接客に必要なスキルとは?スキルアップの方法やおすすめの資格も紹介

これから接客業を目指す人は、必要なスキルについて知っておくことが大切です。接客業に求められるスキルや、取得しておくと有利になる資格について説明します。スキルアップの方法や、生かせる仕事についても確認しましょう。

接客業に求められる5つのスキル

接客をする女性

(出典) pixta.jp

接客業は、特別な技術を必要としないため、未経験者でも働きやすい職種とされています。しかし顧客と直接関わる仕事なので、実際にはコミュニケーション能力などさまざまなスキルが必要です。接客業に求められる主なスキルを5つ紹介します。

コミュニケーション能力

接客業において、コミュニケーション能力は欠かせません。接客業では、顧客との会話を通じて、相手のニーズ・課題を把握することが必要です。

年齢・性別にかかわらず、幅広い層の顧客にも対応しなければなりません。顧客から信頼され、対応に満足してもらうために、コミュニケーション能力は不可欠なスキルです。

人と話すことに苦手意識を持たず、誰とでも会話できる人は、接客業に向いているといえるでしょう。また、一緒に働くスタッフと円滑に仕事を進めていくためにも、コミュニケーション能力が求められます。

相手の要望を聞き出す力

相手の要望を聞き出すヒアリング力も求められます。接客業で顧客のニーズを満たすためには、まず相手が何を求めているのかを聞き出さなければなりません。顧客に対してより適切な提案をするためにも、ニーズ・課題を把握することが重要です。

顧客によっては、自分が求めているものをうまく説明できない人や、そもそも何を求めているかはっきり分かっていない人もいます。そのような顧客に対しても丁寧に質問し、求めているものを引き出せる力が必要です。

相手を観察する力

接客業には、顧客の表情や話し方から「どのようなサービスを求めているのか」「来店した目的は何か」といった点を読み取る、観察力も求められます。

ニーズを聞き出そうと質問しても、口数が少なく、思っていることを言葉に出さない顧客も珍しくありません。

言葉だけでなく、声の様子・口調などから相手の本当の要望を理解できれば、求めていないサービスを提供して、逆効果になる事態も防げます。最初から完璧に読み取るのは難しくても、経験を積むにつれて徐々に身に付いていくでしょう。

じっくり話を聞く力

相手の話にしっかり耳を傾けられる、傾聴力も必要です。話をじっくり聞くことで、相手が何を求めているか見えてくる場合もあります。ただし、接客業で求められる聞く力とは、ただ相手の話を聞くだけではありません。

うなずいたり相づちを打ったりしながら、相手への共感を示すことが必要です。話を聞きながら、困っていること・必要なものを引き出せれば、よりよいサービスを提供できるでしょう。また、顧客が安心して話せる雰囲気を作ることも大切です。

相手に合わせて提案する力

相手の話を聞き、ニーズを正しく把握したら、顧客が求めているものを提案できる力が求められます。要望に合った商品・サービスを提案できれば、顧客満足度が向上し、リピーターになってもらえる可能性もあるでしょう。

さまざまな顧客の要望に合わせて提案できる力を高めるには、自社の商品・サービスについて理解を深めておく必要があります。

また、例えば飲食業で子ども連れの客に、スプーン・フォークを用意するといったサービスも、提案力の1つです。提案力というと特別なスキルのようなイメージがありますが、さりげない配慮をするだけでも、顧客の満足度を上げる提案につながります。

接客スキルをアップさせる方法は?

説明をする女性

(出典) pixta.jp

接客に関する知識・ノウハウは、経験を重ねるほど身に付くものです。しかし、なかなかスキルアップできない人もいるかもしれません。接客スキルを向上させるためのポイントを、3つ紹介します。

接客力の高い人のまねをする

先輩・上司など接客力の高い人の様子を見て、まねをするのがおすすめです。適切な言葉遣いや声かけのタイミングが分からない人も、接客が上手な人のまねを繰り返すことで、少しずつ対応の仕方が分かってくるでしょう。

基本的な知識が身に付いたら、徐々に自分なりのスタイルを作っていくと、さらにスキルアップできます。

また、接客スキルを客の立場で観察するのもよい方法です。客として訪れた店の接客で参考になるものがあれば、積極的に試してみるのもよいでしょう。

相手の立場で考える習慣を付ける

相手の立場になって考える習慣を付けましょう。接客の目的は、顧客に満足してもらうことです。たとえ完璧なサービスを提供できたと思っていても、顧客が満足できなければよい接客とはいえません。

顧客が満足できる接客をするには、「もし自分が客だったら」と常に客目線を意識して考える必要があります。自分がされて嫌なことはしないという、基本的なマナーを守るのも大切です。

相手の立場で考える習慣を付けるためには、接客の場面に限らず、日頃から相手がどう思うか考えながら接するとよいでしょう。

資格を取得する

接客スキルをアップするには、資格を取得するのもおすすめです。接客業に就くために、特別な資格は必要ありません。しかし資格を取得することで、接客に必要なノウハウ・スキルを、知識として体系的に学べます。

