ファイナンシャルプランナーに向いている人は?仕事内容や転職方法も

クライアントの人生を通した資金計画や経済的なリスク管理に関して、さまざまなアドバイスを行うファイナンシャルプランナーは、人気の資格として知られています。ファイナンシャルプランナーに向いている人の特徴や、具体的な仕事内容を確認しましょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)に向いている人は?

女性のコンサルタント

(出典) pixta.jp

ファイナンシャルプランナー(FP)は、クライアントの生活資金や老後の備え、投資や相続に関する話など、お金に関する多くの相談に乗る仕事です。

保険や年金、税金、金融商品など、幅広い分野の知識が求められるのに加えて、さまざまな属性のクライアントと接する必要があるので、以下のような人に向いています。

計算や分析が得意・苦にならない

ファイナンシャルプランナーは顧客に対して、明確な根拠に基づいて論理的に説明をしなければならないため、数字に強く、計算が得意な人が有利です。

統計データを分析したり、投資の回収率などを計算したりする必要があり、さらには収集した情報を分かりやすくまとめるのも仕事です。

計算を間違うと結果的に的外れなアドバイスにつながり、クライアントからの信用を損なう恐れがあるため、数字にじっくりと向き合える人でなければいけません。何事に対しても、まずは情報を分析して計画的に進められる人が向いています。

コミュニケーション能力が高い

クライアントのライフスタイルや経済状況などをヒアリングし、適切なアドバイスを提供するのがファイナンシャルプランナーの仕事です。そのため、分析や計算が得意なだけでなく、コミュニケーション能力も高くなければいけません。

クライアントにとって、自分の経済状況は表立って人に話せるものではなく、できれば隠しておきたい事柄もあるでしょう。

ファイナンシャルプランナーは正確なアドバイスを行うためにも、相手が言いづらい項目も聞き出す必要があります。クライアントが安心して話せる雰囲気づくりのためにも、コミュニケーションスキルは欠かせません。

最新の情報やトレンドの把握が得意

ファイナンシャルプランナーは税金や保険、金融商品、不動産など、幅広い分野の知識を生かしてクライアントにアドバイスを提供します。

お金に関わる分野の法律や税制などは頻繁に改正されるので、最新の情報やトレンドの把握が苦にならない人でなければ務まりません。

法改正の内容によっては、これまで問題のなかったアプローチでも、将来にわたって禁止される可能性もあります。クライアントに正しい知識を提供するためにも、頻繁な情報収集に加えて、自らも学び続ける姿勢が求められます。

ファイナンシャルプランナーの仕事内容

説明するコンサルタント

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ファイナンシャルプランナーとして仕事をするには多方面の知識が求められますが、仕事内容は顧客のライフプランニングと経済面のアドバイス、資産運用のサポートなどに分けられます。それぞれ確認していきましょう。

顧客のライフプランニング

クライアントの経済状況や今後の人生の目標、希望などをヒアリングした上で、お金のプロという立場から生活設計やライフプランニングについてアドバイスをしたり、最適な提案をしたりするのが、ファイナンシャルプランナーの仕事です。

例えば、クライアントの人生を大きく左右する要素として住宅の購入が挙げられます。ファイナンシャルプランナーはクライアントの収入や家族構成、老後のプランなどを確認した上で、住宅購入のタイミングや方法、おすすめの住宅ローンなどを提案します。

ほかにも、加入すべき保険や子どもの養育費、税金の注意点などに関するアドバイスを通じて、クライアントが安定した人生を送るために支援するのが役割です。

専門家の見地から資産運用をサポート

クライアントの資産運用をサポートするのも、ファイナンシャルプランナーの重要な仕事です。日本では長らく、銀行にお金を預けていてもほとんど金利が付かないため、多くの人が株式や債券、投資信託などに投資しています。

ファイナンシャルプランナーは、クライアントの経済的な目標や老後の計画などを把握した上で、資産運用の基本的な考え方を説明したり、安定的なリターンがある金融商品を紹介したりして、さまざまなサポートを行います。

保険会社や不動産会社などに勤務し、金融に関する相談に乗っているファイナンシャルプランナーの有資格者も少なくありません。

ファイナンシャルプランナーに必要な知識は?

打ち合わせをする女性

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ファイナンシャルプランナーとして仕事を続けるために求められる知識は、多分野にわたります。全てにおいて精通していなければ仕事ができないわけではありませんが、以下の各分野において、ある程度のレベルで説明できる知識が求められます。

金融資産に関する知識

金融市場の仕組みや株式・債券・投資信託などの金融商品に関する知識、収益率の計算方法や投資戦略に関してなど、クライアントに資産運用のアドバイスを提供するための知識が必要です。

老後に備えて資産運用を始める人が増えており、ファイナンシャルプランナーも投資関連の相談に乗る機会が目立つようになりました。

投資を危険なものだと考えている日本人はいまだに多いので、ファイナンシャルプランナーは投資の正しい考え方を示しつつ、効率的かつ安全に資産を増やすためのアドバイスを提供する必要があります。

税金に関する知識

ファイナンシャルプランナーは、クライアントのタックスプランニングに関与する場合もあるので、税金に関する包括的な知識も求められます。

個人に対してアドバイスするためには、所得税や住民税の仕組みを理解していなければいけません。また、法人がクライアントの場合は、法人税に関する詳細な知識が必要です。

税金の専門家は税理士であり、法人の場合は税理士に相談するケースがほとんどですが、ファイナンシャルプランナーもある程度の知識は身に付けておかなければいけません。個人・法人を問わず、節税に関して最適なアドバイスを行う必要があります。

