COOとはどのような役職?主な仕事内容とキャリアを実現する方法

経営層へのキャリアアップを目指していて、COOという役職に興味がある人もいるでしょう。COOの役割やビジネスの最前線で活躍する上で求められるスキルを解説します。適切な方法で転職を目指せば、自分が望むキャリアパスを実現しやすくなるでしょう。

COO(Chief Operating Officer)とはどのような職種?

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(出典) pixta.jp

経営層に含まれるさまざまな職種のうち、COOは業務の執行を統括する存在です。業務の執行には多くの仕事が含まれます。COOにキャリアアップしたいと考える人は、ミスマッチを防ぐためにも一通り確認しておきましょう。

現状を分析して業務方針・各種施策を考える

どのようなビジネスを営んでいる企業でも、何らかの課題を抱えているのが一般的です。企業をより成長させるには、課題を解決してさらなる高みを目指す必要があります。

COOは、自社が解決しなければならない課題を可視化し、適切な解決策を考えて実行に移すのが仕事です。自社を取り巻く環境が急速に変化している場合は、どのようにビジネスを変革すれば流れに乗れるのかを考えなければなりません。

経営方針に従って業務の遂行を指揮する

業務の執行全体を統括するのが、COOの重要な仕事です。COOは業務執行の最高責任者として、CEOが決定した経営方針を実現するための施策を実行しなければなりません。

業務の執行に関する内容はCOOに決定権があり、どのようにビジネスを推進するのかという点を委ねられています。同時に、執行の結果に対する責任を負います。

保有するリソースを適切にマネジメントする

企業が保有する経営リソースを適切に運用するのも、COOに委ねられている仕事です。一般的に、企業の経営リソースとは「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つを指します。具体的な業務は以下が一例で、自社が得る利益を最大化するのが最大の目的です。

  • ヒト: 自社が抱えている人材を適材適所で配置し、不足している人材を調達する
  • モノ: 最新技術に対応するために設備を調達したり更新したりする
  • カネ: 投資に対するリターンを最大化するために、投資先や投入金額を定める
  • 情報: ビッグデータを分析して経営に生かせる情報を抽出したりICTシステムを導入したりする

上記のリソースは、いずれも企業にとって利益を生み出す貴重な財産です。運用効果を最大化するにはどうすればよいのかを考え実行するCOOは、大きな責任を負う職であるといえます。

COOと間違えやすい役職

経営陣

(出典) pixta.jp

経営層には、COOによく似た名称の職種が複数存在します。それぞれ担当する分野が異なるため、詳細をチェックしておきましょう。自分に適した職種が本当にCOOなのか判断するためにも、事前に確認することをおすすめします。

CEO(Chief Executive Officer)

CEOは「最高経営責任者」とも呼ばれ、経営をつかさどる執行役(日本では取締役が多い)の最上級職に位置付けられています。自社が進める全ての業務を統括し、その結果に最終的な責任を負う職です。

CEOは利益を最大化することにコミットし、必要な施策の実行を促すことが求められます。具体的な仕事内容の一例は以下の通りです。

  • 経営方針の策定
  • 事業戦略の策定
  • 経営陣の統括

日々の業務では、社会が自社に求めているものは何かを考え、自社をさらに成長させるために必要な方針を打ち出さなければなりません。経営全体をつかさどるやりがいのある仕事の一方で、重い責任を背負う必要があります。

CEOが方針や計画を策定し、COOが実際に執行するという体制が一般的です。

CFO(Chief Financial Officer)

経営資源のうち「カネ」の領域を担当する存在がCFOです。日本では「最高財務責任者」とも呼ばれます。COOは全ての経営資源を統括する職ですが、CFOは財務に特化しているのが違いといえます。

CFOがコミットする目標は、キャッシュフローの適正化と企業価値の増大です。具体的には、以下のような仕事を担当します。

  • 資金調達
  • 財務戦略の立案
  • 上場準備
  • 金融機関や監査法人との渉外

上記のように、企業の資金に関する業務全般を担当する職です。財務・金融面での深い知識が求められます。

CLO(Chief Learning Officer)

企業が有している人材をマネジメントするのが、CLO(最高組織開発責任者または最高人材開発責任者)の仕事です。経営資源のうち、「ヒト」の領域に特化した責任者といえます。

役職名に「Learning」とある通り、最新の状況に対応して企業を成長させるための学習にコミットすることが重要な仕事です。具体的には、以下のような仕事に携わります。

  • 人材開発戦略の策定
  • 研修プログラムの考案および提供

COOも「ヒト」の領域に携わりますが、CLOはCOOが担当するところより深い部分もつかさどる職です。

なお、Chief Legal Officer(最高法務責任者)にも同じくCLOという略称が用いられるケースがあります。こちらは、法務関連分野についての責任者です。

CTO(Chief Technology Officer)

CTOは技術面を統括する存在で、「最高技術責任者」と訳されます。企業を成長させるためには、必要な技術を適切に活用しなければなりません。技術を活用する局面において、CTOは以下の役割を果たします。

