日本語教師に向いている人の特徴は?求められるスキルや資格を紹介

日本語教師は、日本語を母国語としない外国人に、日本語の読み書き・会話を教える仕事です。日本語教師に向いている人の特徴や、必要な資格について解説します。日本語教師を目指している人は、向いている人の特徴に当てはまるか確認しましょう。

日本語教師に向いている人の特徴は?

日本語学校

(出典) pixta.jp

日本語教師は、どのような人に向いているのでしょうか?向いている人の特徴を3つ紹介します。

日本の文化や言語が好きな人

日本語教師に向いているのは、日本の文化や言語など、全てに対して深い愛着を持っている人です。日本語を教えるためには、日本語の特性や成り立ちについて詳しく知っていなければなりません。

言語だけでなく、文化にも精通している必要があります。日本の文化や言語が好きな人なら、さまざまな知識を身に付けて日本語教師になるまでの過程を楽しいと思えるでしょう。

何よりも、自分が好きな日本語を人に教えることで、仕事に対するモチベーションも高まります。

適応力がある人

日本語教師には、異なる価値観・考え方を受け入れる適応力が必要です。文化の異なる人とコミュニケーションを取るためには、適応力が欠かせません。

例えば、時間の感覚も国によって異なるため、遅刻・無断欠席に対して抵抗感のない人もいます。そのような人に対しても、価値観の違いは認めつつ、時間を守ることの大切さを教えることは必要です。

また、海外で働く場合には、現地の文化に適応する力も求められます。留学や海外での生活経験がある人は、文化の違いを受け入れやすく、日本語教師にも向いているといえるでしょう。

やりがいのある仕事に就きたい人

日本語教師は、仕事に対してやりがいを重視したい人に向いています。留学生・技能実習生・外国人労働者などに日本語を教える仕事は、社会的にも意義が大きく、やりがいを感じられる場面が多々あります。

日本語を母国語として不自由なく使えていたとしても、日本語が分からない人に一から教えるのは、非常に難しい仕事です。

一度説明しただけではなかなか理解してもらえなかったり、何度教えても覚えてもらえなかったりする場合も少なくありません。根気がいる仕事ですが、生徒の成長を直接感じられるなど、得られるやりがいも大きなものになるでしょう。

日本語教師に求められるスキルは?

英語を勉強する机

(出典) pixta.jp

日本語教師には、日本語教師の資格だけでなく、日本語の指導力や英語力も求められます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

日本語教師の資格

2023年時点において、日本語教師になるには以下の4つの方法があります。

  • 4年制大学を卒業し、文化庁への届け出が受理された日本語教師養成研修実施機関において420単位時間以上の日本語教育に必要な研修を受講する
  • 公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する「日本語教育能力検定試験」に合格する
  • 4年制大学または大学院で日本語教育に関する教育課程を修了する
  • 4年制大学または大学院で日本語教育に関する科目を26単位以上修得して卒業する

現在は、これらのいずれかの条件を満たしていれば、日本語教師として指導に携わることは可能です。

しかし、留学生の受け入れ人数の拡大に伴い、日本語学校の数が増加し、教育内容の質にばらつきが生じ始めました。そのため、教育の質を保つための方策として、2024年4月から日本語教師は国家資格となることが決まっています。

参考:JEES 日本語教育能力検定試験ホーム
  :日本語教育機関の告示基準|文部科学省
  :日本語教育機関の告示基準第1条第1項第13号に定める教員の要件にかかる日本語教師養成課程及び研修について | 文化庁
  :『日本語学校教師に国家資格 新法成立、2024年4月施行』 | 国際日本語研修協会

日本語指導力

日本語を母国語としない人に、読み・書き・会話を教える日本語教師にとって、日本語の指導力は必須です。日本語を不自由なく話せたとしても、日本語が分からない人に意味・使い方を体系的に教えるには、専門知識や指導方法を習得する必要があります。

日本語教師の採用試験でも模擬授業を課されるケースが多く、指導力が重視される傾向にあるといってよいでしょう。また、日本の大学に進学したい人には、受験も視野に入れて指導するなど、生徒の状況に合わせて指導方法を工夫する必要もあります。

英語力

国内で日本語を教える場合は、日本語だけを使用するため、英語力がなくても問題はありません。ただし、海外で働くのであれば、日常会話レベルの英語力を身に付けている方が望ましいでしょう。

アジア圏の場合、英語力は必須ではありませんが、欧米圏で日本語教師として働くには英語力が不可欠です。履歴書が正しい英文で書かれていないと、不採用になる可能性もあるでしょう。

また、英語圏以外の国で働く場合は、現地の母国語を習得する必要もあります。海外で日本語教師として働く場合、たとえ日本語教育の経験がなくても、英語力があれば仕事に就けるチャンスはあるともいえるでしょう。

日本語教師が活躍する主な場所は?

