総務は企業の運営をスムーズにするため、さまざまな業務を担当する仕事です。総務のキャリアプランの考え方や想定されるキャリアパス、キャリアアップを実現するためのポイントなどを解説します。総務の仕事を目指している人は、参考にしてみましょう。
面接で伝える総務のキャリアプランの内容
総務の仕事に就くため、就職・転職を検討している人は多いでしょう。応募書類の志望動機や面接などでは、応募先にどう貢献できるか、どのように自分が成長したいかなどをアピールすることが大事です。
企業への貢献をアピール
応募書類に志望動機を書く場合や、面接で応募動機を聞かれた際などには、総務として具体的にどのように貢献をして、応募する企業にどういった価値を提供できるのか伝える必要があります。
総務の仕事に興味があり、学びながら仕事をしたいと考える人は多いですが、応募先でどういった働きができるのかを示すことが重要です。
「教えてほしい」「学びたい」といった受け身の姿勢ではなく、自分が就職・転職先で総務としてどのように活躍できるのか示しましょう。
どのように自分が成長したいか伝える
さらに、自分が総務としてどのように成長したいか、目標達成のために何をしているか・していきたいかなどを、具体的に伝えましょう。
自分の目標やスキルアップに関して記載することも大事ですが、成長した自分が応募先でどのような役割を果たせるのかも、しっかりアピールすることが大事です。自分の望むキャリアや、獲得したいスキルばかりを答えるのは避けた方がよいでしょう。
採用担当者は応募者が自社に対し、将来にわたってどのような価値を与えてくれるのかに興味があります。ここでも自分が仕事を通じて得たいものばかりでなく、企業に対して何を提供できるのかといった観点から、アピールすべき内容を考える必要があります。
総務のキャリアプランを答えるポイント
総務として就職・転職を目指す際、面接でキャリアプランに関して聞かれる機会もあるでしょう。自分のこれからのキャリアを答える際には、以下のポイントを意識することが重要です。
応募先について正しく理解する
キャリアプランを答えるためだけでなく、魅力的な応募書類を作成したり、面接で採用担当者に評価してもらったりするためには、まず応募先について正しく理解しなければいけません。
事前に応募先の公式サイトやSNSでの発信情報などをチェックし、どういった人材を求めているか、どのようなキャリアを歩めるかなどを確認する必要があります。
自分が思い描くキャリアプランが応募先で実現できなければ、ミスマッチと判断されて不採用になる可能性もあります。自分の進みたいキャリアと、応募先の採用ニーズや可能なキャリアパスなどを整合させた上で、具体的に何を話すか決めることが大事です。
生かせるスキルや経験を伝える
キャリアプランを実現するために、自分にどのようなスキルや経験があるかを具体的に伝えましょう。
単に経歴を説明するだけでなく、どういった仕事に携わりどのようなスキルを獲得してきたのか、簡単なエピソードを交えて説明すると説得力が増します。さらに、これまで培ってきたスキルや経験が、入社後にどういった点で役立つのか説明する必要があります。
総務の仕事は社内の各部門・部署の社員はもちろん、取引先の社員とも頻繁にやり取りするので、コミュニケーション能力や柔軟な対応力を示すと効果的です。前職でこれらの能力を生かした経験やエピソードがあれば、積極的にアピールしましょう。
プライベートを重視しすぎない
キャリアプランとは基本的に、仕事を軸とした将来の展望なので、プライベートの内容を重視しすぎないように注意しましょう。
個人としてプライベートのプランを考えることも大切ですが、仕事よりもプライベートを重視するような内容では、採用担当者に好印象を残せません。
例えば、将来的に「年収○○円になり、貯蓄額○○円を達成したい」といった内容は、キャリアプランではなく個人のプライベートな目標です。
採用担当者の評価のポイントにはならないので、将来の仕事の役割やポジション、達成した成果などの観点から、望むキャリアを説明することが重要です。
独立や転職についての話題は避ける
現状では総務としての就職・転職を目指している人でも、将来的に独立やさらなる転職を考えている人もいるでしょう。応募先にキャリアプランを説明する際には、将来の独立・転職まで素直に答える必要はありません。
応募先の企業を退社した後のプランまで語ってしまうと、採用担当者は自社を踏み台にしている印象を抱いてしまう可能性があります。
5年後・10年後などに転職・独立を考えているとしても、応募先に入社後、どういったことで貢献できるかをアピールしましょう。
総務のキャリアプランの考え方
総務としての就職・転職を考えている場合、具体的にどういった方法でキャリアプランを考えればよいのでしょうか？キャリアプランを立てる際には、まずは自己分析を徹底した後に、具体的な目標を設定することが重要です。
