングサイトで「商品を検索して表示する」「品物をカートに入れる」という動作は、Webプログラマーが組んだプログラミングによるものです。

基本的に、システムエンジニアが作った仕様書に沿ってプログラムを組むのがWebプログラマーの仕事ですが、場合によっては設計の部分から携わることもあります。

Webプログラマーには、開発する内容によってJava・PHP・Rubyなど、さまざまなプログラミング言語の知識が必要です。

ゲームプログラマー

ゲームプログラマーは、オンラインゲーム・スマホゲーム・ソーシャルゲームなど、さまざまなゲームを開発する仕事です。デザイナーが作成したキャラクターをゲーム上で動かすには、ゲームプログラマーの存在が欠かせません。

ゲームをプログラミングするだけでなく、完成後に不具合がないかテストするデバッグの作業を担当することもあります。また、品質向上やユーザー満足度のためのアップデートなどもゲームプログラマーの仕事です。ゲームプログラマーには、C#・C++・Javaなどのプログラミング言語を扱うスキルが求められます。

汎用系システムプログラマー

汎用系システムプログラマーは、企業の基幹業務などに活用する大型コンピュータに組み込むシステムを開発します。

汎用系システムプログラマーが開発するのは、金融系企業の勘定システム・物流会社の流通管理システム・製造系企業の生産管理システムなどさまざまです。

どれも高速処理に加えて堅牢性や機密性が重視されるもので、クローズドな環境で非常に長い期間をかけて開発される特徴があります。

汎用系システムプログラマーになるには、COBOL・PL/1・RPG・FORTRANなどの言語に関するスキルが必要です。

組み込み系プログラマー

組み込み系プログラマーの仕事は、家電や産業機械などを制御するシステムのプログラミングです。組み込み系プログラマーの種類には、小型機器型・通信型・プラント型の3つがあります。

小型機器型組み込み系プログラマーは、エアコンや洗濯機に組み込まれているマイコンをプログラミングします。通信型組み込み系プログラマーが開発するのは、インターネットなどの通信システムです。

プラント型組み込み系プログラマーは、工場で用いられる産業ロボットなど、大規模なシステムを開発します。組み込み系プログラマーには、C・C++・C#・Java・Pythonなどの言語や、ITRONというリアルタイムOSに関する知識が必要です。

その他のプログラマー

プログラマーには、ほかにもさまざまな種類があります。

  • アプリケーション系:スマホやPCにインストールするアプリケーションの開発。使用言語は、Java・C#・Python・Swiftほか。
  • パッケージソフト系:業務用などのパッケージソフトの開発。使用言語は、C++・C#・VB・Javaほか。
  • 通信系:ネットワーク機器やIP電話などの通話システムの開発。使用言語は、C・C++・Java・ネットワークシステムに特化した言語など。
  • オープン系:ソースコードが公開されているOSやソフトウェアなどを組み合わせた開発。使用言語は、Java・JavaScript・PHP・Python・C+・C#ほか。
  • セキュリティ系:情報セキュリティをメインとしたシステム設計やネットワークの構築。システムに使われている言語を使用。

プログラマーの収入は?

作業中のプログラマー

(出典) pixta.jp

プログラマーを目指す人の中には、収入に関して知りたい人も多いかもしれません。プログラマーの年収を具体的に見ていきましょう。

プログラマーの平均年収は約550万円

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、プログラマーに該当する「ソフトウェア作成者」の「きまって支給する現金給与額」は37万7,100円でこれを月給のベースと仮定して、これに「年間賞与その他特別給与額」97万7,000円を加味すると、プログラマーの平均年収は550万2,200円になります。

一方、国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」では、民間給与の平均は443万円と報告されています。このデータを基にすると、プログラマーの平均年収は、民間の平均給与より高い傾向にあるといえるでしょう。

参考:
令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) | 政府統計の総合窓口
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

企業の規模別プログラマーの平均年収

プログラマーの年収は、勤務している企業の規模によっても異なります。従業員数による規模別のプログラマーの平均年収は以下の通りです。

  • 10~99人:449万6,600円
  • 100~999人:539万4,800円
  • 1,000人以上:674万8,000円

この結果を見る限り、大企業になるほどプログラマーの年収は高くなり、中小企業との差は200万円以上になることが分かります。

手掛けているプロジェクトの規模の違いもありますが、中小企業には下請け企業も多く、安価な仕事を担当せざるを得ないという理由もあるでしょう。

参考:令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) | 政府統計の総合窓口

プログラマーに向いている人

ビジネスミーティング

(出典) pixta.jp

プログラマーにはどのような人が向いているのでしょうか。さまざまな種類のプログラマーに共通して必要とされる特徴を3つ挙げて紹介します。

論理的思考が得意な人

プログラマーには、論理的に考えられる人が向いています。プログラミングでは、ゴールに最短距離で到達するために、「何を」「どのような順番で」処理するかを明確にすることが必要です。

