保健師に向いている人の特徴は?仕事内容や必要な資格についても解説

保健師は看護師の免許も有する病気予防の専門家として、高齢者や乳児などの健康をサポートする仕事です。保健所や学校、企業など多くの組織で活躍しており、今後さらに必要とされる職種です。保健師に向いている人の特徴や仕事内容などを解説します。

保健師に向いている人の特徴は?

問診する白衣の女性

(出典) pixta.jp

多くの相手と接する保健師は、コミュニケーション能力はもちろん、洞察力や観察力があり、臨機応変な対応ができる人に向いています。それぞれの能力について、詳しくみていきましょう。

コミュニケーション能力が高い

老若男女を問わず、さまざまなタイプの人と関わる保健師には、高いコミュニケーション能力が求められます。感情表現が苦手な人や、うまく人と接することができない人の相談に乗る場合もあるため、相手が安心して話せるように配慮できる人でなければいけません。

健康相談では相手との信頼関係の構築が重要ですから、基本的に誰に対しても明るく、朗らかに接することができる性格の人に向いています。

また仕事を円滑に進めるためには、周囲のスタッフと密に連携を取る必要があります。そのためにも、基本となるコミュニケーションスキルは欠かせません。

洞察力や観察力がある

健康相談の相手には、言葉を話せない乳幼児もいれば、自分の状況をうまく言葉で表現できない人もいます。このため保健師は、相手の立場になって考えるのが得意な人や、状況を客観的に把握できる観察力のある人に向いています。

対話を通じて相談者のささいな体の変化も見逃さず、相手の状況を把握した上で、適切なアドバイスができれば、重大な病気の予防も可能です。

相手の重大な体の変化を見逃さないためには、ちょっとした姿勢や表情の変化などを読み取る優れた洞察力・観察力が求められます。

柔軟で臨機応変な対応ができる

相手の考え方を柔軟に受け入れて、公平な判断ができる人や、状況の変化に応じてアプローチを変えられる人も、保健師に向いています。相手の健康状態に適したアドバイスをするには、自分の思い込みや考え方が支障になるケースもあるからです。

単に自分の価値観を押しつけるのではなく、相手の考えを尊重した上で、冷静かつ客観的に状態を判断する力も必要です。相手によってアプローチを柔軟に変えられるのは、優秀な保健師の証しといえるでしょう。

また、保健師には仕事に対する強い責任感も求められます。ひたすら定型業務をこなすのではなく、自発的に業務を進める場面が多いため、自ら何をすべきか判断し、行動できる人でなければ務まらない側面もあります。

保健師の役割と仕事内容

白衣の女性

(出典) pixta.jp

保健師の役割は、多くの人の健康維持を実現することです。主な勤務場所とともに仕事内容を解説します。

住民や患者への保健指導が仕事

地域の住民や患者などに対して、病気の予防や健康に必要な支援をするのが保健師の仕事です。医師や看護師は病気やけがをした人の治療やケアが仕事ですが、保健師は予防の観点から、健康相談や生活改善に関するアドバイスをするのが主な役割です。

医療機関などで相談を受ける保健師も多くいますが、企業や学校で保健指導に当たる保健師もおり、活躍できるフィールドは多岐にわたります。

保健師の主な勤務場所

主な勤務場所としては、各地の保健所や保健センターをはじめ、一般企業や学校、病院などがあります。勤務場所によって、次のように呼称や具体的な仕事内容が変わるので、ここで簡単に押さえておきましょう。

  • 行政保健師:保健所や保健センターなどの行政機関で、地域住民の健康サポートを担う
  • 産業保健師:一般企業に所属し、社員の健康管理と健康の増進を図る
  • 学校保健師:各地の学校の保健室に勤務し、生徒や教職員の健康管理を図る
  • 病院保健師:病院やクリニックなどの医療機関において、健康指導、食事指導などを担う

いずれの勤務先においても、組織に所属する人員の健康を維持するため、定期的に相談を受けながら、生活指導や健康に関する情報発信などをしています。

保健師として活躍するには?

医療施設での研修

(出典) pixta.jp

保健師として活躍するなら、国家資格を得る必要があります。受験の要件や免許取得までのルートを確認しておきましょう。

まずは免許の取得を目指そう

保健師免許を取得するためには、保健師・看護師両方の国家試験に合格しなければなりません。保健に関する知識に加えて、医療面の知識も持ち合わせている必要があるためです。

どちらも国家試験の受験資格を得るには、看護大学や看護系学部、看護短大などの定められた課程を修了する必要があります。

受験資格を得るまでのルートは後述しますが、いずれにしても看護師試験に合格しなければ、保健師試験だけ合格しても免許は取得できないことを覚えておきましょう。

保健師になるためのルート

保健師になるためのルートとしては、まず保健師と看護師の総合カリキュラムを受けられる大学や、4年生の専門学校などを修了し、両方の国家試験を同時に受験する方法があります。どちらの受験資格も得た上で、ほぼ同じタイミングで国家試験を受けるわけです。

一方、3年制の短期大学や看護学校・看護養成所などで看護師の養成課程を修了し、看護師資格を先に取得してから保健師に挑戦する方法もあります。この場合は看護師資格を取得後に、保健師養成学校や看護系大学の保健師養成課程を修了する必要があります。

ルートによって期間や費用、難易度が大きく変わるため、年齢や経済状況などに応じて、早めに進むべき道を決めておくことが大切です。国家試験の内容や受験資格などに関して、詳しくは厚生労働省の公式ページを確認してみましょう。

参考:保健師国家試験の施行|厚生労働省

保健師に向いているか考えてみよう

打ち合わせをする女性医師

(出典) pixta.jp

保健師に向いているのは、高いコミュニケーション能力を有する人や、観察力・洞察力に優れた人、臨機応変な対応ができる人などです。

保健師として活動するには、看護師の資格も得ていなければなりません。これから目指す人は、まずどのようなルートで受験資格を得るべきか確認しましょう。

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