正しい接客方法・マナーが身に付くことで、今まで以上に自信を持って顧客に対応できるでしょう。自分の接客スキルを客観的に示せるため、仕事の評価アップにつながったり、転職で有利になったりする可能性もあります。

接客に関する資格にはさまざまな種類があるので、自分の職種に生かせるかどうかを見極めた上で、取得に挑戦してみましょう。

接客スキルをアピールできる資格

接客をする女性社員

(出典) pixta.jp

接客スキルをアピールするには、資格を取得するのもおすすめです。さまざまな種類があるため、どれを取得したらよいか迷う人も少なくないでしょう。そんな人に向けて、接客業におすすめの資格を3つ紹介します。

接客サービスマナー検定

接客サービスの能力を判定するための検定試験です。検定レベルには3級・2級・準1級・1級の4種類があり、高校で学ぶ基本的なマナーから、接客のプロとして通用する高度なスキルまでを段階的に学べます。

3級と2級は筆記試験のみですが、準1級からは実技試験も実施されます。受検資格は特にないため、誰でも受検可能です。

接客の基本・ビジネスマナー・立ち居振る舞いなどを身に付けた人材育成を目的としており、取得すると高度なサービスが求められる業界への転職にも役立ちます。

接客サービスマナー検定 - NPO法人日本サービスマナー協会

接客販売技能検定

国家資格である技能検定制度の1つで、接客販売業の技能を判定する検定です。保有していなくても接客販売業には就けますが、取得することによって「技能士」を名乗れます。

レディスファッション販売・メンズファッション販売・ギフト販売の3科目があり、それぞれに1~3級の等級があります。試験内容は、いずれの等級も学科・実技の2種類です。

2級からは、実技試験として実際の販売場面を想定したロールプレイング試験があります。3級は受験資格が特にないため、誰でも受検可能です。

2級は「3級保有または販売経験2年以上」、1級は「2級取得後の販売経験1年以上、または販売経験5年以上」が受検要件となっています。

接客販売技能検定 -公式サイト

サービス接遇検定

サービス接遇検定は、サービス業務への心構え・対人心理・応対技術・言葉遣い・態度などを審査する試験です。サービス接遇とは、「相手が快適だと感じる対応・言葉遣いによって、満足を提供する行動」を指します。

この検定を受けることで、サービスに対する考え方や立ち居振る舞いなどを学べます。等級は、3級・2級・準1級・1級の4種類で、受験資格は特にありません。3級と2級は筆記試験のみで、準1級は面接のみ、1級は筆記と面接が実施されます。

ビジネス系検定

接客スキルを生かせる仕事は?

コールセンターで働く社員

(出典) pixta.jp

接客スキルを身に付けると、接客業以外への転職にも有利になります。接客スキルを生かせる仕事を3つ見ていきましょう。

営業職

営業職にとって、接客スキルは非常に重要です。営業職には、コミュニケーション能力・ヒアリングスキル・提案力などが求められます。

これらのスキルは、接客業にも共通の要素なので、経験者は既に身に付けていることを積極的にアピールするとよいでしょう。

また、営業職も接客業と同様に、顧客のニーズを把握して最適な提案をする仕事です。顧客に直接対応するという点でも、接客業と共通する部分は多々あります。トラブル発生時にも、接客業で身に付けた臨機応変な対応力が役立つでしょう。

コールセンター

コールセンターは、顧客からの問い合わせに対応する仕事です。問い合わせてくる顧客の中には、困りごとをうまく説明できない人も少なくありません。相手が何に困っているのか聞き出すには、接客業で身に付けたヒアリング力・傾聴力が役立つでしょう。

またコールセンターでは、クレームの電話に対応しなければならない場合もあるため、顧客の心情を理解するコミュニケーション能力が必須です。

声のトーン・言葉遣いによって、相手に与える印象が変わるという部分も、接客業とコールセンターは共通しています。

介護職

介護保険施設などで働く介護職では、利用者とのコミュニケーションにおいて、接客で身に付けた対人スキルを生かせます。従来の介護保険施設は公共サービスの色が濃く、接客・接遇などについて意識されることはありませんでした。

しかし、近年は利用者が入居する施設を選べるようになり、高レベルの接客サービスを売りにしている有料老人ホームなども増えています。

その結果、介護施設の間で競争が生まれ、利用者から選ばれるために、接客よりさらに踏み込んだ「接遇」が求められるようになりました。介護のスキルに加えて、接客スキルも身に付けていることで、キャリアの幅も広がるでしょう。

接客スキルはさまざまな仕事に生かせる技能

お辞儀をする女性

(出典) pixta.jp

接客業で身に付くスキルは、さまざまな仕事に生かせます。特に、接客業に欠かせないコミュニケーション能力は、どのような職種においても必須とされるスキルです。

初めて接客業にチャレンジする人は、周りの先輩・上司などを参考にしながら、徐々にスキルを身に付けていくとよいでしょう。

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