警察官の志望動機の作り方は?ポイントや例文、面接時の注意点を紹介

警察官の採用面接において、志望動機は重視される項目です。子どもの頃から「警察官になりたい」と思っている人も、理由をしっかり説明できなければなりません。警察官の志望動機を作るポイントを、例文とともに確認しましょう。

警察官の志望動機の作り方は?

交番

(出典) pixta.jp

面接官に好印象を与える志望動機を作るには、作り方のポイントを知っておくことが大切です。警察官の場合、志望動機はどのように作ればよいのか、具体的に見ていきましょう。

警察官になりたい理由を明確に伝える

警察官になりたい理由を伝えるには、「警察官に救われたことがある」など、目指すきっかけとなった経験をエピソードとして盛り込むのが効果的です。「地域や人の役に立ちたいから」という理由を選ぶ人もいるでしょう。

しかし、人の役に立つ仕事は警察官だけではありません。そのため、警察官でなければならない理由を伝える必要があります。

「犯罪を減らしたい」「市民の安全を守りたい」などのように、警察官ならではの仕事を挙げて具体的に伝えるとよいでしょう。

アピールポイントを入れる

警察官の仕事に役立つスキルを、アピールポイントとして盛り込むのもよい方法です。特に柔道・剣道など武道の経験があれば、積極的にアピールしましょう。

警察官になりたての頃は、24時間交代の交番勤務もあるため、体力に自信があるというのもアピールポイントになり得ます。

ただし、武道の経験や体力があるからという理由だけでは、警察官の志望動機としては説得力がありません。「そのスキルを警察官の仕事にどう生かしたいのか」という点まで伝えることが必要です。

その自治体を希望する理由を明確にする

地元以外の地域で警察官の採用試験を受ける場合、その自治体を選んだ理由も明確にしなければなりません。警察官は地方公務員なので、自治体ごとの警察署の採用試験を受けることになります。

自分の地元以外でも、試験に受かればその自治体の警察官になることは可能です。ただし、なぜその地域を希望するのかという理由を、答えられるようにしておく必要があります。

「過去に住んでいたことがある」「祖父母の家があるのでよく訪れる」など、理由があればエピソードとして盛り込みましょう。地元の警察官に応募する場合は、地元に貢献したい気持ちを具体的に伝えると、好印象を与えやすくなります。

警察官としてどんな仕事をしたいのか伝える

警察官としてどのような仕事をしたいのか、自分が実現したい将来像も伝えるとよいでしょう。将来像を伝えると、警察官への熱意・やる気のアピールにもつながります。

「白バイ隊に入り交通違反を減らしたい」「刑事になって犯人検挙に尽力したい」など、希望する部署や抱負を述べることによって、より具体的な志望動機になるでしょう。

自分が理想とする警察官像を伝えるだけでなく、理想像へ近づくために努力する方法などもアピールするのがポイントです。壮大な理想を語る必要はありません。警察官としてどのように貢献したいかを、自分の言葉で伝えることが大切です。

警察官の志望動機を作る上での注意点

警察官の後姿

(出典) pixta.jp

志望動機の内容によっては、面接官にマイナスな印象を与えてしまう可能性もあります。警察官の志望動機において、注意すべき点についても知っておきましょう。

「憧れている」だけではNG

「子どもの頃から警察官に憧れていた」という人もいるでしょう。警察官への憧れを志望動機にすること自体は、不適切ではありません。しかし、憧れだけで終わってしまうのは、志望動機としては不十分です。

警察官は体力的・精神的に大変な仕事なので、憧れだけでは「長く務まらないのではないか」と思われてしまう可能性もあります。

仕事内容をしっかり理解した上で、自分はどのように貢献できるかなど、警察官になった後の抱負を具体的に伝えることが大切です。

公務員としての安定面を理由にしない

「公務員で収入が安定しているから」という理由も、避けた方が無難です。確かに警察官は地方公務員であるため、民間企業に比べて収入・福利厚生などの面で安定はしています。

警察官の仕事はなくなることがないので、本人が不祥事を起こさない限り、リストラ・倒産などの心配もありません。

しかし、安定面を理由にすると、自分の生活のことだけを考えていると思われてしまい、警察官にはふさわしくない人物と評価される可能性があります。「公務員として地域に貢献したい」という気持ちを伝えることが大切です。

警察官の志望動機の例文

履歴書に書く

(出典) pixta.jp

志望動機をどう伝えてよいか分からない場合は、例文を参考にするのもおすすめです。警察官の志望動機の例文を、4つのパターンに分けて紹介します。

実体験に基づいた内容にする場合

警察官になりたいと思ったきっかけとなる出来事を具体的に伝えると、説得力のある志望動機になります。

以前市民マラソンに参加した際、転倒してケガをしてしまい、すぐに立ち上がれないことがありました。すると、近くを警備していた警察官が迅速に駆け寄ってくださり、救護班に引き継いでくれたのです。

そのとき初めて、警察官は頼りになる存在なのだと実感しました。その出来事がきっかけで、自分も地域の人々が困っていたりトラブルに巻き込まれたりしたときに、助けられる警察官を目指そうと考えるようになりました。

地域に貢献したい場合

地元の警察官への志望動機は、地域に貢献したいことを理由にすると好印象を与えられます。

私は生まれてから今まで、この地元で育ってきました。最近は新しいマンション・住宅も増えているので、昔から住んでいる高齢の方だけでなく、他の地域から引っ越してきた若い世代や家族も数多くいます。