自己分析をする
まずは今までの経験や、自分の得意なことなどを掘り下げて整理しましょう。これまで担当した業務に関して振り返り、最もやりがいを感じた仕事や、達成した成果などを整理し、自分の強みや特性を理解することが重要です。
自己評価のみならず、周りからどういった点を評価されてきたかも考えながら、自己分析をしましょう。その上で、将来目指すべき姿やライフプランなどを考える必要があります。
具体的な目標を設定する
自己分析を通じて、自分の目指したい姿を明らかにしたら、それを実現するための計画を立てます。
年単位で具体的な目標を設定すれば、キャリアプランをイメージしやすくなるので、10年後・5年後・3年後といったように、期間を分けて何を達成すべきか考えましょう。それぞれの期間について、具体的な数字を用いて目標を設定することが重要です。
3年後までのプランを立てたら、さらにすべきことを具体化し、計画に落とし込んでいきましょう。プランを決めたら、すぐに取り組みを始める必要があります。
総務のキャリアパスの例
総務として就職・転職する際のキャリアパスの例を紹介します。自分の望むキャリアと照らし合わせながら、具体的にどういった道を選ぶか考えましょう。
社内でのキャリアアップを目指す
すでに総務の仕事をしている人は、社内でのキャリアアップを目指す道が、まず考えられます。同じ企業に長く勤めていれば、新たに人間関係を構築したり、環境に慣れたりする必要はなく、これまでの延長線上でキャリアの実現を目指せるでしょう。
現在は総務の仕事をしていなくても、所属企業の総務部門への異動を願い出る方法もあります。企業によって総務の位置付けは異なりますが、同じ企業ならば業務範囲も理解しやすく、スムーズに仕事に入れるでしょう。
近年は従来型の年功序列システムを採用する企業は減っていますが、同じ企業に長く勤めれば、勤続年数に伴い良い立場に就ける可能性もあります。
総務以外の部署へ異動する
将来的に総務以外の部署に異動するキャリアも考えられます。経理や人事など、バックオフィス業務に属する部門ならば、総務と共通する要素も多いため、それまでの経験を生かしやすいでしょう。
バックオフィス業務はデスクワークが中心ですが、それぞれ求められるスキルや特性が異なるので、より自分の強みを生かせる部署に異動するのもキャリア選択の1つです
総務の経験を生かして転職する
これまでの総務の経験を生かして、別の企業に転職する道もあります。同じ企業で働き続けることだけが最適なキャリアとは限らないので、より良い待遇や労働環境の企業への転職も考えてみましょう。
同じ業務を担当するにしても、企業によって働きやすさは異なるので、転職によってより高いパフォーマンスを発揮できる可能性もあります。
ただし、逆に自分に合わない企業に転職してしまう恐れもあるので、応募企業についてよく調査し、自分に合った職場かどうか十分に検討することが大事です。
総務でキャリアアップを実現するには
総務としてキャリアアップを実現するために、さまざまな業務に挑戦したり、資格を取得したりするのも有効です。それぞれのポイントを簡単に解説します。
さまざまな業務に挑戦する
社内にジョブローテーション制度があれば、積極的に利用して自分の適性を知るのがおすすめです。ジョブローテーションとは、社員の能力開発のため、定期的に部署・部門を異動させたり、担当業務を変更したりする制度で、多くの企業が導入しています。
同じ企業に所属しながらさまざまな仕事を経験できるので、その中で強みを生かせるものを見つけたら、総務からキャリアアップを目指すのもよいでしょう。
ジョブローテーションを通じて、社内に豊かな人脈もできるので、仕事で連携を取りやすくなるというメリットもあります。
資格を取得する
総務に関連する資格を取得して専門性を高めることで、キャリアアップにつながる場合もあります。
総務の場合はビジネス・キャリア検定や社会保険労務士、中小企業診断士などの取得がおすすめです。企業によっては資格を保持していることで、手当が支給されるケースもあります。
また、将来的に資格を生かして転職したり、独立したりする道もあるので、自分のキャリアに役立つ資格はないか調べてみるとよいでしょう。
キャリアプランを立てて理想に近づこう
総務として就職・転職を目指すならば、応募書類や面接で企業への貢献をアピールするとともに、どのように活躍したいか分かりやすく説明する必要があります。
まずは応募先についてしっかり調査し、何をアピールすると効果的なのか考えましょう。自己分析を通じて自分の強みや特性を理解し、入念なキャリアプランを立てることが重要です。
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