塾講師

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日本語教師が日本語を教える場所は、主に国内にある民間の日本語学校・教育機関・海外の日本語学校の3種類です。それぞれどのような特徴があるのか、個別に説明します。

民間の日本語学校

日本語教師の主な働き先は、国内の日本語学校です。日本語学校の教師の雇用形態には常勤と非常勤の2種類がありますが、常勤講師の枠は少なく、ほとんどの人が非常勤講師として働いています。

常勤講師は生活指導や進路・就職指導なども担当し、非常勤講師は主に授業だけを受け持つのが一般的です。非常勤講師は比較的自由に働けるため、時間に制限がある人でも働きやすいというメリットがあります。

一部の学校では、非常勤講師にクラス担任を任せる場合もありますが、基本的には決められた授業のみを担当します。国内の日本語学校では、さまざまな国籍の生徒を指導するため、国ごとの文化・宗教などへの配慮も必要です。

教育機関

国内の教育機関で、日本語を母国語としない児童・生徒に教えるケースもあります。ただし、国内の小・中・高校では、日本語の専任教師の採用は少ないのが現状です。日本語教師として勤務しながら通常の教科も教えるため、教員免許が必要となります。

大学・大学院で働く場合は、大学・大学院で日本語教育を専攻し、さらに一定期間日本語教師として働いた実績も必要です。

また、国内のインターナショナルスクールで教えるケースもあります。インターナショナルスクールで教える場合は、日本語教師としての資格に加えて、英語圏での教員免許も必要です。また、ネイティブに近いレベルの英語力も求められます。

海外の日本語学校

海外の日本語学校で働くための、特別な資格はありません。日本語が話せれば、個人レッスンでの指導やアルバイトとしての就労も可能です。

とはいえ、海外の日本語学校・教育機関で働くケースでは、日本語の教育能力を客観的に示すことが求められます。そのため、国内の日本語学校で働く場合と同様に、日本語教師の資格を取得していることが必要です。

また、海外の日本語学校では日本語教師として指導するだけでなく、現地の日本語教師のアシスタントとして働くケースもあります。なお、海外で働く場合、その国の就労ビザの取得が必須です。

日本語教師になる方法は?

講義を受ける大学生

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日本語教師になる方法は、最終学歴によって異なります。高卒と大卒・院卒の2つのバターンに分けて、詳しく見ていきましょう。

なお前述の通り、2024年4月から日本語教師は国家資格となり、資格の取得方法などが変更になるので注意が必要です。

高卒の場合

高卒の場合は、日本語教育能力検定試験に合格することが必須です。検定試験に合格すれば日本語教師として働けますが、文化庁が認定した420単位時間の日本語教師養成講座も修了しておくと、採用に有利となる可能性もあります。

日本語教師の求人には、高卒でも応募可能なものはありますが、大卒以上を条件としているケースも少なくありません。また、大学・大学院で教えたい場合は、修士課程以上を修了していることが必要です。

大卒が必須条件となる場所で働きたい場合は、大学に入学して日本語教育を専攻もしくは副専攻する方法もあります。

大卒・院卒の場合

大卒・院卒の場合は、日本語教育を専攻しているか否かで方法が異なります。

  • 日本語教育を専攻している場合:大学・大学院を卒業すれば、日本語教師として働くことが可能。さらに、日本語教育能力検定試験に合格するか、420単位時間の日本語教師養成講座を修了していれば有利になる
  • 日本語教育を専攻していない場合:日本語教育能力検定試験に合格、または420単位時間の日本語教師養成講座を修了のどちらかが必須。両方あれば有利になる

日本語教師に向いていたらチャレンジしよう

日本語学校

(出典) pixta.jp

日本語教師の仕事は、日本語や日本の文化が好きで、多くの人に知ってもらいたいという思いを持っている人に向いています。言語を教えるのは、時間を要する大変な仕事です。

しかし、自分が教えた生徒が少しずつ日本語を習得し、成長していく様子を見られるなど、大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。日本語教師に向いていると感じたら、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

既に資格を取得している人は、求人検索エンジン「スタンバイ」を活用して、日本語教師の募集を検索してみましょう。

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