CAとはどんな仕事?平均年収や1日のスケジュール、必須スキルを紹介

CAへの転職にチャレンジする場合は、基本業務や仕事のやりがいについて知っておくのがおすすめです。転職後の働き方がイメージしやすくなるほか、転職活動に向けた準備もスムーズに進むでしょう。CAの仕事内容や必須スキル、転職のポイントを解説します。

CAとは

キャビンアテンダント

(出典) pixta.jp

CAを目指す人のために、まずはCAの基礎知識を紹介します。気になる平均年収もチェックしておきましょう。

快適な空の旅をサポートする職業

CA(キャビンアテンダント)は旅客機で乗客の世話をする職業です。機内の接客業務や保安管理業務に従事し、乗客の快適な空の旅をサポートします。

CAという言葉はCabin Attendantの略語です。客室乗務員やフライトアテンダントと呼ばれることもあります。

航空業界の花形職業として人気が高く、華やかなイメージがありますが、乗客の命を預かる重要な役割も担っています。緊急時にも落ち着いて対処しなければなりません。

接客のレベルが高く体力も必要となる半面、やりがいも大きい仕事です。乗客に直接感謝されたり、さまざまな土地に行けたりするメリットがあります。

CAの平均年収

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」の「航空機客室乗務員」を見ると、CAの平均年収の目安が分かります。2022年におけるCAの平均年収の目安はの「企業規模計(10人以上)」で次のように計算することが可能です。

35万6,100円×12カ月+22万3,700円=449万6,900円

※平均年収の計算式:きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、2021年の全労働者の平均年収は約443万円です。CAの平均年収は全労働者の平均とほぼ同じであることが分かります。

参考:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査(順次掲載予定) 一般労働者 職種(エクセル内) | 厚生労働省

参考:令和3年分 民間給与実態統計調査 P15 | 国税庁

CAの基本業務

接客するキャビンアテンダント

(出典) pixta.jp

CAの仕事内容は、機内の接客業務と保安管理業務に大きく分けられます。それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

機内の接客業務

CAが行うメインの仕事は機内サービス業務です。具体的には主に以下のような仕事を行います。

  • 食事や飲み物の提供
  • 免税品などの販売
  • 新聞・雑誌・ブランケット・イヤホンの配布・回収
  • 離着陸時や非常時の機内アナウンス
  • 小さな子どもの世話

そのほか、ごみの回収作業やトイレ掃除もCAの仕事です。乗客からのさまざまなリクエストにも、可能な限り柔軟に対応しなければなりません。

国際線の場合は入国書類の配布業務も必要です。生活様式や考え方が異なる海外の乗客に対しても、相応の対応が求められます。

これらの業務は全て、乗客が機内で快適に過ごせるようにするための仕事です。

保安管理業務

CAは機内の安全を守る保安管理業務も行っています。具体的な仕事内容は次の通りです。

  • 搭乗前の忘れ物や不審物のチェック
  • 荷物棚やトイレの動作確認
  • 飛行機のドアの開閉操作
  • 天候や運航状況についての機内放送
  • 非常時の対応説明
  • 離着陸前の安全確認
  • 天候悪化時の安全確保
  • 急病人が出た際の応急措置

接客業務以外に保安管理業務も徹底して行うことは、ほかの接客業と大きく異なる点だといえるでしょう。CAはあらゆる事態を想定した訓練を日ごろから行っています。

1日のモデルスケジュール

国内線を担当するCAの1日の流れを紹介します。

  • 6:00:起床
  • 7:20:出社・打ち合わせ
  • 7:40:搭乗・機内確認
  • 8:00:旅客搭乗
  • 8:20:出発・機内業務
  • 10:00:到着
  • 16:00:事務所で1日の振り返り
  • 17:00:宿泊先ホテル着
  • 22:00:就寝

国内線の場合は、搭乗から到着までの乗務を3~4回繰り返すこともあります。その日の最終到着地によっては、自宅に帰れるケースもあるでしょう。

搭乗中に昼食や夕食の時間になった場合は、機内で食事が提供されるのが一般的です。行先や搭乗数により、CAの生活は大きく異なります。

一般的な出勤日は1カ月当たり約20日、4勤2休のローテーションをベースにスケジュールが組まれます。

CAのやりがいや魅力

空港の外を見るキャビンアテンダント

(出典) pixta.jp

CAの仕事にはさまざまなやりがいや魅力があります。どのようなメリットがあるのかをチェックしましょう。

乗客に直接感謝される

CAは機内サービス業務を通して、乗客と直に接する機会が多くなります。質の高いサービスを提供し、面と向かって乗客に感謝されると、やりがいや達成感を得られやすいでしょう。

