声優になるには?目指す方法や主な仕事内容、仕事別の収入相場を紹介

声優になる夢を捨てきれない人は、仕事内容や収入など現実的なことを知っておくのがおすすめです。なるためのポイントも理解し、できることから行動に移してみましょう。声優になるにはどうすればよいのかを詳しく解説します。

声優になるにはどうすればよい?

音声収録のイメージ

(出典) pixta.jp

声優になるまでの基本ルートは、専門学校や声優養成所を経てプロダクションに所属することです。この方法以外にもさまざまなルートで声優を目指せます。まずは、声優になるための主なルートを見ていきましょう。

専門学校に通う

声優の知識やスキルが全くない人は、声優の専門学校に通うのがおすすめです。未経験者でも声優の基礎をしっかりと学べます。

声優専門学校のスケジュールは、週5日の全日制となっているのが一般的です。全国各地におよそ30校の専門学校があり、国の認可を受けた学校法人が運営しています。

オーディション対策など、デビューまでのサポートが充実している点も魅力です。専門学校からはプロダクションを自由に選んでオーディションを受けられます。業界とのつながりが強い専門学校なら、卒業時にプロダクションから声がかかることもあります。

養成所に入所する

専門学校ルートと並ぶ声優への王道ルートが、養成所を経由するルートです。ほとんどの養成所はプロダクションの直属組織であり、入所するためにはオーディションを受ける必要があります。

養成所の一般的なレッスン時間は週2~3回です。専門学校に比べると短くなりますが、働きながら通えるメリットがあります。

養成所はレッスンのレベルが高いため、基礎から学びたい人には専門学校がおすすめです。養成所に入所した場合、基本的には養成所を運営するプロダクションのオーディションしか受けられません。

プロのレッスンを受ける

現役の声優や元声優の中には、個人で声優教室を運営している人がいます。声優教室を利用すれば、プロから直接指導を受けることが可能です。

基本的にはマンツーマン指導ですが、集団で授業を受けるタイプの教室もあります。生徒のレベルに合わせて指導してくれるため、初心者でも利用しやすいでしょう。

個人運営の声優教室のデメリットは、デビューのサポートをしてくれるわけではないことです。あくまでも声優としてのスキルアップを目的としたものであることに注意しましょう。

劇団に所属する

声優になるルートの1つに、劇団に所属する方法があります。劇団員として活躍し、声優のオファーを受けるのが基本的な流れです。

劇団に所属するメリットとして、演技力や表現力を磨けることが挙げられます。働きながら所属できることもメリットです。

劇団に所属するためには、劇団のオーディションに合格しなければなりません。養成所を運営している劇団の場合は、養成所でスキルを磨いてから入団することも可能です。

劇団に所属するルートは、声優になるための基本的なルートではありません。演技力や表現力を磨くために、専門学校や養成所に通いながら劇団に所属するのも1つの方法です。

プロダクションのオーディションを受ける

専門学校や養成所に通わず、いきなりプロダクションのオーディションを受ける方法もあります。合格すれば声優デビューへの道が一気に開けますが、初心者がこのルートでプロダクションに所属するのは難しいでしょう。

アニメ作品の一般公募オーディションに合格すれば、声優としてデビューすることが可能です。しかし、一般公募オーディションの参加者はほとんどが専門学校や養成所の学生であるため、この方法も初心者には向きません。

プロダクションや劇団に所属していれば、オーディションなしで仕事を受けられることもあります。初心者は専門学校や養成所からプロダクションへの所属を目指すルートがおすすめです。

