教員を目指す際の職務経歴書の書き方は?例文から注意点まで解説

近年、教員不足が顕著とされる中で、民間企業から教員への転職を目指す人も少なくありません。教員に転職する場合の職務経歴書の書き方や、作成のポイントなどを解説します。しっかりと準備をした上で、魅力的な職務経歴書を作成しましょう。

教員の職務経歴書を作成する際のポイント

教師のイメージ

(出典) pixta.jp

教員採用における職務経歴書を作成する際には、以下のポイントを意識することが大切です。他者への指導経験や管理者としての経験があるならば、積極的にアピールしましょう。

他者への指導経験を記載する

一般企業から教員への転職を目指す場合、他者に指導した経験を記載すると効果的です。一般の企業において部下を指導した経験や、塾講師などで大学受験指導の経験があればアピールポイントにもなります。

学校によっては、大学受験指導の経験のある人材を求めている場合もあるため、塾講師の経験はよい武器になり得ます。当然、過去に学校に教員として勤めた経験のある人は、優遇される可能性が高いので、しっかりと経歴を記載しましょう。

管理者としての経験もアピールポイントに

教員は学生を管理する仕事でもあるので、民間企業でチームリーダーとして他者をまとめた経験も、よいアピールポイントになります。また、人前で分かりやすく物事を説明する必要があるので、プレゼンテーション能力の高い人は得意分野としてアピールするとよいでしょう。

大学卒業後、一般的な社会人経験をせずに教員になる人が多いため、民間企業での人材教育の経験を評価する学校も増えています。具体的にどういった業務に従事し、どのような成果を上げたのかも記載しましょう。

職務経歴書の作成を始める前に

履歴書と職務経歴書

(出典) pixta.jp

職務経歴書の作成にあたっては、自分の強みや実績を整理した上で、何を中心にアピールすべきか明確にする必要があります。何も考えずに書き始める人も少なくありませんが、まずは何を書くべきか自分なりに整理しましょう。

記載すべき強みや実績を明確にしよう

まずは教員を目指すにあたり、自分の強みと、転職希望先の学校にとって魅力的に感じられる特性を明らかにしなければなりません。教育に対する熱意や、規律を重んじる性格など、自己分析を通じてアピールすべき点を整理しておきましょう。

また、自己分析に加えて、応募先の学校がどういった人材を求めているか、自分なりに調べておく必要もあります。求人票をよく確認するのはもちろん、応募先の学校や教員が発信している情報、学校のホームページ・SNSの情報などもチェックしておきましょう。

自分の強みと応募先のニーズを照らし合わせ、具体的に何をアピールすべきか検討することが大切です。

職務経歴書に書くべき内容

バインダーに記入する

(出典) pixta.jp

教員採用に限らず、ほとんどの職種において、職務経歴書の構成はある程度決まっています。ただし、学校指定の職務経歴書が用意されているケースもあるので、その場合は指定のフォーマットに従いましょう。

記載するにあたっての基本ルール

職務経歴書を記載するにあたっては、次の基本ルールを守る必要があります。

  • 事実を正しく記載する
  • 見やすい文字の大きさ(10.5~12pt)にする
  • 文字を埋めすぎない
  • 和暦・西暦を統一する
  • 専門用語をなるべく使わずに説明する

まず大前提として、事実を正しく記載するとともに、採用担当者が見やすい文字の大きさと構成にします。全体として空白が多すぎたり、文字がぎっしりと埋まってしまったりしているのもよくありません。

また、経歴を説明する際には、和暦と西暦も統一し、専門用語を使わずに分かりやすく記載することを心掛けましょう。

職務経歴書の基本構成

職務経歴書はA4用紙1~2枚程度にまとめ、一番上に「職務経歴書」と明記し、右上に日付と氏名を記載します。その下に「職務要約」「職務経歴」「スキルや資格」「自己PR」の順に記載するのが一般的です。

  • 職務要約(職務概要):これまでの自分の経歴を端的にまとめる。300文字程度で経験してきた仕事や業務内容を整理し、最後に教員になるにあたっての意気込みをアピールするとよい。
  • 職務経歴:これまでの経歴を具体的に箇条書きで紹介。役割と仕事内容・実績を整理して記載する。
  • 生かせるスキルや資格など:教員として生かせるスキル(PCスキルや語学力など)を箇条書きで記載。
  • 自己PR:どういった形で応募先の学校で活躍できるか、どのような価値を提供できるかを説明する。学習塾で教えた経験や、企業で人材教育に携わった経験などをアピールするとよい。

以下でそれぞれの項目の例文を紹介するので、具体的にどういった書き方をすればよいか理解しておきましょう。

職務経歴書に書いてはいけないことは?