  • 技術戦略の策定
  • 新技術の導入
  • 技術開発の推進
  • エンジニアの採用計画策定

技術や情報について担当する責任者ですが、エンジニアの採用・運用など「ヒト」の領域に関わるケースもあります。

ITをはじめとしたさまざまな技術が幅広く経営に用いられている現状を考えると、利益を生み出すために最新技術を活用するCTOが果たす役割は重要です。

COOに欠かせないスキル・経験

マネジメント

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ビジネスの最前線でCOOとして活躍するのに欠かせないスキルを紹介します。企業を経営するには多種多様なスキルが求められるため、COOを目指すなら普段からスキルアップに励みましょう。

企業全体をマネジメントするスキル

経営陣として働く上で欠かせないのが、マネジメントスキルです。マネジメントスキルは、さまざまな経営リソースを適切に管理するのに必要なスキルの総称で、以下のようなものが含まれます。

  • 人材配置を適正化するスキル
  • リーダーシップを発揮するスキル
  • 資金を適切に運用するスキル

いずれのスキルもすぐに習得できるものではありません。COOとして必要とされるレベルのマネジメントスキルを身に付けるには、普段からスキルアップに励むことが大切です。

計画を定めて実行するスキル

業務の執行をつかさどるCOOとして活躍するには、実行力が不可欠です。実行力は目標を定めて達成するために必要なスキル全般を指します。具体的な例は以下の通りです。

  • 抽象的な方針を具体的な施策に落とし込むスキル
  • 目標を達成するのに必要な計画を策定するスキル
  • 定めた計画を確実に実行するスキル

企業が大きく成長するためには、一見すると達成できないように思える目標でも達成するために努力することが求められます。目標を達成するのに必要な計画を具体的に定め、1つずつ確実に実行するスキルは必要不可欠です。

経営に関する広範な知識・スキル

COOは経営陣の一員であるため、企業の経営に関する知識やスキルが必要です。具体的な知識・スキルには以下のものが含まれます。

  • 経営方針を理解するスキル
  • メンバーを統率するスキル
  • 物事を的確に判断するスキル

CEOが掲げる経営方針を正しく理解し、具体的な施策に落とし込むには、経営に関する広範な知識が欠かせません。企業の経営とはどのようなものか、メンバーを動かすにはどのようなことをすればよいのかを理解することが大切です。

基本的なポータブルスキル

COOとしての業務を遂行するのに求められるのは、経営に関するスキルや携わるビジネスに必要なテクニカルスキルだけではありません。どのようなビジネスにおいても共通して求められるポータブルスキルも欠かせません。ポータブルスキルの例は以下の通りです。

  • 状況を正しく判断するスキル
  • 課題を発見して可視化するスキル
  • イレギュラーな状況に正しく対処するスキル
  • 基本的なヒューマンスキル
  • 関係各所と折衝するのに必要なスキル

上記のスキルは、COOを目指す場合だけでなく、ビジネスにおけるさまざまなシーンで役立ちます。そのため、普段から意識してスキルアップを目指すとよいでしょう。

これからCOOを目指す上で有効な方法

デスクワークするビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

COOを目指す方法には、いくつかのパターンがあります。主に在籍中の企業でキャリアアップして経営陣に加わる方法と、経営層候補の人材を募集している企業の求人に応募する方法の2パターンです。それぞれのプロセスについて詳しく解説します。

在籍中の企業でキャリアアップする

企業によっては、高い成果を出している社員を経営陣に招き入れるキャリアパスを用意しているケースがあります。もし、在籍中の企業で経営陣へのキャリアパスが開かれているのであれば、それを目指すのが1つ目の方法です。

在籍中の企業で経営陣にキャリアアップできれば、これまでに培ったスキルやその企業特有の状況に対する理解などが有効に働くため、活躍しやすいといえます。

経営層候補の公開求人に応募する

外部から優秀な経営者を獲得するために、経営陣候補の求人を公開している企業もあります。在籍中の企業に経営陣へのキャリアパスがない場合や、何らかの理由で転職したいと思っている場合はこのルートを選択するのがおすすめです。

公開求人を探す際には、自分のキャリアを振り返って、これまでの経験を生かせる事業を営む企業を選びましょう。

ベンチャー企業をはじめとして、今後大きな成長が見込まれる企業に転職できれば、新たなビジネスの創出や上場に携わる経験を積める可能性もあります。

必要なスキルを習得してCOOとして活躍

偉い人

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COOは経営層の一員として、業務の執行全体を統括します。CEOが定めた経営目標を達成するために、必要な施策を策定して実行するのが主な仕事です。ビジネスを推し進める上で重要な役割を果たし、やりがいがある仕事といえます。

COOとして活躍するには、経営に関するスキルや担当するビジネスで求められるテクニカルスキル、ポータブルスキルなどのさまざまなスキルが必要です。これからCOOを目指そうと考えているのであれば、普段からスキルアップに励みましょう。

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