銀行員の志望動機を書くポイント。仕事内容やNG例もチェックして

銀行員は安定した職種の1つとして知られており、転職先としても常に一定の人気があります。銀行の種類や業務内容をチェックして、採用担当者の印象に残る志望動機を作成しましょう。銀行員を目指す人向けに、志望動機の書き方を例文付きで紹介します。

銀行員の志望動機に書く内容

銀行の窓口

(出典) pixta.jp

銀行員を目指す場合に限らず、応募書類には必ず志望動機を書かなければいけません。志望動機の内容で、合否が決まる可能性もあります。以下の要素を盛り込み、魅力的な内容にまとめましょう。

なぜ銀行を志望しているのか

志望動機を書く際には、多くの業界がある中で、なぜ銀行をはじめとする金融業界を選択したのか、分かりやすく説明することが大事です。

業界のどこに魅力を感じているのか、なぜ銀行員の仕事に就きたいのかなど、具体的なエピソードを交えて伝えましょう。

「人気のある仕事だから」「給料が高めだから」といった理由だけでは、採用にあたる担当者にとって、決して魅力的な志望動機にはなりません。業界への思いや銀行員の仕事への熱意などを、しっかりアピールする必要があります。

なぜ応募先を選んだのか

金融業界や銀行員の仕事を選んだ理由に加えて、なぜ応募先の銀行を選んだのかも、具体的に記載しましょう。

一言で銀行といっても、都市銀行から地方銀行、信託銀行など、さまざまな種類があります。全国各地に存在する銀行の中で、なぜその応募先を志望するのかは、採用担当者が重視するポイントの1つです。

応募先の特色や業界での位置付け、具体的な業務内容などを把握した上で、説得力のある理由を伝えなければいけません。また金融業界の中で銀行員の仕事を選んだ理由とも、論理的に結び付く内容にする必要があります。

どんなビジョンがあるか

業界や応募先を志望する理由とともに、入社後にどういった活躍がしたいか、将来のビジョンも記載しましょう。現時点での目標や希望する働き方など、具体的なキャリアプランを説明することで、入社の熱意を伝えられます。

ただし、漠然としたキャリアや、どの銀行でも達成できるような目標だと説得力に欠けます。事前にしっかりと応募先の情報を集めておき、応募先企業でなければ成し遂げられない内容にするのが理想です。

銀行の種類や業務内容をチェック

銀行の窓口

(出典) pixta.jp

魅力的な志望動機を書くためには、銀行員の業務内容について知っておかなければいけません。どの銀行で何をするのかによって、志望動機の記載内容も変わってきます。自分が働きたい銀行の種類・業務内容・職種などを理解しておきましょう。

銀行の種類別の特徴

銀行を規模や主な業務内容などで分類すると、次のようになります。

  • 都市銀行(メガバンク):規模が大きく、全国に支店を有する。預金や貸出などの窓口業務に加えて、全国の企業に融資をしている。基本的に東京に本店があるが、全国各地の支店で勤務する社員も多い
  • 地方銀行:各地に根ざした銀行の総称で、地域住民の預金口座の管理や企業への融資、サポートなどが主な業務。基本的に当該地域における支店間での異動のみとなる
  • 信託銀行:基本的な業務に加えて、各種有価証券や金融債権、不動産など顧客の資産運用を代行する業務がある。ほとんどが東京に本店があり、勤務地も都心部が多い
  • ネット銀行(インターネットバンク):インターネット上での取引を主としている銀行。基本業務に加えて、資産運用の代行業務を担う銀行もある。勤務先は東京が多い
  • 投資銀行:法人を対象に株式や債券、資金調達に関する業務を担う。M&Aの仲介業務などもあり、他の銀行とは業務として一線を画している。外資の投資銀行が多く、海外勤務の可能性もある

このように、銀行の種類によって具体的な業務内容や勤務地などが異なります。地方銀行を除くと都心での勤務が多くなりますが、海外や地方に異動になるケースも少なくありません。

