農家になるには。向いている人の特徴や農業を学ぶ方法を紹介

農家とは、野菜や果樹、コメなどを栽培・収穫・出荷して収入を得ている人です。農家になりたい場合は、個人で就農する・雇用就農する・兼業で働くといった選択肢があります。農家になる方法や仕事内容、向いている人の特徴、農業を学ぶ方法を確認しましょう。

農家になるには?

農業

(出典) pixta.jp

農家になる方法として、個人で開業する・法人に就職するといった方法が挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

個人事業主として開業する

個人事業主として農業に取り組むことは「独立就農」と呼ばれます。経営主体は自分自身となるため、独立性の高い農業経営が可能です。栽培方法・経営方針・年間生産量まで、全て自由裁量となります。

注意点は、農業や経営のノウハウがないと、続けていくのが難しい点です。農業で利益を上げるには、一定レベル以上の生産技術や農業に対する知識が必須といえます。経営戦略も自分で考える必要があり、安定的な収入を得るには時間がかかる傾向です。

また独立就農では、潤沢な独立資金も必要といえます。農地から購入するなら農地代や各種設備代・農作物の種苗代、さらには農業が軌道に乗るまでの生活資金を準備しなければなりません。

資金に余裕がない場合は、各自治体の補助金を利用したり借地で開業したりする方法を検討しましょう。

農業法人に就職する

農業法人に就職することは「雇用就農」と呼ばれます。働く際は雇用契約を結ぶため、労働形態は一般的な給与所得者と同じです。

農業では、自然が相手となる仕事のため、労働時間・休憩時間・休日等について、労働基準法の規定が適用除外となります。除外とはなりますが、適切な労働時間、休憩時間を設定している法人が大半です。

雇用就農のメリットは、道具や設備が整った環境で農業に勤しめる点です。熟練の就農者が身近にいる場合も多く、農業のノウハウを学びながら働けます。

農業スキルが十分に身に付いた状態で独立すれば、農業経営の難易度も下がるでしょう。農業初心者は、まず雇用就農からキャリアを始める人が多いようです。

兼業農家という方法も

兼業農家とは、農業以外の仕事からも収入を得ている農家を指します。ほかの収入源が確保されているため、農業の不振が生活に直結しないのがメリットです。

政府が副業や兼業を後推ししていることもあり、別の仕事をしながら農業を営む人も増えています。市民農園やシェア畑などの農地を提供するサービスもあり、兼業農家のハードルは高くありません。

兼業農家で成功するポイントは、農作物のサイクルに合わせ、適切に管理を行うことです。忙しくても農業に十分な時間や手間をかけられる人でなければ、兼業農家として成功するのは難しいでしょう。

農家の仕事内容

田植え

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農家の仕事は、土作りや草抜き・肥料やりから、収穫・出荷までと多岐にわたります。農家の仕事内容を詳しく見ていきましょう。

土作りや種植え、日々の世話

農作物を作るためには、土作りが必須です。まずは土を耕し、種苗を植えるのに適した状態にします。作物に合わせた土を作ることで、作物の生産性を向上させることが可能です。

土作りが終わったら、種をまいたり苗を植えたりします。畑の面積が広い場合は、機械の導入も検討しましょう。適宜雑草を抜いたり水・肥料を与えたりし、作物が育ちやすい環境を維持しなければなりません。

また台風や大雪・大雨・少雨などが予想される場合には、事前の対策が必要です。気象予報には常に目を光らせ、必要な処置を行います。

収穫・出荷

収穫時期になったら、作物の状態を見極めながら収穫します。作物ごとに最もよい状態を見極め、収穫のタイミングを逃さないことが重要です。

収穫した作物は商品として販売できるよう、きれいに洗ったり、粗悪品を取り除いたりしなければなりません。大きさや重さが価格に影響する場合は、サイズをそろえることも必要です。

農作物の出荷先は、JAや青果市場・道の駅などが挙げられます。営業ルートの開拓がうまくいっている農家なら、レストランや店舗に納品したり、消費者に直接販売したりするケースもあります。

その他の作業

農業で利益を上げるためには、市場のトレンドを把握したり生産性を高めたりすることが必要です。また減農薬・無農薬などに挑戦する場合は、栽培方法も工夫しなければなりません。日々の農作業にいそしみつつ情報にアンテナを張り、知識を深めます。

