ITエンジニアのキャリアプランの考え方は?キャリアパスの例も紹介

ITエンジニアは慢性的な人手不足といわれる人気の職種で、さまざまなキャリアを歩む人が増えています。これからITエンジニアを目指す人や、転職を考えている人は、キャリアプランの必要性や考え方を押さえておきましょう。

ITエンジニアのキャリアプランの重要性

エンジニア

(出典) pixta.jp

ITエンジニアはキャリアの幅が広がっており、十分な経験やスキルがあれば転職しやすい職種の1つです。ただし理想の働き方を実現するには、しっかりとキャリアプランを設定する必要があります。まずは、ITエンジニアのキャリアプランの重要性を見ていきましょう。

そもそもキャリアプランとは?

キャリアプランとは、自分の将来の理想的な姿を明確にして、それを実現するために構築する行動計画を指します。

ITエンジニアが実現できるキャリアは、他の職種と比べて選択肢が多いのが特徴です。特定分野のプロフェッショナルを目指したり、ゼネラリストとして活躍したりと、さまざまな道があります。

どの道を選択するにしても、できるだけ早くキャリアプランを設定し、自分に合う環境や働き方を模索することが重要です。

また事前に複数のプランを検討しておけば、途中でキャリアを変更することになったとしても、どの道が自分によりふさわしいか判断する基準となります。

エンジニアにキャリアプランが必要な理由

技術の進歩により、ビジネスシーンのさまざまな面において、ITが積極的に活用されています。それに伴いエンジニアの業務内容も多様化し、一人一人の強みや適性を生かせるキャリア選択が推奨されるようになりました。

エンジニアの採用市場は基本的に売り手が有利な状況が続いており、経験豊富な人材なら望むキャリアを実現できるチャンスは大いにあります。

多くの選択肢から理想的な働き方を実現するためには、転職を考えている人はもちろん、所属企業でキャリアアップを目指している人も、キャリアプランの設定は欠かせません。キャリアプランを早めに設定することで、自分の進む道を見失うことなくリスクも軽減できるでしょう。

キャリアプランを設定するメリット

キャリアプランを設定するメリットは、将来の理想の姿と現状とのギャップが明らかになり、今取るべき行動が分かる点にあります。

所属する企業でキャリアアップしたい人は、どうすれば理想に近付けるのかを考えながら日々の業務に臨めば、必要なスキルを効率的に身に付けられるでしょう。

これから目指す人にとっても、どのようなスキルがあれば転職しやすいのかが、分かるようになってきます。転職活動では、キャリアプランに合わせて応募先を選ぶことで、入社後のミスマッチの可能性も軽減できます。

どのような状況にあっても、キャリアプランを設定するメリットは大きいといえるでしょう。

ITエンジニアのキャリアプランの傾向

プログラミング

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ITエンジニア全体の傾向として、キャリアの方向に多様性が出てきている点や、時代の変化をうまく取り入れてキャリア選択する人が増えている点が挙げられます。それぞれ、簡単に解説します。

多様なキャリアを選択するエンジニアが増加

従来、エンジニアのキャリアといえば、開発の上流工程を目指すのが一般的であり、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを目標にする人が多くいました。

しかし近年は特定の分野を徹底的に突き詰めたり、独立を目指したりなど、さまざまなキャリアを選択する人が増えています。

エンジニア自体が人手不足の傾向にあり、十分な経験・スキルを有していれば、多くの企業に重宝され、一人一人が望むキャリアを実現しやすい状況です。

またコロナ禍を機に在宅ワークやテレワークが一般的になり、副業やフリーランス向けの案件も増えています。このため平日は会社員として勤務しながら、土日は副業としてエンジニアの仕事をする人も目立っています。

時代の変化を柔軟に取り入れる動きも

エンジニアが活躍するIT業界は、トレンドの移り変わりが早いのが特徴です。例えば、近年はシステムの保守運用の案件は減少傾向にあり、AI(人工知能)やIoTに関する開発案件が増加しています。

また、業界・業種を問わずDXに注力する企業が増えており、DX関連の需要は年々高まっている状況です。

キャリアプランを考える上では、このようなトレンドや時代の流れを読むことが重要です。実際、これから需要が増すと考えられる分野のエンジニアを目指す人はたくさんいます。

特にAIエンジニアやクラウド関連のエンジニアなどは、今後さらにニーズが高まる注目の職種とされています。

ITエンジニアのキャリアプランの例

パソコンを手にしている男性

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ITエンジニアのキャリアプランには、どのようなものがあるのでしょうか。代表的なパターンを知っておきましょう。

ある分野に特化したスペシャリストを目指す

特定の分野で専門性を高め、スペシャリストとしての地位の確立を目指すのは、ITエンジニアの代表的なキャリアプランです。

例えばシステムエンジニアの場合、組み込みエンジニアやデータベースエンジニアなど、担当する領域を決めた上で、さらに技術を磨く道を選択する人は多くいます。

開発現場で活躍し続ける人がいる一方で、最終的にはCTO(最高技術責任者)の地位に上り、エンジニアの立場から企業戦略の構築・実行にかかわる人も少なくありません。

多分野に対応できるゼネラリストを目指す

複数のプログラミング言語を使い分けたり、フロントエンドからインフラ設計までこなしたりなど、幅広いニーズに対応できるゼネラリストを目指すキャリアプランです。

特にスタートアップや中小企業などでは、開発のほぼ全てを任せられるエンジニアを求める傾向もあるため、ゼネラリストは好待遇で迎えられるでしょう。

開発工程の多くにかかわれるので、将来的にはプロジェクトリーダーや、ITコンサルタントとしての道が開ける可能性もあります。

開発部門をまとめるマネージャーを目指す

開発チームや開発部門などの、マネジメントをする立場を目指すプランも人気です。実際、多くのエンジニアが思い描くキャリアプランであり、最終的には企業全体のマネジメント層の立場を目指している人もいます。