銀行員の業務内容

銀行の業務内容は、主に「預金業務」「貸付業務」「為替業務」に分類されます。それぞれの特徴は次の通りです。

  • 預金業務:個人や企業の口座を開設し、資金を預かって管理する。預かった資金と利率をもとに、金利を支払う
  • 貸付業務:個人や法人から預かった資金をベースに、第三者に事業資金や住宅ローンなどとして融資する。地方銀行の場合はその地域の住民や企業に融資するケースがほとんど
  • 為替業務:顧客からの依頼により、公共料金の振り込みや代金の支払い、受け取りなどをする業務。海外の銀行に送金するような業務は、特に外国為替業務と呼ばれる

銀行員は業務範囲により、具体的な仕事内容が変わります。預金業務は窓口対応やATMの操作に関する問い合わせ対応など、貸付業務は融資先の審査が重要な仕事です。為替業務では、専用窓口での対応や送金作業などを担います。

銀行員の職種

銀行員の職種は大きく分けて「一般職」と「総合職」があります。それぞれの特徴は次の通りです。

  • 一般職:本店や支店のバックオフィス業務を担う。口座開設をはじめとした窓口対応や事務作業がメインで、勤務時間はほぼ固定されている。異動は少なく、長く続ける行員が多いが総合職にキャリアチェンジする道もある
  • 総合職:顧客に金融商品や融資などの営業をしたり、販促を考えたりする。転勤や他部署への配属といった異動も多く、実績を積み上げれば幹部としてキャリアアップの可能性がある。一般職に比べて仕事のハードルが高めで、残業なども多い

銀行員として多くの人がイメージするのは、窓口対応を担う一般職でしょう。しかし銀行の利益向上に直接貢献するのは、基本的に総合職です。一般職に比べて仕事はハードですが、能力次第でキャリアアップしやすく、給与も高めです。

銀行員の志望動機を書くポイント

銀行で働く女性

(出典) pixta.jp

何の準備もせずに志望動機を書き始めると、論点がずれてしまうおそれがあります。魅力的な志望動機に仕上げるための、調査や準備のポイントを解説します。

応募先について調べる

まずは、応募先の銀行について調査しましょう。業界での位置付けや具体的な仕事内容をはじめ、どういった人材を求めているのかを確認する必要があります。

求人票や公式サイトの情報はもちろん、近年はSNSで公式アカウントを運用している銀行も多いので、そこで発信している内容もチェックしましょう。

応募先のことをよく調べることで、ミスマッチを防げるだけではなく、社風や特徴などを踏まえた志望動機を作成できるようになります。

自己分析する

応募先の情報収集と並行して、自己分析を通じて自分の強みや特性、これまで培ってきた経験やスキルなどを整理します。その中で、応募先が求める人物像に合う経験や強みを探し、アピールすべきポイントを明らかにしましょう。

具体的なエピソードを交えつつ、応募先の採用ニーズに合った部分をアピールすると効果的です。自己分析は他の銀行や企業に応募する際にも役立つので、じっくりと時間をかけて、まとめておきましょう。

求められるスキルをチェック

銀行員に求められるスキルを知ることで、志望動機でポイントを押さえた自己アピールが可能になります。銀行員には基本的なコミュニケーションスキルに加えて、正確な事務処理能力やスケジュール管理能力などが必要です。

また、ビジネスパーソンとして基本的なPC操作が必須なのはもちろん、海外の顧客が多い銀行ではある程度の語学力も求められます。

これまでの仕事で培ってきたスキルや、それを生かして達成できた実績などをまとめ、どのスキルを中心にアピールするか決めておきましょう。

銀行員の志望動機の例文

銀行内部の様子

(出典) pixta.jp

銀行員の志望動機の例文も紹介します。あくまでも簡単なサンプルなので、参考にしつつも、まずは自分なりに志望動機を書いてみることが大事です。

銀行員を目指すきっかけを伝える場合

[志望動機の例]