声優の主な仕事内容

音声収録のイメージ

(出典) pixta.jp

声優の仕事といえば、アフレコや吹き替えをイメージする人も多いでしょう。しかし、これら以外にも声優の仕事にはさまざまな種類があります。

アニメ・ゲームのアフレコや洋画の吹き替え

声優の仕事で最もメジャーなのが、アニメやゲームのアフレコです。アニメのアフレコは昔からある声優の仕事ですが、最近はゲームにも声優を使うケースが増えています。

アニメのキャラクターは個性が強いため、声優にも個性を求められるのが一般的です。アニメ作品の人気が高まって当たり役を引けば、一気に売れっ子になることもあります。

洋画の吹き替えは、海外の映画やドラマを日本語に吹き替える仕事です。会話のテンポや口の動きが言語により異なるため、吹き替えの仕事は高度な技術を求められます。

テレビ・ラジオ・CMのナレーション

声優の仕事には、テレビ・ラジオ・CMのナレーションもあります。アナウンサーのナレーションとは異なる特徴を求められる仕事です。

ナレーションの仕事では、求められる役割やイメージをきちんと理解する必要があります。声だけで世界観を表現できるスキルも重要です。

最近はYouTubeや動画広告のナレーションの仕事も増えています。スポンサーが付いているテレビ番組やCMのナレーションの仕事は、声優の仕事の中でも出演料が高いといわれています。

司会・MC・アナウンス

イベントのMCや結婚式の司会も、声優に舞い込むことがある仕事です。司会やMCの仕事では、正しい言葉遣いや聞き取りやすい発声を意識しながら、スムーズな進行の管理や臨機応変な対応も求められます。

イベントのMCには、会場を盛り上げるスキルや出演者を引き立てるスキルも必要です。イベントを見据えて作品のキャラクターを任されることもあります。

各種音声アナウンスも、声優に声がかかりやすい仕事の1つです。商業施設・交通機関・駅構内・携帯電話などのアナウンスが該当します。アナウンスの仕事には、情報を分かりやすく伝える技術が必要です。

舞台役者・歌手

声優の中には、劇団や芸能事務所に所属し、舞台役者として活躍している人もいます。声優の仕事と並行して進められるため、舞台役者になれれば活躍の場が広がるでしょう。

舞台の経験は声優の仕事に役立つ点もポイントです。演技力や表現力は声優の仕事にも生かせるため、専門学校のカリキュラムに舞台を組み込んでいるケースもあります。

また、アニメの担当キャラクターの人気が高まると、声優自身が歌手として活動することも珍しくありません。タレント性が備わった声優は、アイドル声優として活躍できます。

声優になるまでにかかる費用と仕事の収入

電卓を手にしている女性

(出典) pixta.jp

声優を目指す際に気になりがちなのが、お金に関することです。専門学校・養成所にかかる費用の目安や、仕事別の収入の目安を紹介します。

専門学校や養成所の費用の目安

声優専門学校に通う場合、初年度の学費の目安は100~170万円です。2年制の専門学校が多く、初年度は入学金や教材費がかかるため、2年目の学費は初年度より少なくなります。

声優養成所にかかる費用は、入所金の目安が10~20万円、授業料は週1回の1年間で20~30万円です。週当たりのレッスン数が増えると、授業料も高くなります。

養成所は専門学校に比べ年間費用を抑えられますが、何年も通い続けて費用がかさむケースも少なくありません。費用面だけで考えれば、在学中にデビューできるチャンスがある専門学校に通うのが理想です。

仕事別の収入の相場

声優の収入は仕事の種類により変わります。代表的な仕事の収入の相場は次の通りです。

  • アニメのアフレコ:30分当たり1万5,000~4万5,000円
  • ゲームのアフレコ:1ワード当たり30~200円
  • ナレーション:1本当たり10~100万円
  • 洋画の吹き替え:1時間当たり5~15万円
  • ラジオ出演:1本当たり5,000~1万円

声優になりたての頃は仕事が少なく単価も低いため、どうしても収入が少なくなります。実力を付けて仕事の幅が広がれば、声優の仕事だけで生活できるようになるでしょう。

声優を目指す人におすすめの練習方法

読書のイメージ

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初心者でもできる代表的な発声の練習方法を紹介します。できることから取り組んでおくとよいでしょう。

腹式呼吸

腹式呼吸とはお腹の筋肉を収縮して呼吸をすることです。腹式呼吸ができるようになれば、高い声や伸びのある声が出やすくなるほか、声がマイクに乗りやすくなります。

腹式呼吸をしている間は、息を吸ったときにお腹が膨らみ、息を吐いたときにお腹がへこみます。練習する際は背筋を伸ばし、へその下あたりに意識を集中させて、お腹が動くようにゆっくりと呼吸を繰り返しましょう。