このほかに、経営者なら売り上げアップのための経営努力が必須です。収穫した農作物をより多くの顧客に届けられるよう、販路を広げるための営業活動や、農作物のブランディング強化にも取り組みたいところです。

農家に向いている人の特徴

農家の女性

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農家は肉体的・精神的な負荷が大きく、向き不向きがあるとされます。農家に向いている人の特徴を見ていきましょう。

自然や植物が好き

農家に向いているのは、自然や植物が好きな人です。

農家になれば、基本的には屋外で働くこととなります。繁忙期には、早朝から夕方まで畑仕事に従事する場合もあるでしょう。屋内にこもっていたいインドア派は、ストレスを感じるかもしれません。

また植物が好きな人なら、作物が育っていく様子そのものが農作業のモチベーションとなります。作物を育てるには、雑草を抜いたり水をやったりといった作業が必須です。ときには害虫駆除なども必要となり、楽しいことばかりではありません。

植物が好きでない人はモチベーションの維持が難しく、農業の継続が困難になるでしょう。

地道な作業が苦にならない

農家には、忍耐強さも必要です。状態のよい農作物を作るには、土のコンディションを見ることや、適切な水やりが必須です。季節や天候に関係なくまめに畑に足を運び、農作物の世話をしなければなりません。

また「大きく稼ぎたいから農業をやる」という人は、農家には不向きです。一生懸命世話をしても、収穫物の質や量に満足できない場合もあります。収入が安定するには時間がかかる傾向があり、収入だけをモチベーションにするのは危険です。

「コツコツ働いて、少しずつ利益を上げる」という堅実な経営ビジョンを持つ人の方が、挫折のリスクは少ないでしょう。

農業を学ぶ方法

農業を学ぶ方法には、学校に行く・体験や研修に参加するといった方法があります。農業を学ぶ方法や、あると有利な資格を紹介します。

学校に通う

農家になって商品となる農作物を作るためには、農業に関する専門的な知識を網羅的・体系的に学ぶことが必要です。学習効率を考えるなら、大学や専門学校で学ぶのが手っ取り早いでしょう。

農家に必要な知識は幅広いですが、農業概論や農業生産学は必要です。独立就農の予定なら、経営に関わる農業簿記や農業経営学も学んでおいて損はありません。

安価な学費で効率的に農業を学びたい人は、各都道府県に設置されている農業大学校がおすすめです。週末のみ・夜間のみのコースを設定している場合もあり、社会人が働きながら学びやすいシステムが整っています。

農業体験や研修に参加する

多くの自治体やJAが、農業研修を開催しています。必要な知識を実地で学びたい人・就農したい地域が決まっている人は、参加してみましょう。

研修の内容は地域によって異なりますが、多くの研修が基礎研修と実践研修で構成されています。研修に参加した人は、基礎研修で農業に関する基本的な知識やスキルを、実践研修で農作業の実務や実践的な技術を習得できます。

研修に参加するメリットは、先輩農家や地域の人とつながりができる点です。農業に関する人的ネットワークを広げることで、独立就農のハードルも下がります。

農業に役立つ資格も紹介

農家になる上で必要な資格や学歴はありません。とはいえ農業の生産性を向上させる上で、持っておいた方がよい資格もあります。例えばトラックで農具や収穫物を運搬するなら、普通自動車運転免許は必須です。

また農業法人への就職を考えている場合は、資格が有利に働くケースが少なくありません。農薬を扱う仕事なら「毒物劇物取扱責任者」、重油などを扱うなら「危険物取扱者(乙種第4種)」を持つ人は重宝されます。

このほかに、近年注目が集まっているスマート農業を目指すなら、ドローンの操縦技術を学んでおくのもおすすめです。

農家への転身にチャレンジしてみよう

農家の男女

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農家になる場合、個人で就農する・雇用就農する・兼業で働くといった選択肢があります。

農業についての知識や経験が不足している場合、いきなり開業してもトラブル続きとなるかもしれません。農業法人で経験やコネクションを作り、資金や知識を蓄えてから独立を検討しましょう。

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