土曜日も開いてるハローワークはある?開庁時間やサービスを確認

ハローワークは、失業中の人だけでなく、在職中で転職を希望する人も利用が可能です。平日に足を運べない人の場合、土曜日でも職業相談サービスは利用できるのでしょうか?開庁時間やサービス内容を詳しく解説します。

ハローワークは土曜日も利用できる?

ハローワークの看板

(出典) pixta.jp

ハローワークは厚生労働省が運営する行政機関です。就職や転職を目指す人に対しては、職業相談や職業紹介などのサービスを無償で提供しています。ハローワークは土曜日でも利用できるのでしょうか?

基本的な開庁日と開庁時間

ハローワークは国が運営しているため、開庁日は役所とほぼ同じと考えてよいでしょう。利用できるのは平日(月曜日~金曜日)の8時30分~17時15分までが原則です。開庁時間が通常と異なる施設もあるため、来所前にWebサイトを確認しましょう。

提供するサービスは、職業相談や職業紹介などの「就職支援」と「雇用保険(失業給付)の受給手続き」に大別されます。就職支援を受ける人は平日の9時~17時に足を運ぶのが望ましいでしょう。

参考:ハローワーク |厚生労働省

一部は土曜日・平日夜間も利用可能

ハローワークは、失業した人が雇用保険の手続きに行く場所というイメージがありますが、在職中の人が転職に向けて職探しをする場所としても利用可能です。

平日の日中はハローワークに足を運べない人が多いため、土曜日や平日夜間に開庁時間を拡大している施設もあります。特に、新型コロナウイルスが5類感染症に移行してからは、サービス時間を延長する施設が増加傾向にあるようです。

例えば、都内にあるハローワーク飯田橋(飯田橋公共職業安定所)の開庁日は平日と第1・第3土曜日で、土曜日の開庁時間は10時~17時です。

参考:サービス提供時間延長実施施設(令和5年8月1日現在)

都内ハローワークで土曜日等職業相談を拡充します|東京ハローワーク

紹介状発行の可否は事前に確認

求人に応募する際は、ハローワークの紹介状が必要です。紹介状の発行にあたり、ハローワークの職員が企業の採用担当者にその場で電話をし、面接日の調整を行うのが基本です。

急人への応募は、以下のような流れで進めます。

  1. ハローワークのPCで求人を探す
  2. 職員に求人の詳細を確認する
  3. 職員から応募先に連絡をしてもらい、応募の了承を得る
  4. 職員が紹介状を発行し、控えを求職者に手渡す
  5. 紹介状の控えを持参して応募企業の面接に出向く

応募企業が休みであれば、担当者と日程調整ができないため、日を改めてハローワークに足を運ばなければならない可能性があります。

土曜日に利用する際は、紹介状発行の可否や面接までのフローを事前に確認しておきましょう。

お盆や年末年始の開庁日は?

ハローワークの開庁日は平日のみ(一部を除く)で、土日祝日は基本的に休みです。お盆やゴールデンウィークなどの長期休暇はカレンダー通りで、土日祝日以外は利用できます。

年末年始は、例年12月29日~1月3日を閉庁日とするケースが多いようです。詳細は窓口で確認しましょう。

年始直後は、窓口が混雑する恐れがあります。年明けの就職・転職を考えている人は、年末年始よりも前にハローワークに足を運ぶのが賢明です。

平日にハローワークへ行けない場合は?