腹式呼吸は日常会話から意識することが大切です。普段の生活で腹式呼吸を意識しながら会話を行うようにすれば、本番でも腹式呼吸による発声をスムーズに行えます。

読書

声優を目指すなら、普段からさまざまな本を読むようにしましょう。声優は台本や原稿から登場人物の感情やストーリーの状況を読み取る必要があるためです。

どのようなジャンルの仕事を受けても対応できるよう、読書でも好きなジャンルの本ばかり読むのではなく、幅広いジャンルに挑戦するのがおすすめです。

1人の登場人物の感情を想像しながら本を読めば、気持ちのこもった演技にもつながりやすくなります。場面ごとの風景も想像することで、より効果的な練習になるでしょう。

声優になりたい人が抱きがちな疑問

声優のレコーディング

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声優を目指す上で疑問に感じがちなことをピックアップしました。声優への第一歩を踏み出す前に確認しておきましょう。

自分の声に特徴がないけど大丈夫?

アニメのキャラクターは特徴的な声を出すケースが多いため、声優になるためには声にも特徴がなければ不利だと思われがちです。

しかし、声に特徴がなくても声優にはなれます。そもそも地声がアニメ声の人はほとんどいません。特徴を出すために声で演技をしているのが一般的です。

普通の声しか出せない人も、普通の声のキャラクターを演じられます。また、自分では普通の声だと思っていても、他人が聞いたら何らかの特徴があるものです。声優を目指すにあたり、声の特徴を気にする必要はありません。

声優になれる確率はどのくらい?

声優として活躍できるのは、志望者のうちのごく一握りです。かなりの狭き門であることを意識する必要があります。

プロダクションのオーディションすら受からない可能性が高いでしょう。人気のプロダクションのオーディションでは、定員数名に対し1,000人を超える応募があることも珍しくありません。

ただし、インターネットの普及により、声優が活躍できるチャンスは確実に広がっています。声優を目指すなら、専門学校・養成所でしっかりと学ぶことや、声優になる夢を貫き通すことが大切です。

副業で声優にチャレンジしよう

在宅ナレーター

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プロの声優になれるのはごく一握りですが、声優の副業なら誰にでも取り組めるチャンスがあります。副業の声優はプロになるための経験を積みたい人にもおすすめです。

ネット声優や在宅ナレーターの需要がある

声優の副業とは、プロダクションに所属せず個人で声優の仕事をすることです。近年はオンラインでアフレコやナレーションの単発案件を探せます。

副業で声優をするメリットは、自分の都合に合わせて仕事を選べることです。副業の仕事を繰り返せばスキルアップにつながる上、案件を通じてプロへの道が開けるケースもあります。

オンラインで声優の副業に取り組む場合は、自分で機材を用意しなければなりません。ポートフォリオを充実させるために、ボイスサンプルの作成についても調べておく必要があります。

SNSを活用した自己アピールがおすすめ

声優の副業を始めたい場合、まずはクラウドソーシングやスキルシェアのサービスで案件を探しましょう。求人サイトでも声優を募集しているケースがあります。

副業で声優の仕事を成功させるためには、実績を積むことが大切です。SNSを使っている人なら、サンプル動画や過去の実績を載せておけば、自己アピールにつながります。

サンプル動画をYouTubeに投稿してアピールするのもおすすめです。自分の実績が不特定多数の人の目にとまる状況にしておけば、副業を通じてプロの声優になれるチャンスもあります。

情報を集めて声優への第一歩を踏み出そう

声優のイメージ

(出典) pixta.jp

専門学校や養成所を経てプロダクションに所属する流れが、声優になるまでの基本ルートです。劇団に所属したり、いきなりプロダクションのオーディションを受けたりする方法もあります。

費用・収入や仕事内容、声優になれる確率など、現実的なことを理解しておくのも大切です。必要な情報を収集し、まずは声優への第一歩を踏み出してみましょう。

声優の副業にチャレンジしてみたい場合は、スタンバイで仕事を探すのもおすすめです。タイミングが合えば、声優を募集している求人が見つかるでしょう。

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