東京の大学を卒業後、IT企業で3年間ほど事務職をしておりましたが、地元の母親が病気になったことをきっかけに、生まれ育った○○県にも貢献したいと考えるようになりました。そこで、貴行が求人募集をされているのを発見し、応募した次第です。

もともと事務に関する仕事の中でも、銀行員の仕事には憧れがありました。子どもの頃に地元の○○銀行の窓口で、高齢者の方に丁寧に説明している行員の方を見て、難しい事柄を分かりやすく説明する姿に感動した経験があります。

銀行の窓口はこれまでの事務職としての経験を生かしつつ、持ち前のコミュニケーションスキルも生かして多くの人と関わることができる仕事です。

生まれ育った○○県を代表する貴行の一員として、地元の人々を支える存在になりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

どのように活躍したいか伝える場合

[志望動機の例]

前職で貴行の営業担当者の方と関わる機会があり、金融商品に関する幅広い知識と知見に感銘を受け、私も金融のプロとして、より多くの顧客の問題・課題の解決に携わりたいと考えて応募させていただきました。

これまでファイナンシャルプランナーとして○○社の保険窓口の担当を4年ほど経験しており、大学時代は金融工学を学んでいたため、投資に関する理論的なアドバイスには自信があります。

窓口では相談にやって来られるお客さましかカバーできませんでしたが、大企業を含めて多くのクライアントを抱える貴行ならば、自分の知識を最大限に生かせるだけではなく、得意な英語を生かして海外の顧客の問題解決に役立てると自負しております。

銀行員の志望動機のNG例

銀行の窓口

(出典) pixta.jp

志望動機を作成する際に、避けるべき内容やNGな書き方も押さえておきましょう。以下のように、金融業界や銀行員を目指す理由が曖昧だったり、待遇面ばかりを持ち出したりするのはNGです。作成した志望動機を見直してみて、採用担当者にとって魅力的に感じられる内容になっているか確認しましょう。

銀行員を目指す理由が曖昧

「顧客と直接やりとりしたい」「コミュニケーションを取りたい」といった曖昧な理由では、採用担当者に響く志望動機にはなりません。

顧客と直接やりとりするだけならば、銀行員である必要はないからです。他の業種の営業職でもできることではなく、銀行員でなければ実現できない点をアピールしましょう。

金融業界を目指す人に多い「経済発展に寄与したい」といった内容も、理由として曖昧なので避けるべきです。自分の経験やスキルを生かして大きな貢献をしたいのであれば、具体的にどういったスキルで、どのような活躍ができるのか、具体的に書くようにしましょう。

待遇面を前面に押し出す

「昇給アップを実現しやすいから」「仕事とプライベートの両立ができるから」といったように、給与面や福利厚生の良さを理由に、金融業界を志望する人は珍しくありません。

しかし、実際に待遇面が最大の志望理由だったとしても、前面に押し出すのは避けましょう。待遇の良さばかりを理由にすると、採用担当者は銀行員の仕事に本当に興味があるのか、疑問に感じる可能性があります。

少しでも想定した待遇や労働環境と異なる場合、すぐに離職するのではないかと危惧する採用担当者もいるでしょう。

志望動機では、入社後にどのような待遇を受けたいのかではなく、上記のように金融業界や応募先での仕事に対する熱意などを、積極的にアピールすることが重要です。

志望動機で銀行員への熱意をアピール

銀行の窓口

(出典) pixta.jp

銀行員の志望動機は、なぜ金融業界、ひいては銀行を志望しているのか説明するとともに、応募先を選んだ理由を分かりやすく記載することが大事です。

事前に応募先の情報を集めておき、自己分析を通じてアピールすべき点を明らかにしましょう。業務内容を把握した上で、自分には求められるスキルがあることをアピールするのも有効です。

実際に志望動機を作成したら、1度周りの人に確認してもらうと、なおよいでしょう。フィードバックをもらいながら修正を重ねることで、魅力的な志望動機が書けるようになります。

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