相続に関する知識

クライアントから相続に関する相談を受けるケースも多いので、相続関連の法律や相続税・贈与税の仕組みなどの知識も必須です。

遺産相続を巡るトラブルが発生する前に、クライアントに対して遺言や遺産分割、事業承継などに関する有益なアドバイスができれば、結果的に大きな信頼を得られるでしょう。

相続に関する税務相談も税理士の仕事の範ちゅうですが、ファイナンシャルプランナーもクライアントにライフプランを提案する中で、相続に関する助言を求められる場合もあります。

不動産に関する知識

不動産全般の知識と関連する法律、不動産投資に関する知識も必要です。

個人のクライアントにとって、マイホームの購入は人生の一大イベントのため、資産状況や将来の収入予測などから、最適な購入タイミングや選択すべき住宅ローンなどについて説明する必要があります。

収入に合わない物件を購入しようとしていたり、割高な住宅ローンの利用を検討していたりする場合は、専門家の見地から適切なアプローチを提案しなければいけません。

不動産の取引に関しては宅地建物取引士の領分ですが、ある程度はアドバイスできるようにしておきましょう。

保険に関する知識

病気やけが、事故などはライフプランに大きな影響を与えるので、万が一の事態に備える生命保険や損害保険、医療保険など、保険に関する知識もクライアントへの提案に欠かせません。

保険商品の基本的な仕組みやカバーされる範囲など、基本的なところは押さえておきましょう。クライアントの状況によっては、必ずしも保険に加入しなくても問題ないケースもあるでしょう。経済状況を考慮した上で、最適な保険を提案する必要があります。

ファイナンシャルプランナーになるには?

資料を説明する

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多くの人にとって意外に感じられる点ですが、ファイナンシャルプランナーの仕事自体は無資格でも可能です。しかし、安定して仕事を請けられる人は資格を取得してから活動しているので、まずは資格試験の合格を目指すのがよいでしょう。

まずは資格の取得を目指そう

ファイナンシャルプランナーは有名な資格であり、多くの人が毎年資格試験を受験しています。資格がなくても、税理士や保険に関する資格を有している人などであれば、専門分野の延長線上でファイナンシャルプランナーのような仕事も可能でしょう。

しかしこれから目指すのであれば、顧客からの信頼を得るためにも、資格の取得がおすすめです。ファイナンシャルプランナーには国家資格(FP技能士)と民間資格(AFPやCFP)があるので、それぞれの特徴を理解した上で、どちらを目指すか決めましょう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)とは?

上記のように、ファイナンシャルプランナーの資格には、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)と、AFPやCFPといった民間資格があります。

資格としての優劣はありませんが、知名度は前者が高いため、クライアントに信頼性を示す意味では国家資格を目指す方がよいでしょう。ただし、民間資格でも同様に評価される場面は多々あります。

FP技能検定は1級、2級、3級に分かれており、それぞれ学科試験と実技試験を受ける必要があります。難易度が最も高いのが1級で、多くの人がFP技能検定1級の合格を目指します。

学科試験は、ライフプランニングに関する内容やリスク管理、不動産などの分野から出題されます。一方で実技試験は事例を用いた問題が出題され、より実務に近い実践的な問題を解かなければいけません。

合格率は3級が全体の7割、2級が2~3割程度、1級が7~8割程度です。1級は合格率こそ高めですが、受験資格を得るために2級を取得して、1年以上の実務経験を積むといった条件を満たす必要があります。詳細は日本FP協会の公式サイトを確認しましょう。

参考:FP技能検定とは | 日本FP協会

ファイナンシャルプランナーに転職するには?

コンサルタントの男性

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ファイナンシャルプランナーとして転職するためには、資格を生かせる職場を見つける必要があります。ただし、独立開業して活躍している人も多いので、自分に合ったキャリアを選択しましょう。

ファイナンシャルプランナーの転職先

ファイナンシャルプランナーの就職・転職先としては、主に銀行や保険会社、証券会社などがあります。

資格を有していれば転職活動に有利に働く可能性がありますが、FP技能検定の場合は、最低でも2級以上は取得しておきましょう。実務レベルで通用するのは2級からです。

なお、相談業務や金融商品の紹介業務などに就く場合、ファイナンシャルプランナーの資格取得後に転職活動をする人は多いですが、金融業界に就職した後に資格を取得する人も少なくありません。

独立開業する人も多い

自分のスキルや営業力、人脈などに自信のある人は、資格の取得後に独立を検討してもよいでしょう。実際、独立して活動しているファイナンシャルプランナーは多く、実力次第で高い収入を得られます。

ただし、安定的に仕事を獲得し続けるためには、高い営業力と提案力、クライアントに価値を提供し続ける力が必要です。

現時点で独立する自信がなければ、まず会社員としてスキルを磨いたり、副業からファイナンシャルプランナーの仕事をスタートしたりするのもおすすめです。

ファイナンシャルプランナーを目指そう

説明をする女性コンサルタント

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ファイナンシャルプランナー(FP)は数字に強く、データの分析が苦にならない人や、コミュニケーション能力が高い人などに向いています。

クライアントの生活やビジネスに関わる幅広い知識が求められるので、常に知識のアップデートを怠らないことが大事です。無資格でも活動は可能ですが、まずは資格の取得を目指すのがよいでしょう。

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