マネジメント側になると、プログラマーやエンジニアをはじめ、開発にかかわる人材の管理はもちろん、採用を担当する場面も出てくるでしょう。開発部門のマネージャーとして人材管理スキルを身に付け、最終的には起業する人も多くいます。

フリーランスとして独立する

近年はフリーランスとして独立するITエンジニアも増えています。自社でエンジニアを抱える余裕のない企業がフリーランスに外注する場面も多く、マッチングサービスを通じて契約するケースも少なくありません。

ただしフリーランスとして安定して働き続けるには、十分な経験とスキルが必要です。まずは社内エンジニアとして経験を積み、生活できるだけの自信が付いてから独立するのが一般的です。

最近は副業の求人案件も増えており、平日の夜や休日などを利用して受注しながらスキルを磨く方法もあります。

キャリアプランを決める際のポイント

オフィスで働く女性

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キャリアプランを決める際には、以下のポイントを意識することが重要です。目指すべきゴールを明らかにした上で、経験やスキルの棚卸しをしていきましょう。

最終的に何を目指すか明確にする

まずは最終的に何を目指すのか、ゴールを設定する必要があります。すでに目標が明らかになっている人はともかく、そうでなければ具体的に何をすればよいのかが分かりません。

目指すべき道が漠然としている人は、自分がどんな立場で働きたいのかを考えてみましょう。例えば特定分野のスペシャリストを目指すときと、ゼネラリストとして幅広く活躍するときとでは、やるべきことがまるで違います。まずは方向性を決め、そこから最終的な目標を設定していくとスムーズです。

これまでの経験や実績、スキルを整理する

キャリアプランを定めるには、これまで積み重ねてきた経験や実績、スキルの棚卸しも必要です。これからエンジニアを目指す場合は、キャリアをスタートするために役立つ経験や知識などを整理してみましょう。

経験や実績の棚卸しを通じて、自分の強みや特性を把握できます。たとえ自分の理想とするキャリアであっても、強みを発揮できない分野で成功するのは困難です。

理想とする環境と、自分の強み・特性との兼ね合いとを考えて、どういった道がベストか慎重に判断する必要があります。

目標を達成するまでのキャリアパスを考える

ゴールが明らかになり、経験やスキルの棚卸しができたら、必要なスキルと現状を比較し、目標達成までの道筋を決めましょう。どのポジションを目指してスキルアップを図るべきか、どの分野の企業に転職すべきかなど、具体的に検討します。

明らかに現状のスキルが不足している場合は、補う方法も考えなければいけません。現在の職場でスキルアップを図るのか、転職先で頑張るのかなども決め、具体的な行動計画を立てます。

行動計画は、一つ一つの作業まで落とし込んだ短期的なものと、2~3年のスパンで優先順位を付けたものの両方を立てるのがおすすめです。作業に遅れが生じたときに、長期的な計画があれば冷静に対応できます。

キャリアプランに悩んだら?

プログラミング

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キャリアプランをスムーズに決められる人がいる一方で、なかなか決められない人もいます。悩んだときの対処法を見ていきましょう。

まずは大まかな方向性を決める

ITエンジニアがキャリアプランに悩む理由の一つに、選択肢が多いことが挙げられます。例えばスペシャリストになりたいと思っても、ソフトウエアやサービス開発に携わる道に行くのか、インフラ部分を担当するエンジニアを目指すのかなど、手がける領域によってさまざまな道があります。

まずはどの領域に進むのかを、大ざっぱでよいので決めるようにしましょう。ある程度領域が決まっていれば、その範囲内でできることを検討すればよく、目指す道がおのずと見えてきます。同じ領域内なら、プランを変更したくなったときでも、柔軟に対応できるでしょう。

どういった働き方がしたいかも考える

自分の進みたい領域が分からない人でも、理想とするワークスタイルを検討することで、道が開けるケースは珍しくありません。すでに説明したように、近年は正社員だけではなく、フリーランスとして独立したり、副業に従事したりする道もあります。

自宅で伸び伸びと働くのが理想なら、在宅ワークやテレワークを導入している企業に転職を目指すのもおすすめです。

プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといった、代表的なキャリアパスにこだわる必要はありません。キャリアを広く捉え、自分の価値観やライフスタイルに合った道を模索することも重要です。

ITエンジニアとしてのキャリアを考えよう

オフィスでパソコンを操作する男性

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ITエンジニアのキャリアプランの考え方を簡単に解説しました。ITエンジニアは他の職種に比べて、キャリアプランが多様な傾向にあります。

特定分野のスペシャリストを目指したり、ゼネラリストを目指したりなど、自分の特性に合ったキャリアを選択しましょう。フリーランスとして活躍する道もあります。

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