この地域に住む誰もが安心して暮らせるよう、地元の安全を守りたいと考えたことが、警察官を志望した理由です。犯罪を未然に防いで、街の治安維持に貢献したいと思います。

警察官の仕事への抱負を伝える場合

警察官としてどのような仕事をしたいかという意欲を、しっかり伝えることがポイントです。

警察官になったら、白バイ隊として危険な運転・交通違反などを取り締まり、交通事故を減らすことに貢献したいと考えて志望しました。

最近では、あおり運転など大事故につながりかねない行為もよく見かけます。また、スピード違反によって周りの人を事故に巻き込む可能性も少なくありません。

交通違反を犯した人を厳しく取り締まるだけでなく、白バイでパトロールすることによって、危険運転・交通事故を防ぎたいとも考えています。

女性警察官を志望する場合

女性警察官の志望動機には、女性ならではの視点から社会の安全を守りたいという気持ちを、アピールするのもよいでしょう。

ストーカー・DVに関連するニュースを見るたびに、弱い立場にいる女性・子どもを守りたいという気持ちを強く持つようになりました。

卑劣な犯罪を減らすという強い意志を持って働くのはもちろん、困っている人たちの気持ちに寄り添い、安心して相談してもらえるような警察官になりたいと考えています。

私は子どもの頃から合気道を続けているので、犯人検挙の際に生かしたいと思っております。

警察官採用試験の第2次試験の主な内容

面接の様子

(出典) pixta.jp

警察官の採用試験は、教養試験・論文などの筆記試験で構成される「第1次試験」に合格した後、「第2次試験」に進むのが基本的な流れです。

第2次試験の内容は自治体によって異なりますが、面接試験と体力検査は必ず実施される項目に挙げられます。警視庁の採用試験を例にしながら、第2次試験の内容について詳しく見ていきましょう。

参考:採用案内(警察官) | 採用情報 | 令和5年度警視庁採用サイト

面接試験

面接試験は、個別面接の形式を取るケースがほとんどですが、自治体によっては集団面接・集団討論という場合もあります。警察官の面接試験では、事前に提出した面接カードをもとに質問を受けていくのが一般的です。

面接カードを作成・提出するタイミングは自治体によって異なりますが、どのような答えを書いたかをしっかり覚えておくことが大切です。

その場で思い付いた内容を書いてしまうと、面接で質問された際の回答と矛盾が生じる恐れがあります。面接官から深く切り込んだ質問をされて答えられなかった場合、マイナスな印象を与えてしまうので注意が必要です。

体力検査

第2次試験では、基本的な体力があるかを確認するために、体力検査も実施されます。体力検査の項目は自治体によって異なりますが、腕立て伏せ・腹筋・バーピーテスト・反復横跳びなどの検査を行うのが一般的です。

合格の基準も自治体ごとに決められており、男性と女性でも合格の基準は違います。体力検査といっても、アスリートのような優れた身体能力を求められるわけではありません。

しかし、腕立て伏せが1回もできないなどという結果にならないよう、ある程度の筋力を付けておく必要はあります。体力検査の項目や合格基準を公表している自治体もあるので、受験前にチェックしておくとよいでしょう。

警察官の面接試験を受けるポイント

ノートに書き込む

(出典) pixta.jp

第2次試験では、面接試験への対策をしっかり立てておくことが大切です。面接で失敗しないためのポイントを2つ紹介します。

質問の意図を把握する

面接では、仕事への意欲や本気度が確認されるのはもちろん、それ以外の何気ない質問の答えからも、警察官としての適性をチェックされます。

例えば、面接会場までどのように来たか聞かれた場合は、状況を分かりやすく説明できるスキルがあるかチェックされている可能性もあります。また、答えに困るような質問をされたときには、とっさの判断力があるか見られているかもしれません。

警察官としてふさわしい人物かを見極めるために、自己啓発や趣味について質問されるケースもあります。適切に回答するためにも、面接官が何を知りたいのか把握することが重要です。

よくある質問の答えを準備しておく

志望動機以外にも、警察官の面接でよく聞かれる質問に対して、自分なりの回答を準備しておきましょう。警察官の面接でよくある質問として、以下のようなものが挙げられます。

  • 自分の長所・短所は何だと思うか:しっかり自己分析して答えられるようにしておくことが大切。短所を述べる際は、克服するために努力しているなど、ポジティブな発言も添える
  • 今気になっているニュースは何か:自分に身近な問題や志望動機に関連するニュースが望ましい。ゴシップ記事などは避ける
  • 今回落ちたらどうするか:他の職種と併願していても、「落ちたらそちらに行く」と答えるのは避ける。「次回の採用試験で合格できるよう努力する」などと回答しておくのがベター
  • 警察官の不祥事についてどう考えるか:基本的に「あってはならないこと」という考えで意見を述べる。倫理感が問われていることを忘れないようにし、防止策などについても考えておくとよい

警察官の志望動機は熱意を具体的に伝えよう

交番

(出典) pixta.jp

警察官は市民の安全を守るために、ときには身の危険を顧みず犯罪者と向き合わなければならない仕事です。そのため、地域の安全を守りたい、犯罪を減らしたいといった仕事への熱意を伝えることが大切です。

熱意・やる気を伝えるためには、ただ「頑張りたい」というだけでなく、どのような警察官を目指しているのか具体的に述べる必要があります。具体的なイメージがつかめない人は、警察官の仕事内容について調べておくとよいでしょう。