職務経歴には、これまでの経歴や、実績・スキル・自己PRなど、採用担当者が求めている情報のみ記載します。趣味や仕事に無関係な特技など、採用合否の判断に不必要な情報は書かないようにしましょう。

また、転職に至った理由も特に記載する必要はありません。ただし、面接では聞かれる可能性があるので、しっかり回答を準備しておきます。なお、アルバイトの情報も基本的には不要ですが、アルバイト経験のみで教員を目指す場合に関しては、採用後に生かせるスキルや経験があれば記載して問題ありません。

【例文】教員を目指す際の職務経歴書の書き方

履歴書に記入する手元

(出典) pixta.jp

教員を目指す場合の職務経歴書の例文を紹介します。あくまでも参考程度にとどめ、自分なりに作成と改善を繰り返し、内容をブラッシュアップしていきましょう。

職務要約の書き方と例文

職務要約は3~4行程度で経歴を簡潔に記載し、教員として活躍できる点を端的にアピールしましょう。

<参考例文>

○○株式会社の人事部門で、4年ほど人材教育に携わっています。新人向けのセミナーの企画・運営から管理者向けの研修まで、さまざまな業務をこなす中で、1人1人に合った教育プログラムの必要性や、アドバイスのコツなどを習得しました。

教員になってからも、これまで培ってきた教育に関する知識やノウハウを生かし、学生の成長を後押ししていきたいと考えています。

職務経歴の書き方と例文

職務経歴では、職歴を順番に箇条書きで記載するのが基本です。ただし、年表ではないので、教員として評価される職歴をピックアップしましょう。記載すべき情報を取捨選択することも重要です。

<参考例文>

2016年4月 ○○株式会社 人事部配属

【主な業務】

  • 新入社員研修の資料作成
  • 新人向けPC研修の講師およびアドバイザーを担当
  • 管理者向け研修の運営アシスタント
  • 新卒採用の一次面接を担当

【実績】

  • 2020年新卒採用5名
  • 2021年新卒採用7名
  • リファラル採用の導入により、中途採用の費用を2割削減

生かせる経験やスキルの書き方と例文

教員として評価されやすい経験や、スキルを具体的に記載します。「PCスキル」「英語スキル」など、カテゴリーに分けて箇条書きで記載すると見やすくなります。

<参考例文>

【PCスキル】

・Word・Excel・PowerPointの基本操作

・PowerPointによる資料作成

・Photoshopによる画像加工

【英語スキル】

・TOEIC800点

・英文メールでのやり取りが可能

自己PRの書き方と例文

自己PRでは、これまでの実績や経験とひも付けて、教員として活躍できる点をしっかりとアピールします。ただし、記載できるスペースには限りがあるので、文章量に配慮しましょう。誤字脱字にも注意が必要です。

<参考例文>

2年ほど前から教員に転職したいと考えており、人事部門の業務を通じて培った人材教育の技能に加え、プレゼンテーションに関する講座に参加し、相手に分かりやすく物事を伝えるためのスキルを磨いて参りました。

また、知人の紹介で学習塾の手伝いをしていたことがあり、その際にどうすれば学生の理解を深められるのか、楽しく学んでもらうにはどう接すればよいのかなど、教員として必要な姿勢も学んでおります。これらの経験を存分に生かして、多くの学生に勉強の楽しさを伝えていきたいと考えております。

まとめ:職務経歴書のポイントを押さえて教員を目指そう!

授業風景

(出典) pixta.jp

職務経歴書には、これまでの仕事の経験や、スキル・実績などを記載します。

事前にアピールすべき点を整理しておき、誰が読んでも分かりやすく記載するように心掛けましょう。記載した内容を周りの人に確認してもらい、何度か書き直してブラッシュアップするのも1つの方法です。

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