新卒応援ハローワークの支援内容を解説。メリット・デメリットは?

就職を控えた学生や第二新卒は、新卒応援ハローワークを積極的に活用しましょう。専門スタッフによる個別支援が受けられるほか、各種セミナーにも無料で参加ができます。サービス内容や利用方法、メリット・デメリットを解説します。

新卒応援ハローワークとはどんな場所?

ハローワークの看板

(出典) pixta.jp

新卒応援ハローワークは、国(厚生労働省)が運営する就職支援施設です。就職や転職を検討している若年層は、個別支援やカウンセリングなどのサポートを無料で受けられます。施設の概要と利用方法を確認しましょう。

学生や新卒者の就職を支援する公的施設

ハローワークというと、失業した人や雇用保険の手続きをする人が行く場所というイメージがありますが、就職・転職を検討する全ての人が利用できます。

ただ、相談ブースがいつも混み合っていたり、相談員とゆっくり話ができなかったりして、利用を諦めてしまう人も少なくありません。

新卒応援ハローワークは、就職支援に特化した公的サービスです。マンツーマンで相談できるのが強みで、以下のような悩みを持つ人が利用しています。

  • スタッフにじっくりと相談したい
  • 就職活動のやり方が分からない
  • 履歴書や面接の指導をしてほしい
  • なかなか内定がもらえない
  • Uターン就職を考えている

一般的なハローワークと違いは、対象者が限定されている点です。「大学などを卒業予定の学生・生徒」や「卒業からおおむね3年以内の人」が利用できます。

参考:新卒応援ハローワーク|厚生労働省

所在地と利用方法

ハローワークは全国に500カ所以上ありますが、新卒応援ハローワークは所在地が限られています。2023年8月時点の拠点数は以下の58カ所です。開庁時間は施設ごとに異なるため、Webサイトで確認しましょう。

  • 北海道・東北:8カ所
  • 関東:13カ所
  • 中部:11カ所
  • 近畿:7カ所
  • 中国・四国:9カ所
  • 九州・沖縄:10カ所

初めて利用する際は、窓口で利用登録を行います(予約不要)。登録後は、施設内にある求人検索用のパソコンや書籍などを自由に使えます。

基本的に予約は不要ですが、個別相談やカウンセリングは、事前の申し込みが必要なケースがほとんどです。

参考:新卒応援ハローワーク一覧|厚生労働省

新卒応援ハローワークです|厚生労働省

新卒応援ハローワークのサービス内容

就職面接

(出典) pixta.jp

新卒応援ハローワークでは、全てのメニューを無料で利用できます。実際にどのようなサービスがあるのか、チェックしましょう。

マンツーマンでの就職支援

サービスの基本となるのが、マンツーマンでの就職支援です。就活に詳しい就職支援ナビゲーターやジョブサポーターが、利用者それぞれに適切なサポートを提供します。

大学の就職支援や企業の人事・採用担当という経歴を持つスタッフが多く、企業目線でのアドバイスも可能です。要望に応じて、履歴書の添削や面接の指導なども行ってくれるため、就活や転職の不安が軽減されるでしょう。

個別支援は完全予約制で、所要時間は1時間程度です。通常のハローワークのように待たされる心配がなく、学校やアルバイトの合間でも気軽に利用ができます。

就職フェアや各種セミナー

年間を通じ、就職面接会や各種セミナーが開催されています。会社説明会や面接会では、気になる企業の詳細が分かるのはもちろん、同じ業界・企業を目指す他の就活生とも知り合えるのがメリットです。

自治体によっては、以下のようなイベントを実施しているため、積極的に活用しましょう。

  • 面接トレーニング
  • 自己PRセミナー
  • 就活メイクのアドバイス
  • 社会人マナー講座
  • グループディスカッション

臨床心理士による心理面のサポート

内定がなかなか決まらないと、焦りや不安を覚えてしまいます。人と比較して落ち込んだり、ネガティブな方向に考えたりして、自信を失ってしまう人も珍しくありません。

新卒応援ハローワークでは、臨床心理士によるカウンセリングが提供されており、以下のような悩みを抱えた人が多く利用しています。相談は予約制で、内容が第三者に漏れる心配はありません。

  • コミュニケーションが下手で活動がうまく進まない
  • 仕事が決まらず、心が折れそう
  • 就職先について家族が納得してくれない
  • 面接で失敗が続き、自信がなくなった

求人情報の検索や紹介

ハローワークと同じように、求人情報の検索や求人の紹介にも対応しています。

ハローワークインターネットサービスを利用すれば、自宅にいながら求人検索ができますが、新卒応援ハローワークに足を運べば、ネット上には公開されていない求人情報を入手できるのがメリットです。

