MSとは。MRとの違いから仕事内容、なる方法まで解説します

MSは医薬品業界で活躍する職種です。MSへの転職を目指すなら、どのような仕事をしているのか、どうすればなれるのかを理解しておきましょう。MSの仕事内容やなり方、間違いやすいMRとの違いについて解説します。

MSとは

白衣の男性とスーツの男性

(出典) pixta.jp

MSという仕事が気になっている人のために、まずはMSの概要を解説します。MRとは何が違うのかも押さえておきましょう。

医薬品卸売会社の営業担当者のこと

MSは、Marketing Specialist(マーケティング・スペシャリスト)の略語です。製薬会社から仕入れた医薬品を、医療機関や調剤薬局に提供・販売する医薬品卸販売担当者を指します。

所属するのは、さまざまなメーカーの製品を扱う医薬品の卸売会社です。MSは医療機関や薬局を訪問し、効能・成分・使用目的を説明した上で、医薬品を販売します。

医薬品に関する正しい情報を医療従事者へ提供し、適正に使用してもらうことがMSの主な役割です。このためMSには多種多様な医薬品に関する豊富な知識が求められます。

間違いやすいMRとの違い

MSと意味を混同しやすい職種に、MRがあります。MRはMedical Representatives(メディカル・リプレゼンタティブ)の略称で、製薬会社の営業担当である医薬情報担当者を指す言葉です。

MSが複数企業の医薬品を扱うのに対し、MRは自社の医薬品のみを扱います。また、MSには医薬品の納入価格の決定権がありますが、MRは価格の交渉や決定にはかかわりません。

MRが自社の医薬品の特徴をMSに伝えたり、MSが現場の声をMRに伝えたりするなど、両者は協力関係にあることも覚えておきましょう。医療機関や薬局に、一緒に訪問することもあります。

MSの仕事内容

薬局で話すスーツの女性

(出典) pixta.jp

MSの仕事内容は、営業活動と情報収集・提供の2つに大きく分けられます。それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

医薬品を販売するための営業活動

MSの主な業務は、医薬品を販売するための営業活動です。取り扱う医薬品の種類は、医療用医薬品と一般用医薬品です。

医療用医薬品は、医師の処方箋に基づいて調剤する薬であり、ほとんどが卸売会社を経て医療機関や薬局に届けられます。医師からの処方箋が不要な一般用医薬品も、約半数が卸売会社を経由して流通しています。

MSは取り扱う医薬品の価格交渉も行わなければならないため、製造原価や利益に関する知識も必要です。

情報収集や情報提供

MSは営業活動を通して、医療機関や薬局に医薬品の情報を提供する役割も担っています。正しい情報を伝えるためには、製薬会社の営業担当者であるMRからの情報収集が不可欠です。

医薬品を販売した後は、医師や薬剤師から実際の効果や副作用についてヒアリングし、MRへフィードバックします。

仕入れ先の製薬会社と販売先の医療機関・薬局両方に対して、正確に情報を提供するためにも、MSには医療制度や疾患についての知識が必要です。情報収集や情報提供を繰り返すことで、自社にも医薬品に関する知見が蓄積されていきます。

MSになるには

勉強する医療関係者

(出典) pixta.jp

MSになるために、必要な資格やスキルはあるのでしょうか。なった後のキャリアパスも併せて見ていきましょう。

医療や薬学の知識が必要

MSになるための必須の資格はありませんが、医薬品を扱う職業である以上は、医学の知識が必要です。大学の薬学部や医療系の学部を卒業している人は、重宝されるでしょう。

医療分野以外の職種から転職を目指す場合は、日本ジェネリック医薬品販社協会が認定するMS認定資格を取得するのがおすすめです。医薬品の情報提供や、医療経営のコンサルティングに関するスキルが身に付きます。

可能な限り、製薬会社やMSに関するニュースもチェックしましょう。業界の最新情報を入手できるため、医療や薬学の知識を増やすことにもつながります。

参考:日本ジェネリック医薬品販社協会

MSに向いている人や必要なスキル

MSは営業活動において、自社が扱う医薬品のプレゼンテーションを行います。必要な情報を端的かつ的確に伝えられるプレゼンテーション能力がある人は、MSに向いているでしょう。

MSには、コミュニケーション能力も不可欠です。医療機関・薬局の担当者やMRなど、さまざまな人と交流があるため、どのような相手とも良好な関係を築けるスキルが求められます。

医薬品に関する技術は日々進歩しており、後れを取らないための向上心も必要です。人の命に関わるものを取り扱っていることも意識し、常に責任感を持って行動しましょう。

MSのキャリアパスも紹介

MSのキャリアパスとしては、現場での業務を極めていくスペシャリストを目指す道があります。医薬品販売のスペシャリストになれば、多方面から頼られる存在として活躍できるでしょう。

社内で昇進を重ね、マネージャーへの道を歩むのもおすすめです。複数の部下を持ち全体を管理する仕事ですから、マネジメント能力やリーダーシップが求められます。

それぞれに求められる資質や能力が異なるため、自分の適性を見極めた上で、どちらの道を進むのか決めるとよいでしょう。

医療業界に欠かせないMS

タブレットを操作する男性

(出典) pixta.jp

MSとは医薬品卸売会社で、営業活動や情報収集・情報提供などに携わる人のことです。医療や薬学に関する知識が豊富で、多種多様な医薬品を扱うMSは、医療業界に欠かせない職業といえます。

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