年齢・性別・国籍が異なる乗客と毎日のように出会える点もポイントです。数多くの乗客とさまざまな会話を交わす中で、大きな刺激を受けることも少なくありません。

一緒に仕事をするほかのCAも、基本的にはフライトごとに変わります。新鮮なメンバーと毎回仕事ができるため、飽きずに業務を続けられるでしょう。

さまざまな土地に行ける

国内線・国際線にかかわらず、CAは仕事でさまざまな土地に行けます。宿泊を伴う乗務の場合は、宿泊先で観光や食事を楽しむことも可能です。

一般的な旅行のように羽を伸ばすことはしにくいものの、フライト代をかけずにさまざまな場所へ行けることは、大きなメリットだといえるでしょう。

旅行好きの人なら、現地のおいしい料理や観光スポットで、旅行気分を満喫できます。フライトによっては、個人ではなかなか行けない場所を訪れることもあるでしょう。

なお、CAが個人的に旅行をする場合や家族が飛行機を利用する場合は、社員特典のチケットディスカウントを受けられます。旅行が好きな人にとっては見逃せないポイントです。

CAの大変なこと

接客するキャビンアテンダント

(出典) pixta.jp

CAにはメリットだけでなく大変なこともあります。転職を検討する場合は、リスクも考慮することが大切です。

接客のレベルが高い

CAは高レベルの接客を求められるため、さまざまなことを覚えなければなりません。入社直後は特に大変になりがちです。

CAになりたての時期には、サービスやマナーについての研修が行われます。しかし、研修で身に付けられるのは最低限必要なことであり、実務で使えるスキルは仕事を通して習得する必要があります。

マニュアル通りに動けることも大切ですが、状況に応じて臨機応変に対応できる能力も重要です。慣れるまでは接客のレベルの高さや奥深さを実感することになるでしょう。

体力が必要

CAには業務に耐えられるだけの体力も必要です。国際線の場合は長時間のフライトになるため、体力がなければ務まりません。国内線に乗務する場合も、1日数フライトをこなすことがあります。

CAはハイヒールで立ち仕事を行うため、足裏や足腰を痛めやすい点もデメリットです。万が一の事態になった場合は、全力で走ったり大声を出したりする必要もあります。

国際線に乗るCAの体調に大きな影響を与えやすいのが時差です。時差で体調を崩さないよう、フライトとフライトの間にしっかりと休むことが重要です。慣れない土地で緊張して眠れなくなったり、衛生環境が悪い土地でお腹を壊したりする恐れもあります。

CAに求められるスキル

空港にいるキャビンアテンダント

(出典) pixta.jp

CAには英語力と自己管理能力が求められます。いずれもCAとして活躍するための重要なスキルです。

英語力

CAは仕事で英語を使う機会が多い職業です。国際線だけでなく、国内線にも数多くの外国人が搭乗します。英語力はCAにとって必須のスキルです。

英語力の基準は航空会社により異なります。TOEIC600点がCAに求められる英語力の目安です。ほとんどの外資系航空会社では、面接も英語のみで行われます。

聞く力や話す力だけでなく、英語で会話をする際の表情や相づちの打ち方も意識しなければなりません。緊急時にしっかりと正確な英語を話せることも、CAにとって重要なポイントです。

自己管理能力

CAには自己管理能力も求められます。勤務形態や生活が不規則になりやすく、時間と体調の管理を自分でしっかりと行う必要があるためです。

CAの仕事は早朝・深夜の勤務になることがあるほか、出社・退社時間も毎日違います。出社場所が異なるケースもあるため、毎日のスケジュールをきちんとチェックしなければなりません。

宿泊先での体調管理も重要です。乗務中に体調を崩すようなことがあれば、最悪の場合フライトの遅延や欠航につながる恐れもあります。

CAへの転職を成功させるポイント

勉強する女性

(出典) pixta.jp

CAへの転職は狭き門であり、転職を成功させるためにはポイントを押さえておくことが大切です。入社後のキャリアアップの例も確認しておきましょう。

人間力と語学力を磨こう

航空会社がCAに求める最大のポイントは人間力の高さです。人間力とは、英語力・リーダーシップ・機転・想像力など、さまざまな要素を総合したものを指します。

CAへの転職を成功させるためには、企業が求める人物像を理解し、人間力を鍛えることが重要です。人間力と併せて、採用基準を満たすレベルにまで語学力も鍛えなければなりません。

民間のエアラインコースに通えば、CAに求められる知識やマナーを学べます。採用募集へのエントリーを行ってくれるスクールなら、実質的なサポートを受けることも可能です。

入社後のキャリアアップの例

CAとして航空会社に入社した後は、最初に訓練やOJTを行い、国内線乗務から始めるのが基本です。国内線の乗務に慣れてきたら、国際線に移行します。

さらに経験を積むと、国際線のビジネスクラスやファーストクラスを任されるようになります。この段階では、客室全体をまとめるチーフパーサーや、育成・指導を行うクオリティーリーダーへの道が開けるでしょう。

上位クラスの乗務にも慣れてきたら、地上業務や訓練インストラクター、CA全体をまとめる管理職も目指せます。キャリアプランは航空会社により異なるため、事前に調べておくのもおすすめです。

誰もが憧れるCAへの転職にチャレンジ

キャビンアテンダント

(出典) pixta.jp

CAとは乗客の快適な空の旅をサポートする仕事です。機内の接客業務や保安管理業務が、CAの主な仕事内容になります。

乗客に直接感謝されることや、さまざまな土地に行けることが、CAのやりがいや魅力です。人間力と英語力を磨き、誰もが憧れるCAへの転職に挑戦してみましょう。

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