スーツでデスクワークする女性

(出典) pixta.jp

在職中の人は、平日にハローワークに足を運ぶのは困難です。職探しをする場合は、「オンライン自主応募」または「土日に開庁しているハローワーク」を利用しましょう。

オンライン自主応募を利用

ハローワークでは、ハローワークの求人をオンライン上で簡単に検索できるハローワークインターネットサービスを提供しています。都合のよい時間帯に求人検索ができる上、オンライン自主応募を活用すれば求人への直接応募が可能です。

ただし求人案件の中には、ハローワークの紹介を必須とするものも存在します。オンライン自主応募を受け付けていない場合、紹介状発行のためにハローワークに足を運ばなければなりません。

ハローワークの紹介を受けて人材を採用すると、企業は各種助成金(特定求職者雇用開発助成金・トライアル雇用助成金・地域雇用開発助成金)の支給対象となります。

オンライン自主応募は助成金の支給対象外のため、ハローワークを通じた応募を希望する企業もあるようです。

参考:ハローワークインターネットサービス - オンライン自主応募について ~求職者マイページをお持ちの方へ~

土曜日に開庁しているハローワークを探す

平日に仕事がある人は、土曜日に開庁しているハローワークを利用するのも1つの手です。窓口でのサービスに加え、土曜日や夜間のオンライン職業相談サービスを実施しているハローワークもあります。

雇用保険の受給手続きは、住所を管轄するハローワークを利用する必要がありますが、職業相談や職業紹介といった就職支援サービスについては、自宅近くのハローワークに行かなければならないという決まりはありません。

利用の際は、ハローワークで発行された「ハローワークカード(ハローワークに登録したことを証明するカード)」を持参しましょう。

なお、ハローワークを初めて利用する場合は、住所を管轄するハローワークで「求職申し込み」を行い、ハローワークカードを発行してもらう必要があります。

参考:ハローワークの職業相談・職業紹介サービスのご利用に当たって|厚生労働省

ハローワークの主なサービス内容

相談窓口

(出典) pixta.jp

ハローワークは国が運営する総合的雇用サービス機関として、就労や雇用に関するさまざまなサービスを提供しています。主なサービスは「職業相談・職業紹介」「職業訓練の案内・申し込み」「雇用保険の受給手続き」の3つです。

具体的な内容を見ていきましょう。

職業相談・職業紹介

ハローワークでは、職業相談や職業紹介を行っています。職業相談とは、就職や転職に関する悩みや疑問を、スタッフに相談できるサービスです。マンツーマンが基本で、以下のような相談内容に対応しています。

  • 求人票の見方が分からない
  • 面接での受け答えに不安があるので、面接指導をしてほしい
  • 履歴書・職務経歴書の添削をお願いしたい
  • 自分にぴったりの職業が分からず困っている
  • 求人票の内容をもっと詳しく知りたい

職業相談・職業紹介・求職の申し込みには、一定の時間がかかります。サービス内容によるものの、1回あたり30~40分と考えておきましょう。

一部のハローワークは土曜や夜間の利用も可能ですが、応募企業に連絡がつきにくいため、平日の9時~17時の間に足を運ぶのがおすすめです。

職業訓練の案内・申し込み

ハローワークでは、離職者や求職者などを対象とする「職業訓練(ハロートレーニング)」も提供しています。

雇用保険の受給者を対象とする「離職者訓練」や雇用保険を受給できない求職者を対象とする「求職者支援訓練」、在職者を対象とする「在職者訓練」などがあり、再就職や業務遂行に必要なスキルを集中的に学べるのが特徴です。

離職者訓練と求職者支援訓練を受けるには、職業相談を通じて受講が必要と認められる必要があります。受講料は無料(テキスト代は自己負担)で、訓練期間は数カ月~2年前後です。

在職者訓練の訓練期間は2~5日前後で、受講料は全て自己負担です。詳細については、ハロートレーニングの特設サイトを確認しましょう。

参考:ハロートレーニング|厚生労働省

雇用保険の受給手続き

雇用保険の加入者が失業した場合、ハローワークで雇用保険(失業給付)の受給手続きを行います。

初回は「受給資格決定」と「求職の申し込み」を行う必要があり、手続きに一定の時間を要します。遅くとも16時までには来所するようにしましょう。雇用保険に関する手続きは平日のみで、土曜日や夜間は対応していません。

受給資格決定後は、失業認定のために4週間に1回の頻度でハローワークに足を運びます。失業認定日は完全予約制で、やむを得ない事情がない限り、認定日の変更はできないのがルールです。