複雑なプログラミングをするときは、細かい手順に分解し、順序立ててコードを入力していきます。エラーが発生したときも、まず原因は何かを分析し、どこを修正すれば解決するのかという論理的な思考を基に対応しなければなりません。

論理的思考が得意な人は、複雑な問題も細かく切り分けて理解した上で解決策を構築できるので、分析・解決という手順を踏むプログラマーの仕事に向いているといえるでしょう。

協調性がある人

チームで作業するプログラマーには、協調性も求められます。プロジェクト・チームが円滑に作業を進めるには、ほかのメンバーと綿密にコミュニケーションを取ることが大事です。

また、複数が分担して作業するため、ほかのプログラマーが見ても分かるようにソースコードの管理ルールやコーディングの規約が決められています。

自分がやりやすいように独自のルールで進めてしまう人は、チームの一員として働くプログラマーには向いていないでしょう。

集中力がある人

集中力がある人も、プログラマーの仕事に向いています。1つのシステムやアプリケーションが1日で完成することはほとんどなく、長時間の作業を何日も続けなければなりません。

何度も試行錯誤を繰り返しながら、単純なミスを防ぐために集中して作業することが求められます。1つのことに没頭して取り組める人や、集中して作業できる人にとって、プログラマーの仕事は適任です。

反対に、長時間座って作業するのが苦手な人や集中力が続かない人には、プログラマーの仕事は難しいでしょう。

プログラマーのキャリアパス

プログラミングをする手元

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プログラマーは、経験年数によって任される仕事の内容や範囲が異なります。代表的なキャリアパスを見ていきましょう。

1~2年目

プログラマーの1年目から2年目までは、OJTと呼ばれる期間です。この間に、プログラミングに必要な基礎知識やスキルを身に付けていくのが一般的です。先輩や上司の指導を受けながら、テストや開発工程の一部を任されることが多いでしょう。

企業によっては、IT関連の資格を取得するように勧められるケースもあります。1年目のプログラマーには、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・Pythonエンジニア認定試験などの資格がおすすめです。

3~4年目

OJTの期間が終了し、一人前のプログラマーとして仕事をするようになるのは、3年目から4年目です。システムの設計からテストまでの開発工程全般を担当し、クライアントとの打ち合わせにも同席するようになります。

プログラミング作業に加えて、5名ほどの小規模なプロジェクトのリーダーや後輩の指導など、マネジメント業務を任される人もいるでしょう。企業によっては、プログラマーからシステムエンジニアという呼び名に変わることもあります。

5年目以降

5年目以降になると、プログラマーからシステムエンジニアになり、開発工程の全てを担うようになります。これまで身に付けてきたスキルや知識を武器に、特定領域の専門家であるスペシャリストとなってプロジェクトを支援する人も増えます。

また、マネジメントスキルを磨いて、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーになる人もいるでしょう。どの道を選ぶ場合でも、プログラマーとしての分岐点となるため、今後のキャリアパスについて考えるタイミングでもあります。

他職種へのキャリアチェンジ

プログラマーとして経験を積んだ後、別の職種に転職する人も少なくありません。プログラマーからのキャリアチェンジ先には、データベースエンジニアやインフラエンジニアなどがあります。

データベースエンジニアになるには、Oracle・MySQL・PostgreSQL・Microsoft SQL Serverなどの知識が必要です。

インフラエンジニアを目指すには、サーバーやネットワークなどの知識に加えて、LPIC・基本情報技術者試験・CCNA・AWS認定ソリューションアーキテクトなどの資格もあるとよいでしょう。

まとめ:スキルを身に付けてプログラマーを目指そう

プログラマー

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プログラマーにはさまざまな種類があります。種類によって、使用するプログラミング言語なども異なるため、自分がなりたい職種に必要なスキルを身に付けることが大切です。

プログラマーは、OJTでプログラミングの基礎知識を学びながらステップアップしていけるので、未経験者でも目指しやすい仕事です。さまざまなキャリアパスを選択できる点も、魅力的といえるでしょう。

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