求人には新卒者向け・既卒者向け・中途採用者向けの3種類があり、職員が利用者のスキルや経歴に基づいた案件を紹介します。

施設によっては、適職診断をはじめとする各種適性検査が受けられます。自分を深く理解した上で、長所や強みを生かせる仕事を探しましょう。

新卒応援ハローワークのメリット・デメリット

就職活動

(出典) pixta.jp

新卒応援ハローワークを通じて転職・就職を成功させるには、利用のメリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。仕事探しの手段は1つだけではありません。他の手段と比較するのもよいでしょう。

質の高いサポートが無料で受けられる

新卒応援ハローワークでは、質の高い支援を全て無料で享受できます。就職支援ナビゲーターやジョブサポーターによる個別支援が最大の特徴で、一般的なハローワークよりも対応がきめこまやかです。

転職エージェントなどでも同様のサービスを提供していますが、内定による成功報酬が絡んでくるため、中には自分には合わない仕事を紹介されたり、内定承諾を迫られたりするケースもあるようです。

その点、新卒応援ハローワークは自分のペースで職探しや就職相談ができる上、サービスを何度利用しても嫌な顔をされません。就職前のサポートはもちろん、就職後のアフターフォローにも力を入れています。

全ての求人が優良企業とは限らない

新卒応援ハローワークで紹介される求人情報は、基本的にハローワークと同じです。求人数は多いものの、案件ごとに質のばらつきがあるのがデメリットです。

中には求人票と実際の労働条件が異なるものや、離職者が絶えない要注意案件が混じっているケースもあります。

ハローワークへの求人掲載には、料金がかかりません。掲載に伴う審査がそれほど厳しくないため、求人も玉石混交となりやすいのが実情です。

ブラック企業を回避するポイントは、担当者から企業情報をしっかりと聞き出すことです。求人掲載期間や企業の評判、過去の応募者の数もヒアリングしましょう。

若年層を支援するその他のサービス

就職活動の面接

(出典) pixta.jp

新卒応援ハローワークの利用要件を満たさなかった若年層は、「わかものハローワーク」や「ジョブカフェ」を活用しましょう。国や都道府県が運営する公的サービスで、どちらも無料で利用できます。

35歳未満が対象の「わかものハローワーク」

わかものハローワークは、正社員を目指すおおむね35歳未満の若年層が対象です。55歳未満までの就職氷河期世代を対象としている自治体もあり、新卒応援ハローワークよりも、受け入れ幅が広いのが特徴です。

主な支援内容は新卒応援ハローワークとほぼ同じで、以下のような個別支援による手厚いサポートが受けられます。

  • 就職支援ナビゲーターによる個別支援
  • 各種セミナーの受講
  • 求人検索・求人紹介
  • 就職後のフォロー
  • 心理カウンセリング
  • 適職診断の実施
  • 職業訓練の紹介

拠点は全国に21カ所のみですが、ハローワーク内にわかもの支援コーナーやわかもの支援窓口を設け、同様の支援を提供している自治体もあります。

参考:わかものハローワーク|厚生労働省

都道府県が主体の「ジョブカフェ」

ジョブカフェは都道府県が運営主体です。利用対象者の年齢は自治体ごとに異なりますが、就職氷河期世代を含むケースも多いでしょう。

正式名称を「若年者のためのワンストップサービスセンター」といい、各地域の特色を生かした、以下のようなサービスを提供しています。

  • 職業相談
  • 職業紹介
  • 就職セミナー
  • 職場体験
  • カウンセリング
  • 保護者向けのセミナー

多くは県庁所在地に設置されていますが、出張所を設けてサービスを提供する自治体もあります。「あきた就職活動支援センター」や「ヤングキャリアセンター埼玉」など、自治体ごとに名称が異なる点に注意しましょう。

拠点数は46カ所で、ハローワークに併設されたジョブカフェもあります。

参考:ジョブカフェにおける支援 |厚生労働省

就活・転職は公的支援を賢く活用しよう

就職活動をする女性

(出典) pixta.jp

新卒応援ハローワークでは、ハローワークよりも手厚いサポートが受けられます。履歴書の書き方や面接時のマナー、コミュニケーションの取り方などを教えてもらえるため、自信を持って就活・転職に臨めます。

一方で、ハローワークを通じた就活・転職にはデメリットもあります。求人数が限られている上、全ての案件が優良企業のものとは限りません。公的支援を受けながら、求人検索サイトも並行して活用しましょう。

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