参考:ハローワークインターネットサービス - 雇用保険手続きのご案内

ハローワークを利用する際の留意点

ハローワークの現場

(出典) pixta.jp

ハローワークの最大のメリットは、サービスを無償で利用できる点です。一方で、職探しをするにあたっては、デメリットや留意点もあります。

混雑する時間帯がある

ハローワークには混雑する時間帯があります。有給休暇を取ってハローワークに行っても、待ち時間が長すぎて貴重な時間を無駄にしてしまう可能性があるでしょう。

混雑が予想されるのは、休み明けの午前中です。夜間まで開いているハローワークは、夕方頃からの混雑が予想されます。開庁直後やお昼の時間帯、17時以降は対応できる職員が少なくなるため、通常よりも時間がかかります。

ハローワークによっては、職業相談の予約が可能です。混雑状況をリアルタイムで把握できるシステムを導入しているケースもあるため、混雑具合を確認した後に足を運びましょう。

掲載求人の質が一定ではない

ハローワークの求人は、全てが優良案件とは限りません。掲載求人の質にばらつきがあり、中にはあまり評判のよくない企業の案件も紛れています。

求人の質が一定でない理由としては、掲載費がかからないことや求人掲載の審査がそれほど厳しくないことが挙げられます。

職業相談や職業紹介では、応募先の詳細を職員にしっかりと確認しましょう。時間はかかりますが、転職を成功させるには、できるだけ多くの企業情報を集める必要があります。

実態と求人票の内容に相違がある場合は、求職者・就業者専用の「ハローワーク求人ホットライン」に相談しましょう。

参考:ハローワークインターネットサービス - ハローワークの求人票と実際が異なる旨の申し出等について

ハローワークと併用したいサービスは?

検索する手元

(出典) pixta.jp

仕事探しの手段はハローワークだけではありません。転職エージェントや転職・求人情報サイトを活用すれば、転職活動が劇的にはかどります。

転職エージェント

転職エージェントとは、転職を検討している人に対し、職業相談や職業紹介を行う民間企業です。

一般求人はもちろん、一般公開されていない「非公開求人」や転職エージェントを通じてのみ応募ができる「独占求人」も取り扱っており、ハローワークの求人よりも質のばらつきが小さいのが強みです。

企業とのやりとりは、転職エージェントの担当者を通じて行われます。転職に関することなら何でも相談できるため、理想のキャリアプランを描きやすいでしょう。

一方で、相性がよくない担当者の場合、話がかみ合わなかったり、求人への応募を無理にすすめられたりして、転職活動に前向きになれない可能性があります。自分に合わないと感じたら、担当者の変更を申し出ましょう。

転職・求人情報サイト

転職・求人情報サイトは、自分のペースで仕事を探せるのがメリットです。求人検索から応募までをオンラインで行えるため、ハローワークに行く時間がなかなか確保できない人にはぴったりでしょう。

オンラインで求人を探すなら、「スタンバイ」がおすすめです。雇用形態や職種、エリアなどで簡単に求人が絞り込めるので、理想の仕事がいち早く見つかります。

転職・求人情報サイトのデメリットは、全ての転職活動を自力で進めなければならない点です。自分の市場価値を把握していない人は、能力に見合わない求人に応募してしまう可能性があります。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら

仕事探しは複数の手段を上手に活用しよう

スーツ姿で歩く男性

(出典) pixta.jp

全国には、土曜日や夜間の利用が可能なハローワークがあります。ただし、利用できるサービスが一部に限られているため、できるだけ平日の日中に足を運びましょう。

予約サービスや混雑状況確認サービスを利用し、混み合う時間帯を避けるのがポイントです。

転職エージェントや転職・求人情報サイトを使っていても、ハローワークのサービスは問題なく利用できます。仕事探しをする際は、複数の手段を上手に組み合わせるのが賢いやり方です。